『がらんクラブ』
001
「青柳さんって、私と似ているっていう設定らしいのだけれど、一体全体どこが似ているのかしらね」
「いやいやいきなりメタネタですか戦場ヶ原さん……私のポジションは突っ込みではないのに突っ込んじゃったじゃないですか」
「そういうあなたも自分のキャラ付けについて暴露しちゃってるじゃない」
「あ……」
002
「それにしても、突っ込みって重要だと思うのよ」
「どういうことですか、戦場ヶ原さん」
「だって、暦や、粟国くんがいなかったら、私達永遠にぐだぐだの話を続けるだけじゃない。ブレーキがないのよ」
「ではやっぱり私が突っ込みを勤めます!」
「そう。頼もしいわ。OBである私としてはとてもいい後輩を持てたものだと、誇らしくもあるわ」
「私も戦場ヶ原さんみたいな先輩ができて光栄です」
「いえ、あの……OBと言ったところに突っ込みが欲しかったのだけれど」
「あ……OG、ですね」
「やっぱり私達じゃぐだぐだね」
003
「原点に戻るけど、私達の似ているところってどこなのかしら」
「うーん、初めに登場するヒロインポジションですかね」
「意外と真面目な答えね」
「不真面目な答えってどんなですか……」
「私は生まれつき深窓の令嬢なのだけれど」
「生まれつき!? 凄っ!」
「青柳さんは、何かそういうあだ名みたいなのはないの?」
「うーん、小さい頃、青と藍でブルブルって呼ばれてましたね」
「……なんだか女の子につける名前ではないわね」
「深窓の令嬢というのも、あんまりいい意味ではないと思いますけど」
004
「蟹と掛けまして、牛と解きます」
「おや。青柳さん、そういうの好きなの? その心は」
「どちらも美味」
「まあ、確かにね」
「あれ? 何かがっかりしてません?」
「別に」
005
「青柳さん、最近ハマっていることは何? 私は勿論暦を困らせることだけど」
「とんだ彼女がいるもんですね……そうですね、ハマってること……食べること?」
「他の答えが欲しいものね」
「えっと、じゃあ、読書とか」
「読書。私も好きよ。でも暦の方が、」
「のろけないで下さい」
「あら、意外と厳しいのね。読書が好きなの、じゃあ好きな作家さんとかいるのかしら」
「えっと、夢野久作さんとか、素晴らしいと思います」
「あら。見事にカブったわね」
「同じ九州出身ということも手伝って、最近読み漁ってるんですよー」
「やっぱりドグラ・マグラ?」
「あれはもう、分厚さにときめいて息が止まるかと思いましたねー。でも、一番は瓶詰地獄だったりします」
「ああ、あれも好きよ。何だ、意外と趣味が合うんじゃない、私達。今度ゆっくり語り合いましょう」
「どうして本編で絡みが無かったんだろう……」
「作者に抗議ね。で、今回のギャラはいくら?」
「そんなものありません!」
『しょうじマイマイ』
001
「あれ。何かツインテイルで大きなリュックをしょったいかにも観光客って子がいるぞ、迷子かもしれね。おい、どうした、道にでも迷ったか?」
「話しかけないでください。あなたのことが嫌いです」
「……分かった」
「はい?」
「悪かったな、邪魔して。じゃあな」
「ちょっと待ってください! ごめんなさいでした、悪い癖が抜けないのです、あなたのことは好きです!」
「変な癖だなおい……初対面にいきなり嫌いだの好きだの、変わった子だぜ、おい」
002
「お前、名前は何て言うの?」
「わたしは、
「俺は粟国頌史っていうんだ」
「障子ですか」
「頌史だ」
「何だか薄っぺらそうな名前ですね」
「語感だけで考えないでくれ……」
003
「それで、八九寺はどうしてこんな所を一人でうろうろしてんだ?」
「さあ。迷子なんじゃないですか」
「さも当たり前そうに言うなよ」
「路頭に迷ってる粟国さんに言われたくないです」
「俺そんなに困ってるように見えるか?」
「ええ。具体的に申しますと、頌史という名前がいつまで経っても定着されず、平仮名での印象が強まってしまったのを嘆いている風に見えます」
「ピンポイントで図星だが、お前は一体何を知っているんだ!?」
004
「ところでアグーさん」
「俺は小型で黒い毛の、沖縄在来種の豚じゃねえよ」
「おお、なかなか突っ込みがお上手ですね」
「小学生に試された……」
「おや。小学生だとわたしはまだ言っていませんよ? まさか粟国さん、真正のロリコンですか」
「いや、リュックにクラス番号が書いてあるじゃねえか」
「失敬な、わたしは見た目は子供でも嗜好は大人ですよ?」
「なんかやらしいな!」
「粟国さんこそ、先程わたしがあなたのことは好きです、と言ったとき内心喜んでたのでしょう?」
「嬉しくないと言ったら嘘だな」
「粟国さん、いやらしいです」
「いや、今のは別にいやらしくはねえだろ!?」
「どうです、今から大人トークでもしちゃいますか」
「小学生とそんなトークしたくねえよ……」
「なるほど。しかし否定はしないんですね」
「あ?」
「いえ、ロリコンですかという私の質問に対しては、否定しませんでしたよね」
「違う! ていうか何か前もしたぞこんな会話!」
005
「それで何を言いかけてたんだ?」
「粟国さんは、阿良々木さんの跡を継ぐにふさわしい方ですと、そう言いたかったのですよ」
「ああ、あいつの知り合いなの?」
「知り合いなんて言葉では語りつくせませんが」
「じゃあ今日は阿良々木と一緒に来たりしたのか?」
「いえ、よく分かりませんが」
「何で自分のことなのによく分からないんだよ……」
「本編には絡むに絡めませんから、無理矢理こういう形で登場させられたのですよ」
「何言ってんだお前!?」
「粟国さん。ここはそんな厳しい場じゃありませんよ。肩の力を抜いて、もっとメタメタして構いませんから」
「マジで何なんだこの小学生!」
「まあ、何故わたしが沖縄にいるのかなんて、どうして地球が回っているのかというのと同じくらい、どうでもいい話なのです」
「スケールはでかいんだな」
「謎なままでいいんじゃないですか? 無理に理由付けるより、面白いですし」
「迷子になってるのに面白いなんて言うんじゃねえよ……」
「それでも本編には出てみたかったです」
「……相談してみるよ」
【次回予告】
りゅーぅ。
ということでどもー、佐弐優補ちゃんですようー。今回というか、毎回次回予告担当になったんでよろしくなー。じゃあ早速始めてゴー!
しょーじがいつの間にかまた怪異に絡んじゃったみたいで、ほんとどうしようもないねえ。それも今回は厄介でお節介で……まあアブナイやつなんだよ。それにその怪異と一緒にいるあの子もまたアブナイ子でさー。おっとここらへんでやめといた方がいいかもね。じゃあ次回、
『さちねハウンド』
お楽しみにい。
今見ているものが、儚い妄想でないとは限らない!
がらんブル、いかがでしたでしょうか。沖縄の怪異は皆さんフレンドリーでお茶目なので、怖く禍々しいのはマイナーですね。マイナーで勝手なキャラ設定の、マジムンのお話でした。