エヴァちーと(さよならEVA ver)   作:支城

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エヴァちーと 第四話 雨、逃げ出した後

 

 

「ミサト?いるの?いるんだったら返事くらいしなさい!」

 

特務機関ネルフ、技術部長にして現在第四使徒戦の死骸(サンプル)の後処理作業に忙殺されていた彼女は、このとてつもなくくだらない懸案の処理に頭を痛めていた。

 

「ミサト!!・・・はぁ、もう!仕方ないわね・・・」

 

リツコは自分のIDカードをミサトの部屋のカードキーにスライドさせる。。

実はここに来る前に、念のため保安部で自分のIDでもミサトの部屋に入れるよう手続きをしていたのだ。開いた扉の中を見ると、そこはまさに腐海。玄関はもちろんのこと、廊下もゴミだらけだった・・・。

 

「やっぱり・・・酷い有様ね・・・。それにこの臭い・・・ああ、入りたくないわ」

 

とはいえ、(一応)親友の安否は確認せねばならない。もし死んでいたりしていれば火葬場くらいには放り込んでおかないとこのマンションに申し訳がない。

 

(葬式は・・・どうせいつか合同の葬儀があるでしょうからその時に一緒でいいわよね・・・一応『戦死』扱いくらいにはしてあげるし・・・そうなると二階級昇進でニ佐か・・・身分不相応も甚だしいわね)

 

そんなことを考えながらも、リツコは意を決して中に入る。

そして、以前に来たときに確認していたミサトの寝室へ行き襖を開けた。

しかし、部屋の中は缶ビールの空き缶とゴミ以外は何も存在していなかった。

 

一応他の部屋も確認する。浴室にペンギンの干からびた死骸がある以外はとくに問題は無くミサトの姿は見当たらなかった。

 

「く・・・・・・くぅぇ・・・」

 

「わっびっくりした!・・・まさかコレまだ生きているの?スゴイ生命力ね・・・興味深いわ・・・」

 

リツコは虫の息のペンギンに感心しつつ、それは一旦置いてリビングに戻るとリビングの机になにやら書き置きらしきチラシの裏が残っているのを発見した。

リツコはその書き置きを一読して、深い深いため息をついた。

 

「・・・30にもなろうかという大人が、現実から逃げて家出・・・。呆れて何も言えないわね・・・」

 

作戦(一)課長葛城ミサト一尉ロスト・・・捜索の必要・・・無し。外は快晴である。

 

 

事の発端は第四使徒戦でのミサトのシンジへの指示だった。

 

あの場では知っての通りいろいろ諍いがあったわけなのだが、ろうじんの仲裁で両者不問となり決着していた。しかしそれでは納得が出来ない勢力があったのである。

 

それはシンジ達ではない。ミサトに反旗を翻したのは日向を除く『作戦課』の職員達である。彼らからしてみれば、エヴァのパイロットと一緒に戦術検討会で使徒戦へ向けての作戦を練り上げ、勝利をより確実にする努力を続けていたのである。

それは作戦課として当然の職務であり、無論この検討会に課長であるミサトも出席するようにと彼らは要請を続けていたのだが、生来の面倒くさがりでマイウェイ、トップダウン志向でもある彼女は『パイロットは戦闘中、私の命令に従っていればよい』という持論であるため、結局一度たりともその検討会に出ることはなかった。

 

一応代わりに副官の日向は出席しており、もしいざとなれば日向がミサトを説得するのだろうと皆思っていた。というか、シンジですらもそう思っていたのだ。

 

シンジはミサトとは初日の体力テストや格闘訓練などで顔を合わしていたが、実戦形式の組み手でミサトを投げ飛ばした後、マニュアル通りに彼女の腹を蹴り失神させると、翌日からは来なくなってしまった。そのためシンジはミサトのことをよく知る機会が無かったのである。ちなみにこのことを日向から注意されるとシンジは「態々アゴじゃなく腹にしたのに・・・」と首を傾げた。「いや、アゴを蹴り抜いたら昇天しちゃうよ」と言われ「えっ・・・でもあずみさんは昨日青葉さんにそうしてましたけど・・・」とさらに不思議がっていた。

 

補足するとあずみは青葉のアゴを軽く滑らせるように蹴って脳を揺らし、昏倒させただけであり、シンジのように力任せに蹴っているわけではない。彼女だってTPOは弁えている。さすがにそんな簡単に殺したりはしない。気絶させて眉を剃っただけである。

 

まあ、そんな微笑ましいこともあったが、今回の戦闘前までは不安はありつつも、シンジも職員達もいくらなんでも作戦課が正式に作成してある作戦書(もちろんミサトに提出されている)は読むくらいはしているだろう、実戦時はこれを元に適切に作戦を執るだろう、また何かの時は副官の日向がフォローをするだろう・・・。という根拠の無いことを考えていたのだ。

 

まさか国連の特務機関が『無能』を作戦課長にはしていないだろうとも思ったのだ。

 

しかし現実は非情である。

 

発令所でも騒ぎになっていたが、あの時ケンカをしていたのはシンジとミサトのみ。

一部リツコがミサトに反対意見を出したりしたが、司令部の青葉や技術部のマヤは発言権が無いし、サブオペレーター達もそんな越権行為は出来ない。

唯一ミサトの上位者の副司令がミサトを擁護したため、あれくらいで済んでいたのだ。

 

だが、戦闘の様子をモニターしていた作戦課の面々にしてみれば堪らない。自分たちが提出した作戦が使われない上、パイロットが進言しても黙殺、さらには副官の日向もミサトに何も言わず追従するのみ。

さらには、ミサトの指示はATフィールドを張った使徒に対して中和もせず、パレットガンをただ撃たせるというお粗末なものだった。シェルターから出ていた民間人をエントリープラグに入れさせようとする、なんの次善の策も無いのに地上での戦闘を放棄して、撤退を指示する。果ては敵をむざむざジオフロント内へ引き入れようとする・・・。

 

堪りかねた作戦課の職員達はミサトに抗議するため発令所に押しかけた。そして発令所の警備をしている保安部の職員達と大乱闘となっていたのである。保安部も明確にシンジ寄りなため、ほとほと困ったのだが、戦闘中の発令所は認められた者以外出入り禁止という規則があり、彼らはそれを無視するわけにもいかないため、苦渋の決断で彼らを押し留めていたのである。

 

戦闘後この騒動を知った副司令は、作戦課の職員達を規則違反で全員営倉に入れたわけだが、ミサトには先ほどおのれ自身で今回の件を不問にしてしまったため、しょうが無いので代わりに日向を彼らと一緒に放り込んでおいた。

 

営倉内で哀れ日向は彼らにリンチにされ、翌日早々にも営倉から出ることは出来たが病院に直行、即入院という有様になってしまった。

 

3日間の営倉入りを終えた彼らは副司令に全員分の辞表を持って、ミサトの解任を迫った。しかし、ゼーレに逆らえずミサトを解任できないろうじんはそれを拒否。とはいえ彼ら職員を辞めさせるわけにもいかないので、なだめるのに苦心した。

 

なんとか作戦課の職員をネルフに留まらせることには成功したものの、結局全員が配置転換を希望した。ろうじんは苦肉の策として新たに『作戦二課』を作り、課長をなんと碇シンジに抜擢したのである。

というのも、彼らがシンジの元で働きたいと『パイロット控え室』への移動願いを出したため、それは現実問題として無理!と言うことでこうなった次第なのである。

ろうじんからしてみればシンジへのお詫びにもなるし、職員達も満足する。ミサトも首にならず、ゼーレの指示にも背かない。まさに素晴らしい采配だと自画自賛したのだった。

 

こうしてネルフに作戦一課と作戦二課が出来たわけなのである。

当然一課はミサトと日向のみというかなり寂しいことになったわけだが、早速弊害が出た。

 

日向は謎の怪我で入院してしまったため、ミサトが事務仕事をやらなくてはならなくなったのだが、自分の部下が誰もいなくなってしまったため、首が回らなくなったのである。

 

ミサトが元部下に「あなたたち仕事を手伝いなさい」と言いに行っても、「はあ?我々は二課だ。上司は碇三尉でありあなたではない。なぜ一課の仕事を我々がするのだ。してやってもいいがその場合は作戦立案は全て我々で行わせてもらう。戦闘指揮もだ!」と言われ、頭に血が上ったミサトは「誰があんたたちなんかに頼るか!この包茎野郎!!」と言い返して万事休すである。当然仕事は出来ない。というより日増しに書類はどんどん溜まる・・・。

 

 

「・・・それで、(書類)仕事が嫌になって逃げ出したと・・・」

 

「ええ・・・無様にね・・・」

 

「はあ、、、まあ良いですよ。最近は僕も手が空いてきてますから・・・」

 

リツコはシンジにミサトが出勤せず行方不明になり、さらに副官の日向も入院していることから作戦一課は誰もいなくなってしまったので、二課に全ての権限を代行してもらい、書類仕事をやってもらうよう要請した。

 

30歳の大人が出勤拒否で家出、その代わりを14歳の中学生に頼むのである。

これほど、これほど情けない話があるだろうか?ここは『国連の特務機関』である。

 

「本当に申し訳ないけど・・・」

 

「いえ・・・リツコさんも寝てないんでしょう?アレ(死骸)の調査もまだ始まってないし・・・。さすがに腐っちゃいますよ。作戦課のことは全部任せて下さい。もしこちらが早く終わったらリツコさんも手伝いますよ。マヤさんにも会えるしね♪」

 

「ほんと!助かるわ!マヤならいくらでも好きにしていいわ。そうだ!マヤを下着姿で勤務させてあげましょうか?なんなら全裸でもいいわよ!」

 

「え・・・それはちょっと引くなー」

 

「・・・・・・も・・・もちろん冗談よ・・・はは」

 

「ですよねー」

 

 

シンジとリツコがそんな話をしている頃、遠く長崎の地では一人の女性が苛立っていた。

 

「いつまで私をここに缶詰にしておくつもりなのかしら!これじゃ私を全く生かしきれてないじゃない!」

 

ここは長崎造船所を改め雪広重工『Nagasaki Arsenal(ナガサキ アーセナル)』である。

アーセナルとは工廠(こうしょう)つまり兵器工場という意味であり、つまりはここで戦術機を開発、生産をしますよということである。

もちろん未だ極秘であり、この名称を知っている者はまだ少数に限られていた。

 

ちなみにイギリスのサッカークラブで有名なアーセナルも地元に兵器工場があったことからこの名が付けられている。

 

そんな中、香月夕呼はいろんな思いを抱え焦っていたのである。

 

「雪広はよくやっている、それは認めるわ。が、いつまでも彼女を司令塔にして采配させるのは危険よ。彼女は立場はあれどまだ14歳の小娘に過ぎないわ。・・・どうにかして私をここから自由にしてもらわないとね・・・」

 

「ふーん。随分あんたは自信があるんだねぇ」

 

「当然よ。これでもこの年齢で国連の第三計画の責任者になったのよ。横浜基地では副司令の地位にだってついていた。政治家達との争いなら負けるつもりはないわ」

 

香月夕呼は学者であったが権謀術数に優れ、その力量から『魔女』と異名をつけられるくらいだった。

彼女にとってここに引きこもり開発だけをやっているなどというのは、役不足も甚だしいことなのである。またとっくに撃震の開発も完了しており仕事もなかった。

 

「私のコンピューターのロックが外れているんだから・・・だれか代わりの人を呼んでもらえれば不知火くらいまでなら余裕で開発できるわよ・・・ピアティフ一人だとさすがに難しいだろうけど・・・そうね霞がいれば二人でなんとかなるでしょう・・・」

 

「確かにアヤカに政治的な活動をこれ以上させるのは難しいだろうね・・・ユイさんやキョーコさんも表舞台には『まだ』出られないしさ。まっ今夜の会議でシンジに話してみるしかないね。シンジなら大丈夫さ。ただ千鶴が予算(ポイント)を狙ってるみたいだ」

 

「・・・わかってるわよ。那波の所も工場を稼動させたいんでしょう。でも何とか予算(ポイント)はもぎ取ってみせるわ。で?イザベラ、あなたはこれからどうするの?」

 

「ドイツへ。ここから『ニューシャンハイ』に渡って『ワルシャワ』まで空路、そこからは陸路でドイツに入るよ・・・。なんとかネルフのドイツ支部に潜り込みたいけどね。さて一応ここの視察はできたから私はもう行くよ」

 

イザベラはそう言い、おでこをキランと光らせると部屋を出て行った。

まあ、彼女の外見であれば欧州の方がかえって動きやすいのかもしれない。

 

「あれ?イザベラさんもう行っちゃったんですか?」

 

彼女のコーヒーを淹れて戻ってきたイリーナが残念そうに呟く。

 

「ピアティフ、それ冷める前に私に頂戴」

 

この世界はもちろん合成食などはないため、コーヒーも美味しく飲むことが出来た。

もちろんセカンドインパクトの影響で物価は高いのだが、雪広の財力であれば世界中からどんな種類の豆も手に入れることが出来たのである。プロフィールで夕呼がコーヒー好きということをシンジは知っていたので、アヤカにコーヒー豆を贈るよう指示していたのだ。夕呼からすればこれだけで『いくらでもシンジに股くらい開いてあげてもいい』と思うほど感謝していたのである。

 

「3バカの様子は?」

 

「はい、シミュレーターで撃震の操縦を習熟しているようです。彼女達は武御雷(たけみかづち)の操者でしたから、大幅にグレードダウンした撃震に苦労してるみたいです」

 

「・・・どういうわけか碇がシステムで『XM3』をポイントを使って開発しないと、OSが機体にインストール出来ないのよね・・・。他の機種を生産ラインに指定することもできないし・・・」

 

「ですねぇ、現在は旧OSですから・・・新OSに慣れていると戻すのが大変です」

 

「それに、なんであの娘たちなのかしら?・・・A-01の連中なら良かったのに・・・」

 

「召喚するポイントが高かったんじゃないですか?」

 

「伊隅や早瀬なら考えられるけど・・・高原とか麻倉とかならあいつらより安いんじゃないの?」

 

「・・・下の名前がわからなかったから表示されてなかったとか」

 

「ピアティフ・・・私は真面目に話してるのよ!」

 

「すっ・・・すみません・・・」

 

「とにかく、今日の会議で予算(ポイント)を勝ち取るわよ!」

 

「はい!!」

 

 

さて、神の視点は再び第三新東京市に戻る。

 

ヒカリにフラれた?トウジはケンスケを伴いゲームセンターに来ていた。

 

というのも、あの日以来ヒカリにしつこく迫っていたトウジだったのだが、さすがにやり過ぎたのか洞木家から鈴原家へ抗議の電話が入ったのである。

これを受けたトウジの父、鈴原整備部長がトウジをたこ殴りにし、最後には「もう、これ以上父ちゃんを困らせないでくれ!」と泣かれてしまった。さらには妹のサクラにまで「兄ちゃん!ノゾミちゃんからも兄ちゃんをどないかしてって言われて超恥ずかしかったわ。兄ちゃん、もう二度とヒカリさんには近づかんといて『ほんま堪忍しといてや』」と言われてさすがに、さすがに彼も諦めた。

 

「ヒカリ・・・いや、いいんちょは記憶でも喪失したんかな・・・」

 

「そうなんじゃないの?いつまでもくよくよするなよ、トウジ。夢だったと思えば気も楽になるさ。だいたいクラスで委員長に「わいとS○Xしたやないか!」って大声で怒鳴るバカがいるかよ。あれじゃたとえ記憶を持っていたとしても喪失したくなるよ」

 

「せやな・・・あれは確かにわいが悪かった」

 

「ドン引きってああいうのを言うんだね。勉強になったよ」

 

「・・・そやな・・・ガチでグ-パンされたしな。ええパンチやったで・・・」

 

「ああ、腰の入ったいいパンチだった。さっ俺たちもゲームでストレス解消しようぜ」

 

二人がそんなことを話していると、ゲーセンの中で一人の女性がゾンビを撃ち殺すガンシューティングゲームをやっていた。

その表情は鬼気迫っており、ちゃんと狙って撃つというよりも、とにかく銃を連射してはリロードを繰り返すというプレイをしていた。それでもちゃんと最終面まで進んでいるようで、二人はその女性のプレイを暇つぶしに見学することにした。

 

女性は無事ゲームをクリアすると多少はストレスが解消されたのか、少し表情を和らげて彼らの方を振り向いた。

 

「あら?あんたたちってどっかで見たような?」

 

「へ?わいたちですか?いえ初対面ですけんど」

 

「そう?・・・いや、でも・・・ああ!思い出した!あの時の民間人の少年達ね!!」

 

「えーと・・・申し訳ないですけどお姉さんはどちら様なんでしょうか?」

 

「私?私はネルフの作戦(一)課長、葛城ミサトよ。二人ともよろしくね」

 

「はぁ??それは・・・よろしゅう」

 

「さっ・・・作戦課長!!すごい!!こんなに若いのにそんな要職についてるなんて!!ぼっぼく相田ケンスケです!!よろしくお願いします!!」

 

ケンスケは大興奮でミサトの手を取って握手した。そして、敬礼をすると横のトウジをこづいて自分と同じように敬礼させる。

 

二人のこの様子にボロボロになっていたミサトのプライドも多少持ち直したようだ。

 

(そうよ!コレよ。『普通』の子供はネルフの作戦課長にはこういう態度を取るものなのよ!やっぱりあの生意気な糞ガキのほうがおかしかったのよね!!)

 

「元気な子達ね!子供はこうでなくっちゃ!よし、お姉さんが奢ってあげるからご飯でも食べに行きましょう!」

 

最近ついてないことが多かったトウジやケンスケにとっても、綺麗なお姉さんからの食事のお誘いは地獄から天国へ急浮上したようなものである。もともと年上好きだったトウジはヒカリのことなどあっさりと頭から消えていたし、ケンスケももし作戦課長に認められればシンジと同じようにロボットのパイロットになれるかもしれない!という淡い希望(妄想)を持ち始めハイテンションになっていた。

 

両者の意見が一致し、3人は早速ファミレスへ向かうのであった。

 

「振り返ればこれが地獄の日々の始まりだった・・・」と後に鈴原トウジ死刑囚は裁判で語っている。

 

後日とある人々はこの日の出会いを『歴史上もっともくだらない出会い』と評した。

とある新聞社は『この出会いがあったからこそ人類が救われたとも言える』と擁護したが、「お前らバカか?捏造記事出してんじゃねーぞ!このア○ヒが!」「何だとこのネトウヨ!俺たちエリートに勝てると思ってんのかにだ!」「ニダってw」と不毛な争いが起きたのであった。

 

ファミレスに着いた3人は早速ドリンクバーを頼むとそのまま長時間居座り続けた。

トウジとケンスケは腹が減っていたが、ミサトが「私、今お腹空いてないのよね」という言葉を受け、結局ご飯にはありついていなかった。

 

しかし、ミサトがシンジへの愚痴を言い出すと、トウジもそれに乗り二人して大愚痴大会へと発展した。作戦課長であるミサトが自分の言うことを聞かないシンジに手を焼いていることがわかったケンスケは「ならば僕をパイロットにして下さい!」と立候補。トウジも「わいもミサトさんのためやったらいくらでも一肌脱ぎます」と応じた。それを聞いて「そうよ、これよ!私が望んでいたチルドレンはこういう子たちよ!」と感涙し、結局ドリンクバーだけで5時間粘った後、3人はネルフ本部へと向かうのであった。

 

トウジとケンスケのIDカードなど当然あるはずもないが、ミサトは借りている日向の車に二人を潜ませてカートレインに乗り、そのままネルフ内に侵入を果たすと、まず二人を連れて食堂へと向かった。ミサトが堂々としていたこともあり、保安部の面々もまさか彼らが不法侵入しているとは思わず、3人が呼び止められることはなかった。

 

さらに間が悪かったのはこの少年二人は先日の使徒戦でネルフに多大な迷惑をかけた少年たちであり、顔を知られていたことがある。また身内の子息でもあるし、大方始末書の提出にでも来たのだろうと勘違いしてしまったのである。

 

「悪かったわね。お腹空いたでしょう。ここならなんでも食べて良いわよ!」

 

「おお!すいません。ミサトさん。もうわいらお腹ぺこぺこで・・・」

 

「ゴミンゴミン。さあ遠慮しないでじゃんじゃん食べて!」

 

すでに夜9時を過ぎており食堂は人が疎らだったが、ネルフの食堂は24時間営業なので彼らの食欲を遮るものは何も無かった。

 

ミサトは彼らと自分の分の食券を『日向のIDカード』で決済すると、ガツガツと食べ始めたのだった。

 

ケンスケは夢だったネルフ本部へ入ることができ大満足である。さすがに写真は撮ることはミサトに止められていたが、こっそりハンディカメラは回していたりする。

先日保安部に連行されたときは手錠に目隠し猿轡である。あれでは何も楽しめない。

 

「よし!次にあんたたちの登録を頼みにいくわよ!」

 

ミサトたち3人は技術部長執務室、リツエモンの所に向かったのであった。

 

 

「リツコ、この子達をチルドレンに登録して!作戦一課で訓練をさせるわ!!」

 

またバカが何か言いだした・・・。思わずリツコは痛みはじめたこめかみを押さえる。

 

「あのね、ミサト・・・。チルドレンはマルドゥック機関が選定して送り込んでくるのよ・・・。あなたがチルドレンにしたいって言ってなれるものじゃないの・・・」

 

「なら候補生なら?エヴァの実験に一般の子供を使えるのはリツコにだって多少は意味があるでしょう?・・・いいじゃない戦自にだって少年兵がいるんだし。3士なら佐官のあなたなら任命し放題じゃないの!!」

 

「・・・候補生ねぇ・・・」

 

リツコは少し考え込んだ。実はミサトが連れてきたこの二人はあの『2-Aの生徒』であり、ネルフが密かに用意している『予備のチルドレン』達なのである。生徒達の母親は全員コアにインストールされており、セントラルドグマの一室に保管されている。そう考えれば『候補生』といえば現状でも彼らはすでに『候補生』だと言えなくもない。

 

それに、いずれ予備が必要になる可能性もある。こちらでこの二人を囲っておけばいちいち予備が必要になる度に学校へ勧誘に行く手間も省けるし、しかもそれは自分がどうせ行くのだろうから未来の仕事削減には一応なる。

 

なんにせよ、子分が出来ることでミサトが立ち直るのであれば安いものだろう。

 

(どうせエヴァはコアを変えない限り彼らには動かせないのだから、せいぜいミサトのご機嫌取りをしてくれたら御の字ね。確かに保険にもなるし・・・。こうしてみるとなかなか良いアイデアね。ミサトの案なのが癪だけど・・・)

 

「わかったわ、ミサト。あなたがちゃんとこの二人を責任をもって世話するなら、副司令に掛け合ってあげる。ただし、彼らの給料は一課で出しなさいよ。現状あなたの仕事を全部二課がやっている以上、当分は一課の経費は認められないけど・・・」

 

「さすがリツコ!話がわかるわ。大丈夫。今回の騒動の責任を取って日向君を無期限減給20%にするわ、そのお金を10%ずつ彼らのお給料にしてあげて・・・。それで1人5万円程度にはなるでしょ。小遣いには十分よ」

 

「・・・・・・哀れね」

 

「大丈夫よ。さすがに最近ちょっちやり過ぎてるから少しは私も(体で)払うわ」

 

「・・・・・・哀れね・・・・・・恋愛はロジックじゃないのね(ボソっ)」

 

「え、何か言ったリツコ??」

 

「いえ、日向君がそれで満足なら何も言うことは無いわ。彼も大人ですもの」

 

「言っておきますけどね。私も不本意、渋々だからね。絶対内緒にしといてよ」

 

(女の汚い所よね。まあ、世の女性のほとんどがそうなわけなんだけど・・・。マヤが聞いたら軽蔑するでしょうね・・・でもねマヤ・・・『二十歳過ぎて処女のほうがマイノリティ』で、『女性の大半はたいして好きでもない男と一晩ヤったくらいの経験をしているほうがマジョリティ』なの。まあ、私もあなたと似たようなモノだから偉そうなことは言えないけど・・・)

 

実際、神も姉の携帯を何気なく見たとき5股くらいしてて笑った(引いた)。

それが今では2児の母でごく普通の家庭を築いている。これはなにも姉がおかしいわけじゃない。それが『現実』であり、ごく『普通』のことなのだ。アイドルがIS○Aに寝取られてもそれは不思議なことではないのである。普通の女の子ならイケメンと付き合い、股を開いてキャッキャウフフしているのが当たり前なのである。そもそもそういう女の子じゃなければアイドルになろうなんて派手なこと考えるわけがないではないか。あそこに並んでいる『偶像』達はもれなく非処女であり中には彼氏がいる娘だっているんだ!『目を覚ませ』『目を覚ますんだ』友よ・・・。

 

だいたいアダルトビデオに出てる女の子、風俗で働いている風俗嬢、キャバクラで働いているキャバ嬢・・・お前はこんな非処女の彼女達に優しくしてもらって楽しく過ごしているではないか。お前の書いたつまらない小説の話をしたってちゃんと聞いてくれているのだろう??にも関わらず俺は『処女派』なんだよねとか・・・舐めとんのか!!

そもそも素人童貞のお前が処女なんぞ相手にしたら黒歴史決定的だぞ。女の子の処女は手馴れたイケメンたちに任せておくんだ。そのほうが互いにとってプラスなんだ!!

 

たしかに彼女たちにはお金がたくさん必要だが、結婚したってお金はいるんだ!!

 

神の嫁さんなんか結婚したらろくにエッチしてくれないし(爆)というか子供が出来たらセックスレスだぞ。嫁さんは飯は食うし、服は買うし、子供が出来たらさらに金がかかるし、あれやこれやであっという間に貯金がなくなったわ!!火の車じゃい!!

 

お前は独身貴族で風俗嬢と遊び、キャバ嬢と遊び、さらにはアイドルなんぞにはまりやがって!それもリアル(AKB)と二次元(モバマス)の両方で!!一体お前は何をやっているんだ!!

 

何が『恋姫×モバマスSS』だ!ちくしょーめ!なんかそっちの方がこんな糞SSより断然面白そーじゃねーか(爆)投稿楽しみにしてるぜ友よ!!

 

すまない、少し取り乱した。神も三十路のおっさんなんでなストレスが溜まってるんだ。

 

と、神様が文字数稼ぎを行ったところで、脇に置かれていた鈴原トウジ、相田ケンスケの2人はめでたくチルドレン候補生、3士として登録された。

彼らは作戦一課に配属され以後チルドレンとして訓練を重ねていくこととなる。

 

 

「なに(↑)この露骨な稼ぎ・・・そんなに書くことがないの??」

 

「シンジ様、仕方がないですわ。そもそもこの第四話・・・原典でも第三話の後日談扱いで、その大半をシンジ君が街を彷徨ったり、風景を映したり、ラストで1分近く沈黙させたり・・・正直あまり中身が無いお話なのです。だいたいこのSSではシンジ様は逃げ出してもいませんし・・・プロット段階でもなんと10行しかありません・・・。他の話に合わせて1話分文字を埋めるだけでも一苦労ですわ」

 

「うん、そうだね。って僕たちもその稼ぎに加わっちゃだめだよ・・・。さあ、それでは会議を始めようよ!」

 

今回雪広ビルにて行われる会議の議題は、残り3000万ポイント強をいかにして効果的に使うか?ということを決めることである。今後の展開を左右する大事な会議だった。

 

「操祈に2000万先に使っちゃったから、僕としては残りはみんなの希望で使いたいと思ってる。忌憚のない意見を出し合ってね」

 

シンジがそう言うと、まず先にナガサキ・アーセナルの夕呼が発言を求めた。

 

その内容とは自分は研究者としても優秀であるが政治家との交渉事も得意であること。なので自分をナガサキにおくだけではなく第二東京や海外の政治勢力ともやり合わせて欲しい。戦術機の開発は自分の弟子を追加召喚してくれれば大丈夫。それと自分の護衛に幼なじみを一人召喚して欲しい・・・とのことだった。

 

これにはアヤカが賛成したが、千鶴が「那波重工はどうしますか?まだなにもシステム上強化を行っていないのでどのカンパニー(部門)も民生用と戦自のヘリくらいしか生産をしていない状況です。シンジ様に資金とポイントを入れて頂き、役に立てて頂きたいです」と意見を述べた。

 

次にエリナが深刻な人員不足を訴える。

 

「秘書の人員ですが・・・集まりません。面接に来た人たちを1人ずつとりあえず自白剤を投与してチェックしているのですが・・・。結局全員がなんらかの所のスパイです。食蜂さんが来てくれましたので、何人かは精神を操ってもらって2重スパイになってもらっていますが、正直その人達は恐い(汗というか、不気味(汗というか・・・。どうにかして絶対安心の人材を確保できないものでしょうか?」

 

『それはナガサキでも要望したいわ。雪広の従業員達では戦場に出せないもの。いくら戦術機や輸送艦、輸送トラックを作っても動かす人がいなくてはどうにもならないわよ』

 

ちなみに他のメンバー達、美羽はユイの膝の上でお休み中。その横でキョウコもお休み中である。七乃はその反対側で美羽の涎を拭いてあげたりしてポワポワしている。特に要望などは無いようだった。

 

「・・・しかし・・・運転資金も必要です・・・一日数億単位で経費がかかってますから・・・このままではあと一ヶ月ほどで資金ショートしてしまいますわ」

 

アヤカが悔しそうにそう漏らす。

 

「そっ・・・そんなにお金がかかるの!!」

 

「ええ・・・本当にいろいろと・・・とりあえずまた1000億ほどあれば・・・」

 

シンジは驚愕した。子供であるシンジにはわからなかったが、ナガサキ・アーセナルも造船所を『横浜国連基地』に置き換えたので規模が数倍になっているのである。となれば維持費もそれ相応にかかる。電気代など光熱費ももちろんだが、現実的に齟齬が起こらないようになっているため、しっかり固定資産税も事業所税も法人税も住民税も・・・etc・・・かかるのである。それだけで年間十数億円にものぼるのだ。

これ以外に裏工作にも多額の費用がかかっており、お金はいくらあっても足りないのだ。

 

「お金に関しては我に策あり!なんだけどな。ねっ夏美ちゃん♪」

 

「へ?あー、あの話ですか」

 

「どういうこと操祈ちゃん?」

 

「夏美ちゃんのアーティファクトで一緒に金持ちの所へ忍び込んで、私が能力で操って雪広にお金を出資させればいいのよ。雪広の賛同者も増える、お金も増える。一挙両得♪」

 

「えげつないですねー」

 

「ポイントをお金にするのはもうヤメ!もったいないよ。ポイントはチートシステムじゃ無きゃ出来ないことをするべき。現実に手に入るモノは私たちのコンビにお任せ♪」

 

「お・・・お任せですっ!」

 

操祈と夏美が二人してダブルピースする。

 

「ならば・・・私と夕呼さんで相談して標的を決めましょうか・・・さすがにいくらなんでもいろんな人物が急におかしくなったら怪しまれますし・・・」

 

『そんな能力が使えるなら楽勝ね・・・少々歯ごたえがなさ過ぎてつまらないけど』

 

「いえ、さすがに使いすぎは戒めるべきです。夕呼さんのご協力は心強いですわ」

 

「じゃあ・・・お金と政治的な問題はお任せということで。というわけで、えーと夕呼さん、それで誰を呼んだらいいの?」

 

『社霞と神宮司まりもの2人よ』

 

「(やっぱり・・・この2人とも夕呼さんと関係が深いみたい・・・システムの制約上どうあれ呼ぶことにはなっていたのかもね)では社霞(200万)ちゃんと神宮司まりも(100万)さん、合わせて300万ポイント消費してナガサキへ召喚!!」

 

するとナガサキのモニターに人の形をした光の影が二つ現れ、うさぎ耳ツインテールの女の子となかなかに凛々しい女性士官が現れた。

 

『あがー』『夕呼!!』

 

どうやら無事に呼べたようである。女の子が夕呼さんに抱きついているようだ。

 

「では次に・・・えーと那波重工だったね。とりあえず工場を強化しようか?」

 

「あっあの!!」

 

「わっ、どうしたの夏美ちゃん?」

 

「さっき人が集まらないってエリナさんが言ってたんですが、聡美ちゃんならなんとかできるかもしれません」

 

「聡美ちゃん??」

 

「葉加瀬聡美ちゃんです。茶々丸さんっていうガイノイドを作っていたんです」

 

「でも夏美さん茶々丸さんは超さんやエヴァさんの2人もいたから茶々丸さんが生まれたんじゃなかったかしら??」

 

「うん。でも千鶴姉ぇ、聡美ちゃんって茶々丸さん以外にもいろいろロボットを作っていたじゃない。だから聡美ちゃんだけでもかなりのことが出来ると思うんだ。シンジ君どうかな?」

 

「・・・葉加瀬聡美さんね・・・確か以前に神様にオススメされたような・・・。えーと最下位(悲で1万ポイントだから、全然いいよ。じゃあ、葉加瀬聡美さん召喚!!」

 

もちろん彼女は『ネギ魔』キャラなので、この場に現れることは無い。

 

「プロフィールの確認もしておこう・・・。えーと『ガイノイド』は・・・開発すれば作れるんだね。それほどのポイント数でも無いし・・・では100万ポイントで開発!その他付随の技術もついでに取っておこう。これも一つ一つは数百から数千くらいだから・・・合わせて26万5千ポイント。よし設定完了。ガイノイド工場は雪広ビル21階から24階の3階が空いてるからついでに設定しちゃうね。よし、これでOK!これで人材確保も上手くいくんじゃないかな??」

 

「ありがとうございます。シンジ会長(ペコリ)」

 

「では那波重工の強化を始めるよ。神戸工場で戦術機母艦の建造を始めよう!大隅級戦術機揚陸艦を一隻、崇潮級強襲潜水艦も一隻。えーとナガサキで海神(わだつみ)81式強襲歩行攻撃機を開発しないとね。開発完了次第生産は撃震と同じ3機でいいかな?余裕があったら増やそう。それと僕が乗る陽炎の開発を始めないとね。陽炎は1機でいいや。あと他の雪広と那波の工場で87式自走整備支援担架と支援輸送車両、補給車両を製造してもらおう。開発はナガサキで、開発完了次第5台ずつ作ろう。そろそろ第三新東京市に近いところに『基地』が必要になるね・・・」

 

「はい・・・一応横須賀を考えてますが。でも国連の太平洋艦隊も使用しているので、どれほどのスペースが確保できるかはまだわかりません・・・」

 

「ねえ、シンジ君『初島』はどうかな?昔家族で行ったことがあるよ!」

 

「初島??」

 

「熱海から遊覧船で行くんだよ。すごく大きいプールがあるんだよ!」

 

夏美の進言を受けシンジはアヤカに早速『初島』を検索してもらう。

 

「なるほど・・・この世界じゃセカンドインパクトのあおりで全て破壊されて無人島になっているのか・・・ここなら良さそうだねぇ」

 

「そうですわね。第三新東京市の喉元にありますし・・・海に囲まれているのも機密を維持するのに最適です。よく言ってくれましたわ夏美さん」

 

「へへーそれほどでも」

 

「いや、今日は大活躍だよ!!じゃあ『初島』に関しては正式に取得してからシステムを使うとして・・・えーと工場強化に500万、輸送艦と潜水母艦の開発と生産で850万、海神、陽炎の開発生産で200万、その他車両などに・・・これは安いね20万だ・・・。あっこれはチート生産できないからか・・・なるほど。残りが1142.5万ポイントだね」

 

「シンジ様、申し訳ないのですが、その端数の142.5億円をいただいてもよろしいでしょうか?それで当座間に合わせますので・・・」

 

「うん!もちろん!じゃあ残りはちょうど1000万ポイントだね。これはとりあえず残しておこう。初島の開発もあるし・・・使徒戦も油断できないしね」

 

「「「異議無し(ですわ)(ですー)(よ)」」」

 

 

「やれやれ、なんとか文字が埋まったよ」

 

「なによりですわ・・・」

 

「そもそもみんなとイチャラブするのを自重してるのがダメなんだよ!次はヤリまくるよ」

 

「シンジ様。次は多分大丈夫ですわ」

 

(T。T )

 

 

第伍話 レイ、心のむこうに Aパートに続く

 

 

 

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