PSYCHO-PASS Shepherd of the Sun 作:キラトマト
僕らが待っていると、パトカーが数台、こちらに向かってくるのが見える。
「あ、みんな来ましたよ!」
パトカーから一係の人達や、その他、刑事さんが降りて、こちらに向かって来る。
「加賀美監視官、来栖崎執行官。少しこちらに来てもらえないかしら?」
霜月さんに呼び出される。
「加賀美監視官! 電話してるのに出ないってどういうこと?!」
「あぁ、電話ですか。なんか、かかってきましたけど……」
「なんかかかってきた、じゃないわよ! 初任務のはずだったのに……まったく」
「それに来栖崎執行官! あなた公共の場でデコンポーザー使ったって本当?!」
(デコンポーザー? あの変形したやつかな?)
「使いましたけど、何か問題でも?」
と、ひさぎは悪びれもせずに答える。
「問題ありまくりよ! それに────」
「霜月監視官。まずは現場の調査」
霜月さんは常守さんに咎められて、現場の調査に入る。
◇◇◇
「なにこの数値……?」
目の前のお爺さんにドミネーターを向けた霜月監視官の最初の一声は困惑の声であった。
(なにこれ……青柳監視官からの報告ではドミネーターは反応しないって言ってたじゃない!)
「霜月監視官、執行しないと」
常守監視官に言われ、トリガーを押そうとした矢先、お爺さんが舌を噛みちぎってしまう。
◇◇◇
被疑者が、死んでしまった。あの荒廃した世界にいた頃の僕なら、何も反応しなかったであろう。だが今は違う、この世界は、犯罪を起こす前に逮捕される。そんな世界なのだ、少し気が緩んでしまっていたのかもしれない。
「サン。サン!」
考え込んでいると、ひさぎが入ってくる。
「ん? なんだひさぎ。こんな夜中に」
「あんた、様子変だったから来たの。しかもあんた家ないからって、公安局に泊まるとか、どうかしてんじゃないの?」
「ま、確かにここは流石にダメか」
それもそうだ、まだデスクで雛河くんが仕事をしているし。もっともな指摘であろう。
「仕方ない。じゃあ僕はどこで寝ればいいんだ? ひさぎ」
「えっと……じゃ、じゃあ私の部屋に……来る?」
どうやら泊めてくれるらしいが、いいのだろうか? いや、ひさぎの意見じゃなくて潜在犯がどうこうとか。
「いいのか? その……執行官の部屋で寝泊まりするなんて……」
「別にいいでしょ、ダメだったらその時考えれば?」
「また霜月さんに怒られろって言ってるのか? 絶対嫌だよ」
「どうせ怒られるだけで謹慎処分とかにはならないでしょ」
「だといいんだけど……」
ともかく、今日のところはひさぎの部屋に泊めてもらうことになったが、早めに住むところ見つけないとなぁ、ひさぎに迷惑かける訳にはいかないし。
「ふわぁー、おはよう。って、ひさぎなんでもう着替えてるんだ?」
「あんた起きるの遅すぎ。もうすぐ作戦開始だから、早く着替えて」
「着替えて、って……」
「そこの機械で服自由に着替えられるわよ」
ひさぎに言われ、その機械で服を決める。すると、瞬時に服装が変わる。
(すげぇな。この世界、未来的すぎるだろ)
「早く乗るわよ!」
と、指さされたのは一台の車。そこには常守さんと東金さんが既に乗っており、あとは、僕らが乗れば直ぐに発車します。といった感じであった。
「すみません遅れました!」
「謝罪はいいから、早く乗って!」
僕らは素早く車に乗り、作戦概要を腕の端末で確認する。
その説明によると、カムイ? 今まで起きた事件の犯人が潜伏しているらしい軍事ドローン実験場へと行くらしい。まぁ要は調査なんだが、一係から三係までのほぼ全員が出動するらしい。
と、常守さんの腕から着信音が鳴る。
「なに? 霜月監視官」
「あの、こんなに大所帯で行く必要は無いと思って掛けさせて頂きました。こっちも大変なんです!」
霜月さんが嫌味ったらしく抗議する。
「これは禾生局長の命令なの。それに、人数配分は言っておいたはずだけど」
「だからその人数じゃ足りないと────」
「ごめん着いたから切るわね」
(常守さん、それはちょっと酷いと思う……)