徹夜明けにエボルトになっていたのですが。   作:通りすがりのゴキブリ

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原作プリキュアは決まりました、ふたりはプリキュアにしようと思います。

また、気が向いたら他のプリキュアの小説を書いてるかもしれないので、良ければ読んで頂けると幸いです。


2話 おかえりエボルト

オッス!オラエボルト!

 

皆さんもう知っているかと思うが、数週間前俺は派手にやらかした。

 

エボルトの力を試そうと思い、小さめのブラックホールを生み出したらどうやらブラックホールのパワーが強すぎたらしく月の七割を消滅させてしまった。

 

これじゃ何処かのタコ型超生物だ。

 

誠に申し訳ございません、狼男の皆さん。貴方達はもう変身できません。

 

まぁそんなこんなで、月の殆どが消滅したら地球の公転スピードだの干潮だの偉い事になっているだろうし、ある程度ほとぼりが覚めるまで暇なので、太陽系近くの惑星を片っ端から滅ぼしていたのだ。…数日で三日月の状態で衛星の役割を担える程月の力が復活するとは思わなかったが。

 

まさか隕石一つをを破壊するつもりが、まさか月の七割を消し飛ばしてしまうとは…やはりブラックホールは恐ろしい。…あの時地球は偉いことになっていただろう。

 

しかしやらかしてしまった以上仕方ない。

 

ここはポジティブに考え、次自分がやるべき事をやろう。

 

さて、俺が次にやるべき事…それは勿論地球に帰る事だ。

 

 

俺がやらかしてからかれこれ一週間、月の引力も戻った事だし、まだ被害を被った所は大変だろうけど、ある程度はほとぼりは覚めているはずだ。

 

帰還するなら速い方が良い、行くなら今が丁度良いだろう。

 

「…行ってみるか。」

 

天体移動の為に装備されている腰のローブ『EVOベクターローブ』を使い、推進力を全開にして地球目掛けて突っ込む。

 

凄まじい速度だ。慣れていないからか少しおっかないが、これなら数分足らずで地球に到着できそうだ。

 

「……そろそろ大気圏か!」

 

いかなる天体でも装着者が安全に破壊活動が出来るエボルトのスーツ『EVOオムニバーススーツ』の機能により、全身に遮断フィールドを展開する、これならば大気圏突入の際の空気摩擦を無効にできるだろう。

 

「目的地は…日本にするか!」

 

 

そしてフィールドを展開し、目的地を日本に設定した瞬間、移動スピードが更に速くなる。嫌、落下していると言うべきか。理由は言うまでもない地球の重力だ。

 

俺は重力を『EVOベクターローブ』で操作し、不時着しないように自分の落下する体を日本目掛けて一直線に運ぶ。

 

 

「降り立つ場所は…取り敢えず関東付近にしておくか。」

 

 

そして一分も満たない内に大気圏を突破し、霧のような雲を潜り抜けると遂に待ちわびていた光景が目に写る。

 

 

「うん、やっぱりこれだね。」

 

大量の商店街や建物、そして多くの人々。

 

俺が今居る高度は何メートルかは知らないが、こうして高い所から見る町並みは良いものだ、多くの物を見下ろした事で自分が一番偉い人間になった気分になれる。

 

 

「…人間ってミジンコみたいなんだな…」

 

ぼそっと言葉が漏れる、ここから見るとどんなに身長が大きい人間でもどんなに偉い人間でも小さく見える。そして何よりも今の俺はエボルトだ、どんなに強い人間でも一瞬で潰す事ができるのだ。

 

これが地球外生命体の視点…エボルトやキルバスはこう言う感覚で地球を見ていたのか何となく理解できた。

 

おっと感傷に浸るのも良いが取り敢えず地上に降りなくては。

 

俺は重力を操作し、ゆっくりと地上へと降り立つのであった。

 

 

***

 

時刻は16時頃、裏路地にて俺は静かに着地し両足がしっかりとコンクリートを踏みしめる。

 

数週間も月面で過ごすのを余儀なくされていた俺に故郷の大地の感触は反則だった。

 

「遂に…遂に戻ってきたぁぁぁぁあ!!!」

 

故郷へ帰還出来た歓喜を腹の底から目一杯叫ぶ。

 

本当は商店街や建物を観た時から叫びたかったが、今ここなら人も居ないし、心置きなく叫べる!

 

さてやっと地球に帰れたんだ、変身を解いて町をぶらつこうか。

 

いや、それはもう少しの辛抱だ、今はやらなくてはいけない最終確認が有る。

 

念のためにエボルの視覚センサー『EVOツインアイホワイト』の機能使い、辺り一面をスキャンし空気中の物質を検知・解析する。問題ないと思うが呼吸できないなんて事や空気中に有害物質が有るとなると大惨事だ。

 

「解っていたが、大丈夫みたいだな。」

 

 

特に大きなトラブルとかもなく、何事もなく地球に来る事が出来た様だ。

 

地球に降りて体の動きに変化は無いかを確認するために、肩の力を抜いて軽くその場でストレッチをする。やはり重力が有るためか宇宙空間よりも動きやすい。

 

だが最終確認を終え、変身を解除し、久々の地球の空気を胸一杯に吸い込もうとした瞬間だった。

 

内部モニターに大量の文字が表示される。何やらエボルの側頭部に有る角『EVOワイプアウトブレード』の機能によるものらしい。どうやらこれは降り立った惑星の座標や天体などを解析しそれを基に一番滅ぼすのに効率的なプランを提案するという物騒な機能なのだが、俺は地球を滅ぼす予定はない。今のところはな。

 

宇宙で「地球を滅ぼすのもアリ」と考えたのは一種の気の迷いだ。まぁ滅ぼしても構わないが生まれ育った星なんだそれなりに愛着は有る…と思う。

 

…だが地球を滅ぼすプランか…興味が有るな…ぶっちゃけ適当に暴れていても今の俺ならば地球なんて簡単に壊せる、しかし機械により地球を解析し、提案されたプランとなると興味をそそられない方がおかしかった。

 

「…えーっと…」

 

提案されたプランであろう内部モニターに書かれている文字を読み上げる。

 

どうやら手順良く進められるように箇条書きに書かれているようだ。

 

1.プリキュアを殺害する。

 

2.ドツクゾーンを壊滅させる。

 

 

 

……え?

 

思わず読むのを中断してしまう。

 

プリキュア?ドツクゾーン?

 

 

…プリキュアだと?

 

 

…いやプリキュアの存在は一応知っている、なんせ国民的に有名な女児向けアニメだからな。

 

しかし何故にそれがこのプランに出てくる?

 

 

そしてドツクゾーンって何だ?

 

壊滅って事は組織の様だが…フリーメイソンとかの秘密結社的な物か?

 

 

「…まさか…」

 

スーツの中で目を見開く、これはまさか…!

 

異世界転移って奴か!?

 

二次創作の小説の設定の様で、信じがたい話だがそれしか考えられない。俺は徹夜明けに気が付いたらエボルトになって、プリキュアが存在する世界に転移した。

 

「…プリキュアか…」

 

そう呟きながらドライバーに装置されている二本のボトルを外すとスーツが粒子状の光となり霧散し、俺は元の人間としての姿へと戻る。

 

取り敢えずここにいても何もならない、この世界の見物がてらそのその辺をうろついて見よう。

 

「…この世界がどんなものか、楽しませてもらおうか。」

 

俺はゆっくりと降り立った別の地球を歩み始めるのであった。

 

 

 




更新が少し遅れました。許してください何でもしますから!(何でもするとは言ってない)

次回プリキュア出したいと思ってます。

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