破神の愛馬のお話   作:elf5242

26 / 31
その25

合同合宿も残り1ヶ月…折り返しが過ぎました。皆さんも皆さんで色々と力をつけて来ているようで私もうかうかはしていられません。というわけで、朝のランニングのタイムを1秒以下に抑える、というかなり鬼畜なチャレンジしています、イクシオンDeath…おっと失礼、イクシオンです。え?文字数稼ぎだろって?なんのことでしょう…?(目逸らし)

 

そんな事は頭の外にでも置いておいて…なかなか1秒以下に抑える、というのも難しいんです。会長さんもやってるみたいですが、1秒22、とか1秒19とかが続いているようで会長さんも難しい顔をしています。なお、テイオーさんもやろうとしているようですがまだ4秒の壁が高いみたいです。他の皆さんも未だにこのタイムに四苦八苦している様子…私たちだけではなくリギルの皆さんも同様です。ですが今のところ良いペースで抑えつつ少しずつタイムを詰めて来ているのがライスシャワーさん。ライスシャワーさんはトレーナーさんいわく今度の菊花賞は見送り、代わりに天皇賞春、秋に向けて完璧な調整を施す、との事でこの合宿をかなり有利に使えそうです。え…?じゃあ一番絶不調は誰か、ですか…?私だよ!悪いか畜生!!

ええ、いう通り本当に絶不調です。というのも1秒以下に抑えるとは言ったものの、未だ1秒80すら切れてないのが現状…最初の時は2秒切るまで早かったのですが、そこからは伸び悩んでます。うーん、どうしたものでしょう…。

 

「よし、それじゃあ実戦組は今日も始めるよー。今日も手を抜かずに全力でがんばろー。」

 

ペラペラとここ一ヶ月のノートを見返してる途中で招集が掛かります、トレーニング開始です…仕方がありません、ここは頭を切り替えて夜に考えるとしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ…はぁっ…」

 

その日の夜、夜は基本自由行動なのでチームで反省会をするもよし、資料室で資料を見たりビデオ研究をするもよしと、トレセン学園ばりに施設が揃っています…そんな中私は…。

 

「はっ、はっ…!っ、んぅっ…!」

 

トレーニングルームの中にあるボルダリング用のウォールでひたすらトレーニングです。トレーナーさんいわく常に何処かに力が入る為、筋肉の持久力を鍛えるのに打って付けだそうです。念のために下には低反発の分厚いマットが引かれており、更に命綱まで装着しているので比較的安全ではあります。何故ボルダリング…いえ、命綱までつけてるのでクライミングですね…それで、なぜかと言うと、最初はトレーナーさんに体力を伸ばしたいと言ったところ、自主練として案内されました。意外な楽しいし、難しいです。

 

「ふっ…!んんっ…!」

 

と、探りながら上っていくと、どうしても手が届かない場所が出てきます…そう言う時は思い切って脚を振り上げるのです、意外と脚なら届くと言う場面が多いですし、足の裏が乗らないのなら足の甲を引っ掛ければ良いんです…まぁ、多分ウマ娘にしか出来ないと思いますけど…。そのまま足の甲を窪みに引っ掛けます、そしてそこを視点にして少し下に下がりつつも足場や手を引っ掛ける場所が豊富な場所に移動して、また登り始めます。天井まで石が続いているのと、割と天井が高いので良いトレーニングです。

 

「はぁ…はぁ…すぅっ…!」

 

そしてそのまま、またゆっくりとしっかりと掴める石を探しながら上っていきます。あとほんの少し、と言う場合は思いきってジャンプするのも得策です、ウマ娘の脚力と体感なら大体は届きます…ただ…。

 

「っ!?!?あー…しまった…」

 

と、ジャンプして掴んだは良いのですが脚を引っ掛かる場所が悪く、そのまま滑り落ち、掴んだ手も離してしまって下に引いてあったマットにぼふっ、と落ちます…。油断したり、場所が悪かったりと本当に少しのイレギュラーでこんな風になってしまうのです。

 

「ふぅっ…片付けて戻りますか…。」

 

根を詰めてもしょうがないのです、どうにかなる。そう信じて今はやるしかありません。そのまま器具とシューズを外して指定の場所に片付けます。

 

「えいっ。」

 

「ひゃぅっ!?」

 

と、器具を片付けていると突然、首筋に冷たいものが当てられてビックリします…思わず素っ頓狂な声もあげてしまって、思わず睨みながら後ろを振り向きます。そこにはイタズラ成功とばかりに笑っているトレーナーさんが。

 

「頑張ってるねぇ、感心感心…♪」

 

「トレーナーさんが勧めてきたんでしょう?勝てるようになれるなら、頑張りますよ。」

 

「うむうむ、ほかのウマ娘に負けず劣らずの、負けん気…素晴らしいねぇ、というわけではいこれ」

 

とトレーナーさんが渡してきたのが、ハートやらがあしらわれた可愛らしいピンク色の缶ジュースです…とりあえずありがたく貰って起きます。

 

「まぁ、この調子なら秋華賞も菊花賞も大丈夫でしょ。」

 

「はいっ、勝って見せます。」

 

「エアもリベンジ狙ってるみたいだから頑張ってね〜。オークスより苛烈なレースが観れるのを楽しみにしてる。」

 

「…はいっ!」

 

こうしてトレーナーさんからも期待されているのだ。同じチームだからといって、負けるわけにはいかない。改めて固く自分の中で勝利を誓うのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません、もどりまし…会長さん!?エアグルーヴさん!?ナリタブライアンさん!?」

 

ボルダリングルームのシャワーを浴びて戻って来れば相部屋の会長さんとエアグルーヴさん、ナリタブライアンさんがまさに死屍累々といった様子で倒れていました…すぐさま3人に駆け寄ります。呻き声は聞こえるので、ほっと胸を撫で下ろします。

 

「だ、大丈夫ですか…!?」

 

「あ、あぁっ…げほっ、げほっ…!」

 

会長さん達の近くにはトレーナーさんからもらった、あのピンク色の缶ジュースが落ちています。そしてその中身からは何やら甘ったるいような酸っぱいような、よくわからないにおいが…。そういえば…と、貰ったジュースを取り出します。

 

「…き、気をつけろ…それは、危険だ…!がくっ…」

 

「エアグルーヴさぁんっ!?」

 

と、エアグルーヴさんも息絶え絶えで忠告してきます。そんなに危険なものなんですか、これ…!?

 

「おのれ…ゴールド、シップ…覚えて、いろよっ…!がくっ…」

 

「ナリタブライアンさーん!?」

 

とりあえず会長さん達に胃薬を医務室から持ってきて、その日は安静にして貰いました。とりあえず、ゴールドシップさんとトレーナーさんには雷を落としておきました。会長さん達が被害にあった、このピンク色の缶ジュース…"初恋ジュース"はのちにトレセン学園の比較的目立たないところの自販機に密かに納入され、我慢比べ、度胸試し、"一気飲みで完飲すれば初恋が実る"などのジンクスなどに使われるようになるのはまた別のお話です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美味いんだけどなぁ、これ。」

改めて見返してレース描写が単調気味になってきたと思うこの頃、どう思いますか?

  • このままでも、ええねや。
  • 勉強してこい、ボケナス
  • ポチンキ()
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。