ノーザ「(ナニコレ)」
サキエルとの戦闘を終え、ケージに戻ったノーザを待ち構えていたのは、
「構え!」
カチャッカチャッ
銃を構えている保安部の隊員達だった。
リツコ「ごめんなさいシンジ君、これも一応の安全のためなの」
ノーザ「(´・ω・`)…シェア!」
リツコ、ミサト「「キャッ!!」」
ノーザは見るからに項垂れながら腕を胸の前に交差する。すると、ノーザの身体は強い光を発し、眩しさの余り目を塞ぐ。そして、目を開くとそこには、
ミサト「え?」
プラグスーツの様なものを着た赤茶色の髪の女性、ユイと、紫にライトグリーンのメッシュの入った少し長めのショートヘアに紅い虹彩にライトグリーンの瞳孔の全裸の少年とも少女ともとれる人物が立っていた。
少年(少女?)は恥ずかしそうに体を隠すのをユイは微笑みながら見ている。
???「あの~ミサトさん、早く着替えくれませんかね?///」
ユイ「あらあら、うふふ」
ミサト「え、まさか、シンジ君なの?」
シンジ「ハイソウデスカラハヤクキガエヲクダサイ!」
ミサト「あ、はい」
少年(というより男の娘)、シンジは早口で捲し立てると、ミサトから着替えを受け取り、「母さんはプラグスーツ着てるのかよ…」と、ぶつぶつ言いながらいそいそと着替え始める。
シンジ「それじゃ、色々説明したいので場所変えましょう」
着替えを終えたシンジが、未だ顔を少し赤らめながらそう言った。
碇親子が案内された応接室でのんびり過ごしていると、ミサト、リツコ、コウゾウ、ゲンドウが入ってきた。
ゲンドウ「ユ、ユイ!!」
ゲンドウは部屋に入った途端に、ユイに抱き着く。
ユイ「フフ、相変わらずねゲンドウさん」
ユイも微笑みながら抱き返す。
リツコ「…」
ミサト「…」
シンジ「…」
コウゾウ「ハァ…幸せ者が…」
その光景を見て、シンジ、リツコ、ミサトの三人は唖然とし、コウゾウは呆れたような微笑ましいような顔をしていた。
暫く抱き合って少し落ち着いたのか、2人は離れた。
ゲンドウ「皆すまない、少し取り乱した」
コウゾウ「それはまあ良いい…出来れば仕事終わりにやって欲しいがな」
リツコ「それよりシンジ君、そろそろ教えてくれないかしら?あなたのことについて。」
シンジ「そうだな、んじゃまずは」
そういうとシンジはブラストショット
を取り出す。ミサト達は身構えるが、シンジはそれを手で制す。
シンジ「大丈夫ですよ、ただ
そう言ってブラストショットNを天井に向かって撃つ。すると、銃口から眩い光が溢れ出し、ドーム状に広がっていく。そして、
ミサト「え?なにこれ?」
リツコ「これが、シンジ君の記憶?」
コウゾウ「まさか!?」
ゲンドウ「…」
ユイ「…」
光のドームをスクリーンにして映像が流れる。
地下の秘密基地で半ば強制的に紫の巨人に乗せられ巨大生物と戦わされる少年。
姿形が全て違う巨大生物たち。
初めは殆どしゃべらなかったが徐々に心を開いていったお肉が苦手の蒼髪の少女。
強気でありながら、誰よりも親の愛に飢えていた金髪の少女。
徐々に壊れていく少年と少女。
自分の心に気付きながらも死んでしまった少女。
目的を達成できず、自ら死を選ぶ銀髪の少年。
人類の守護をしておきながら命令に踊らされ、基地に乗り込む軍隊。
基地内の非戦闘員を惨殺していく軍隊。
次々に増えていく屍の山。
軍隊のヘリや戦車を破壊していく紅い巨人。
白い巨人達に貪り喰われる紅い巨人とそれに乗った少女。
それを見て完全に壊れる少年と磔になる紫の巨人。
宇宙に届くほど巨大な少女により、すべての生命が無に還る。
琥珀色の海の中で二人の巨人に出逢う少年。
そして、少年は全てを知る。
初めから総て仕組まれていたことを。
それに自分達が踊らされていたことを。
そして、それが余りにもくだらない理由で進んでいたことを。
少年は激怒した、かつてないほどに。
「ふざけるな!そんなくだらない理由で、僕は、綾波は、アスカは、ミサトさんは戦ったって言うのかよ!」
「そうだ」
黒い巨人は答える
「父さんもこんなことの為にネルフを創ったのか!?」
「それは違う」
今度は白銀の巨人が答える。
「彼は、ただ君の母親に逢いたかっただけなんだ。」
「母さんに?」
「彼の望みは、君がいて、君の母がいて、そしてそれを彼自身が見守る、その小さく温かな家庭を築くこと。ただそれだけだった。」
「ただ、君の母、碇ユイが初号機に取り込まれて全てが狂った」
今度は黒い巨人が答える。
「彼女の消失によって、彼は全てを、神でさえも恨んだ。そして、自分自身が神になって碇ユイに逢おうとした。それが君の父、碇ゲンドウの狂行の全てだ。」
「そこでだ」
また白銀の巨人が切り出す。
「君はこれからどうしたい?」
「これから?」
「君にもう一度チャンスがあるとしたら、そして自分自身に力があるとしたら、君はどうする?」
「そんなの、とっくに決まってる…」
少年は続ける。
「破壊してやる…こんなくだらない結末が…こんなふざけたことで…皆が不幸になって…消える運命があいつらの望みだってんなら…そんなもの…僕がぶっ壊す!」
「絶望のシナリオは…僕が…いや、俺が変える‼」
「良いんじゃないか?」
黒い巨人が答える。
「お前には今まで出会ったどの人間よりも深く濃い闇を感じる」
「だが、同時に強い光も感じる。」
今度は白銀の巨人が答える。
「君に私達の力を与えてもいいかもしれないな」
「あなた達の、力?」
「そうだ、名乗るのが大分遅れたね、私はウルトラマンノア。自分で言うのもなんだが、全宇宙の神と言われている。まあ神じゃないんだけどね。で、こいつが」
「ダークザギだ。」
「あ、どうも。」
「さて、これから君に私達の力を与えるが、その前に…」
「碇君…」
背後から声が聞こえ振り返る。そこには、
「綾波?」
「ええ、今はリリスでもあるけど。」
全身真っ白な少女、リリスが居た。
「それじゃ、ごゆっくり。」
そう言うと二体の巨人が消える。
「碇君、私の力も貴方にあげる。」
「え?」
「私は今アダムと融合している。だから、リリンの、いえ、使徒を含めた全生物の王となれる。」
「でもなんでその力を俺に?」
「私も、もうたくさん、身体も、魂も利用されて、一部の狂人のせいで、私が産んだ、愛した全てが消えた。私は、リリンを産みだしたことが正しかったのか分からない。だから、碇君に証明して欲しい、私のレゾンデートルを、リリンを産みだした私が正しかったのかを。」
リリスは涙を流しながら答える。
「リリス、いや、綾波、分かったよ。俺は君の力と、ノアとザギの力で、君が正しかったことを証明する。」
「碇君、ありがとう。」
そう言うと、リリスの身体は光に包まれる。
「綾波?」
「私は碇君にすべての力を与える。そうすれば私の存在は維持できなくなる。でも大丈夫、私はいつでも碇君と一緒だから。」
そう言うとリリスの身体は一際強く発光し、目の前に真っ白な少女の横顔が写った一枚のメダルが残された、それを手に取ると、微かに声が聞こえた。
「ありがとう…向こうの私に…よろしく」
シンジは静かに涙を流した。
「お別れは済んだか?」
シンジの背後にノアとザギが現れる。
「ああ、」
「それじゃ、君に力を与える、そしたら暫く私達と共に行動してほしい。」
「何でですか?」
「お前の戦闘訓練の為だ。力だけあっても使い方が分からなきゃ、ただの宝の持ち腐れだろ?」
「そうだな、分かった。よろしくな、ノア、ザギ。」
「「ああ、よろしくな」」
そうして、シンジの前に黒い巨人の横顔が描かれたメダルと、白銀の巨人の横顔が描かれたメダルが現れ、彼は二枚のメダルを手に取る。そして、三人は琥珀の海「ガフの間」から去った。
そして、紅い死の星となった世界は、音もなく崩れ去った。