「アースを解放してくれ、GO鬼塚! そのイグニスは敵ではない!」
「敵であろうがなかろうが、そんなことはどうでもいい。次はおまえだ、プレイメーカー。俺はおまえに勝つためにここまで来た」
「俺たちはかつて共に戦った仲間じゃないか!」
「そんなことはどうでもいい! 俺はおまえを――なにッ!? 地のイグニスが!?」
やれやれ、どうにか間に合ったようだ。
「そいつは返して貰うぜ。僕にかかればそんなロック、藁の鍵みたいなものさ」
「風のイグニスか!」
「横紙破りをして済まないな、GO鬼塚。私とデュエルしろ。キミが勝てば、地のイグニスと風のイグニスを引き渡そう」
(本気か?)
(冗談! 負けたらさっさとトンズラよ! 逃走経路の確保よろしく!)
(いつものおまえで安心したよ)
(なんか知らんうちにブルーガールも合流してるし、無様なところは見せられんからな。ま、やるからには勝つさ)
「いいだろう。今の俺は飢えている! 渇いている! 勝利に! 2体まとめて捕らえてやる。行くぞ!」
『スピードデュエルッ!』
「先攻はもらった! 俺のターン、このカードは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる。《ダイナレスラー・コエロフィシラット》を特殊召喚。さらに《ダイナレスラー・エスクリマメンチ》を召喚。このカードはレベル6だが、自分フィールドに「ダイナレスラー」がいる場合、リリースなしで召喚できる。レベル6のエスクリマメンチに、レベル2のコエロフィシラットをチューニング。屈強なる太古の王者よ、全ての敵を蹴散らせ。シンクロ召喚! 現れよ、《ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット》!」
《ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット》
星8/地属性/恐竜族/攻3000/守 0
「カードを1枚伏せてターンエンドだ」
GO鬼塚 LP4000 手札1 モンスター1 伏せ1
□□■
□□□
ギ □
ギ:ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット 攻撃力3000
■:伏せカード
――――――――――――
「私のターン、ドロー」
いきなりアースにとどめを刺したシンクロモンスターの登場か。だがアースのおかげで、ダイナレスラーの特性は把握できた。このデッキはモンスターを大量展開するデッキではない。利はこちらにある。
アンチスキルもこちらがスキルを使わなければ問題ない。
「手札を1枚捨て《サイバネット・マイニング》を発動。デッキから《斬機マルチプライヤー》を手札に加える。そして今手札から捨てた《斬機シグマ》の効果発動。EXモンスターゾーンに自分のモンスターがいない場合、このカードを特殊召喚できる」
「その効果にチェーンして手札の《増殖するG》を発動だ。おまえが特殊召喚を行う度に、俺はカードを1枚ドローする」
手札増強カードか。だがここで止まるわけにはいかない。最低でもスピノサバットは処理しないと……いや、このターンで決める!
「続けて《斬機マルチプライヤー》を通常召喚して効果発動。《斬機シグマ》のレベルを8とする。レベル4の《斬機マルチプライヤー》に、レベル8の《斬機シグマ》をチューニング。紅蓮の刀携えし最終斬機士! その炎を統べし刀で敵を滅絶せよ! シンクロ召喚! 《炎斬機ファイナルシグマ》!!」
《炎斬機ファイナルシグマ》
星12/炎属性/サイバース族/攻3000/守 0
「墓地へ送られた《斬機マルチプライヤー》の効果を発動する。EXモンスターゾーンにいる自分のサイバース族モンスターの攻撃力を、ターン終了時まで倍にする」
《炎斬機ファイナルシグマ》 攻撃力3000 → 6000
「バトルだ。炎斬機ファイナルシグマで――」
「甘いな。そのカードは学習済みだ。《威嚇する咆哮》を発動。このターン相手は攻撃宣言できない。これはモンスターではなく、プレイヤーに干渉する効果だ」
なるほど、よく調べてあるな。これも運営側の強みか。
「ターンエンドだ。ファイナルシグマの攻撃力は元に戻る」
ウィンド LP4000 手札3 モンスター1 伏せ0
炎:炎斬機ファイナルシグマ 攻撃力3000
□□□
□□□
炎 ギ
□□□
□□□
ギ:ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット 攻撃力3000
GO鬼塚 LP4000 手札2 モンスター0 伏せ0
――――――――――――
「俺のターン、ドロー。《ベビケラサウルス》を召喚。カードを1枚伏せる。バトルだ。スピノサバットでファイナルシグマを攻撃、ギガサバットストライク!」
紅き刀と高速の蹴りがぶつかり合う。両者の攻撃力は同じだが、破壊されたのは斬機士のみ。
「スピノサバットが破壊される代わりに、《ベビケラサウルス》を破壊する。そしてベビケラサウルスは効果で破壊され墓地へ送られた場合に効果が発動する。デッキから《ダイナレスラー・システゴ》を特殊召喚。システゴの効果も発動だ。デッキから《ダイナレスラー・マーシャルアンペロ》を手札に加える」
「こちらも破壊されたファイナルシグマの効果を発動する。デッキから《斬機ダイア》を手札に加える」
「システゴでダイレクトアタック!」
ウィンド LP4000 → 2100
「この程度か? ターンエンドだ」
GO鬼塚 LP4000 手札2 モンスター2 伏せ1
ギ:ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット 攻撃力3000
シ:ダイナレスラー・システゴ 攻撃力 1900
■:伏せカード
□□■
シ□□
ギ □
□□□
□□□
ウィンド LP2100 手札4 モンスター0 伏せ0
――――――――――――
「私のターン、ドロー。《斬機ダイア》を召喚して効果発動。墓地の《斬機マルチプライヤー》を特殊召喚する。レベル4のマルチプライヤーに、レベル4のダイヤをチューニング。灼熱の剣構えし斬機士! その
《炎斬機マグマ》
星8/炎属性/サイバース族/攻2500/守 0
「マルチプライヤーの効果で《炎斬機マグマ》の攻撃力は倍になる。カードを1枚伏せ、バトルだ。炎斬機マグマでスピノサバットを攻撃、炎剣乱舞!」
「ダメージ計算前に、リバースカード《燃える闘志》を《ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット》を対象に発動。発動後このカードは装備カードとなり、相手フィールドに元々の攻撃力よりも高い攻撃力のモンスターがいる時、装備モンスターの攻撃力はダメージステップの間、元々の攻撃力の倍になる」
《ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット》 攻撃力3000 → 6000
やられた。斬機ダイアの付与効果はダメージステップには発動出来ない。さすがに手強いな。
ウィンド LP2100 → 1100
「破壊された《斬機マグマ》の効果を発動する。デッキから《斬機方程式》を手札に加える。ターンエンド」
ウィンド LP1100 手札4 モンスター0 伏せ1
■:伏せカード
□■□
□□□
□ ギ
□□シ
燃□□
ギ:ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット 攻撃力3000
シ:ダイナレスラー・システゴ 攻撃力 1900
燃:燃える闘志(対象:ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット)
GO鬼塚 LP4000 手札2 モンスター2 伏せ0
――――――――――――
「俺のターン、ドロー。すぐにとどめを刺してやるぞ。そしておまえのイグニスもいただく!」
「哀れだな」
「――なんだと?」
「脳の思考領域が拡張されるといえども、脳そのものが進化するわけではない。キミがやっていることは、麻薬の投与となんら変わりがない。これがキミの望んだ姿か? キミを応援してくれている子供たちが、今のキミを見たらどう思うだろうね」
「き、貴様ッ!」
「図星を突かれて怒ったか? だとすれば、キミ自身が今の自分を疑問に思っているのではないのか?」
「賢しらに語るのが貴様のデュエルか! だが貴様の狙いは分かっている。俺を激昂させ、ミスプレイを誘おうというのだろう。そんな策略には乗らん! カードを1枚伏せ、バトルフェイズに入る! ダイナレスラー・ギガ・スピノサバットが攻撃する時、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。これで終わりだ!」
「ならばスタートステップに発動しよう。リバースカード《斬機超階乗》を発動。墓地の《炎斬機マグマ》と《斬機マルチプライヤー》を効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターのみを素材として「斬機」Sモンスター1体をS召喚する。その時のS素材モンスターは墓地へは行かず持ち主のデッキに戻る。再び現れろ、《炎斬機ファイナルシグマ》!」
「この瞬間、墓地の《ダイナレスラー・エスクリマメンチ》の効果発動。この効果は自分ターンに相手がモンスターの特殊召喚に成功した場合に発動できる。墓地の《ダイナレスラー・コエロフィシラット》を特殊召喚し、このカードを手札に戻す。改めてバトルだ。ダイナレスラー・ギガ・スピノサバットでファイナルシグマに攻撃!」
二度目の激突。結果は同じく一方的な破壊だった。
「スピノサバットが破壊される代わりに、コエロフィシラットを破壊する」
「破壊されたファイナルシグマの効果で、デッキから《斬機刀ナユタ》を手札に加える」
「何をしようが、これでとどめだ! システゴでダイレクトアタック!」
「手札の《護封剣の剣士》の効果発動。このカードを特殊召喚し、システゴを破壊する」
「チッ、しぶとい。ターンエンドだ」
GO鬼塚 LP4000 手札3 モンスター2 伏せ1
ギ:ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット 攻撃力3000
燃:燃える闘志(対象:ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット)
■:伏せカード
■□燃
□□□
ギ □
□護□
□□□
護:護封剣の剣士 守備力2400
ウィンド LP1100 手札4 モンスター1 伏せ0
――――――――――――
「私のターン、ドロー」
(この手札ならゲームエンドまで持っていけるな。伏せカードは気がかりだが……)
(確かにな。攻撃反応型なら除去できるが、フリーチェーンでこのターンを凌がれると面倒なことになるかもしれん。リンクモンスターは攻撃表示でしか出せないからな)
(二つに一つか。おまえの直観に任せるしかなさそうだ)
「なら好きにさせてもらう! まずは《サイバース・ウィザード》を通常召喚」
「サ、サイバース・ウィザードだとッ!?」
「プレイメーカーも使用していたカードだ。効果は知っているだろう。《ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット》を守備表示にする」
スピノサバットが膝を折り、防御態勢を取る。だがその守備力は、全く頼りない数値だ。
「そして私のモンスターは、対象となったモンスターしか攻撃できなくなるが、サイバース族モンスターは貫通効果を得る」
……表情が読めないな。焦っているようにも見えるし、誘っているようにも見える。プロレスラーだからな、そういう駆け引きは得意なのかもしれん。ならば、初志貫徹だ。
「アローヘッド確認。召喚条件はカード名が異なるモンスター2体。護封剣の剣士とサイバース・ウィザードをリンクマーカーにセット。現れろ、《トロイメア・フェニックス》!」
《トロイメア・フェニックス》
リンク2/炎属性/悪魔族/攻1900
【リンクマーカー:上/右】
「トロイメア・フェニックスの効果発動。手札を1枚捨て、その伏せカードを破壊する」
「――クッ!」
破壊されたのは《ディメンション・ウォール》。これもモンスターを対象としないカードだ。やはり油断ならない男だな、GO鬼塚。
「《斬機方程式》を発動。墓地の《炎斬機ファイナルシグマ》を特殊召喚し、ターン終了時まで攻撃力を1000アップする」
《炎斬機ファイナルシグマ》 攻撃力3000 → 4000
これで決まりだな。手札から発動可能な《ダイナレスラー・マーシャルアンペロ》は《燃える闘志》が場にあるため発動条件を満たせない。
「バ、バカな……AIと融合した、この俺が……」
「終わりだ。《炎斬機ファイナルシグマ》で《ダイナレスラー・ギガ・スピノサバット》を攻撃、一撃必殺! 紅蓮羅斬!」
斬機士の握る炎刀がさらに烈しく燃え上がり、大上段の構えをとる。
「い、嫌だ……俺は……俺は、負けたくないィィィィ!! 俺は……プレイ……メーカーを……」
逆巻く炎の一太刀が唸りを上げる。それが勝負を決める一撃となった。
GO鬼塚 LP4000 → 0