とある英雄馬の深き衝撃   作:静かなるモアイ

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英雄の物語完結までもう少し。


日本ダービー

皐月賞を制覇したディープインパクトは破竹の勢いで勝ち進める。

 

「恐らく、僕が日本ダービーに出走するメンバーの中では一番強いかもしれません。ですが、こうなった以上…勝負は何が起こるか分かりません。僕が僕を相手するなら、差しきらせる前に対策を行うでしょう。なので、確実に勝てる保証は有りません」

 

インタビューでそう答えたディープインパクト。可愛らしい顔立ちをし、一見女性のような小柄な少年。数日後に迫った日本ダービー、全てのウマ娘が一生に1度しか走ることを赦されないレースであり目標だ。ただ、日本ダービー等の三大クラシックは全ての中学三年生が出れる訳ではないのだ。選ばれた18人、その選抜された中学3年生のウマ娘が頂点を競って戦う。

2年前、シンボリルドルフが成し遂げた無敗でのクラシック三冠制覇。それを狙えると周囲からの期待は勿論、メディアからの報道は熱を見せる。何より、ディープインパクトはチームシリウスの所属であり、日本ダービーを制覇すればチームシリウスの伝説であるトキノミノルと同じく無敗での二冠及びダービー制覇を成し遂げる事が出来るのだ。

 

 

「ディープインパクト君ですか?あの子には是非とも頑張ってほしいですね。勿論、トレセン学園の職員としては他の子にも頑張って欲しいですけどね」

 

報道陣はディープインパクトの周辺の人々は勿論のこと、トレセン学園の様々な方々にもインタビューを行っていた。

トレセン学園の応接間。そこでとあるインタビュアーは駛川たづなと名乗る、トレセン学園理事長の秘書から話を聞いていた。

駛川たづなは緑を基調とした衣装を纏っており、屋内でも帽子を被っている。

 

「私は理事長の秘書なのでトレーナーと生徒達の間には滅多に干渉しません。ですが、ディープインパクト君の事は入学前から知ってました。彼、私の友人の弟さんなんですもん」

「その人は?」

「ブラックタイドさんです。今はデザイナーをしてまして」

 

ブラックタイド。インタビュアーは知っている。ディープインパクトの姉であり、同じく男性ウマ娘であったサンデーサイレンスの子供。ブラックタイドとその義父である有名演歌歌手には既にインタビューを行っていた彼等だったが、此処でブラックタイドの名前を聞くとは世間は狭いものだ。

 

「そうなんですか…あとディープインパクトさんの事で何かエピソードとかは?」

「そうですね…食堂の職員の皆様からはお坊っちゃま君なんて呼ばれてましたね。あと、物凄く食事のマナーが綺麗なんですよ」

 

と言ったたづな。インタビュアーとしては何かぶっ飛んだネタとかを探したかったが、これ以上はたづなからは聞けそうに無いだろう。

 

 

インタビュアーが去った後、駛川たづなは1人で応接間を片付ける。やがて片付けが一段落したのか、帽子を取った。帽子を取ると、ホモサピエンスの耳ではなくウマ娘の耳が有ったのだ。そう、駛川たづなはホモサピエンスではなくウマ娘だったのだ。

 

「本当に…サンデーサイレンスさんそっくりですね。ディープちゃんは」

 

そしてたづなは財布から1枚の写真を取り出した。その写真にはディープインパクトに瓜二つだが…頬に傷痕の有る男性ウマ娘と幼い頃のたづなが写っていた。その男性はサンデーサイレンス。アメリカ出身だが、生まれつき体格に恵まれなかった事と人種差別が未だ残るアメリカで男性ウマ娘として産まれた為か、悲惨な幼少期を過ごしては日本にやって来た人物。

だが…彼は日本の芝を走る適正は素晴らしく。瞬く間に日本でトップスターに登り詰めた。サンデーサイレンスは肉体に素晴らしい素質を秘めており、日本でそれを開花させた。だが…彼はもう居ない。サンデーサイレンスはディープインパクトという後継者を遺してこの世を去ったのだ。

 

「身体が小さく、それ故に多くのトレーナーに見向きもされなかった。でも肉体に秘めた素質は計り知れなかった。本当にそっくりだ」

 

その写真を大事そうに仕舞い、別の写真を取り出したたづな。その写真は優勝した記念に撮影された物だろうか?背景には日本ダービーの文字が書かれており、緑の勝負服姿で中学生頃の少女たづな。たづなを囲むように沢山のファンが写っており、その中には物心がギリギリ着かない位の幼さなディープインパクトがブラックタイドに抱っこされて写っていたのだ。しかし、その写真…1つ気になる点が存在していた。写真に写る少女たづなだったが、左足と右足は包帯が軽く巻かれており、良く見ると左足は包帯に隠されているが少し変色していたのだ。

 

「シンボリルドルフさん程度じゃ停まらない。貴方は(幻のウマ)を越える伝説になる。私は信じてますよ、ディープちゃん。

私を越える競技者は君しか現れない。私はそう思います」

 

たづなはその写真も大事に仕舞い、帽子を被って馬耳を隠す。そして応接間を出ていった。

 

「だって…サンデーサイレンスさんが遺言で「ディープは世界に衝撃を起こす」って言ってましたもん」

 

 

 

5月29日。日本ダービーが始まった。

 

『おおっと!?ディープインパクト、出遅れたか!?』

 

だが…スタート直後。ディープインパクトはよろけてしまい出遅れてしまう。出遅れはレースに於いて大きな失態、そのまま距離を離されれば打開は厳しく成ってしまう。事実、ゴールドシップも過去に世紀の出遅れ(通称-120億円事件)で大惨敗した事がある。

 

しかし、このディープインパクトにそれは関係ない。直ぐ様、持ち直すと集団の真ん中に張り付き…そのまま並走する。そして第3コーナーを曲がった時だった。

 

『ディープインパクトがもう仕掛けた!?持つのか!?此処で仕掛けて持つのか!?』

 

ディープインパクトが動いた。此処で加速し、一気に先頭集団を捉えては抜き去り先頭に出る。そして、最後のコーナーを曲がってディープインパクトの加速は爆発した。

 

『出るぞ!!衝撃波!!ディープインパクトの加速が停まらない!!彼の肺活量はどうなっている!?出遅れたのにも関わらず、ディープインパクトは今…ゴールしました!!』

 

そしてディープインパクトは1位でゴールした。なお、出遅れたにも関わらずディープインパクトは大会レコードタイでゴールするという規格外を見せ付ける。そして…彼は天高く腕を上げて指を2本立てる。皐月賞、日本ダービーを制した。後は菊花賞だ。それを制すると、彼はシンボリルドルフと同じく無敗の三冠馬となる。

 

 




次回は菊花賞に備えての北海道合宿(史実でも北海道で菊花賞に備えてました)。

だが…ゴルシのハジケが合宿限定で巻き起こる(笑)

ディープ「ヒグマは呂布、ツキノワグマは関羽です。まあ、人に触れた事がない熊は基本的に刺激しない限りは襲っては来ませんよ。山を歩く際はラジオを流せば、向こうから仕掛けてきません。熊は警戒心が強いので」

ゴルシ「ヒグマ出たぁぁぁあ!!」

この作品、後10話以内…伸びて前後で終わります。もし、次回作書くならゴルシどうしよう。シリウスとスピカ、どっちも出てきます

  • ディープきゅんの居るチームシリウス
  • スペちゃんの居るチームスピカ
  • ゴルシはハジケリスト…風のように現れる
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