ウルトラマンノーザ   作:NS-105

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やっぱりウルトラマンの小説ならウルトラ怪獣出したいよね。


第拾壱話:ヒトが奪いしモノ

朝。シンジ、レイ、ペンペンがいつも通り朝食をとっていた。

 

ミサト「おはよう」

 

シンジ「お、おはよう…」

 

レイ「おはようございます…?」

 

ペンペン「クワァ…」

 

今日のミサトは珍しく身なりを整えていた。

 

ミサト「仕事で旧東京まで行ってくるわ。多分帰り遅いから、何かデバって」

 

シンジ「ああ~旧東京っていやあJAか。あの農協ロボの発表って今日だったな…」

 

ミサト「そゆこと、じゃ」

 

シンジ「うい」

 

レイ「いってらっしゃい」

 

 

ミサト「ここがかつて、花の都、と呼ばれていた大都会とはね。」

 

リツコ「着いたわよ。」

 

海の底に沈んだかつての大都市の上空を一機のVTOLが過ぎ去る。

 

ミサト「何もこんなところでやらなくてもいいのに…で、その計画、戦自は絡んでんの?」

 

リツコ「戦略自衛隊?いえ、介入は認められずよ」

 

ミサト「道理で好き勝手やってる訳ね」

ミサトとリツコを乗せたVTOLは荒廃した街にぽつんと建てられた巨大な施設の前に複数の同じ招待客のものと思われるヘリと同じく着陸した。

 

 

同じ頃、ソウルチェイサー2015Eに跨ったシンジは、ミサト達と同じ目的地を目指して海面を走っていた。

 

シンジ「(あああああ!(某最高裁判長感)めんどくせ~)」

 

シンジは数日前のやり取りを思い出して発狂していた。

 

 

~数日前~

 

ゲンドウ「…というわけで、JAの完成披露会にリツコ君とは別で潜入してくれ」

 

シンジ「寝言は寝て言え、じゃあな」

 

ユイ「お願い、シンちゃん。もうあなたにしか頼めないの!」

 

シンジ「やだよめんどくせえ」

 

シンジはこの日、早朝から両親に呼び出され、JAの完成披露記念会に行くよう頼まれていた。すでにミサトとリツコがネルフ代表で向かう予定だが、それとは別にということらしい。

彼は前回それにいい思い出がないため断固拒否したいのだが…

 

ユイ「お願い!あの時田のクソ野郎に一泡吹かせたいの!」

 

シンジ「知るか!ってかHA☆NA☆SE」

 

ユイが腕をつかみ懇願してくるため帰るに帰れないのである。なぜ彼女がここまでこだわるのかというと、ユイとシロウは大学時代の同期であり、周りからはいわゆるライバル関係といわれていたのだ。だが当の本人は、

 

ユイ「別にそんな関係じゃありません。試験でいつも私に勝てないからって向こうが勝手に敵視してただけです。気持ち悪い。」

 

と、普通に嫌われてただけだったりする。憐れ。

そんな奴が自分の作ったロボットの完成記念に招待し、しかも前回とはいえ夫の後妻にあたり、自身も妹のように可愛がっているリツコを侮辱したとあれば一度血祭りにあげたいと思うものであり、できれば彼女自身が行きたいのだが。リツコのいない間の仕事を引き継がなければならないため、苦肉の策としてシンジを向かわせたいということらしい。要するにただの私怨である。

 

シンジ「そもそもなんで俺なんだよ」

 

ユイ「5万年も生きてるならなんかうまいことできるでしょ。」

 

なんとも適当な理由だった。しかも地味にシンジについての新情報も出てきた。

 

ユイ「お願い!もうシンジにしか頼めないの」

 

シンジ「…」

 

そのあとなんやかんやあり、特別報酬を受け取ることで渋々了承したシンジであった。

 

 

…と、物思いに耽ている間に、シンジも会場に到着した。出発前は、慣れない礼服に戸惑ったが、移動している間に慣れたようで、迷いなく会場に入っていった。

 

シロウ「良かったですねえ。NERVが超法規的に保護されていて。あなたがたはその責任を取らずに済みますから。」

 

「「「ハハハハハッ」」」

 

シンジ「(うわぁ…)」

 

会場内では、客席で立っている金髪の女性と、檀上で同じく立っている黒髪の男性が、質疑応答という名の討論が起きていた。だが、状況は一方的に女性を嘲笑するような形であり、はたから見ればかなり空気の悪いものだった。

 

リツコ「なんとおっしゃられようと、ネルフの主力兵器以外、あの敵性体は倒せません!」

 

シロウ「ATフィールドですか?それも今では時間の問題に過ぎません。いつまでもNERVの時代ではありませんよ。」

 

「「「ハハハハハッ」」」

 

尚も女性、リツコが反論するが、シロウ以下普段からネルフを快く思わない者たちによって完全に四面楚歌の状況となっている。リツコも普段の冷静な状態ならうまく言い返せたかもしれないが、真正面から自分の研究を否定されたこともあり、感情の整理がつかず反論できずにいた。

しかし

 

シンジ「なら少なくとも現状で使徒に対応できるのはネルフ(うち)のエヴァか俺ぐらいということじゃないですか?」

 

いい加減見かねたシンジが反論した。ミサトとリツコはここにはいないはずの男がいることに驚いている。

 

シロウ「誰だね?君は、」

 

シロウはシロウで見るからに中学生程にしか見えないシンジに口を挟まれたことで眉根を寄せる。

 

シンジ「失礼、私は特務機関ネルフ所属、サードチルドレン兼ノーザデュナミストの碇シンジです。ウルトラマンノーザといえばわかる方もいらっしゃるかもしれませんね。」

 

シンジの言葉に会場がざわつく。ウルトラマンという自分たちの中ではTVの中の絵空事でしかなかった存在が実際にネルフの中にいることはこの会場の者達にとっては周知の事実だが、実際にその変身者をこの目にするのは初めてであり、しかもこのようなイベントに出席するのは完全に予想外だった。

 

シロウ「それはそれは、貴方がかの有名な碇シンジ君ですか、貴方のような人がなぜこのような場所に?」

 

シンジ「なに、ただの業務命令がてらの興味本位ですよ。で、使徒殲滅の要であるATフィールドの無効化もできない動く核爆弾にかなりの自信を持っていらっしゃるようですね時田代表。」

 

シロウ「先程の方にも言いましたが、おたくのエヴァンゲリオンは外部電源がなければ5分も持ちませんウルトラマンならさらに短い3分でしょ?ですが私たちのJAは150日の安定的な作戦活動が可能です。これだけでもどちらが優れているか明らかではないですか?」

 

またも会場から嘲笑の声があがる

 

シンジ「はぁ…」

 

シンジは呆れたようにため息をつくと間髪入れずに反論した。

 

シンジ「そもそも長期稼働に何の意味があります?」

 

シロウ「どういうことです?短時間しか戦闘できず倒しきれないリスクがあるよりよっぽど得だと思いますが。」

 

シンジ「確かにそれは一理あります。しかし、悠長に150日も戦闘なんてして次の使徒が来た場合どうするのですか?」

 

シロウ「はい?」

 

シンジ「使徒との戦闘は短期決戦が基本です。どれだけ長くても1、2週間程で殲滅できなければなりません。なぜなら、その間に次の使徒が来ないとも限りませんからね、使徒一体に時間をかけてもこちらの首を絞めるだけですよ。それとウルトラマンは3分しか活動できないとおっしゃいましたが私の場合活動限界はありませんよ。」

 

シロウ「そうですか、ですがエヴァンゲリオンには暴走の危険性g『シンジ「おたくの農協ロボにもメルトダウンの危険があるでしょ」』の、農協っ…」

 

シンジ「あと、一つ付け足すなら今のところエヴァで暴走が記録されたことはありませんよ。」

 

大の大人が中学生に論破される。なんとも気まずい雰囲気の中パーティーは一旦休憩に入った。

 

 

ミサト「で、シンジ君、ちゃんと説明してくれるんでしょうね」

 

シンジ「すべて碇ユイって奴の仕業なんだ( ^ω^)・・・」

 

リツコ「草加構文で誤魔化さないで頂戴」

 

シンジ「ナズエシッテルンディス!!」

 

休憩時間の殆どがシンジへの詰問攻めとなった。

 

 

シロウ「これより、JAの起動テストを始めます。何ら危険は伴いません。そちらの窓から安心してご覧ください。」

 

パーティーが再開し、シロウの音頭でJAの起動実験が開始された。会場のほとんどが窓の外に映るJAにくぎ付けになる。

 

「起動準備よろし」

 

シロウ「テスト開始!」

 

「全動力、解放!」

 

「圧力、正常」

 

「冷却器の循環、異常なし」

 

「制御棒、全開へ」

 

「動力、臨界点を突破」

 

「出力、問題なし」

 

シロウ「歩行開始!」

 

「歩行、全身微速、右足前へ!」

 

「了解、歩行、前進微速、右足、前へ!」

 

スタッフの操作でJAが一歩進み出る。

 

「「「おおお…」」」

 

「バランス正常。」

 

「動力、異常無し。」

 

「了解、引き続き、左足、前へ!」

 

「よーそろ!」

 

ミサト「へーぇ、ちゃんと歩いてる。自慢するだけのことは、あるようね。」

 

シンジ「案外かわいい見た目してんのなこいつ。」

 

リツコ「…」

 

JAは無事に歩き出し、実験は何事もなく順調に進んでいると思われた。しかし、

 

ピー

突如、会場(兼操作室)にけたたましいサイレンが鳴る。

 

シロウ「どうした?」

 

「変です、リアクターの内圧が上昇していきます!」

 

「一次冷却水の温度も上昇中!」

 

シロウ「バルブ開放、減速材を注入!」

 

「だめです、ポンプの出力が上がりません!」

 

突如、JAは暴走を始めた。

 

シロウ「いかん、動力閉鎖、緊急停止!」

 

「停止信号、発進を確認!」

 

「受信されず!」

 

「無線回路も、不通です!」

 

「制御不能!」

 

シロウ「そんなバカな!」

 

「「「うわぁぁぁぁ!」」」

 

暴走したJAは会場を踏みつぶしながら歩きっ去っていく。

 

ミサト「作った人に似て、礼儀知らずなロボットね。」

 

シンジ「いうて暴走したエヴァよりおとなしいのな」

 

リツコ「それは言わないで!」

 

シンジたちはとっさに張ったATフィールドを解きながら軽口をたたく。

 

「加圧器に異常発生!」

 

「制御棒、作動しません!」

 

「このままでは、炉心融解の危険もあります!」

 

シロウ「信じられん…JAにはあらゆるミスを想定し、全てに対処すべくプログラムが組まれているのに…このような事態はありえないはずだ…」

 

シンジ「だが実際はこのざまだ、火のついた爆弾をこのまま放置するのか?」

 

シロウ「だが、こうなっては、自然に停止するのを待つしか方法は…」

 

シンジ「確率は?」

 

「0.00002%。まさに奇跡です。」

 

シンジ「奇跡を待つより捨て身の努力ってどっかの酒カスが言ってたが…腹くくるか」

 

そういうとシンジはシロウのいる操作スペースへとあがる。

 

シンジ「…っ!!」

 

操作スペースのモニターを見たシンジは言葉を失った。

 

リツコ「シンジ君、一体どうしたの?」

 

シンジ「なあ、時田さん、このモニターのノイズはいつから?」

 

シロウ「ああ、今朝の準備段階から発生していたのだが、特に問題がなかったため使用していたのだ」

 

シンジが見たモニターには、JAの異常とともに、うっすらと白と黒のノイズのようなものが写っていた。

 

シンジ「なるほどな、分かったよ原因が。」

 

シロウ「はい?まさか、こんなノイズがJAの異常の原因とでも?」

 

シンジ「そのまさかだよ、しかもだいぶ最悪な部類だ。悪いがこっからはネルフの独断でやらせてもらう。」

 

シロウ「ちょっと待ってください。いったいどういう…」

 

シンジ「こいつはパワードダダ。意思を持った電子生命体だ。詳しいことは説明してる暇はない。こいつを放置すれば核で街一つ消し飛ぶ程度じゃすまなくなる。ミサトさん、本部から零号機を呼んでくれ。俺一人じゃ対処できない。」

 

ミサト「…分かったわ」

 

シンジ「リツ姉はこいつで対処して」

 

そう言うと、シンジはリツコにスーパーファ〇コンのコントローラー(USB端子)を手渡した。

 

リツコ「なにこれ…」

 

シンジ「対P(パワード)ダダ駆除プログラム」

 

リツコ「なぜスー〇ァミに?」

 

シンジ「ハー〇オフで100円で売ってたから」

 

リツコ「…分かったわ。あなたはどうするの?」

 

シンジ「直接潰す」

 

そう言うとシンジはNエボルトラスターを引き抜くと、剣先をモニターに向けた。

そして、シンジの身体は光の粒子に変化してモニターに吸い込まれた。

 

 

電脳世界といえば色々と思い浮かべると思うが、その実、空間そのものは元から設計されていない限りそれは脳が無理やり認識したいわゆる幻覚に近いものである。

 

ノーザ「んなこと考えてる場合じゃないことは分かってんだけどな…どうも気持ち悪い。」

 

彼が現在入り込んでいる電子回路には、全体的に青っぽい0と1に囲まれた空間が広がっていた。

 

ノーザ「さて、あの三面野郎をどう引っ張り出すか…いくら駆除プログラムとはいっても、核を潰さない限りはきりがないからな…」

 

リツコに渡したPダダ駆除プログラムは駆除と言っておきながら、その実完全に殺すことはできず、せいぜい肉体をボロボロにすることしかできない、それもいずれ修復されてしまう。早い話が駆除というよりはちょっかいをかけて追い出すことが目的のプログラムなのだ。

そんなことを考えていると…

 

ノーザ「ッチ、来やがったか」

 

ノーザが、突然、上半身を反らすと、そのギリギリを青白い光弾が通過した。視線を光弾が放たれた方向に向けると、そこには白黒の幾何学模様、気色悪いおかっぱ、コンピューター生命体パワードダダが、さらに一撃を撃とうとしてきた。

 

ノーザ「ハッ‼」

 

ATフィールドで光弾を防ぎ、パーティクル・フェザーで反撃するが、Pダダはそれを避けてニュートロン光線を乱射する。 

 

ノーザ「うわっ待て!逃げんなシマウマ野郎!」

 

だが、攻防は不利だと悟ったのかサイバー空間内を飛行しながら逃げ回る。ノーザも同じく飛行しながら、ボードレイ・フェザーを浴びせながら追いかける。

電子生命体と紫巨人の追いかけっこ、終わりの見えないそれは唐突に中断された。

 

Pダダ「…ダ?」

 

鷹の鳴き声のような音と共に、黄緑のレーザーがPダダの身体を穿った。それが放たれた方向には、一機の黄色い戦闘機がホバリングしていた。その戦闘機は、更にレーザーを撃ち、Pダダの身体を削っていった。これが、対Pダダ駆除プログラム。コードネーム「GUTS WING」であり、それを操るのは言うまでもなく。

 

 

リツコ「…<●>Д<●>」ピコピコピコピコ・・・

 

シロウ「大丈夫なんですか?彼女…」

 

ミサト「そういえばリツコって昔はゲーセン荒しって呼ばれてたわね」

 

 

ノーザ「ズズズ…ハァ、そろそろだな…」 ∧__∧

                    ( -ω- )

                    O旦⊂|

                     OOノ

 

GUTS WINGの攻撃により、Pダダの身体は現在、右手、左足、そして右側頭部が抉れ、内部の核が露出しこのサイバー空間から追い出すのも時間の問題だった。そして、

 

Pダダ「…ダ…ダ!」

 

Pダダは光弾で空間に穴をあけると、そこから一目散に外へ逃げ出した。穴はPダダがくぐり抜けてすぐに塞がった。

 

ノーザ「シェア…ハッ!」

 

ノーザは塞がった穴からPダダの座標を割り出し、ディラックの海を応用したワームホールを開けて、Pダダの後を追った。

 

 

Pダダを追って現実世界に戻ったノーザの前に、暴走したJAが襲い掛かってきた。その背後にはPダダがサイコキネシスで周囲の瓦礫を浮かび上がらせ、弾幕のように打ち付けていく。

 

ノーザ「シュワァッ(クッソ!こいつ地上でもめんどくせえの忘れてた!)」

 

JAの攻撃を避ければPダダの攻撃が当たり、Pダダの攻撃を避ければJAの攻撃が当たる。また、今のJAは、ただでさえメルトダウンの危険性がある状態であるため、うかつに攻撃できない。だからと言ってP(ダダに攻撃しても粒子状にばらけて避けられる。そしてJAのメルトダウンまでもう時間があまり残されていない。はっきり言って一人で対処するのはかなり厳しい状況だった。しかし、

 

ドパンッ!!

 

突如けたたましい発砲音と共に、Pダダの右肩が抉れた。突然の事態にPダダも飛びのきもがいている。その後ろに視線を移すと、そこにはスナイパーライフルを構えた青色の巨人と、

 

シロウ「なんだ…あれは…」

 

ミサト「もう一人の、ウルトラマン?」

 

リツコ「でしょうね…」

 

ノーザ「…なんでお前いんの?」

 

…謎の銀色の巨人が仁王立ちしていた。

 

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