とある英雄馬の深き衝撃   作:静かなるモアイ

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前半。ディープが教える熊の驚異。後半はゴルシ


北海道合宿

皐月賞から日本ダービー間では短いスパンで行われる。その間は約1ヶ月であり、調子や体調をどれだけ維持して仕上げるかが大事になる。その2つを終えれば次は菊花賞であり、菊花賞を制覇すれば晴れてディープインパクトはシンボリルドルフ以来となる無敗の三冠馬に成ることが出来るのだ。

だが…菊花賞は秋の10月25日。未々先であり、時間に猶予は沢山有る。しかし、暑い夏を無事に乗り切る事が絶対条件であり、過去には皐月賞と日本ダービーを制覇しても猛暑で体調を崩し調整を失敗して菊花賞を逃がしたウマ娘や名馬(我々の世界で)が沢山居た。

 

8月は夏休み。合宿が行われるのが基本では有るのだが、チームシリウスはディープインパクトが無事に菊花賞を制覇する為に8月一杯を使って合宿を行うことにしたのだ。合宿が行われるのは北海道、ディープインパクト達が普段から暮らしている東京都と比べて気温は涼しく避暑地として最適だ。

 

「さあ、皆!!お肉が焼けたぞ!!」

 

主に練習場として北海道の地方トレセンの練習場を借りて合宿にせいを出すチームシリウス。滞在場所としてはディープインパクトの実家の別荘を使わせてもらう事になり、チームシリウスの他にはディープインパクトの家族も参加している。今日は合宿が始まってから1週間目であり、別荘の庭で夕飯のBBQを行っている。辺りにお肉や野菜が美味しく焼ける匂いが広がり、実に美味しそうだ。

 

「はっはは!遠慮しなくて良いぞ!!」

 

そう言う老人が1人。この老人はディープインパクトとキタサンブラックの祖父(ディープから見れば血筋的に姉の義父)である超有名演歌歌手である。毎年、紅白歌合戦等に出ており、代表曲は祭りや与作である。

 

「いや…まさか…ディープのお爺さんが…あのサブちゃんだったなんて」

「マックイーンだけじゃなく、ディープもお坊っちゃんだったのか」

 

その有名演歌歌手はファンからはサブちゃんと呼ばれており、サブちゃんの事を知るトレーナーとジャスタウェイは苦笑いを浮かべてしまう。

 

因みにディープインパクトは北海道産まれ東京都育ち。実家は普通に裕福。育ての両親(姉夫妻)、妹(姪)、祖母と祖父(サブちゃん)の6人家族。

 

ハルウララは高知県出身高知育ち。実家は普通。

 

オグリキャップは岐阜県出身岐阜県育ち。実家はそこそこ貧乏で母親との2人暮らし。

 

ゴールドシップはゴルゴル星産まれ(自称)家族は国家機密とのこと。因みにゴルゴル星はラップ越しに夜空を眺めると見えるとか。

 

ジャスタウェイは東京都歌舞伎町産まれ。実家の側には万事屋銀ちゃんという怪しげで愉快な店があり、警察官の1人がキャバ嬢をストーカーしてるとか。

 

メジロマックイーンは超絶大富豪。家が最早城であり、小学校の時はリムジンで通学していたとか。

 

「だからお前、初めてのウイニングライブの時に祭りを歌ったのか」

「僕が歌詞覚えてるのそれだけだったので」

 

ウイニングライブ。それはレースに勝利したウマ娘が観客席に集まってくれた人々と感動を分かち合う為に、歌のパフォーマンスを行う事である。このウイニングライブのお陰か、ウマ娘の競技者は競技者であると同時にアイドルのような側面も持っている。だが…トレーナーはディープインパクトにライブの練習をさせる事を完全に忘れてしまい、ディープインパクトは初めてのウイニングライブで祖父サブちゃんの代表曲である祭りを披露してしまったのだ。

本来、ウイニングライブはアイドルのように格好いい曲や可愛い曲を歌う。しかし、そんな事を知らずにディープインパクトが披露したのはまさかの演歌である祭りだったのだ。

 

「そういや、北海道って熊さん居るんですよね。プーさんみたいな感じですの?」

 

マックイーンがそう言う。そう、北海道には熊が生息している。勿論、本州にも熊は生息してるが北海道には日本で最も大きな肉食動物ヒグマが生息している。熊は肉食動物なのだが、最近ではプーさん以外にリラックマやくまモンと言った可愛らしいキャラクターのお陰か女の子に人気なのだ。

 

「くまモン可愛いよね!」

「リラックマもなかなかだ」

 

くまモン、リラックマのブームの為なのかオグリキャップとハルウララも熊は可愛いと言う。だが…北海道出身のこの男と姉は違った。

 

「「そんな分けないでしょ!!」」

 

ディープインパクトとブラックタイドの姉弟である。そう、北海道では熊は恐るべき存在だと語られているのだ。それもその筈、過去に起きた獣害事件(野生動物が人間に危害を加えること)で何人も人が熊に殺されてきたのだ。

 

「熊を嘗めてたらいけないわ。奴らは恐ろしい存在よ、熊はプーさんとか言いながら共存出来るなんてほざく動物愛護団体の皆さんが居るけど、それは有り得ない。熊は執着心が強く、狙った獲物は逃がさない」

 

ブラックタイドが告げる。そう、熊は真実を知れば可愛げが1ミクロンもない危険な動物なのだ。人間の食べ物の味を覚えた熊や人間の味を覚えた熊は何度でも人里に降りてきては人間に危害を加える。

 

「熊はエグいんですよ。ヒグマは呂布、ツキノワグマは関羽です。ヒグマなんて人とウマ娘を瞬殺出来るスペックがあり、時速60キロで足場の悪い山を疾走し、朝青龍以上の体重で突っ込んで来ます。もう、絶望しかないよ」

 

熊は殺人的な身体能力を誇る。時速60キロで山を疾走する。岩や木の根子、急な斜面で走るのが大変な所で時速60キロで突き進むのだ。もし、車やウマ娘が普段から走る道路等で走ればそれより速く走るだろう。しかし、体重が軽く百キロを越えており、タックルや撫でるような攻撃でさえも殺人級な一撃を誇る。

 

「もし…遭遇したらどうしたら良いの?」

「人に触れず自然の中で生きてきた熊なら何とかなる。熊はヒグマ、ツキノワグマどっちも警戒心が強いんです。なので、ラジオを流し続けたりしてたら熊も此方の気配に気付いて近づきて来ません」

 

熊は警戒心が強い。なので携帯ラジオを流し続けたりすれば、熊も此方の場所が分かり近付いてこない。熊避けの鈴は似たような効果があり、ラジオが無い時はそれが使われてきた。

 

「まあ…近年ではそれが通用しなく成ってきたんですよね」

 

だが…それは人間に触れず純粋な自然の中で生きてきた熊限定。近年では熊が可愛いとエサをやったりする観光客、自然の開拓で境界線が曖昧になり人里に降りては人の食事を覚えた熊、これらの理由で人に慣れた熊が続出。ラジオや熊避けの鈴も意味が無くなってきたのだ。

というか、人の味を覚えたヒグマならラジオの音=人が居ると認識して襲ってくる可能性も有るのだ。正に絶望。

 

「熊を麻酔で眠らし山に返しても、その熊は再び人の前に現れる。覚えておいて、人と熊は共存するべきだと言う人が居るけど、それはもうほぼ不可能。共存出来るルールを一方的に破ったのは私達、人間だとね」

 

そう…人と熊の境界線を破壊したのは我々人間である。

 

熊の恐るべきスペックを改めて知り、唖然としてしまうオグリキャップ達。だって、熊だから仕方がない。

 

「それじゃあ、明日は休息だが…希望者は資料館に行くか?良い勉強に成るだろう」

 

実際に北海道にはヒグマが引き起こした獣害事件に対しての資料館が存在している。その資料館にはそのヒグマを再現したオブジェやそこヒグマの皮等が展示されているのだ。

ウマ娘達は選手である前に学生であり、実際に行くのは良いだろう。

 

しかし、これは自由参加。当然の如く、参加しなかったハジケリストと巻き込まれた哀れな苦労人が存在した。そう…

 

「さあ、行こうぜ!!ジャスタウェイ!!この世の果てまでな!!ゴルシちゃん探検隊しゅっぱーつ!!」

「昨日のディープとお姉さんの話し聞いてた!?」

 

そう…ゴールドシップとその親友であるジャスタウェイである。ジャスタウェイはゴールドシップに完全に巻き込まれた形では有るが、2人は北海道の大自然を満喫して探検していたのである。

 

此処は北海道の山奥。

 

「大丈夫だ、問題ない。エデンの意志が私に囁くんだよ…ズルズルボールはこの奥に有るってな」

「なにズルズルボールって!?初めて聞いたわ!!」

 

ゴールドシップはエデンとやらの意思に導かれ?ズルズルボールとやらを探すために、ジャスタウェイを連れて山奥にやって来た。一応、彼等が居るのは山奥なのは山奥では有るのだが、整地はされた登山道。獣道ではなく、人が通るために少しは整備された道である。

 

「大丈夫大丈夫。ほら、熊出没の看板無いだろ?」

「いや、国道側の登山口に思いっきりヒグマの絵が書かれていたけど!?」

 

北海道は何処でヒグマが降臨するか分からない。看板が有ろうが無かろうが、奴等は降臨する。何故ならヒグマはスタミナ有るわ、走るわ、泳げるわ、その気に成れば北海道の様々な所に現れるのだ。

 

「ゴルシ。今すぐ戻ろう…なんだかイヤな予感が」

 

ジャスタウェイはそこで言葉を切り、あんぐりとして固まってしまう。

 

「どうしたんだよジャスタウェイ?む?」

 

するとゴルシも何やら違和感を感じて後ろを振り向いた。そこには大きな大きなヒグマが立っていたのだ。

 

「「逃げろぉぉおおおお!!」」

「まー!!」

 

ヒグマ降臨!!

 

後日。無事に五体満足で逃げ切る事が出来たジャスタウェイとゴールドシップは語った。

 

「あれ、神様が設計ミスして誕生したプレデターだろ」

「北海道は都会だけで良いや」

 

 

 

ディープ&ブラックタイド「だから言ったじゃん」

 

なお、本州には関羽と言えるツキノワグマが生息してる。日本に居る限り、熊とは遭遇するだろう。




次回…菊花賞。

たづなさん?「菊花賞おめでとう。これで君は無敗の三冠馬ですね。だから…今こそ、私も正体を明かします」

たづなさん?「今日からディープインパクト君、貴方を鍛えます。貴方は既に国内では無敵でしょう、ですが世界が相手なら別です。私の夢を貴方に託します」

菊花賞を終えたディープにたづなさん?が夢を託す。これが、史実とのターニングポイントと成るのだった。




次回作?のオマケ

ウマ娘には様々な名馬が登場する。だが…未々多くの名馬が出てきていない。シンザン、オルフェーヴル、クリフジ、そしてテンポイント。

嘗て流星の貴公子と呼ばれた男性のウマ娘、テンポイント。彼はハンディキャップでの悲劇により世界挑戦の夢と選手生命が絶たれた。

だが…それでもテンポイントは時を得てトレセン学園に帰ってきた。自分の夢を子供達に託し、トレーナーとして未来の名馬を育てるために。

テンポイントは選手時代に所属していたチームシリウスのトレーナーとなり、廃部寸前だったチームシリウスの復活を目指す。同じくオンボロチームであるチームスピカと共に頑張ったり、時には競いあったり、時に笑いあったり。

牛乳大好きテンポイント。彼がシリウスとスピカの子供達をスピカのトレーナーと共に新たな一等星に導く物語である。

テンポイントやディープ等の一部の未実装ウマ娘は本来の性別に成ってる場合が有ります。

登場が確定している未実装ウマ娘。テンポイント(男)、ディープインパクト(史実通り男の娘)、オルフェーヴル(ゴルシの姉)、レジェンド クリフジ、トキノミノル(正体は?)

テンポイント「牛乳は良いですよ。1日1リットルが目安です」←史実ネタ

この作品、後10話以内…伸びて前後で終わります。もし、次回作書くならゴルシどうしよう。シリウスとスピカ、どっちも出てきます

  • ディープきゅんの居るチームシリウス
  • スペちゃんの居るチームスピカ
  • ゴルシはハジケリスト…風のように現れる
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