幼馴染みに、好きな人が出来た   作:青い灰

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愛というものは、愛されることよりも
むしろ愛することに存する。
           ──アリストテレス──


そして結末まで考えてると言いましたが………過程を考えてるとは言ってないです。過程ぼんやり過ぎるので1話以降は投稿が遅くなります。ノリの問題で、はい。

熱い戦闘描写や残酷グロ描写を書くのが大好きなので、恋物語は慣れてません。慣れたいって意志はあるから許して。




3話

 

 

 

「…………………あぁ、クソ」

 

 

なんとか、放課後。授業が全く頭に入ってこなかったことに悪態をつき、頭を抱える。忘れなければいけないのに。早く忘れてしまいたいのに。だって、もう少しすればまた今日もスズが…………

 

 

「…………………………来るわけねぇだろ」

 

 

そう、思考を無理矢理止める。そうだ、これからは彼女の時間になるのだから。余計な期待も、やめてしまえばいい。もし…………もし、時間を削って来たとしても、こちらがいなければ、すぐに彼女も帰路につくだろう。

 

あぁそうだ、そうして彼女と少しずつ距離を離していくんだ。そうすれば、いつかきっと彼女を忘れられる。

 

 

「………忘れ、られる…………」

 

 

そう、思考を口に出して。凄まじい寒気と悪心に襲われ、思わず口を抑える。

 

 

「ぅ、う……ぅ……う、ぅぅ、ッ……!!

 はぁっ、はぁっ、はぁっ……!!

 う、ぐっ、はっ、はっ、はっ………」

 

 

喉を鳴らし、大きく息を吸って、上がってくる胃物を押し戻す。気持ち悪さに脳を支配され、その場に膝から崩れ落ち、その時に机に胸を打ち付け、倒れる。

 

 

「う……っ!……げほっ、げほっ!!」

 

 

その痛みに、息が詰まって。

 

更に、吐瀉物が器官に入る。

 

思考が止まる。

 

 

 

 

 

 

 

「は、か、ぁ……っ!……ひっ、ひゅっ……

 は、はっ、は………か、ぁぅ………ッ……!!」

 

 

 

 

 

息が、できな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「………………………………」

 

 

ぼんやりと、瞼を開ける。気分は最悪、頭と喉元がズキズキと痛み、血流に泥が混ざっているかのような怠さが身体を重くする。

 

どうやら寝かせられているようで、身体には布団がかけられていた。鮮明になってきた視界に入ったのは、真っ白な天井。

 

 

そして………起き上がろうとすると。

 

 

 

 

 

 

「まだ寝てたら?」

 

 

 

 

 

 

その声のした右の方向に、バッ、と視線を向ける。そこにいたのは、スズだった。間違えるハズがない、その声音を。忘れるワケがない、その話し方を。それに、眼を見開いて驚いていると。

 

 

「なに?幽霊でも見たような顔して………

 折角保健室まで連れてきてあげたのに、

 感謝の1つもないのか……って知らないのか」

 

 

そう言って笑う彼女を、呆然と見つめる。……………何故か、この時。無性に…………嬉しかった。彼女が気にかけてくれたことが。そうか、連れてきてくれたのが彼女だったのか、と。

 

だが、どうしてもまだ、気持ちの悪さが残っていて…………どうにも、笑えそうにはなかった。

 

 

「………悪い」

 

「……………ま、いっか。

 大丈夫そうで安心したかな。

 吐き戻したのが詰まったって言ってたけど」

 

「そう、か」

 

 

……………彼女を忘れようと考えただけで、そこまでなるとは。我ながら……どうにも……………

 

 

「馬鹿だな」

 

「ん?なんか言った?」

 

「いや別に………」

 

「ってちょっと、なんで起きようとしてんの?

 私見てるし、もう少し寝たら?」

 

「別にいい。彼氏んとこ行ってやれ。

 俺は帰って今日休んだ課題終わらせねぇと」

 

 

思いだし、自分が心の底から嫌になる。早く何処か、彼女がいない場所へ。そうして鞄を取って立ち上がった時。

 

 

「…………あれ」

 

 

振り替えると、きょとん、とした顔で彼女はそんな声を漏らす。それに聞き返すことにするが………

 

 

「どうしたよ?」

 

「………いや、なんでもないかな?」

 

「んだよ…………全く」

 

 

それに、何となく。

誰も聞いていないのだ。知っているのは俺だけだ。

 

 

「そういやお前さ─────」

 

 

だから。馬鹿なことを、してみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「10年前の約束とか、覚えてるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それに、彼女は笑ってこう返す。

 

 

「10年も前のことなんて、覚えてるワケないって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分かりきっていた、答え。

 

分かりきっていた、言葉。

 

 

思い出すこと自体の拒絶に。

 

 

 

 

「……………じゃ、な。助かったよ」

 

 

 

 

 

また、朝のように。

 

自分の馬鹿げた考えに、自分で吐き気を覚えながら、俺は逃げるようにそこから走り去った。

 

 

 

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