シンジ「こんな所か」
そう言うと、光のドームが崩壊していき、やがて元の応接室へ戻っていく。
シンジ「まあ、これが俺の今までの、リリンから使徒になるまでの経緯だ」
一同「…」
全員が先程の余りにも現実離れした出来事で言葉を発せなくなっている。それも、さっきまでよくわからない使徒と思い、場合によっては殺すことも視野に入れていた少年が、実は未来(とは少し違うが)から来た存在で、しかもこの部屋で、いや、この世界で誰よりも絶望を経験していることを知れば無理もないだろう。
すると、ゲンドウが徐に立ち上がり、そして
ガバッ!
シンジ「え?」
シンジに抱き着いた。そして、
ゲンドウ「すまなかった…お前を人ならざる者に変えてしまったのは私の責任だ、本当にすまなかった…シンジ…」
静かに謝罪の言葉を述べる。彼の目には一筋の涙が流れていた。
ユイ「私からも、ごめんなさい、シンジ」
ユイも、謝罪の言葉を述べる。
シンジ「親父、母さん、もう過ぎたことだ、気に追わなくていいよ。それに、俺が人をやめたのは俺の意思だそれこそ気にしなくていい。」
そう言ってシンジとゲンドウは離れる。
コウゾウ「はあ、碇、家族の感動的な再会に水を差すようだが、これからの計画についてはどうする?」
ゲンドウ「フッ、そんなもの破棄するに決まってるだろう。一度息子を悲しませたんだ、人類すら守れなければ償いにもならん」
シンジ「親父…言ってることとあんたの雰囲気怖いくらい合ってねえぞ」
ユイ「フフ、ゲンドウさんのこんな凛々しい顔久しぶりに見たわ」
ユイ、ゲンドウ以外「…(すげえなこの夫婦)」
リツコ「ンンッ、司令、ゼーレに対してはどのように対処を?」
ゲンドウ「そのことについt「そのことで一つ良いか?親父」なんだ?シンジ」
シンジ「親父、暫くはゼーレの命令に従って欲しい」
ゲンドウ「何故だ?」
シンジ「いきなり向こうに逆らえば文字どうり消されかねないついでに言えば最後の使者が来るまでは向こうに従っていて欲しい、あいつは何としても助けたいからな。」
ゲンドウ「第17使徒タブリス、いや、渚カヲルだったか?」
シンジ「ああ、彼は自由の精霊なのに死ぬこと以外の自由を奪われた、そんなのいくら何でも悲しすぎる」
ゲンドウ「わかった。では、彼を助けるまではあのジジイ共に従うとしよう…」
ユイ「それはそれとして、シンジ、これからの住居だけど、どうする?私達と暮らす?」
シンジ「そのことだがな、俺は暫く部屋でも借りようかと思ってる。」
ユイ「どうして?」
シンジ「あんたらには十年のブランクがあるんだ、少なくとも戦いが終わるまでは二人の時間を過ごしてほしいっていう息子からのささやかな厚意だ」
ユイ「///もうッ子供がそんなこと言うんじゃありません‼///それに、中学生が一人暮らしはいけません!」
コウゾウ「それなら、さっきの映像の様に葛城二佐の住居に世話になるというのはどうかね?」
シンジ「は?」
ユイ「それは良いわね!さすが冬月先生!」
ゲンドウ「では、そういうことで手続きをしておこう、息子を頼んだぞ、葛城二佐」
ミサト「は、は!了解しました。」
シンジ「ちょっと待て、俺抜きで勝手に決めんな!」
ユイ「もう遅いわ、手続きはもう終わったもの」
シンジ「早えなおい!…マジか~あの腐海にまたぶち込まれるのかよ~」
ミサト「ちょっとシンジ君酷くない!?」
リツコ「否定はできないわね」
ミサト「リツコまで!?」
シンジ「はあ~わかったよ、んじゃお世話になります、ミサトさん」
ミサト「よろしくね、シンジ君」
シンジ「ただ親父、二つ条件がある」
ゲンドウ「何だ?」
シンジ「一つは…」
レイ「(何…これ…?)」
レイの目の前の事象に困惑していた。
レイ「(さっきまで寝ていたはず…)」
レイの目の前には、ある映像が映っていた。
使徒と戦っているエヴァ、作戦を指示するネルフの職員達、そして、琥珀色の海。
レイ「(これは…記憶…?…でも…誰の…?…それに、この人はさっきの…)」
レイは一人の少年に目を向けていた。黒髪と暗いブルーの瞳を持つ少年。そして、その少年は映像の殆どに映っていた…
そして、レイにはその少年を見て、自然と言葉をこぼした。
レイ「碇君…」
レイ「…はっ…」
レイが目を覚ますと、そこは自分の病室だった。
レイ「(さっきのは…夢…?)」
レイはさっきまで見ていた夢を思い出していた。
レイ「碇君…(なぜ…?この名前を言うたびに…胸が熱くなる…)」
レイが自分のその変化に考え込む、すると、
???「失礼します。」
ドアの方から声が聞こえ、開く。
シンジ「さっきぶりだね、綾波」
入ってきたのはシンジだった。だが、
レイ「誰?」
その言葉でシンジはズッコケる。レイは彼がシンジだとは気づかなかった。
シンジ「(そういや、綾波は融合前しか知らないか…)」
よろよろと立ち上がりながらそんなことを考える。レイはその様子を見て、先程、初号機に取り込まれた、そしてさっきの夢にも出てきた少年の面影を感じた。
レイ「…碇君?」
シンジ「そう、先程ケージでパシャッた碇シンジです。でも綾波に名前教えたっけ?」
レイ「分からない…ただこの名前をずっと前から知ってた気がした…」
シンジ「そうか…(もしかして…綾波も?…まさかな…)まあそれは置いといて、さっきの約束通り君の怪我を治しに来た。」
そう言ってシンジは、レイの手を握る。
レイ「え?」
すると、シンジの身体が淡く光り、その光がレイの身体に流れていく。
レイ「あたたかい…」
そして、光が収まる。
レイ「何を…っ…痛くない」
レイは自身の傷が塞がっていることに気付く。
シンジ「それじゃ、傷は塞がったけど流れた血は戻らないから、一週間は安静だと思うよ。じゃ、またお見舞いに来るから。」
シンジはレイの腕と頭に巻かれた包帯を解き、病室を後にする。
レイ「碇君…」
シンジ「ん?」
レイ「ありがとう///」
シンジ「どういたしまして///(可愛すぎやろ!)」
シンジは病院の入り口で一枚のメダルを透かすように眺めていた。
シンジ「お前なのか?
その声に答える者はいない。
シンジ「まあ、その時はその時だ」
彼はその、少女の横顔が描かれたメダルをポケットに仕舞う。
ミサト「ごめーん、部屋の手続きに手間取っちゃって、待った?」
シンジ「いえ、こっちもさっき終わったところです。行きましょう、くれぐれも安全運転で…」
ミサト「それじゃ、飛ばすわよ!」
シンジ「聞いてすらいねえよ…」
シンジが車酔いを起こしたことは言うまでもない。
今回レイの治療をした技はウルトラマンコスモス・フューチャーモードのフューチャーフォースです。なぜ彼がそれを使えたのかは、また別の話で。
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