八つ当たり勇者   作:matudasakuya

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文字数が足りないので3話を結合しました。ご了承下さい。


始まりと告白〜家訓と失恋〜謝罪と死

俺はトレース学院に通う高校1年生の如月斗真(16歳)、明日幼馴染の時野葵に告白する予定なのだが、1つ問題が発生してしまった。

 今日学校に着くや否や、噂話をする輩が多いなと思っていた。その話の内容と言うのが、学年で男子女子からも好かれる存在で気が弱い性格の西野薫がどうやら俺に告白するらしい。

 

「おう、斗真」

「あ、達也か」

「聞いたか、西野お前に告白するらしいぞ、どうするんだよ」

「答えは決まっているさ、断る」

「勿体ねーな」

「俺には好きな人が居るんだ、断らない方が相手にも失礼だろ」

「まーそうだが」

「どうせ噂話の大半は嘘に近いから、告白すらあるかどうか怪しいと思うぞ」

「机の中見たのか?」

 

 親友の立山達也に促され机の中を見た。悪い予感は的中し、机の中には手紙が入っていた。

 

『斗真君へ、今日の放課後体育館裏で待ってます。西野薫より』

 

 到頭、放課後になってしまった。手紙に書いてあった通り体育館裏へと向かた。当然野次馬も集まって来ており騒いでいた。

 

「とっ、斗真君、来てくれて嬉しいです」

「ああ」

 

 彼女は緊張している様だ、まー無理もない彼女は人見知り気質があるからな。

 

「大好きです、付き合って下さい」

「西野さん手を地面に突いて下さい」

「え、どうして?」

「良いから、お願いします」

「は、はい」

 

 周りも何をするのだろうかと疑問に思っている、その時。

 

「痛ったい」

 

 彼女の悲痛な声が聞こえて皆、俺に視線が釘付けになる。

 そう俺は、彼女の手を踏み潰したのだ。

 

「どうして」

 

 彼女は泣きながら答えた。

 

「この産業廃棄物風情が、この俺に告白して来た罰だ」

 

 そして足を左右に動かして、手を捻り潰す。

 

「痛い、痛い、痛い」

「泣き喚くな、耳が痛くなるだろ」

「金輪際、俺の前に現れるな、汚らわしい」

 

 その後西野は、不登校になってしまった。 

 

――(家訓と失恋)――

 

何故、俺が西野の手を踏んだのかそれには理由がある。それは、我が家の家訓が関係している。

 

 家訓その1、恩を受けたら必ず返す事。

 家訓その2、人を助け優しくする事。

 家訓その3、好きな人が居るならその他の人の告白を断り、相手が諦めるように確実に相手の好意を断ち切る事。

 

 ただこの件がきっかけで、俺は誰にも相手にされず、親友であった達也にも邪険にされたのだ。

 

「くそ、何で俺がこんな目に遭わなければならない」

 

 俺は机を大きく叩いた。

 

「浮気したり曖昧にする輩よりもよっぽどマシなはずなのに」

 

 でもそう悩んで、考えている暇はない。本来昨日告白する予定だったのに、この件があったせいで、1日予定がずれてしまっているからだ。

 

 俺は早朝に学校に来て、時野葵の机の中に手紙を入れた。

 

 俺は放課後、手紙に屋上を指定していたので、待って居たら時野がやって来た。

 

「良かった、来ないかと思ってたよ」

「話は何?」

 

 若干怒ったような口調で言われたので、告白しようか躊躇したが、告白する事にした。

 

「俺と......付き合って下さい」

「......ごめんなさい、私友達を傷つける人が嫌いなの」

 

 俺は頭の中が真っ白になった。

 

「まっ待ってくれ」

 

 俺の声はもはや届かず。彼女の涙目になった横顔を、俺は眺めている事しか出来なかった。

 

――(謝罪と死)――

 

俺は失恋した、だがまだ諦めてはいない。友人を傷付けた事を怒って居るだけならまだチャンスはあるはずだ、西野を登校させて和解すれば。大丈夫だ上手くいく、何か菓子折りなどを持って謝罪に行こう。俺は近所のデパートへと足を運んだ。バームクーヘンなどは無難で良さそうだな。購入して西野宅に向かった。

 

 俺はチャイムを鳴らした。だが誰も出る気配がない。

 

「誰か居ませんかー?」

 

 鍵が開いている。

 

「......お邪魔します」

 

 奥の方で不穏な雰囲気がする。血の匂い?俺は直ぐ部屋を覗いた。

 

「おい大丈夫か?」

「.....」

「嘘だろ、なんなんだこれは」

 

 西野がナイフを持って母親を刺して居たのだ。

 

「西野これはどう言う事だ、早く救急車を呼べ」

「その必要はありません」

「何?」

「だって貴方今から私と一緒に死ぬんですもの」

 

 気付けば俺の心臓にナイフは突き刺さって居た。

 

「貴様.....」

 

 俺はゆっくり息絶えた。

 




小説家になろう、カクヨムでも掲載中。
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