呪いの人形は恋を知らない   作:酎はい人形

6 / 9
今年の夏は夏らしいことできなかったなぁ・・・


6 ストーカーと呪いの人形達

毎朝の通勤

マイカーがあるというのに何故電車通勤せにゃならんのだ!

おのれ部長!許すまじ!

・・・まあ部長良い人だから良いけどさ

・・・・・・・・・

それはそれとして、最近妙な視線のようなものを感じる・・・

いよいよ俺にもモテ期が来てしまったようだ・・・

最後のモテ期は小学五年生の時だがな!!

・・・・・・・・・

冗談はさておき、マジでなんかヤダな・・・

早いとこ事務所に逃げ込みたいんだが・・・

気の所為だったらただの自意識過剰の男ですがね

目的の駅に着き、足早に事務所に向かう俺

 

笹原「あ、せんぱーい」

 

不意に背後から声を掛けられる

正直ちょっとビビる俺

 

「お、おう笹原。おはよう」

 

言葉がごもる俺

 

笹原「どうしました先輩?何か挙動不審でしたよ?」

 

あれ?意識してなかったけどそんな感じになってましたか?

だって何か視線を・・・

・・・とは笹原には言えないけど

 

「いやいやいつも通りやで」

 

笹原「えー、何か怪しい人みたいな挙動でしたよ?」

 

失礼しちゃうわね

しかし傍から見たらそんなにキョドってたのね

 

「何でもないって。ほれ行くぞ」

 

足早に歩みを進める

 

「ちょっと先輩!早いですってー!」

 

いやスマンの笹原

早めに事務所行きたいんや!

 

 

 

 

 

 

何だかんだで仕事に勤しむ俺

今朝の事が頭から忘れ去られてしまったお昼時

俺もそろそろ休憩とするか・・・

コンビニで買い置きしておいカップ麺を取り出す

ちょうどその頃に現場の巡回から笹原が戻ってきた

 

笹原「せんぱーい・・・ちょっと変な人が居たんですけど」

 

げんなりした顔で俺に詰寄る笹原

変な人?

不審者なら近くの交番に行きなさい!

てか大丈夫なのか?

 

「変な人って・・・何だそりゃ」

 

上司「変な人ならある意味でお前もそうだかな」

 

いきなり横から割って入ってきた俺の上司の白木さん

結構細かい人なんだが普段がいい人なだけに憎めない人

・・・・・・その前にどういう意味っすか白木さん!

 

「失礼しちゃいますよ!俺の何処が変なんすか!」

 

笹原「先輩は何と言うか・・・まあ変な人ですね!」

 

「少しでいいからフォローしろやお前は」

 

全くこの後輩は先輩をたてる事を知らんのかね?

と言うか何処が変なのかそこら辺説明してくれや!

 

白木「で?変な人ってどんな奴だったんだ?」

 

白木が笹原に尋ねる

そうそう、本題そこよ!

 

笹原「あ!そうそうそうなんですよ!」

 

説明を始める笹原

 

笹原「さっき現場から出る時に女の人に話しかけられたんですよ」

 

女の人なのね

勝手に男の変な人なのかと思ってしまった

 

笹原「そうしたら、おたくの会社に先輩居ませんか?って聞かれたんですよ!」

 

先輩って言うのは俺の愛称

・・・・・・愛称?

・・・愛称では無いが笹原は頑なに俺の事を一貫して先輩と呼ぶ

て言うか・・・え!?俺!?

 

白木「女の人だってよ!!」

 

肩をパンと叩く白木

力加減たまにこの人おかしい時があるんだよなぁ・・・

 

白木「それでそれで?」

 

続きを催促する白木

 

笹原「それで怪しいから一応、どちら様ですか?って聞いたんですよ」

 

良かったわ・・・

この子の事だからそのまま言っちゃったかと思ったわ

 

笹原「そうしたらこんな名刺を渡されて、先輩に渡してくれって・・・」

 

1枚の名刺を俺に渡す

『 心霊研究会所長 天城清玄』

 

「限りなく胡散臭いんだが!」

 

白木「なんだ何だ。お前の事気になってる系の女の子じゃないのかよ」

 

何処に期待を持ってるんすか白木さん・・・

いやいやそうじゃなくて!

 

笹原「・・・・・・それに先輩・・・」

 

うむ、笹原の言いたいことは何となく分かる

先日のヴィオラの件もあっての今回のコレだ

笹原も気にしてるっぽいしな・・・

 

「よーし笹原。飯食いに行くぞー」

 

ここではその話は出来ない

取り出したカップ麺を引き出しにしまう

 

白木「何だお前ら。飯食いに行くのか?」

 

ここで白木さんについて来られたら不味いのだが・・・

 

白木「まあ若いもの同士、行ってこい」

 

危ねぇ・・・

空気読んでくれて助かります白木さん

 

「あざっす。よし笹原、行くぞ」

 

笹原「あ、ちょ先輩!」

 

笹原と事務所から出る

 

 

 

 

 

 

 

 

事務所の下の階にある蕎麦屋

ちょっとお値段が張る為、たまにしか来れない

ただ周りが静かなので、チョイスした

 

「・・・さて、事務所での話の続きだ」

 

笹原「・・・はい、これって私が渡したあの人形と関係してるんですよね?」

 

申し訳なさそうに聞く笹原

関係ないとは言いきれないが、決してお前のせいではないぞ!

 

「だとしてもお前のせいでじゃねぇよ」

 

フォローする先輩の鏡

まあ実際そうだしな

俺が引き取ると言ったんだから

 

笹原「・・・それに、その人去り際に気になること言ったんです」

 

この上更に何かあるのか

 

笹原「2つあるうち、1つは危険だと伝えてくれって・・・」

 

・・・・・・

おい胡散臭いオカルト所長!

完全に余計な事言ってるんだよなぁ・・・

 

「へー、なるほどな」

 

まあどう考えても市子とヴィオラの事だよな・・・

さて、どう返したものか・・・

 

笹原「・・・あの人形が、何か悪いものを呼んだのでしょうか・・・」

 

お、ナイスな勘違い

笹原は市子の存在は知らんし、とりあえず良しと

曰く付きの人形を二体も持ってますとかバレたら流石に引かれそうやしな・・・

・・・と言うか笹原がめちゃくちゃ申し訳なさそうな顔しとる!

いやいやヘーキよ?

 

「平気だよ。現に俺特に何も起きてないし」

 

いや実際は賑やかですがね

 

「仮に何が起こったところでお前のせいじゃないから安心しとけ」

 

笹原「・・・すみません・・・先輩」

 

「なんで謝るんだよ。大丈夫だから安心しろ」

 

笹原「・・・はい」

 

・・・・・・・・・さて、これからどうするかだよなぁ

確か天城・・・ナントカさんだっけ?

別に俺自身困ってる訳じゃないのになぁ・・・

何れにしてもいつかは対面しそうな予感があるな

余計なこと言うなってビシッと言っとかんと・・・

 

「ま、何にしてもナントカさんとは俺から話してみるよ」

 

笹原「お願いします先輩」

 

それからのランチは普通に頂いた

・・・1点だけ普通じゃないとしたら笹原の食欲

ワシの財布の中身空になるやろ!

蕎麦の大盛りにカツ丼大盛り2つってなんの冗談?

・・・いいさいいさ・・・もう存分にお食べ!!

俺の寂しい財布から1万円札を出し、お会計を済ませる俺・・・

 

笹原「先輩、ご馳走様です!」

 

「・・・は、はは・・・良いってことよ・・・」

 

後輩に奢るのは先輩の役目よ・・・

でもちょっとは手加減してくれてもええんやで?

・・・っと、それよりもだ

ホント色々やること増えちゃったな

市子の店に胡散臭い研究会所長・・・

色々やらんとな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ただいまー」

 

自宅の扉を開ける

アイツら静かにしているだろうか・・・

 

市子「あんたねぇ!黒髪こそ女の子美しさが1番際立つでしょうが!」

 

ヴィオラ「何言ってるんですかねぇ!ブロンドこそ美しさの頂点ですよ!」

 

・・・・・・

こんのアホ2人め・・・

 

「なーにやってんだコラ・・・」

 

市子「待ってたわよ!ちょっと聞きたいんだけど!」

 

「何だよ藪から棒に・・・」

 

ヴィオラ「黒髪と金髪、どちらの方が綺麗ですか!?」

 

仕事終わりにそんなアホみたいな質問を・・・

 

「・・・どっちでもええやろ」

 

市子「良いわけないでしょ!」

 

ヴィオラ「そうですよ!女としての魅力のぶつかり合いですから!」

 

えー・・・

事は意外と面倒臭い感じになってるのね・・・

 

「別に・・・どっちも可愛いでいいんじゃない?」

 

市子・ヴィオラ「良くなーーーーい!」

 

うるさ!!

お隣さんに聞こえたらどーすんだ!!

 

「分かった分かった!考えとくよ!」

 

なんで仕事終わりにこんな面倒臭いこと考えなきゃならんのよ…

 

「・・・つーか晩飯食べていい?考えるのはその後にさせて」

 

市子「・・・仕方ないわね!ちゃっちゃと食べちゃいなさいよ!?」

 

ヴィオラ「話はそれからですからね!?」

 

めんど!!

これは最もらしい事言って言いくるめた方がええか・・・

とりあえず買ってきた弁当をレンジで温めてーーーーー

 

ピンポーン

 

不意になるインターホン

最悪のタイミングなんだよなぁ・・・

人が飯食おうとしてる時に・・・

 

「・・・はーい」

 

視線の端に市子が見えた

 

市子「・・・・・・?」

 

何故か彼女は不穏な顔をしているように見えた

さほど気には止めなかったが、扉を開けた時悟った

 

「・・・初めまして」

 

「・・・へ?」

 

「心霊研究会所長の天城清玄と申します」

 

 




心霊番組が似合う季節になりましたねぇ・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。