GOD EATER─非力な英雄─ 作:1万年と二千年前から哀・戦士
荒れ果てた大地、そこはかつて繁栄したであろう証が『食い散らかしてある』場所。
高層ビルには穴が開き、大地は巨大なクレーターが出来ている。
その場所に人は住んでおらず、ある『生物』達の楽園と化していた。今もすぐそこで
─グチュッ!ブチュッ!ビチャッ!─
人の身長程ある三匹の二足歩行型生物…『オウガテイル』がある生物の死体を捕食していた。
いや、彼等を『生物』と呼ぶには余りにも他の生物と隔離していた存在だった。故に人々は何時からか彼等を八百万の神に例え、荒ぶる神…『アラガミ』と呼んだ。
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というのが俺がやっていたゲーム、『GOD EATER』の超絶簡単うろ覚え世界観だった。
何故こんな事を急に思っているかというと、今俺は…そのゴッドイーターになろうとしていたからだ。
俺は所謂転生者だった。しかしご都合主義よろしく何かのスキルを得られている訳でもなくて、貴族の子という訳でもなく…荒れ果てた世界の一般家庭で『
まあ、産まれてからずっと転生前の記憶と基礎知識がある為に多少は頭のいい子を演じる事は出来てきたかもしれない。
ただ言えることは…この世界は地獄のようだという事。そもそもアラガミという存在、それを倒すゴッドイーターの存在を聞いた時から分かっていたようなものだが。
ここ日本…いや、今はフェンリル極東支部であるここのアラガミ防壁によって守られている『内側』なのは有難いことだったが、いつ襲ってくるか分からないアラガミ達、配給頼りの生活、マトモな職に付けない人々、前世…平成や令和を生きた人間にとってはありえない程に少ない娯楽、ハッキリ言って苦痛な毎日だった。
挙句の果てには俺がこちらで産まれて10年経つ前に両親はアラガミに襲われて亡くなった。ごく稀に防壁を突破してくるアラガミが居るのだが、そいつらに喰われたのだ…目の前で。
復讐を…なんて言わない、それても少しでも俺みたいな人を少なくしたい。そう思っていた時にフェンリル極東支部より神機の適合適性があると通知が来た。嬉しい…とは思ってない。生前はゲームの世界でしか無かったこの世界だが、俺は今この世界で生きている。明らかに過酷な世界、クソッタレな世界。
それでも…生きてみせる。
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フェンリル正式制服に身を包みながら広い…訓練所?の様な場所に俺はいた。
ゲームで見た場所だ…と思いつつ前方にある装置を見据える。
ゴッドイーターになる為に必要な物、プレス機の様に右腕に腕輪を付ける、その際に激痛を伴うもの。
痛いのは嫌だな…なんて呑気な事を考えられているのは、俺が予想以上にリラックス出来ているからかもしれない。
『─長く待たせてすまない』
そんな時、声が聞こえた。男の声だ。そして俺はこの世界が『どの世代』かを理解した。
シックザール支部長、その人の声だ。つまり今は「一回目の終末捕食」が始まる前…無印…と呼ばれる時代だろう。
『ようこそ…人類最後の砦、「フェンリル」へ。
今から、対アラガミ討伐部隊「ゴッドイーター」としての適性試験を始める。
少しリラックスしたまえ、その方が良い結果が出やすい』
自分でもビックリするほど落ち着いてるさ、だから大丈夫。
『心の準備が出来たら、中央のケースの前に立ってくれ』
言われた通りに俺は装置…ケースの方へ進む。
刀身が見えていたから旧型の剣型の方だと思っていた、だか進むに連れてそれは違うのだと分かった。
ケースからはみ出てる刀身、そしてその付け根には小型化した銃身…剣と銃を使える…それはこの時代において『新型』である。
無印の主人公は極東支部唯一の新型として戦っていた。後にロシアからみんな大好き『南半球』さん、ちと影が薄い印象の『後輩2名』が来るが…その3名とも他支部からの配属だったと思う。あくまで記憶してる限りでは…だが。
つまりこれは…俺が無印の主人公になれって…事なのか?
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無印主人公、続編のバーストの主人公でもあり、リザレクション?とかいうストーリーが追加されたリメイク版でも主人公だった。
『極東支部にこの人あり』
確か2で極東支部に赴いた際に前作主人公に対しての極東支部からの評価。ハッキリ言って生ける伝説、実質人外してるゴッドイーターの中でも更に人外。鬼神…は別のナンバリングの主人公だったかな?まあ、少なくとも『新型』では片付けられない程の英雄。
ムリだろ…そう思ってしまうのも仕方が無いほどの英雄だった。ハッキリ言って歴代主人公で1番好き…というより1番思入れが強い。
某狩りゲーよりも先にゴッドイーターをやった俺は『無印世代』が1番好きだった。
だが自分がなれるかと言われれば話は別だ。俺は見てなかったが、友達が『戦犯』と言っていたアニメ版主人公の様に『戦犯』と言われるのがオチなのではないだろうか?
『どうした?大丈夫だ、適性試験は入念に君たちのデータを見て合格出来るか出来ないかで呼んでいる。君はここにいる時点で合格したも当然なのだ』
長い事動かない俺にシックザール支部長が声をかけた。怖気付いたと思われたに違いない…いや怖気付いたんだよな…。
なるようにしかならないか…そもそも俺が主人公かどうかは知らないけど、俺みたいに悲しむ人を少しでも減らすために来たんだ、今更後戻りは出来ない。
そうして俺はケースの腕輪になる部分に右腕を置いた。少しの間を空けてケースが閉まり『オラクル細胞』が俺の腕を侵食し始めた。
「──っ!!ぐっ…!ぁ……」
何秒経ったのか、何分経ったのか…時間の感覚が曖昧になった時に『プシュー』と音と共にケースが開かれた。
そこには赤く大きな腕輪がしっかりと固定されていた。
神機を持ち上げてみる、大きさの割にかなり軽い。拒絶反応も捕食も無い、晴れてゴッドイーターになったのだった。
『おめでとう、君がこの支部「初の新型」ゴッドイーターだ』
やはりそうか…これから過酷な任務に着くことになるのが確定したようなもんだ。
『適性試験はこれにて終了だ、次は適合後のメディカルチェックが予定されている』
確か『彼』と初めて会うのはこの時だったかな?家族…とくに妹思いのいいお兄ちゃんだったはずだ。
『始まるまでその扉の向こうの部屋で待機していてくれたまえ、気分が悪いなどの症状がある時はすぐに申し出る様に………期待しているよ』
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