今日中にシフト作らんといけないのに全然進まない
まあそれもそうだろう
さっきから用事だの何だの押し付けられてるのだから
可哀想な俺
「先輩、ちょっと教えて欲しいんですけど」
またしても俺の仕事が止まる
まあ後輩の為だ、止むを得なし!
「どーした笹原」
笹原玲奈
俺の一期下の後輩
見た目はギャルっぽいのだが割と真面目な奴
ただパソコンの知識が皆無で、よくエクセルのことを聞いてくる
というかエクセルの本渡して勉強しときなさいって言ったんだけどな・・・
笹原「この表の合計ってどーやって出しましたっけ?」
ほぼ入門編の話してきやがった・・・
こりゃ読んでないな
「へいへい・・・これはだなぁーーー」
・・・この調子で俺の仕事が終わらないのである
はい、今日も残業確定です
ありがとうございまーす
市子にまた怒られるわ
笹原「お、なるほど!ありがとう先輩!」
「そろそろ覚えてこような。出ないとデスクワーク出来んぞ?」
笹原「分かってますけど・・・」
・・・そんな目で俺を見るな
笹原「でも何だかんだで教えてくれるじゃないですか」
「教えんと進まないからだよ」
笹原「身も蓋もないなぁ」
ワシはお前のパソコンの先生じゃないんだぞ
全くこの小娘は
「俺も早いとこシフト作成終わらせなきゃならんのだよ」
笹原「え!終わってなかったんですか?」
「・・・悪かったな」
歯ぎしりしつつ、せっせとキーボードを叩く
あとちょいで終わりそうなのに畜生
笹原「先輩も大変ですねぇ」
「じゃ1個現場もってくれ。そうすりゃちょっとは楽になる」
俺の会社は請負会社で、現場が何個もある為そのエリアの担当者がシフトを組むことになっている
アホの社長が現場の契約をどんどんしてくれるお陰で担当者が決まらずに見切り発車しててんてこ舞いとなっている今日この頃
・・・お陰でしわ寄せがこっちに来て大変なんス
笹原「いや!私は一現場でお腹いっぱいなので!」
こうハッキリ言える性格羨ましい
俺も見習わないと
「・・・ほら、そろそろ定時だろ?早く帰んないと電車乗り遅れるぞ?」
時計は17時半を指していた
笹原「わお!そんじゃ私は失礼しますね!」
「ハイハイ、お疲れさん」
パソコンを見つつ笹原に声を掛ける
また30分位は残業だな・・・
笹原「・・・・・・先輩」
不意な声をかけられる
「どーした」
笹原「・・・ちょっと今度相談に乗ってもらってもいいです?」
何や急に
ワシに恋愛の相談は無理やぞ
最近色々あったばっかりなのに
「? 構わんけどどうした?」
何となく先が気になるので聞いてみる
笹原「いや!また今度でいいんで!」
気になるやないか!
笹原「明日お昼食べる時に相談乗って下さい」
「そうか?分かったよ」
笹原「それじゃ!お先失礼します!」
笹原が何かに悩んでる、と言った表情を読み取れた
年頃の女の子の相談とか俺大丈夫か?
つーかアイツ何歳だったっけ?
「気をつけて帰れよ~」
笹原を見送り、作業に集中する
結局何だかんだで1時間残業してしまった
・・・と、不意に背中に寒気を感じる
(嫌・・・・・・お願い・・・・・・)
「ふぇ!!??」
事務所には俺しか居ない
なんや急に
そういうホラーチックなのやめてけれ!
見回す俺の視界には、声を発するようなものは無かった
「・・・・・・市子の仕業か?」
オイオイいよいよテレパシー使うようになったんか
今帰りますから暫し待たれよ!
(・・・・・・捨てないで)
「・・・・・・」
聞こえてはいる
だが何だろう
怖いというより悲しくなる
何だ
ロッカーで着替え、事務所の鍵を閉め早めに帰路についた
ガチャ
「・・・ただいま」
自宅に着いた俺は声を掛ける
市子「おかえり!遅い!コラ!」
いつもの頂きました
またこのやり取りかよ
「残業でちょっとな。ケース取るぞ」
市子「やーっと伸び伸びできるわ!」
「なぁなぁ、市子先生?」
ちょっと質問させてもらおう
市子「なーに?」
「仕事中、お前俺に声掛けたか?」
帰り際のあの声のことを聞く
考えてみれば、市子とは違う声な気がするが
市子「何で仕事場にいるアンタに声掛けなきゃいけないのよ」
あっさり否定された
まあだろうね
「・・・だよなぁ。てっきりテレパシー的な何かで俺に声掛けたのかと」
市子「そんな能力、生憎持ち合わせておりません!」
腰に手を当ててムスッとした顔で話す市子
市子「・・・ていうか何?声聞こえたの?」
「・・・あぁ、何だったんだろ」
物悲しいあの声
正直怖いより心配の方が勝つ
市子「それ、なんて言ってたの?」
「んー?捨てないでって」
市子「・・・」
顎に手を当て、考え込む市子
と言うか仮に霊的な現象だったとして、何で霊的な存在のこの人に相談してんだ
なんかおもろいなコレ
「なんなのか分かるか?」
市子「・・・」
あれ?無視?
というか真剣に考えてくれてるのか?
てっきり罵詈雑言浴びせられて終わるものかと
「まああんまり気にしないけどな」
市子「ねぇ、ショウ」
「ん?」
市子に視線を送ると、何やら悲しげな表情をしていた
市子「・・・多分、近々アンタの元に来るかも」
え!!!!
「おい、何が来るんだ。こえーよ」
市子「声の主」
「それはつまり、幽霊?ゴースト?」
動転して聞く俺
市子「もしくは、私に近い何か」
「お前に近い何かって、何だよ」
市子「多分、アンタに縋ってるかも知れない。ちょっと注意してて」
何をどう注意すりゃいいんだ
てか俺呪われてしまうん?
「先生!注意の仕方教えて下さい!」
市子「まぁまた聞こえたら私に言いなさい」
えー!
大丈夫かな俺
市子「・・・平気よ、呪われる訳じゃないと思うし」
「そういう問題かね・・・」
市子「さっきも言ったけど、アンタに縋ってるっぽいしね」
「オイオイ!俺を頼りにされても困るぞおい!」
・・・とは言ったものの、どうしたものか
近々来るのであれば、まあその時に考えるとするか
もしや市子と同業者って感じか?
何れにしても、その時が来るまで待つしか出来ないがな・・・
展開遅いです
すみません