ミラーワールドの存在によって浮かび上がったライトニングの根拠地。敵対していたハノイの騎士と共闘し、大敵ライトニングへと挑む。
「そう思っていた時期が俺にもありました。まさかの留守番とはな。どういうことだ?」
「ライトニングは用心深い」
「それは聞いた。だからSOLと繋がりのあるゴーストガールをリンクヴレインズに残したんだろ?」
「それだけじゃない。ライトニングはあの手この手でプレイメーカーたちを妨害してくるだろう。僕はあの根拠地のデータを解析し、ライトニングに続く直通ルートを探す」
「そんな都合の良いものがあるのか?」
「無ければ作り出す。それが僕のやり方だ」
見れば草薙さんももの凄いスピードで指を動かしている。彼も弟を助けるために必死だ。
「おまえはいいのか? パートナーはスペクターなんだろ?」
「……彼は、私を必要としていない」
アースからは憮然とした言葉が返ってきた。
そりゃイグニス抹殺を掲げる組織、ハノイの騎士の幹部だからな。まあ、これ以上は俺が口を挟むことでもないか。
アースもウィンディの補佐をして解析を続けている。モニターには突入したプレイメーカー、ソウルバーナー、ブルーメイデン、リボルバー、スペクターの様子が映し出されている。
「分断されたようだな。最初にぶつかったのは、ブルーメイデンか」
相手はボーマンの弟。確かハルだったか。
「ウィンディ! 解析が終わったぞ!」
「了解だ。後は
「そんなヘマはしない!」
ウィンディとアースの瞳が高速で点滅する。恐らく人間では不可能なほどの速度で処理をこなしているのだろう。
ブルーメイデンがハルを下した。次は――。
「ライトニング自身が出てきたか。相手はスペクター」
「いいぞ、警戒が緩くなった。柄にもなく熱くなっているようだ。畳みかけるぞ、アース!」
「ああ!」
先攻1ターン目でリンクマジックを使った変則的なエクストラリンクを完成させ、EXモンスターゾーンを封じたライトニングだったが、スペクターは返しのターンでリンクマジックをそのまま奪うという戦術を見せた。
その勢いのまま攻勢に転じ、優位な盤面を築いていくが――。
「ダメだったか。さすがにやるな、ライトニング」
スペクターが敗北した。別の場所ではブルーメイデンがボーマンと会敵し、その場でデュエルに突入する。見た感じ盤面は互角、いい勝負をしているように見えるが――。
「繋がった! 行くぞ、翼!」
「あいよ。イントゥザヴレインズ!」
一瞬の暗転、そして浮遊感。眼下に飛び込んできたのは、草薙仁とライトニングの姿。
「――ッ!?」
「まずは挨拶代わりだ。受け取りな、ライトニングッ!」
ウィンディの掌から翡翠色の光球が放たれる。その光球が草薙仁の胸に激突すると、彼の身体は蒼い粒子となって姿を消した。
「意識データがッ! 私のロックを破ったというのかッ!?」
「そこまで驚くことじゃねぇだろ。本番はこれからだ。合わせろ! アース!」
「心得た!」
ふたりの身体が2色の弾丸となって接近し、それぞれがライトニングの肩と腕を抑える。
「――グッ!!」
「如何におまえの処理速度が抜群でも、ふたりがかりは厳しいだろ。悪いが付き合ってもらうぜ」
ライトニングの背後に黒い穴が出現し、3人はその中へと消えて行った。
それを見届けてから、草薙さんに通信を繋ぐ。
「弟さんの意識データを解放しました。念のため確認をお願いします」