練習場に来ないけどレースには勝利してくるので怒れません 作:akatsuki4612
「トレーナー、入るわよ」
ドアがコンコンと二回ノックされ、外から確認の声が聞こえる
「あぁいいぞ」
俺がそういうとドアがゆっくりと開かれ、部屋に入ってくるのはスカーレットだった
スカーレットが俺の目の前にくると
「トレーナー……今日も練習来なくてごめんなさい」
頭を下げて謝ってくる。練習に来ないときはこうして律儀に毎度俺の部屋に来て謝るのだ。こういうところは優等生って感じがするよな
「仕方ないさ、やる気が出ないんだろ? そんな状態で練習して怪我しても困るしな。むしろお前をそんな状態にさせてる俺のほうが悪いんだ……こっちこそごめんな」
それはそうとして、ウマ娘のコンディションはトレーナー次第と聞いたことがある。
夜更かし気味や練習ベタになろうともトレーナー次第では端正することもできるし、逆に悪化させてしまうこともあると教わった。
だから今回の彼女のなまけ癖(といえばいいのだろうか)を直せない俺に原因があるのだ。新人であるが故に彼女をしっかりとしてやれない自分が。
「いいえ……トレーナーはしっかりやれてるわ、それに応えれない私が悪いんだから」
しかし、スカーレットも自分が悪いと言って譲らない。
「いやいや俺が……」
「いえ私が……」
どちらも責任は自分にあるといって譲らない状態が続く。そうしてしばらくすると
「だから俺が悪いんだよ! 経験がないからお前のコンディションを良くしてやれない俺が悪いんだ!」
「いいや私よ! アンタは新人なりに一緒に考えてくれるじゃない!それに応えれない私が悪いの!」
そして責任という名の言い争いが始まる。
「だったらどっちが悪いかゲームで決着つけようじゃないか!」
「いいわ!勝ったほうが悪いってことにしましょう。一番は譲らないんだから!」
「ならダンスで白黒つけようか!」
「上等よ!」
そして練習場へ行き何故か二人でダンスレッスンを行い、中々決着がつかない状態が続く
「あ、あのー……もう大分時間経ちましたけど、夕食は大丈夫ですか?」
レッスントレーナーにそう言われて気が付くと、太陽は落ちかけていて外が薄暗くなっている。
「もうこんな時間か……ダンスでの勝負は俺の勝ちってことでいいな?」
「はあ!? どう見ても私の勝ちに決まってるでしょ!」
自分が勝っているとまたも言い争いが始まる。
「ひ、引き分けじゃ駄目なんですか……?」
「駄目だ!」
「駄目よ!」
レッスントレーナーがそう言うと俺とスカーレットは言い争っているのにこの時だけぴったり声が重なる
「……まあいいわ、この勝負の行方はまた今度にしましょう」
「あぁそうだな……今度こそは勝つからな」
「何言ってるのよ、次は私が勝つんだから」
むむむ、とお互いをじっと睨みあいながら練習場から出ていく
夕食の後も、スカーレットは俺の部屋に来てどちらが一番になれるかでパーティゲームで競うのだった。ちなみに結果としては数合わせとして入れたCPUに二人とも負けたのでまたもや決着はつかないのであった