プリンセス・アート・オンラインRe:Dive 作:日名森青戸
1.いきなり新キャラ妖精&塔が逆さま。ヤバいですね☆
2.現実に帰って来てごった返す病院。ヤバいですね☆
3.ストーカーとニンジャと姉とヤンデレが集う。ヤバいですね☆
4.アストライア国が陥落&ペコ侵入。ヤバいですね☆
5.新ギルド新キャラのリリがまさかの兄様呼び。ヤバいですね☆
もうヤバいですね☆しか出てこんわwww3部1章が楽しみすぎて夜も眠れんwww
74層のボスが討伐されて翌日。
ユイがエギルの雑貨店に入る。
「キリト君、差し入れのビーフサンドだよ」
「悪いな」
ユイが持って来た袋をキリトに渡す。
受け取ったキリトはビーフサンドを取り出すや否やかぶりついた。
「大変な騒動になっちゃったわね」
「そりゃそうだ。こんなモン書かれちまったらな」
エギルは新聞を放り投げ、それをユイがキャッチする。
「――『予想外の妨害と、青眼の悪魔により壊滅させられかけた攻略組。それを救った黒の剣士《二刀流》の50連撃』――うわぁ、ノゾミちゃんの時より酷いかも……」
「50連撃って、使えないにもほどがあんだろ……そのせいで剣士やら情報屋やらに詰め寄られて、ねぐらから逃げ出す羽目になったんだからな」
「仕方ないんじゃない?あたし達だけの秘密だって言っておいて勝手に披露しちゃったんだからね」
素材の購入に来たリズベットがにやけながら茶化す。
「どうだ?いっその事講演会でも開くか?チケットの手筈なら俺が――」
「誰がするか!!」
冗談交じりのエギルにキレたキリトがティーカップを投げつける。壁に叩きつけられたカップは粉々に砕けてポリゴンとなって消えた。
「おい、危ねぇだろ!」
「別に園内だから死にはしないだろ」
「それじゃ、私は下に戻るね。アスナさん達にもよろしくね」
踵を返してエギルの店を後にしようと扉に近づいた時だった。
扉が開き、ユナが入ってくる。
「ゆ、ユナさん?」
「キリトさん。ヒースクリフ団長がお呼びです。ご動向願います」
「え?いきなりどうして……」
「ユイさんにも一応うちのギルドに足を運んでもらいます。ノゾミとウィスタリアにも連絡を入れたので」
「ノゾミちゃんにも?」
唐突な話でついていけないユイ。
エギルとリズベットも、何事かと顔を見合わせるだけだった。
†
55層グランザム:【血盟騎士団】本部。
「いきなりの呼び出しにも関わらずよく来てくれた」
ユナに連れてこられたキリトとユイは、55層にある【血盟騎士団】本部にやって来た。その客間でウィスタリアと【ブレイブ・フォース】のラジラジともばったり会う。
その最奥、広々とした部屋に大きめの椅子とデスク越しにヒースクリフが迎え入れる。
「お久しぶりです。ヒースクリフ団長」
「健勝のようだな、ノーチラス君。【ブレイブ・フォース】ではうまくやっているようだね」
「その話はまた後にしてくれますか?」
前に出たラジラジが遮るように前に出る。
「ラフコフ戦後以来ですね。こうして会話するのは」
「そうだな。あの時は改めて礼を言わなければならない。クラディールがラフコフの人間だと知らなかったら、彼らは今も活動を続け、より多くの犠牲者を出していたかもしれないからな」
「で、用件はなんだ?」
割り込んだキリトが単刀直入に訊ねる。
「なに、大したことではない。世間ではトップギルドと持て囃されているくせに、戦力は常にギリギリの状態だ。そんな状態で貴重な主力プレイヤーを引き抜かれてはいそうですか、と黙って見過ごすと思っているのかね?」
「なるほど。つまり剣で奪い取って見せろ、って事か?」
ヒースクリフの趣旨を察したキリトがその本心を代弁する。
その言葉を聞いたヒースクリフは口角を上げ、「よろしい」と承諾した。
「……あら?お待ちなさい!でしたら何故私達が呼ばれたんですの!?話を聞く限りでは、あなた方の問題ではなくて?」
「確かに彼女の言う通りだ。ヒースクリフ団長、我々を呼んだ理由は何ですか?」
そこにウィスタリアとラジラジが食いついてきた。
「その件か。実を言うとキリト君と決闘する話になった際、3本分の試合にしないかとダイゼンから提案があってね」
「またあの人ですか……」
呆れ半分でユイが声を上げる。
彼の提案で『ライブ・イン・アインクラッド』の計画を実行できたようなものだが、なんとなく近寄りがたいと思ってしまうと言うのがユイの実直な感想である。
「私がキリト君と決闘する際、『私も彼とぜひ戦いたい』と言い出してきた副団長と揉めたのだよ。最終的には団長権限で無事に収めたのだが……」
目線を逸らした先には今もふてくされて机に突っ伏すクリスティーナの姿が。普段は傍若無人な振る舞いで周囲を振り回し、的確な指示で団員を動かす聡明さといかなるモンスターを相手にしても怯まない豪胆さを持ち合わせていた彼女も、今ではまるで拗ねた子供のようである。
「そこで止むを得ず彼女の眼鏡に敵う相手は誰かと彼女と相談して……ラジラジ君、君ならば彼女も承諾してくれたよ。まあ、かなり渋々だったが」
「……とんだ茶番に付き合わされたものだ」
「それと【ゴスペル・メルクリウス】の諸君。君らには我々【血盟騎士団】の大きな借りがある。こちらもユナ君を連れ出す事を許可したがゆえに、あのライブは成功した。違うかね?」
表情は変えずとも、にらみを利かせるヒースクリフ。確かに先のライブでは団員の一人であるユナを借りたこともある。
言い換えれば「こっちが先に協力してやったから、そっちもこっちの案に協力しろ」と言うことだ。
「……なるほど。要はノゾミさんとラジラジさんは闘技場の盛り上げ役をしろ、ということですのね?」
「君らの場合、参加してくれるだけで良いからリスクはほとんど無い。正直な話、ユニークスキルに次ぐ超EXスキル持ちとはいえノゾミ君では我々からすれば力不足感を否めないし、何より訓練やレベリングをサボってでも君に会いたがる人が増えてしまうだろうからな」
「あはははは……」
その実直すぎる感想にノゾミは苦笑いを浮かべるしかなかった。
しかしすぐに気を取り直して彼に向き直る。
「……わかりました。私も参加します」
「そう言ってくれたことに感謝するよ。君の対戦相手はアスナ君が――」
「あれ?シズルさんじゃ無いんですか?」
ヒースクリフがノゾミの対戦相手を告げようとした時、ノゾミが素朴な疑問を投げかけた。
その途端、部屋の空気が一気に凍り付く。
「……?どうかしましたの?」
「ノゾミ、なんか変な事言ったか?」
「えっ?私はただ、同じ超EXスキルを持ってるプレイヤー同士のほうが理に適ってるんじゃないかなって……」
「ちょっと、本気なの!?今のシズルさんはとても戦える状態じゃないのよ!?あなたまで受ける必要なんてない!今すぐに取り消して!!」
困惑するノゾミとキリトに、アスナが必死に彼女を説得する。
「……アスナ君。君の言いたい事は分かる。だがこれは、君がキリト君のパーティに引き抜かれるか彼が我々の一員になるかの話だ。当事者の君に口出しする権利は無いと思えるが?」
「ですがッ!」
「ノゾミ君。シズル君は一応戦える状態ではある。が、今は普通ではないのでね。それでも彼女と戦うかね?」
「えと……大丈夫です。私も問題はありません」
そう答えた途端、後ろでアスナは「も~っ!!!」と頭を掻く。
どういうことか尋ねようとした時、ヒースクリフが口を開いた。
「では明日正午。75層主街区コリニアの闘技場にて」
†
翌日。
アクティベートしたばかりの75層主街区コリニア。
白亜の巨石造りの街並みは、まるで古代ローマの首都を思わせた。
何よりこの主街区で一際目立つのが、転移門前に聳え立つ巨大な闘技場だ。
今日、この闘技場ではレベルや立場に関係なく様々なプレイヤーが訪れていた。
「さあさあ、良い席のチケットは残り僅か!買った買ったぁ!」
コロシアムの近くではダイゼンがプレイヤー相手にチケットの販売に勤しんでいた。その隣ではダフ屋らしき屋台もある。恐らく隣もダイゼンの兼任だろう。
入り口付近には露店が並び、【エリザベスパーク】や【ゴスペル・メルクリウス】所属の商人プレイヤーが商売に精を出していて、今の始まりの街と大差ない活気に包まれている。
「うわぁ、凄いことになってますね」
「ツムギちゃん!」
コロシアムにひしめく観客をざっくり見渡したツムギがそんな感想を呟く。
そんな時、フィリアから声を掛けられた。振り返って見ると綿あめらしきものを持っている。
「貴女も闘技場に?」
「まあね。ねぇ、どっちが勝つと思う?」
「いきなりですね。私としては……キリトさんに勝ってほしいですね。あの服を作った身としてですが」
「え?あれってツムギが作った奴なの?てっきりどこかのボスのトドメの奴かと……」
「今となっては懐かしいですよ。まだ
ぬふふ、と含みのある笑いを浮かべるツムギにフィリアは若干顔を引きつらせる。
因みにその後、アシュレイにバレてしっかり絞られたらしい。
閑話休題。
ラッパのファンファーレが鳴り響く。コロシアムの試合開始5分前を告げる合図だ。
ただでさえ大量の観客が、その合図を皮切りに更に集まってくる。
ウィスタリア達【ゴスペル・メルクリウス】と、テンカイ達【エリザベスパーク】の面々も集まってきた中、時間が正午を表示した。
†
『闘技場を訪れた皆さま、大変お待たせしました!第1回闘技場血戦、ここに開幕~~~!!今回は全プレイヤー中最強と謳われる我らが【血盟騎士団】を率いる騎士団長、《神聖剣》ヒースクリフと先日ユニークスキル《二刀流》を披露した孤高の黒の剣士キリトが、1対1の決闘で雌雄を決すると言う一大イベント!!――と、言いたい所ですが、今回はなんとそれだけではなく、傍若無人なクリスティーナ副団長とかつて半壊するほどの被害を受けながらも攻略組に復帰した不死身の軍団【ブレイブ・フォース】のリーダーラジラジ氏の対戦、更には準ユニークスキル持ちの2人の対戦と、太っ腹にも決闘三本勝負が繰り広げられます!!えー、実況は私【血盟騎士団】財務管理を任されておりますダイゼンでお送りします』
ダイゼンの合図に雷鳴の如き大量の歓声が沸き立つ。
『えー、まずは前哨戦としてこの2人!赤コーナー、【ゴスペル・メルクリウス】に所属する浮遊城のアイドル!『ライブ・イン・アインクラッド』でプレイヤー達を沸騰させた最強アイドル!ノゾミィィィィィィィ!!!!』
ノゾミが闘技場に現れると同時に、さっき以上の歓声に思わず耳を塞ぐツムギとフィリア。
『えー。青コーナー、我ら【血盟騎士団】タンク長。多分今のアインクラッドで最凶であろうこの人、シズルさんです』
「説明軽ッ!!仮にも同じギルドの仲間なんだし、もっと紹介を――」
坦々と告げたシズルの紹介に思わずマコトが叫んだ。
だがその直後、続きを彼女の口から発せられることは無かった。
「何ですの、あれ……?」
ウィスタリアとが唖然としながら思わず零れた感想は、この闘技場の観客全員の総意でもあった。
ノゾミの出てきたゲートの真向かいから現れたのは、分厚い布に覆われた誰かだった。
手には分厚い木製の枷で自由を奪い、何重にも身体に巻き付かれた鎖という有様にどれほどこの人物の危険性が大きいのか嫌でも理解させられる。
「なんか、某サバイバルホラーのなんたらト○ヴ○ーさんと似てなくない?」
「「ほんとそれな」」
別の観客席で、フィリアが顔を引きつらせて呟く。
リズベットはドン引きしたままで何のことかさっぱりだったが、クラインとエギルは知っていたのか顔をひきつらせたまま同意した。
「連れてきました」
「よし。ノゾミちゃん、そっちから決闘申請を頼むよ。あと、予備の曲刀は持ってきてるね?」
「は、はあ……」
ともあれ、鎖を引くのは団員らしきプレイヤーの片方がそう言うと、ダイゼンはストレージを操作して武器を実体化する。
始まりの街でよく見かけるNPC武具屋で最安値で売られている【ショートソード】だ。それを布を被った誰かに持たせる。
ノゾミや観衆が目を白黒させる中、ノゾミは言われた通り決闘申請を送る。ルールは【時間制限3分】と【初撃決着】とオードソックスなものだ。
布を被った誰かの前にウィンドウが現れ、団員が手を取って操作し、受諾。カウントダウンが始まると同時に団員が布を取っ払うと同時に逃げ出した。
「……………!!」
布の中から現れたのは、変わり果てたシズルだった。目は血走り、口元からはぽたぽたと涎が垂れ落ち、口に猿轡を嵌められ手もなお呻き声を上げる姿は最早ケダモノである。
「なっ、えっ、ちょっ、どういうこと!?なんかこの間見た時より酷いことになってない!?大丈夫この人!?大丈夫なの!?」
「だから言ったじゃない……」
アスナが困惑するノゾミに後は知らないと言わんばかりに呆れた表情を浮かべる。
『えー、ここに団長からの伝言があります。「シズル君は最近弟くん成分という奇妙なエネルギーが枯渇しているらしく、
「最近
『「今の彼女はいわば《
がんばれ」だそうです』
「いやがんばれって、もっと他にアドバイスは――」
思わず叫ぶノゾミだったが、その直後にカウントが0になり、シズルが弾丸の如く迫るり、その途中で突き刺さった【ショートソード】を掴み、ノゾミに斬りかかった。
瞬間、巨大な土煙がコロシアムのフィールドから立ち上った。
次回「剣vs拳」
(・大・)<布を被ったシズルの姿はバイオ1リメイクのリサ・トレヴァーをモデルにしました。
(・大・)<こっからいよいよクライマックスまで駆け抜けます。
追伸:SAO×プリコネでまさかのスズナも出ていた。
スズナ「やばば!うちも参加してたんだ!」
クロエ「マジか。このままSAO×プリコネ公式に行っちゃうんか」
追伸の内容は単に作者の願望です。