歌が嫌いになった孤独な少年   作:武田光璃

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3話

八幡がクリスを家に連れてきた夜、

八幡「んじゃ俺は散歩でもしてくるかな。雪音はどうする?」

クリス「あたしも一緒にいく。それに雪音じゃなくてクリスって呼んでくれよ。何か他人行儀だろ。」

八幡「他人行儀ってな。会ったばっかり何だから当然だろ。」

クリス「これから私の側に居てくれるんだろ。だったらいいじゃねぇか。」

八幡「はぁ...出来るだけな。来いシャドウ。」

シャドウ「おう。」

二人はそのまま公園で少し歩いていた。

クリス「...八幡はノイズが憎いんだろ。詳しくはさ知らないけど優しいんだな。」

八幡「俺のどこが優しいんだよ。俺が優しいなら世界中の人が優しいだろ。」

クリス「そんなことねぇ。大人達は自分の都合の良いときしか動かねぇ。そんなのと比べたら八幡の方がずっと優しい。」

八幡「....お前の両親はきっとお前のことは大切に思ってたはずだ。自分の子供を嫌う親なんて居ないからな。」

クリス「...八幡はそうだったのか?」

八幡「あぁ。数秒前まで話してた親が灰に変わってるの見て怒り狂ったがな。」

クリス「ぇ?」

八幡「歌が嫌いだ、大嫌いだ。シンフォギアの歌を聞けば暴走をしてしまうだろうな。それぐらい正直にいってトラウマなんだ。」

クリス「...シンフォギアが助けてくれなかったから怒ったのか?」

八幡「そんなわけねぇだろ。それは俺が無力だったからだ。俺が嫌いになったのはそれを知っていながら俺達を助けようとしなかったからだ。その光景を見ていたくせに動かなかったやつがいたんだよ。」

クリス「八幡...!」

八幡「....なんの真似だ。」

クリスは八幡の背中に抱きついて

クリス「私は絶対に八幡のことを見捨てたりしない!だからそんな悲しい顔するなよ。」

八幡「....クリス。ありがとよ。少しは気が軽くなったわ。」

クリス「それならいいんだ。おい八幡、あれって何だ?」

八幡とクリスの目の前でベンチに座って泣いている少女とその目の前に立っている少年がいた。

クリス「こらお前!いじめて泣かしたのか!」

「ち、違うよ!」

八幡「どう見ても泣いてるのをあやしてるだけだろうが。ちゃんと見ろよ。」

クリス「へ?」

「ぐすっ、、お父さんが居なくなって....」

八幡「そうか。兄弟で探してたのか。偉いな。だけどこんな時間にお前たち二人じゃ危ないだろ。」

「ご、ごめんなさい。」

八幡「よし、一緒に探してやるよ。クリスはどうする?」

クリス「八幡に着いてきてるんだから一緒に行くに決まってるだろ。」

八幡「へいへい。どっこいしょっと。」

八幡は少女を持ち上げて肩車をした。

「わぁ!たかぁい!」

八幡「こっちの方が見えやすいだろ。ほらお前も。」

少年に手を差しのべて手を繋いだ。

クリス「ん。」

クリスは反対側の手を繋ぎ歩き出した。クリスは自分では気付かないうちに鼻唄を歌っていて少女はそれを見ていた。

クリス「な、なんだよ。」

「お姉ちゃんお歌好きなの?」

クリス「...少しは好きになれたかもな。」

「?」

八幡「....お前は自分の歌は壊すことしか出来ないって思ってるからそう言うんだろ。だけど守ることだって出来ることを忘れるなよ。」

クリス「あぁ。八幡のためにもその気持ちは忘れねぇよ。」

「何だか二人って仲良いよね。まるでお父さんとお母さんみたい!」

クリス「ばっ!?そ、そんなわけないだろ!?八幡とだなんて...そんな....」

「照れてるな。」

八幡「ほらほら。あんまりいじめてやるなよ。」

「「はーい!!」」

クリス「何で八幡の言うことは聞くんだよ!」

喋りながら歩いていると交番が見えて男の人が出てくると

「あっ!父ちゃん!」

「お父さん!」

「お前たちどこに行ってたんだ。」

「お姉ちゃんとお兄ちゃんが一緒に迷子になってくれたんだ!」

「違うだろ。一緒に探してくれたんだ。」

「二人がご迷惑を。」

クリス「い、いや。成り行きだから。」

八幡「お礼を言われるほどじゃないですよ。」

「ほら、ちゃんと言いなさい。」

「「ありがとう!」」

「お兄ちゃん!これ上げる!」

八幡「ん?アメか?」

「一緒に探してくれたお礼!」

八幡「そっか。ありがとな。」

八幡はそう言って頭を撫でて

八幡「お前はこれからも妹を守ってやれよ。」

「うん!」

そうして家族が帰ろうとした時警報が鳴り響いた。

八幡「は?」

「!!お前たち!早くシェルターに!」

「父ちゃん!後ろ!」

「はっ!?」

二人の父親の後ろにノイズがおり今にも触れようとしていた。それは八幡の母親と全く同じ光景で。

八幡「シャドォォォォ!!!」

シャドウ「時間が無いなら簡易的なやつだぞ!!」

八幡は瞬時に動きノイズを斬った。

八幡「早く逃げろ!妹をしっかり守れよ!」

「兄さんは!?」

八幡「ノイズを倒す。後、ここで見たことは内緒にしててくれよ。」

八幡の姿は鎧ではなく腕と足に鎧のパーツが着いてるだけの簡易的な装備だった。

八幡「数は少ないな。このままで行く。」

シャドウ「あいよ。死にそうになったらちゃんと言えよ。」

八幡は走り始め

八幡「クリス!お前はどうする!戦うのか逃げるのか!」

クリス「私は....私は戦う!八幡の力になるために!」

クリスはそう言い聖詠を歌いシンフォギアを纏った。

クリス「八幡!大丈夫か!?」

八幡「あぁ。まだ行けるぞ!」

八幡は地上にいるノイズを倒しクリスは空中にいるノイズを倒していった。

八幡「....終わったか。」

クリス「たぁーー。急に現れるからビックリしたぜ。それにしても八幡は反応が速かったな。」

八幡「....母親と同じ状況だったから反射的に動いてな。」

クリス「そっか。とにかくお疲れ様だな。」

八幡「おう。」

シャドウ「後数秒であいつらが着くぞ。」

八幡「クリス、掴まれよ!」

クリス「うひゃあぁぁぁ!!」

八幡は全速で家に帰っていった。

 

翼「....やはり既に倒されていたか。」

響「今回はかなり早めに着いたはずなんですけどね。どうして私達が来る前に離れるんでしょうか。」

弦十郎「話したくないのだろうな。だが比企谷の反応があったときイチイバルの反応もあったから恐らく雪音クリスも近くで一緒に戦ったはずだ。」

翼「シンフォギアを嫌う彼がですか?」

弦十郎「何かしら心変わりがあったのかもしれないな。雪音クリスと話して。」

翼「...それにしても処理が速すぎる。どうして。」

「兄さん!?」

「お兄ちゃん!!」

「「!!」」

二人はすぐにシンフォギアを解き二人の子供のところに向かった。

響「どうしたの?ここはノイズがさっきまで居たところだから危ないーー」

「さっき一緒に父ちゃんを探してくれて俺達のことを助けてくれた兄さんがいたんだよ!」

「お兄ちゃん!!何処にいるの!」

翼「!!そのお兄ちゃんって言うのは女の人を連れてなかったか?」

「お姉ちゃんのこと?」

翼「間違いない。比企谷が近くにいたようだな。」

響「その人はノイズと戦ってたの?」

「それは言えない。誰にも言わないでって言われてるから。」

「お兄ちゃん!それじゃあ駄目だよ!」

響「あはは...それじゃあ戦ってたって言ってるのと同じだね。」

「あっ!!ど、どうしよう。兄さんとの約束破っちまった。」

翼「気にするな。我々も他の者に言うつもりはないからな。」

響「でもこれで分かりましたね。比企谷君は人のために動いてることが。」

弦十郎「俺達の仲間になってくれたら心強いんだがな。」

 

八幡「だぁー!疲れたな。」

クリス「風呂に入ってきていいか?」

八幡「好きにしろよ。...あっ、着替えとかどうするつもりだ?」

クリス「あっ!し、しまった!考えてなかった。」

八幡「...仕方ない。下着は明日買うとして寝間着は俺のを使え。」

クリス「わ、わりぃな。」

八幡「気にするな。...バイト増やすか?でもなぁ....」

クリス「八幡は自分で稼いでるのか?」

八幡「まぁな。そのおかげで学院を休むことも結構あるから授業に付いていくのに必死だ。」

クリス「な、なら私もーー」

八幡「働くってか?どこでするつもりなんだ。ちなみに俺は朝から新聞配達して飲食店で働いて夜は居酒屋でしてるからな?」

クリス「やりすぎだろ!?いつか体壊しちまうぞ!」

八幡「学費払って生活もしないといけなんだ。これぐらいしないとーー」

八幡がそう言った時、上から突如穴が開き八幡はクリスを抱き抱えながら避けた。

八幡「...人ん家を壊すなんて教育がなってねぇぞおっさん。」

弦十郎「君も私達の施設を壊してたろう。これでおあいこだ。」

八幡「はっ!上手いこと言ったつもりかよ。何のつもりで尾行してきたんだ。」

弦十郎「君達を救いたいんだ。」

八幡「救うだと?人一人も救えないお前らがか?お前たちに頼らなくても俺はノイズを倒すだけだ。」

弦十郎「俺は君について調べたぞ。今は一人暮らしでバイトで生活をしているらしいな。」

八幡「...で?」

弦十郎「うちの二課で雇いたい。もちろん給料は払おう。」

八幡「確かに給料を払って貰うのはありがたいがお前たちと仲良くする気は毛頭ないぞ。」

弦十郎「君には俺からの命令ではなく単純にノイズを殲滅することを意識してほしいんだ。」

八幡「...おっさんの命令には従わなくていいんだな?」

弦十郎「あぁ。」

八幡「条件がある。」

弦十郎「何だ。」

八幡「クリスも一緒に雇ってくれ。」

クリス「八幡!?」

弦十郎「それなら願ったり叶ったりだ。それをのもう。」

八幡「交渉成立だな。さっさと帰れよ。今から掃除しないといけないんだからよ。」

弦十郎「俺も手伝おう。」

八幡「もういいよ。こっちも色々疲れてるんだよ。」

弦十郎「子供達を助けたりしたからか?」

八幡「わかってるなら聞かなくてもいいだろ。それと風呂は大丈夫だからこれもって入ってこい。」

クリス「お、おう。」

八幡「ほら帰った帰った。明日もバイトなんだからよ。」

弦十郎「...何かすまなかったな。」

八幡「何か勘違いしてたらぶん殴るからな?」

弦十郎「邪魔者は帰るとするか。」

八幡「勘違いすんなっていってんだろうが!!」

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