タンタンタン……タン、と牌が河へ捨てられていく音が一定のリズムを奏でて空間を支配している。3つは一寸の迷いもなく、1つは長考の後に打たれた故。麻雀卓を囲むのは起家であるデミウルゴスから時計回りに南家アルベド、西家シャルティア、北家パンドラズ・アクターとなっている。場は東3局の平場。11巡目。
「こんどこそ~~~~!!リーチでありんす!」
親であるシャルティアから立直が入ったものの、他の3人は気にする様子も無い。そのまま数巡が過ぎていく。
(シャルティアは相変わらず守備や打ち込みなど考えず、最善最速で手を作っているのでしょう。河には第一打から字牌ではなく、筒子の①が捨てられている。つまり配牌でより有効な牌……④や⑤あたりを持っていた。①①①と並んでいた状態から捨てられた可能性も0ではありませんが、わたしが1枚持っていたことを考えれば可能性は低い。それに場に筒子は均等に捨てられ、萬子は極端に少なく索子が多い。そしてシャルティアの立直宣言牌は萬子の五……となると)
(……となると三三五 三四五五 と持っていた可能性が高いわね。六の萬子はわたしが3枚持っているからくっついた可能性は0ではないけれど排除しても構わない確率。三か四を頭にして見えていない七や八を使った待ちかしら。ならば六と九は捨てられないわ。リーチは自重して九萬を引いたら大人しくオリましょう。三三と他の対子を使った待ちだとしても三元牌やシャルティアの風である東はすでに切られている。ドラは筒子の⑥だからわたしが1枚持っている事を加味すればツモられる可能性は低い。筒子のドラまわり2牌か六・九萬が来るまでは押しても問題のない局面ね。)
(シャルティア殿の立直に対してデミウルゴス殿もアルベド嬢も引く気配がありませんね。アルベド嬢は字牌や端牌を捨てている典型的な断么九手、デミウルゴス殿は途中まで筒子の染手気配でしたが、萬子を抑えていますね。ならばこれは切れない。)
「くうううう!全然来てくれりゃせん!」
シャルティアが悔し気にツモった萬子の五を切ると……
「「「 ロン 」」」
「はいいいい!?」
②②③③④④ ⑥⑥⑥⑦⑧ 六七
「断么九・平和・一盃口、ドラ3。跳満だね。」
四六六六 ④⑤⑥ 344556
「断么九・三色同順・ドラ1 満貫ね。」
南南南 九九九 一一二二三三 五(赤牌)
「やはり五萬が当たりでしたか。無理に高めを狙わずよかったです。南、一盃口、混一、赤ドラ。跳満は12000点となります。ご無礼、シャルティア嬢」
「またわらわのトビ終了でありんすか!?これで何回……123456……あああああああもおおおおお!」
「この遊戯は魂や血液を賭けることもある神聖なもの。至高の御方々の中でもウルベルト様やぺロロンチーノ様が好まれたと聞く。もちろん……」
「もちろん負けたまま終わるなど赦されるはずがありんせん!しかもこの結果はアインズ様にご報告が行くのでありんしょう!?ここから大逆転をみせてやるでありんす!」
「そうかい。楽しみにしているよ。」
アインズが守護者同士の交友を深めるため提案した麻雀大会。その結果はシャルティアの精神的被虐という結末で幕を下ろそうとしていた。