破神の愛馬のお話   作:elf5242

3 / 31
もっともらしい理由をつけてとあるチームに放り込みました()
トレーナーいないとレース始まらないらしいから仕方ないね!あ…作者の好みでトレーナー変えました、こういう人が育てたチームってクソ強いと思うんだけど私だけ?


その3

入学式、そして選抜レースを駆け抜けた翌日…私は。

 

「まぁーーーてぇーーーー!!!!」

 

トレーナーやチーム所属のウマ娘から何故か追い回されていた。トレーナーに関してはレースが終了した直後に、ウマ娘に関しては最初は何人かの戦闘狂とも言える子たちだけだったのだが、波紋が波紋を呼んでいる。今追いかけてきている前髪に一房の白いメッシュの入ったウマ娘。本当にしつこい。あの担任の先生くらいしつこい。というわけで現在ありとあらゆるテクニックを駆使して彼女を含む数人から逃げ回っております。

 

「はぁっ…はぁっ…なんで、こんなことになってるの?」

 

「まてぇー!!」

 

と、軽く汗を拭いながらなるべく障害物の多い道を選ぶ。何故障害物かって?前世の記憶を前回引っ張り出した時に、内容を斜め読みした。私、どうやら前世ではパルクールをやってたらしい。てなわけで現在、ウマ娘の身体能力でパルクールやってます、出来ればこんなことに私も技術使いたく無いんですが、仕方ないんです。いつまでも追いかけられると学業にも支障が出ますし。

 

「ええーっ!?ちょっと!そんなのズルだよぉ!!」

 

ごめんなさい、でもあなたも死ぬほどしつこいのが悪いんです。心の中であの子に謝りながら改めて教室に向かう。遅れた理由が追いかけ回されてました、なんて問題にしかならない。多分私が先生ならガチでキレる。某のび太くんみたいなことさせるかも知れない。とりあえずはまぁ、あの追いかけてきた子含めた数人は今の所撒けたのだ、よしと思うことにしよう。

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

一方その頃、時間は少しだけ巻き戻り選抜レース終了直後。この選抜レース、簡単に言えばトレーナーやチームへのスカウトを目的としてる部分もあり、またマスコミからも未来の有能なウマ娘、として特集を組むこともしばしば。そんな選抜レース終了直後の生徒会室。

 

「やはり、こいつが一番だな。マスコミが早速騒ぎ立てている。霹靂一閃、天孫降臨、疾風迅雷…。」

 

「やはり、あの落雷にも似た踏み込み…それが理由だろう。天孫降臨とはよく言ったものだ。」

 

なんて、生徒会役員の三人。シンボリルドルフ、ナリタブライアン、エアグルーヴの三人が選抜レースに出走したウマ娘達の履歴を見ているようで。早速マスコミにより色々と異名が付けられている。先程の三つの他にも雷神の使い、破神の愛馬、雷獣…などなど。実際、周囲の人間は雷でも落ちたのか、と思ったらしい。

 

「エアグルーヴ、どう思う?」

 

「…そうですね、自身の身体の動かし方は知っているのに、自分の身体の事はまるで知らない…矛盾している、そんな印象は受けますね。」

 

「だろうな…おそらくだが並みのトレーナーじゃあ彼女を持て余すだろう。」

 

「ではどうする?」

 

「下手なチームに取られて故障されるよりはうちで引き取ろうと思う。トレーナーには、私から話そう。」

 

「私もそれは賛成だが、多少の不満は出てくるぞ。そこはどうする?」

 

「そこに関しては策はある…いや、策とも言えないごり押し…所謂、職権濫用というやつさ。」

 

「お前いいのか、それで。」

 

「たまには構わんだろう…たまには美味しいところを持っていかないと割に合わん。」

 

「お前も随分と悪い奴になったな。」

 

「たまにはダークな事くらいしたくなるさ。」

 

さて…と、一声かけた後にトレセン学園生徒会長、"皇帝"シンボリルドルフが軽く手を叩いて。

 

「一週間以内には実行する、エアグルーヴ…例のものを持ってきてくれ。」

 

「はい、会長。」

 

トレセン学園生徒会…改めてトレセン学園最強のチーム…リギルによる裏工作…もとい、問題児生徒への鬱憤晴らしが開始されようとしていた。

 

 

 

 

 

♢♢♢♢♢♢♢♢

 

 

 

 

 

数日後。

 

 

「まてーーーーっ!!!」

 

こんにちは皆さん、イクシオンです。今日も今日とて追いかけ回されています。この子達飽きもせずに良く追いかけてくる。とりあえず植えられている木を足場にして窓から校舎にお邪魔します。

 

「よし、予想通り…!」

 

と、今度はボブカットのウマ娘が走ってくる。仕方が無いとばかりにその子に向かって走っていく。

 

「なっ…!?でもチャンス!捕まえ…!あれ?…ええ!?」

 

ボブカットのウマ娘と接触する数メートル手前で壁に向かっていき、少し足を酷使しながら4mほど壁走り。道が塞がれてる時はこれに限る。そのままボブカットの子を撒こうとするものの、このボブカットの子もなかなかにしつこい。例えると卵かけご飯の後味くらいしつこい。嫌いじゃないんだけどね、卵かけご飯。夏は危ないからあんまり食べられないけど。

 

「どうしよう…全く勉強とか出来てないんだけど…」

 

そろそろ観念してトレーナーやらの師事を受けた方がいいのだろうか。ウマ娘一人でもトレーニング施設の使用許可証は取れるが、幾分面倒臭い…しかし一人だといつまでこの状況が続くか分からない。逃げながらどうしようかと迷っていると、電話が掛かってくる。しかし、知らない番号だ…しかし、間違い電話かもしれないので伝えてあげるためにそっと通話ボタンを押して。

 

「もしもし…?」

 

『手こずっているようだな、イクシオン。』

 

「だれ、ですか?」

 

『今は言えない、だが、この学園で一番安全な場所を教えてやる。この状況を終わらせたければ、こちらの指示に従え。』

 

聞こえてきたのはボイスチェンジャーで声を変えているのか、少しだけ雑音の混ざった声。声を変えているので男性か女性かもわからない。ただいまは、従うしかないようだ。

 

「分かった…でも、信用したわけじゃない…」

 

『今はそれでいい…では、そのまままっすぐ、3番目の角を右だ。』

 

こうして謎の声に導かれて、ガイド通りに進んでいく。指示は的確でありいかにこの学園の内部を把握しているかがわかる。指示に従い続けておおよそ15分後。

 

『最後にその通路の一番奥の部屋に入れ、それで彼女らも大人しく引き下がるだろう。』

 

なんていえば、声が途切れる。通話が切れればスマホを仕舞い込んで扉に手を掛けてゆっくりと開く。

 

「お疲れ様、ゆっくりしていくといい。」

 

「ありがとうございます…」

 

そういうと、明らかなプレッシャーをひしひしと感じながらも、対面のソファーにゆっくりと腰掛ける。体重をかければ皮の感触と共に僅かな音を立てながら。

 

「…先程はありがとうございます…生徒会長さん。」

 

「はて、なんの事かな?」

 

「白々しいですよ…こんな状況で頭が回らないほど、バカじゃありませんから…」

 

スカート越しにタンタン、とスマホの画面を叩き折り返し電話をすれば相手の方からバイヴ音が流れて。ワンコールした後に通話を切る。

 

「はははっ、一本取られた。」

 

「ちょっと頭の回る人なら誰でも思い付きますよ…」

 

なんて言いながらもチラリと入り口の方を見れば追いかけてきた子達が本当に追いかけてくる様子は無い…もしかしなくても自ら罠に飛び込んだのは…漁夫の利のようにして捉えられたのは私の方か?なんて考え始めて。

 

「まぁ、緊張せずに気楽にしてほしい。君にとっても利のある話だ。」

 

「………」

 

緊張するな、というのが無理がある。相手はこの学園の生徒会長…まだ名前は覚えきれていないが周りの人からは"皇帝"と言われているだけある。その視線はまるで品定めでもされているようで。

 

「回りくどい話は嫌いだ。単刀直入に合わせてもらう。君を私のチームに迎え入れようと思う、これは私のチームの総意だしトレーナーとも話がついている。」

 

「そうですか…しかし何故私なんでしょう?他にも有力な子はたくさんいたはず…」

 

「一つ目はあの選抜レースだ。君はあの選抜レースの後なんと呼ばれているか知っているかな?」

 

「いえ…勉強も練習もついていくのがやっとですから…」

 

「ふふっ、だろうな…君の勤勉さは私の耳にも入ってきている。あの選抜戦以降…マスコミは君をこう評している。霹靂一閃、天孫降臨、疾風迅雷…他にも雷獣、破神の愛馬、雷神の使い…その他もろもろ…つまり転入生にも関わらず君は今注目の的と言うわけだ。」

 

「ええ…」

 

なんで頭にそんな呼び名が…原因は私が使ったあのあの加速の時の踏み込みなんだろうけどそこまでのものだったのだろうか…。

 

「そして二つ、この状況。今や各トレーナーやチームは君を手に入れようと躍起だ。追いかけられる事で君も学業などに大なり小なり支障が出てきている…違うかな?」

 

「……っ。」

 

ちょっとだけ苦々しい表情をする。ぶっちゃけるとあたりだ…。

 

「沈黙は肯定と受け取ろう。そして3つ…君は自身の身体の事についてほぼ知らないに等しい。そんな状態で下手なチームやトレーナーに預けて故障されるくらいなら、私達で受け入れた方がいい。」

 

「………」

 

やばい、ぐうの音も出ない…まるで詰将棋かと思うくらいにはムーブが完璧だ…。

 

「私達は新たな戦力を確保できる。君は指導を受けられて尚且つ勉学に励める時間も確保でき、そしてレースにも出場出来る条件が整う。学園としても有能な生徒の故障を防げて騒ぎも収められる…それぞれが対等に恩恵を受けられる。と言うわけだ…どうかな?」

 

あ、ダメだ。私の頭の回転じゃこの生徒会長をうまく言いくるめられる自信が無い。それに実際一人でできることなんてたかが知れている…ここは、素直に受け入れよう。私の年貢の納め時と言うやつだ。

 

「…わかりました、よろしくお願いします。生徒会長さん。」

 

「あぁ、我々は君を歓迎しよう。ようこそ、リギルへ。」

 

と、座ったまま頭を下げる。本当にムーブが完璧過ぎる。最初から計画していたんじゃ無いかと疑えるくらいには完璧だった。そして差し出された生徒会長さんの手を取る。わたしには不相応だとは思うが目をかけてもらえたのだ。期待に応えられるようにはしたい。

 

「では、早速だがついて来てくれ。」

 

「はい…構いませんけど一体何処に?」

 

「私のチーム、そしてトレーナーに会わせる。いずれも私が言うのもなんだがトップレベルのウマ娘達だ。」

 

生徒会長について行けば生徒会室とは別の意味でプレッシャーが立ち登る部屋の前につけば生徒会長さんはそんなプレッシャーに動じることなく、ドアノブに手を掛けて扉を開く。

 

「やぁ、おかえり。上手くいったみたいだね。」

 

「殆ど賭けみたいなものだったがな。あいつらがとことんこちら有利な状況を作ってくれて助かったと言ったところだ。」

 

「おー、腹黒い。」

 

「トレーナーほどじゃ無いさ。」

 

なんて、目の前の目隠しをした男性と生徒会長さんが一言二言会話を交わした後に生徒会長さんが男のそばに着く。トレーナーと呼ばれていたのでこの人が会長さんのチームのトレーナーなのだろう。

 

「さて、いきなりだけどちょっとごめんよ?」

 

「………!?」

 

と、目隠しをした男性トレーナーが私に近づいて来る。そして私を見ながら私の周りをくるっと一周すれば。

 

「本当だ、君本当にすごい身体してるね、ウケる。」

 

なんて言って、男性トレーナーはソファーに戻っていく。

 

「いきなりごめんねぇ。自己紹介が遅れたね。僕、五十嵐 悟。このチームのトレーナーをやらせて貰ってる。」

 

「はぁ…よろしくお願いします…」

 

「あはは、そう緊張しないでよ。別に撮って食おうってわけじゃ無いんだからさぁ。」

 

快活に笑いながら目の前のトレーナーに促されるままに、周囲の子達に失礼しますとお辞儀をしてから着席する。

 

「さて…で、早速本題なんだけどぶっちゃけると君、自覚ないかもだけど君っていま超貴重かつ超扱いの難しい原石な訳。」

 

「は、はぁ…」

 

「まぁ、ついこの間まで普通に暮らしてたウマ娘が選抜レースでいきなり一位とっちゃったらそうもなるよね。僕も君のレース生で見てたけど、君…下手に自己流でやったり、下手なチーム入ると絶対故障する。並みのトレーナーだと君を必ず持て余す、並みのトレーナーじゃあ価値のある原石じゃなくて爆弾に見えるかもね。」

 

トレーナーさん…五十嵐さんの声がだんだんと真面目さを帯びてくる。

 

「と言うわけで、君を迎え入れるのは僕たち全員の総意、と言うことを忘れないでね。もちろん学長には了承は取ってるさ…事後報告だけどw」

 

ニヤリと笑う五十嵐さん…この人表面上はふざけてるけどなんだろう。対面した瞬間に目隠し越しでも全てを見透かされていそうなこの感覚は。

 

「というわけで堅苦しいお話終わり!軽くメンバー紹介しようか。」

 

と、五十嵐さんはソファーに背中を預ける形で楽な姿勢をとりながらメンバーの自己紹介をし始める。

 

「まずリーダーで生徒会長のシンボリルドルフ、君の理想系になるかも知れないから覚えといてね。」

 

「これからよろしく頼む。」

 

と、生徒会長さんが軽くお辞儀をしたのでこちらも返す。シンボリルドルフ、シンボリルドルフ、シンボリルドルフ…よし覚えた。

 

「副会長のエアグルーヴ、役員のナリタブライアン。何か困ったことが有れば大体はこの二人が解決してくれるよ。」

 

「期待している。」

 

「トレーナーと会長の期待、裏切ってくれるなよ?」

 

エアグルーヴにナリタブライアン…二人とも目つきも雰囲気も鋭い。生徒会としての威厳は十分だ。二人にしっかりとお辞儀をして。

 

「寮長のヒシアマゾンとフジキセキ。」

 

続けて紹介された二人にそれぞれ軽く会釈をして。フジキセキ先輩は寮でもお世話になっているため、軽く手を振りかえしてくれる。

 

「あと、右から順にタイキシャトル、エルコンドルパサー、グラスワンダー、テイエムオペラオー…後一人はついこの間抜けちゃった。まぁ、合う合わないはあるから仕方ないよね。以上がチームリギルだ…何か質問はあるかな?」

 

「いえ…ただただ…今は圧倒されてます…」

 

「だろうね、多分みんな不得意距離で君と走っても勝つと思うよ。」

 

少しムッと来たが、実際その通りだ。実際緊張しているのではない…少しだけ怖気づいたのだ…本当に情け無い。

 

「けど、断言するよ。君は第二のシンボリルドルフになれる。というか僕がしてみせる…だから、君も食らい付いて来て欲しい。出来るかな?イクシオン?」

 

「はい…よろしくお願いします。」

 

周りは現在全員格上ばかり…それでも関係無い。もう情け無い姿は見せない。その為なら悪魔とだって契約してやる。

 

「いい顔だ、状況を利用して君を半ば無理矢理にでも引き入れた甲斐があったよ。というわけで早速…

 

 

 

君、着替えて来て?」

 

まだまだ一波乱ありそうだ。

ウイニングライブで何が聞きたい?

  • 召喚獣らしくff繋がりの曲()
  • 作者の趣味()
  • キャラ作成時のモチーフ曲()
  • 名前が電気っぽいやつ()
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。