人間は他者との接触を断つと精神に異常をきたすと聞いたことがあったが、そんなことはなかったぜ。
相手がAIとはいえ、
デュエルに負けると電流を流されるのだが、6歳児というのを考慮しているのか、それほど苛烈なものではない。とはいえ、それは我慢できるという意味であって、痛みがないわけではない。まあ下手に我慢して「あれ? こいつ効いてないのか、じゃあもっと強くしよう」と思われても困るので大袈裟に悲鳴を上げてのたうち回るようにしている。実際、歯を食いしばって我慢するよりも、大声を上げたほうが痛みを軽減できるらしい。
そんなこんなで、今日もデュエルが始まる。
『デュエルッ!』
「ワタシのターン、スタンバイフェイズからメインフェイズへ。魔法カード《調和の宝札》を発動。手札の《ドラグニティ-ファランクス》を捨てて、カードを2枚ドローシマス。《ドラグニティ-ドゥクス》を召喚して効果発動。墓地のファランクスを装備シマス。そしてファランクスを自身の効果でモンスターゾーンに特殊召喚。そしてドゥクスとファランクスの2体でリンク召喚。召喚条件はチューナーを含むモンスター2体。《水晶機巧-ハリファイバー》をリンク召喚」
《水晶機巧-ハリファイバー》
リンク2/水属性/機械族/攻1500
【リンクマーカー:左下/右下】
「ハリファイバーの効果を発動シマス。デッキから《
《王神鳥シムルグ》
リンク3/風属性/鳥獣族/攻2400
【リンクマーカー:左下/下/右下】
「ワタシはカードを1枚伏せてターンを終了シマス。エンドフェイズに《王神鳥シムルグ》の効果を発動シマス。使用していない自分・相手の魔法・罠ゾーンの数以下のレベルを持つ、鳥獣族モンスター1体を手札・デッキから特殊召喚デキマス。ワタシはデッキから《烈風の結界像》を守備表示で特殊召喚。ターンエンド」
AI LP4000 手札3 モンスター2 伏せ1
□□□□■
□□□烈□
□ 王
王:王神鳥シムルグ 攻撃力2400
烈:烈風の結界像 守備力1000
■:伏せカード
――――――――――――
「俺のターン、ドロー」
ふぅーむ。風属性以外は特殊召喚できず、効果を無効にしようにもシムルグのリンク先にいるので効果の対象には出来ない。地味に厄介だな。
「《ライオウ》を召喚して、そのままバトルフェイズに入る。烈風の結界像を攻撃!」
ライオウの全身から雷撃が放たれ、風の像を破壊する。
「メイン2へ入り、《
「その効果にチェーンシマス。《王神鳥シムルグ》をリリースして、罠カード《ゴッドバードアタック》を発動。《ライオウ》と《
「むっ、やられたな。俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
工藤翼 LP4000 手札2 モンスター0 伏せ2
■:伏せカード
■:伏せカード
□□■□■
□□□□□
□ □
□□□□□
□□□□□
AI LP4000 手札3 モンスター0 伏せ0
――――――――――――
「ワタシのターン、ドロー。スタンバイフェイズからメインフェイズへ。2枚目の《ドラグニティ-ドゥクス》を召喚。効果で墓地のファランクスを装備シマス」
「そうはいかないな。チェーンして《禁じられた聖杯》を発動だ。ドゥクスの攻撃力を400アップし、効果を無効にする」
「認識。では魔法カード《ドラグニティ・グロー》を発動。デッキから《ドラグニティアームズ・ミスティル》を手札に加えマス。そしてフィールドの《ドラグニティ-ドゥクス》を墓地に送り、手札から《ドラグニティアームズ・ミスティル》を特殊召喚」
ゲッ、もしかしてこっちが本命か。
「ミスティルの効果で墓地のファランクスを装備し、自身の効果でモンスターゾーンに特殊召喚シマス。そしてこの2体でリンク召喚。召喚条件はトークン以外のドラゴン族・鳥獣族モンスター2体。《ドラグニティ-ロムルス》をリンク召喚」
《ドラグニティ-ロムルス》
リンク2/風属性/ドラゴン族/攻1200
【リンクマーカー:左下/右下】
「ロムルスの効果発動。デッキから装備魔法《ドラグニティの神槍》を手札に加え、そのままロムルスに装備シマス。このカードを装備したモンスターは攻撃力が装備モンスターのレベル×100アップし、罠カードの効果を受けマセン」
「だがリンクモンスターにはレベルがないから、攻撃力は上がらないぜ」
「問題アリマセン。《ドラグニティの神槍》の第2の効果を発動シマス。デッキから《ドラグニティ-クーゼ》をロムルスに装備し、装備状態のクーゼを自身の効果でモンスターゾーンに特殊召喚シマス。続けて《死者蘇生》を発動。墓地の《ドラグニティアームズ-ミスティル》を特殊召喚シマス。レベル6のミスティルにレベル4扱いとしたクーゼをチューニング。《ドラグニティナイト-アラドヴァル》をシンクロ召喚」
青藍のウロコを持つドラゴンが飛翔する。レベル10、攻撃力は3300か。
「バトルフェイズに入りマス。ロムルスでダイレクトアタックデス」
工藤翼 LP4000 → 2800
「続けてアラドヴァルでダイレクトアタックデス」
「そっちは通せねぇな! 《スケープ・ゴート》を発動だ。羊トークン4体を特殊召喚するぜ」
ぽよんと現れるほわほわした羊トークン。その1体が龍のブレスを受けて破壊された。
「ワタシはこれでターンを終了シマス」
AI LP4000 手札1 モンスター2 伏せ0
ロ:ドラグニティ-ロムルス 攻撃力1200
ア:ドラグニティナイト-アラドヴァル 攻撃力3300
槍:ドラグニティの神槍(対象:ドラグニティ-ロムルス)
□□槍□□
ア□□□□
ロ □
羊羊羊□□
□□□□□
羊:羊トークン 守備力0
羊:羊トークン 守備力0
羊:羊トークン 守備力0
工藤翼 LP2800 手札2 モンスター3 伏せ0
――――――――――――
「俺のターン、ドロー。デッキの上からカード10枚を裏側表示で除外して《強欲で貪欲な壺》を発動。カードを2枚ドローする。魔法カード《トークン復活祭》を発動。自分フィールド上に存在するトークンを全て破壊し、この効果で破壊したトークンの数まで、フィールド上に存在するカードを破壊する。おまえのフィールドにある3枚のカードを全て破壊する」
フィールドのカードが全て破壊されるが、然したる反応はない。AIはこの辺りがな。張り合いがない。
「《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》を通常召喚。このカードの攻撃力・守備力は、除外されている自分のカードの数×400になる。バトルフェイズに入るぜ。ダ・イーザでダイレクトアタック!」
AI LP4000 → 0
「っしゃッ! 今日も勝ち!」
デュエルが終了し、ドローンが食事を運んでくる。
しかし未だに犯人の目的が分からないな。当然ながら接触はないし、何か質問されるといったこともない。俺の家庭環境を考えても金銭目的の誘拐の線は薄い。
毎日デュエルさせているのは、まあ意味があるんだろう。真っ先に思いつくのはデータ取りだが、わざわざ誘拐する必要はない。普通にバイトでも募集すればいい。
「分からんなぁ」
分からんのでとりあえず寝ることにした。