GOD EATER─非力な英雄─   作:1万年と二千年前から哀・戦士

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お待たせ(?)しました!
今回も楽しんでいただければと思います。


ep.1 支部長のお願いとメディカルチェック

「ねえ、ガム食べる?」

 

 

 そう話しかけて来たのは対面に座る『藤木 コウタ』。彼は家族を養う為にゴッドイーターになった……ハズ、確か。

 そんな家族思いの彼との最初の会話はよく覚えてる。

「ガム食う?」と聞いておいて切らしてたからな! 最初見た時「コイツ……w」ってなったのを覚えてる。

 どうせ今回だって……

 

 

「……ん、ほら」

 

 

 ほら、やっぱりな……え、あるん? 

 

 

「えっ……あー、アリガトウゴザイマス……」

 

 

 そう言ってガムを受け取り食べる。

 

 

「……アンタも適合者なの?」

 

「そうだよ」

 

 

 じゃなきゃここに居ないって。

 

 

「俺と同じか少し年上っぽいけど……ま、一瞬とはいえオレの方が先輩ってことで!」

 

「ふふ……そうだね」

 

「よろしく!」

 

「ああ、よろしく」

 

 

 うん、ゲーム通りに良い性格だ、仲良く出来そうで良いね。

 

 

「オレ、藤木 コウタっていうんだ、アンタは?」

 

「俺は月島 ナオ」

 

「おっけー! オレのことはコウタでいいぜ」

 

「俺もナオでいいよ」

 

 

 自己紹介もそこそこにコウタはバガラリーをやたら勧めてきた。

 コウタがバガラリー好きなのは知ってはいたが、こんな早くにオススメしてきたっけ? もうちょい後な気がするけど……てかこいつ声でけーな、そろそろ『鬼教官』が来るぞ……

 コツっコツっコツっ

 

 

「煩いぞお前たち、立て」

 

「……ゑ?」

 

 

 ほら来た、鬼教官……『雨宮 ツバキ』さん。第一部隊隊長の『数を数えられない人』の姉、既に前線からは引いていて今は指導官として働いている。

 ついでにこの人が使っていた神機はコウタの手に渡っている。

 

 

「立てと言っている! 立たんか!」

 

「は、はい!」

 

 

 1回目の「立て」で立ってた俺とは違い、若干声の圧がかかった2回目の「立て」を聞いたコウタは『ビシッ』という音が聞こえてくるように綺麗な起立をした。

 

 

「これから予定が詰まっているので、簡潔に済ますぞ」

 

 

 それを確認したツバキさんは説明を開始する。

 

 

「私の名前は『雨宮 ツバキ』、お前たちの教練担当者だ。

 この後の予定はメディカルチェックを済ませたのち、

 基礎体力の強化、基礎戦術の習得、各種兵装の扱いなどのカリキュラムをこなしてもらう」

 

 

 初日から色々詰め込むな……そうでもしないと使い物にならないって事なのかもしれないけど。

 

 

「今までは守られる側だったかもしれんが、これからは守る側だ。

 つまらないことで死にたくなければ私の命令には全て『Yes』で答えろ……いいな?」

 

 

 ……守る側、わかってる。少しでも悲しむ人を少なくするって決めたんだ。それにつまらない事だろうがつまらなく無かろうが死ぬつもりは毛頭ない。

 

 

「わかったら返事をしろ」

 

「「はい!」」

 

「よろしい、早速メディカルチェックを始めるぞ……まずはお前だ」

 

 

 と俺の方を見るツバキさん、先に俺か。

 

 

「ペイラー・サカキ博士の部屋に一五〇〇までに集まるように。

 それまで、この施設を回っておけ。

 今日からお前らが世話になる、フェンリル極東支部……通称『アナグラ』だ。

 メンバーに挨拶の1つでもしておくように……以上だ」

 

 

 そう言って用は済んだと言わんばかりに立ち去るツバキさん。ゲームだと美人さん位にしか思わなかったが、実際に見ると美人には変わらないが鬼教官と呼ばれるだけあるな、迫力が違う。

 そして俺とコウタはオペレーターや施設の職員、先輩ゴッドイーターに挨拶をして時間を潰したが、まだ予定時刻には早かったので雑談をしていた。

 

 

「かー! あの先輩見下してきやがって!!」

 

「まあまあ」

 

「いやナオも怒れよ!? 新型だからとかガキだからって変に突っかかってきてんだぜ!?」

 

 

 まあ、確かに『新型が調子付くな』(意訳)、『ガキがなめてると(ry』とか言われたけどさ……

 

 

「別に、『子供』の言う事に一々腹立ててらんないよ」

 

「……実は相当怒ってるな?」

 

「ふふ、どうかな? っと時間だな、行ってくるよ」

 

「おう!」

 

 

 時間が近付いてきたので雑談を切り上げ、ペイラー・サカキ博士の部屋に向かう。

 ゲーム通り、サカキ博士の部屋にはシックザール支部長もいた。

 

 

「ふむ……予想より857秒も早い、よく来たね『新型』君

 私は『ペイラー・サカキ』、アラガミ技術開発の統括責任者だ」

 

 

『ペイラー・サカキ』……スターゲイザーとかいう異名もあったはずだ、技術屋にしてはロマンチストな1面も持ち合わせている人で『変な』(ここ重要)開発をする人でもある。なんだよ初恋ジュースって。

 

 

「以後、君とはよく顔を合わせることになると思うけどよろしく頼むよ。

 さてと……見ての通りまだ準備中なんだ。

 ヨハン、先に君の用事を済ませたらどうだい?」

 

「サカキ博士、そろそろ公私のけじめを覚えて頂きたい」

 

 

 ヤレヤレといった様子でサカキ博士に小言を言ってからこちらに向き直るシックザール支部長。

 

 

「適合テストではご苦労だった、私は『ヨハネス・フォン・シックザール』。

 この地域のフェンリル支部を統括している」

 

 

 あー、この人のフルネーム思い出したわ。『ロシアの南半球』さんや『上田』さんやその『妹』、その『騎士道(笑)(上田の幼なじみ)』のフルネームは覚えてるのに……いやこの人の場合は純粋に名前だけ忘れてたわ……。

 

 

「改めて適合おめでとう、君には期待しているよ」

 

「彼も『元』技術屋なんだよ、ヨハンも『新型』のメディカルチェックに興味津々なんだよね」

 

 

 ……未来を知っている俺は『元』の部分を強調してるように聞こえてしまう。

 そういえばサカキ博士は最初からシックザール支部長が『何かをしている』と知っていたんだろうか……。

 

 

「あなたがいるから、技術屋を廃業することにしたんだ……自覚したまえ」

 

「ホントに廃業しちゃったのかい?」

 

「ふっ……さて、ここからが本題だ」

 

 

 うわー、意味深の言葉だ……。

 

 

「我々フェンリルの目標を改めて説明しよう。

 君の直接の任務は、ここ極東地区一帯のアラガミの撃退と素材の回収だが、それらは全てここ前線基地の維持と来るべき『エイジス計画』を成就するための資源となる「コノスウチハッ!?」」

 

 

 おい……うっさいぞオッサン。という視線を俺もシックザール支部長もサカキ博士に向けた。

 

 

「ん"ん"ッッ、……エイジス計画とは、簡単に言うと極東支部沖合、旧日本海溝付近にアラガミの驚異から完全に守られた『楽園』を作るという計画なのだが「ホホーッ!」……この計画が完遂されれば、少なくとも人類は当面の間絶滅の危機を遠ざけることが出来るはず「スゴイ!! (小並感)コレガシンガタカァ!!」……ペイラー、説明の邪魔だ」

 

 

 最後めっちゃ怒ってるじゃん支部長……声音だけだとガチ切れに聞こえるよ? 

 

 

「ああゴメンゴメン、ちょっと予想以上の数値で舞い上がっちゃったんだ」

 

「ともあれ、人類の未来の為だ、尽力してくれ」

 

「はい!」

 

 

 と返事と共に敬礼をする。シックザール支部長のエイジス計画……を隠れ蓑に進められている『アーク計画』。これは1部の人類を『ソラ』……『宇宙』に上げ、終末捕食が完遂された地球に戻ってくるというのが大まかな計画だったと思う。

 ……大罪人と言えるだろう、総数としてどれだけの人類を宇宙に上げたのかわからないが残された人々は居た。だが後の時代でも終末捕食は起こっている……しかもその時はシックザール支部長の様に人類を残すことは無い、完全に人類が消えるであろう終末捕食だった。それを考えるとこの人はまだ善人だったのだろう、正しくもあったのだろう。

 俺はその時……どうするのかな……新たな時代を見るのか……この人を討つのか。

 

 

「それと、新型の君には少し協力して欲しいことがある」

 

「あっはい、なんでしょうか?」

 

 

 そう返事をするとシックザール支部長は手に持っていた端末を操作し、渡してきた。

 その画面には各刀身、各装甲、各銃身のデータと……これは。

 

 

「それは今、主に使われている神機のパーツのデータと、フェンリル本部の方で試作品の開発が完了した『新たなる刀身』のデータだ。

 新たなる刀身……以後『ポール型』と言おう。まず上から『チャージランス』、『ブーストハンマー』、『ヴァリアントサイズ』だ。それぞれ貫通、破砕、切断に特化した性能をしているが、既存の刀身……『ブレード型』にはない癖があるものだ」

 

 

 この時代に槍にハンマーだって!? 『2』からじゃないのか!? いや『3』の『月』と『二刀流』が無いだけマシなのか……? 

 

 

「このデータと試作品のポール型を君が使えるようにしておく、特にポール型のデータは今現在かなり不足している為に君にはデータ収集もして欲しい」

 

「データ収集ですか……既存の……ブレード型の使用は可能ですか?」

 

「それについては特に制限はしないよ。

 あくまで『渡すので好きに使ってくれ、ついでにデータもくれ』という事さ」

 

 

 と準備が終わったのか、サカキ博士が話に加わってきた。

 

 

「そういうことだ、頼めるか?」

 

「はい、問題ありません」

 

「そうか、では頼む……じゃあ私は失礼するよ。

 ペイラー、あとはよろしく、終わったらデータを送っておいてくれ」

 

 

 それを最後にサカキ博士の部屋から出ていくシックザール支部長。

 

 

「よし、準備は完了だ。

 そこのベッドに横になって。

 少しの間眠くなると思うが、心配しないでいいよ。

 次に目が覚める時は自分の部屋だ」

 

 

 これ、毎回不思議に思ってるんだけど誰が送ってくれてるんだろう? サカキ博士では無いね。

 

 

「戦士のつかぬ間の休息というやつだね。

 予定では10800秒だ、ゆっくりおやすみ」

 

 

 そして俺はメディカルチェック中に案の定寝てしまい、起きたら予告通り自分の部屋にいた。

 だから誰やねん? ここに連れて来てるのは。

 

 

 

 ──────────

 

 

 

「へぇ……これはまた、面白い結果が出てるね」

 

 

 例の『新型君』のメディカルチェックを終えて、その『異常』なデータを私……『ペイラー・サカキ』は見ていた。

 これでも技術屋だからね、こんな異常はデータを見れば一瞬でわかる。わかるのだが……今回は原因がわからないね。

 

 

「偏食因子が極々少数だが変化している……これは新型の偏食因子だ」

 

 

 君は一体……『何者』なんだろうね、新型君

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お読み頂きありがとうございます。
シックザール支部長からポール型のデータを取れとお願いされました。それと主人公の偏食因子がおかしくなっているようで?
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