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隼Side
俺は粕壁隼、今年から晴れて大学生になる。
現在俺はババアが亡くなったと役所から聞いて実家に一時帰宅していた。
「あれから3年か…クソババアやっと亡くなったのかよ。」
此処から出ていく時の記憶が蘇る。
それはそうと猛もまだ此処に居るのだろうか。
「まぁいいか。」
そう言い俺は中へ入る。
店の中は猛が掃除しているのか少しは綺麗にされている。
「けどまぁ…相変わらずボロい店だな。これは売るより潰した方が金になるか。」
店内を歩きながら呟く俺。
そして『関係者以外立入禁止』と貼られたドアの鍵を開け中に入る。
ギシギシと音を立てる床。
それを気にせず居間に入り座り込む。
「しかしどこから手をつけたものか…」
「秋水ちゃーんもう部活終わったの?洗濯するから何かあるなら早めに…」
「え?」
「えっ?」
「「・・・・・・」」
知らない女の声がしたので振り返るとそこに居たのは下着姿で洗濯カゴを手にした赤髪の女が居た。
「キャアアアアッ!?」
「はあああ!?な、何で俺ん家に裸の女が…!」
10数秒の沈黙が流れ声を上げたのは赤髪女の方だ。
悲鳴をあげられ俺は何故知らない奴が居るのかをほっといて急いで離れる。
「ただいまー桜花さん、部活終わったよー!パンツまで汗びしょびしょだかる洗っといてー!」
「!?」
「ん?」
目の前に現れた2人目の女、今度は完全に真っ裸のポニーテールが笑顔でパンツを渡してきた。
パシッ
「いやいやなんでだー!!?」
1度は手にしたがすぐ様投げ捨て、後ろを振り返って逃げる。
「何で…裸の女が2人も居るって3人!?」
風呂場の引き戸を開けると今度は金髪ショートの女がバスタオルで頭を拭いていた。
「わっ!?」
「4人!?」
次は黒髪のショートの女が着替えていた。
「ぐ〜~〜~〜」
「嫌どんな寝相だよ!」
ツインテールの女がだらしない寝相をしていた。
「多いわ!何で5人も居るんだよ!!」
「待てーー!」
知らない女が5人も居る事に俺は黙っていられなかった
誰かが走ってくる音がし振り返ると…
「お前空き巣だな!」
「なっおまっ!?」
先程のポニーテール女が何も着替えず走って来、俺を空き巣だと誤解しながら俺の後頭部に蹴り技を食らわした、
(ノック●ウト!クリティカルス●ッシュ!!)
ゴッ!ドサァ…
「セイっ!」
そして俺は気を失ったのであった。
帰ってきて早々不幸だ…
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Noside
「悪かったわね、勘違いだったみたいだわ!」
「そう思うなら縄を解いて目を合わせて謝れよ!てか何で亀甲縛りなんだ!?」
「わり、それ俺。」
「お前が犯人か!何でこの縛り方にした!?」
「んーー何となく?」
「巫山戯んな!!」
隼が目を覚ました後、猛と女子5人は居間に集まっていた。
桜花が罪悪感無しの謝罪を亀甲縛りで拘束されている隼に言うも本人は聞き入れず弟の猛に5人の事を聞こうとする。
「てか猛!コイツらは誰だ!家に上がり込んでなにしてる!ババアとどういう関係だよ!!」
「そんなにギャーギャー騒ぐなよ、発情期なんですかコノヤロー」
「うるせぇ!!」
ギャーギャー騒ぐ隼にからかう猛。
そこに白菊が秋水の背後からひょっこりと顔を出し隼の質問に答える。
「…あの…家族…です。」
「家は3人家族だ!!つーか俺とコイツの2人になったけどな!!」
白菊を睨みながら言う隼。
人見知りな彼女は驚き秋水の背後に顔を引っこめる。
「"家族だと思ってくれ”って言われたんだよ。」
「は?」
続けて話したのは紅葉。
隼の言葉を無視し、彼女は話を進める。
「ウチらはここの喫茶店でバイトしてたんだけど"部屋ならたくさん空いてるから家に住んでいいよ"って言われたんだ。」
「だから私達はここに住む権利があるんだよ!」
「そういうコトよ!アンタもサッサと東京に帰んなさい!」
亡くなった隼達の祖母が5人を住み込みでバイトしていた事を紅葉と秋水と桜花が言う。
しかし隼は納得していない顔である。
「何が権利だ赤の他人が!だったら俺にだってお前らを追い出す権利がある!」
「じゃあさ、俺にも権利があるんじゃ?」
「末っ子は黙ってろ!」
「(゚◇゚)ガーン… HEYYYYY!!あぁぁぁんまぁぁりぃだぁぁぁああ!!?」
F原K治ボイスの某柱の男みたいに泣き出す猛。
それを見た隼はギョッとなり焦り出す。
「お、おい…そんなに泣く事無いだろ…」
「うわー見てよ桜花ちゃん、お兄ちゃんが弟を泣かしてるー(棒読み)」
「うわーさいてーね(棒読み)」
「そこ!泣かしたのは俺だが悪人みたいに言うな!?」
近所の叔母はんみたいに話し出す流星と桜花にツッコミを入れる隼。
「ほら猛、俺が悪かったから泣き止んでくれ!」
「 うぉぉぉぉおおおん!!?………………………」
「た、たけっち?」
大声で泣き叫んでた猛だったが突然ピタッと泣き止む。そして……
「フゥーースっとしたぜぇ。俺は少し荒っぽくてな?激高しそうになると泣きわめいて冷静さを保ってるんだ。」
「面倒い保ち方だなオイ!てかお前はサッサと縄解け!」
「はいはい!はいは1回!」
「お前が言うな!?」
縄を解く様に言う隼にセルフボケをかます猛。
そう茶番をしながら猛は隼の背後に回り縛っている縄をスルスルと解いていく。
「ていうか…アンタこそ3年もおばあちゃんほっといて何してたのよ?葬式代だって猛君と私達で出したんだからね?」
「そ、それは…「俺が高校入る前に婆ちゃんと喧嘩して出てった後だしその様子だと役所から連絡あるまで知らなかったみたいだな。」ギクッ!?…仰る通りです…」
言い訳をしようとするも猛に論破され正直に言う隼。
「可哀想…こんな薄情者じゃおばあちゃんも浮かばれないわね。」
桜花の言葉に隼の怒りは遂に爆発した。
「あーーもう!葬式代なら全部出してやる!そして出てけ!此処は俺達の家だ!!」
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ファミリア兼粕壁家から近くの海岸。
俺と兄貴に追い出された5人は夕陽を眺めていた。
「……すみません皆さん。兄貴は昔あんな風じゃなかったんだが…」
「ううん、気にしてないから猛君もホラ、顔を上げてください。」
頭を下げる俺を見て皆は困った顔で止められる。
「でもどうすんのよ、このままじゃウチら追い出されちゃうよ?」
「んー…そこは俺が兄貴に説得するがその後が問題だからなー。あの野郎まさか家潰して駐車場にするとは…」
右手で頭を掻きながら悩む俺。
兄貴が帰ってきた理由、来月から大学に入る兄貴は家と店を解体し駐車場にする事だった。
「金の亡者よ!!猛君とは正反対だし本当におばあちゃんの孫なのかしら!!」
「ちょっとやめなよ、他の人見てるじゃん…」
「でもどうしましょう…もう解体業者に頼んだって言ってましたよ?」
兄貴の態度に不満を海に叫ぶ桜花さんとそれを見てやめるように言う流星さん、そして今後の事に不穏になる白菊さん。
「今出てけって言われても困るんだけど、ライブのチケット売れてないし。」
「わ、私だって引越しするお金なんて無いわ!」
「ていうか生活費すらヤバいしー!」
「どうすれば良いんでしょうね…何か方法を考えないと…」
紅葉さんの言葉を筆頭に皆は不満を言い合う。
俺も言いたかった。
将来の夢の一歩でもあるあの店は俺の大事な場所だ。
5人が追い出された後、俺は直ぐタイマンで話し合いしたものの…
「頼むよ兄貴!此処だけは残してくれ!俺は将来此処を継ぐと決めたんだ!」
「だったらお前は経営関連の事は勉強したのか?」
「………してない。バイトばっかしてたからそういうのは…」
「だったら店を継ぐのは止めとけ、最悪の場合お前の手で此処を潰す事になる。」
見事にボロクソに言われ敗退。
確かにバカの俺は力や運動能力なら兄貴に勝てるが成績は兄貴より格下で飲食店の経営の仕方なんてサッパリだからな。
「けどまぁ…兄貴が言ってた言葉は間違ってないしな。どうしたものか…」
俺が考えていた時少し気になることがあった。
現時点で秋水が何も喋ってない、あの
何か考え事をしているのかずっと海の方を見ていた。
「おーい、どうした鶴河?」
「えっ…うん…私、彼が空き巣だと思ってやっつけるのに必死で気づかなかったんだけどさ…よく考えたら私だけ全裸見られた!!しかも回し蹴りを正面から!!」
「「遅っ(せーよ!!)!?」」
先程の隼に回し蹴りをくらわした時全裸だった事に恥ずかしくなった秋水に俺と桜花さんはツッコミを入れる。
「っ………そうね、これだけ可愛い子がいるんだもん。使わない手は無いわ。」
「え?」
「どんなにカッコつけようと男なんてエロい事しか考えてないサルなのよ…!」
何か悪い企みを考えた流星さんを見て嫌な顔になる。
彼女の事だ、ハニトラで隼を追い出そうとするんだろう。
十中八九俺の感だ。
「それと猛君、ちょっと2人で話そうか?」
可愛い顔をしながら流星さんに連れてかれる。
彼女達だけでなく俺を巻き込むつもりだなコレ…
「何ですか流星さん?言っときますが俺は手を貸しませんよ。」
「え〜私まだ何も言ってないんだけど〜?」
「どうせハニトラで兄貴を性犯罪の濡れ衣を着せるんでしょう?」
「やだな〜違うってば?ただアイツに一泡吹かせたいだけだって。」
「そして証拠写真撮ってそれをダシに使い出て行かせるんでしょ?」
「……兎に角!貴方も手伝いなさい!さもないと…この子がどうなってもいいのかしら?」
そう言い流星さんは何故か持ってきた手提げバックの中からある物を取り出した。
ッ!!?そ、ソレは…!?
「俺の愛用のぬいぐるみ!?り、流星さん!いつの間に盗んだんだ!」
「あら?お忘れだったかな?だってコレ洗濯して干してたじゃない?」
ハッ!?そ、そうだった…朝方洗濯ネットに入れてカゴの中に入れていたのを思い出し顔から汗が止まらなくなる。
「そ、それをどうするつもりでしょうか…」
「そうねー…長い間使ってるみたいだけど結構抱き心地とか匂いも良いし私が一生使わせて貰おうかしら?」
「ひ、卑怯な手を…!」
「さぁどうする?大人しく手を貸すかこの子を見捨てて無視するか…」
ニヒヒっと笑いながら俺を見下す流星さん。
その顔に悔しさが心の奥から湧き出すが俺のやる事はただ1つ…
「喜んで手伝わさせて戴きます…!」○| ̄|_
「オッケー!それじゃあ宜しくね?」
土下座…っ!圧倒的土下座…っ!(ざわ・・・ざわ・・・)
(くそぉ…!なんで涙が…!)
こうして俺は、流星さんによる『粕壁隼ハニトラで追い出し作戦』が開始された!
(こうなったら仕方ない…兄貴に恨みは無いがこのまま作戦に乗ってやる!!許せ!)
次回へ続く!
ここ迄で4分の1ちょいか…頑張ろう。