プリンセス・アート・オンラインRe:Dive   作:日名森青戸

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前回のあらすじ

アスナの【血盟騎士団】進退、そしてキリトの入団を賭けて、ヒースクリフの提案により、キリトと共に闘技場の三本勝負に出る事になったノゾミとラジラジ。
1回戦、暴走状態のシズルにトラウマを刻まれながら逃走するノゾミが一撃を喰らいHP差でシズルの勝利。
2回戦、ラジラジとクリスティーナの戦いはクリスティーナが勝手に【完全決着モード】に設定してしまい図らずも殺し合いに発展したが、お互い人間離れした戦いに両者ノーダメージで引き分けに終わる。
そして3回戦、メインイベントとも呼べるキリト対ヒースクリフの戦いが始まろうとしていた……!


(・大・)<ひっさびさの投稿。

(・大・)<プリコネフェス見てきたけど、驚きの情報満載過ぎた。

(・大・)<詳しくはあとがきで。

※次回予告のタイトルを編集しました。




「二刀流と神聖剣」

 

やっとメインイベントにありつけたのか、観客も先の戦闘を忘れて歓声を上げていた。

 

「今更だがすまなかった、キリト君。よもやこんなことになろうとは思ってなかったよ」

 

「ギャラは貰いますよ」

 

「いや、試合後君は我がギルドの団員だ。任務扱いにさせてもらうよ」

 

何気ない表情で告げられた勝利宣言。ハッタリなどではない、心の底からの自信が、彼の口を通して出てきたのだろうか。

ヒースクリフからの初撃決着ルールの決闘を受諾する。

カウントダウンが始まると同時に、キリトは背中の剣を、ヒースクリフは十字剣を盾から引き抜いて構える。

カウントが0になり、両者同時に駆け出した。

 

最初に仕掛けたのはキリトだ。低い姿勢からヒースクリフ目掛け一線を放つ。

それを盾で防ぐヒースクリフ。

それを皮切りに、キリトの《二刀流》で猛烈なラッシュを繰り出すが、それらも盾で防がれる。

次の瞬間、ずいっと盾が眼前に迫ったかと思いきや、鋭い刺突が放たれた。間一髪、剣を交差させて防いだキリトは後退する。

そのわずかの隙を逃さなかったヒースクリフが地を蹴って間合いを詰める。そして最初の一撃を喰らわせたのは、ヒースクリフの盾だった。

予想外の攻撃に圧し飛ばされ、最初とは一転してヒースクリフの攻撃が放たれる。それらをなんとか捌いて後退したキリトは、エリュシデータにライトエフェクトを纏わせていた。

刹那、鋭い突進がヒースクリフの盾に直撃した。だが盾をこじ開けることなく後ろに受け流されてしまう。

 

「素晴らしい反応速度だ」

 

「そっちこそ、硬過ぎるぜ」

 

不敵な笑みを浮かべてそう言いあう。そして駆け出し、ぶつかり合う。

キリトは剣でいなしながら、ヒースクリフは盾で防ぎながら互いに一歩も引かず剣戟の応酬に、ぶつかり合う度に火花が散る。

 

「すっげぇ!さっきの2つより何倍も見ごたえがあるじゃねぇか!」

 

「これが、キリト君の本気……!」

 

観客の歓声が沸き立つ中、興奮するマコトの隣でユイが思わず目を瞠る。

それだけ激しい戦いが繰り広げられているのだ。

 

2人のHPがじりじり減っていく中、キリトの斬撃の速度は更に上がっていく。

 

(まだだ……まだ上がる……!!)

 

応酬の最中、ついにキリトの斬撃の内の一つがヒースクリフの頬を掠めた。

僅かにHPが減少し、彼の表情から笑みが消える。

それを好機ととったキリトはそのまま剣に蒼いライトエフェクトを纏わせる。

二刀流ソードスキル《スターバースト・ストリーム》――降り注ぐ流星の如き16発もの連続斬撃。

その連撃がヒースクリフに襲い掛かった。

それを盾で防いでいるものの、怒涛の連撃は15発目でついに盾を弾き、大きく体勢を崩させる。

 

(抜ける……!)

 

無防備なヒースクリフに最後の一撃が振り下ろされる。

誰もがキリトの勝利を確信したその時だった――。

 

 

――ガキィン!

 

 

「――は?」

 

何が起きたのか、誰もが理解できなかった。

耐性を崩され、大きく後ろに弾かれた盾が、あの一瞬でキリトの最後の一撃を完全に防いだのだ。

大技の大証で硬直するキリトは動けない。

その隙を逃すはずもなく、放たれた刺突を受けるしかなかった。

 

『け、決着ゥゥゥゥゥゥゥ!!激戦を制したのは我らがヒースクリィィィィィィィィィフ!!!!!』

 

その言葉で歓声が沸き上がった。

その中で2人、場違いなリアクションをする者がいる。キリトは呆然とした表情でヒースクリフを見上げ、ヒースクリフは険しい表情で背を向けてその場を後にする。

ユニークスキル持ちのプレイヤーの決闘は、キリトの敗北と言う形で幕を閉じた。

 

(あれは……明らかに避けられなかったはず……どういう事なんだ?)

 

彼の元に走ってくるアスナを視界に入れながら、キリトは悔しさよりも目の前の減少に思考を巡らせるしかなかった。

 

 

 

 

宴もたけなわという言葉のように、闘技場三本勝負という一大イベントが終わり、それぞれの拠点へと帰るプレイヤー達。

ウィスタリアもダイゼンから土地と店の借用料金である売り上げの1割を献上し終えて、ギルドメンバーと共に始まりの街へと帰ろうとしていた。

 

「……ねぇみんな。やっぱりおかしくなかった?」

 

そんな中、ユイが一向に訊ねる。

 

「ユイん気付いちゃん?」

 

カオリがその疑問にそう答え、

 

「何の話だ?」

 

放心したノゾミを背負ったマコトが首を傾げながら振り向いた。

 

「さっきのヒースクリフさんの防御。気のせいかもしれないけど、私には明らかに速過ぎたように見えたの」

 

「え?でも実際に防いだじゃないですか」

 

「いえ。私にもあれは直撃は避けられないと思ってました。偶然盾に当たった、という理由であそこまでキリトさんの攻撃を防げるはずがありません」

 

ユイの疑問にツムギは疑問符を浮かべたが、同じ盾持ちのチカは同意し、先の決闘を思い返して妙な違和感を感じた。

 

「もし……もし、なんだけど。システムでの防御じゃないのかな?」

 

「システム?」

 

「ほら、VRMMO系のゲームって何もSAOだけじゃないでしょ?フルダイブじゃないMMOもあったし」

 

「そういうのもありましたの?てっきりSAOだけかと思いましたわ」

 

「そこは良いから。で、そのVRゲームなんだけど……友達から聞いた話なんだけど、盾の防御って初心者には《自動防御》システムがあったって……」

 

ユイがかいつまんで説明するそのゲームは、一人称視点でのゲームであり、同梱のコントローラーで剣と盾を操るファンタジーものだ。

とはいえあまりにもチープ臭の強い作品だったが意外にも一定数のユーザーを集めていた。しかし人気の波には抗えず、SAOのベータテストの期間の際には誰も見向きもしなかったそうだ。

一応そのゲームの初心者用の盾は剣と共に超序盤から入手でき、耐久値は低いもののその盾だけに自動で相手の攻撃を防御できる代物だ。それが災いしたのか幸運に転じたのか、動画サイトの中ではそれらを使ったRTAが多く投稿されているらしい。

 

「そんなバカな、《神聖剣》のスキルじゃないのか?」

 

「……うーん。そう言われると、そうなっちゃうのかな?私も証拠がある訳じゃないし」

 

ユイの推測も訝し気なマコトの一言で一蹴される。ユイ自身、推測だけで証拠は無い。

証拠も無い以上、これ以上詮索しても意味は無い。気を取り直して帰路を歩いている時、ふとカオリが声を上げた。

 

「あれ?リーダーさんは?」

 

「そういや副団長の……クリスティーナさん?に呼ばれていたな」

 

周囲を探すカオリに、マコトが思い出したようにそう言った。

 

 

 

 

闘技場、キリト側の控室。

そこに呼ばれたラジラジは、扉を背に呼び出した相手に訝し気に訊ねた。

 

「何の用ですか?副団長クリスティーナ。先の決闘のリベンジマッチですか?」

 

「そうではない。大体負けて無いだろ。貴様を呼び出したのは2年前についてだ」

 

「なるほど。気になっていたとは意外ですね」

 

「そう言うなよ。で、肝心の茅場は見つかったのか?」

 

クリスティーナの問いにラジラジは首を横に振る。

 

「それで、奴の計画に参加した『変貌皇女(メタモル・エンプレス)』は?」

 

「責任を負わされる形で――」

 

そこまで言って、自らの首の前で親指を横に断つようにジェスチャーする。

 

「なるほど。奴はカネと名誉しか目に入ってなかったからな。初のフルダイブ型VRMMOと言うことで莫大な利益を得られると高を括ったが……実際は茅場に良いように技術を利用された(てい)たらくか。奴らしい最期だ」

 

「おかげで後任を2人も選ばなければならなくなりましたよ。まだ空白の『迷宮(ラビリンス)』を含めてね」

 

「確か……あぁ、もう5年も昔か。ガードレールを突き破って転落事故。事故現場には奴の遺体と荷物の医療道具と免許証。だったけかな?」

 

「――そして現場にはブレーキ痕は無く、彼の最後の訪問検診に訪れた駐車場には水滴の痕が残されていた。大方どこぞの馬鹿がブレーキオイルを抜いて事故を起こさせたのでしょう。現にあれからすぐに捕まったようですし。問題は……」

 

「一人娘の証言から浮かんだIDカードの存在を、連中は知らなかった。恐らく目撃した第三者がそのIDの価値を知って盗み取ったのだろう。あれは一見するとただのIDパスにしか見えんからな」

 

「余計な事を……盗んでさえいなければ、IDカード――即ち『七冠』の後任は彼女に決まっていたというのに」

 

「なるほど。おかげで色々分かったよ。さて、私も戻るとするか」

 

粗方聞き終えたクリスティーナは満足したように踵を返し、闘技場を後にする。

 

「攻略を続けるのですね」

 

「当然だろう?招待された以上、徹底的に楽しみつくす。1層から100層まで、ボス戦や階層攻略だけでなく、クエストも含めて、しゃぶりつくしてやるさ。それが私の楽しみ方だ」

 

「まあ良いでしょう。私も仕事に戻ります。もし彼を見つけたのであれば煮るなり焼くなり切り刻むなり好きにしてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ。『誓約女君(レジーナゲッシュ)』」

 

ラジラジからのその言葉に、クリスティーナはふっ、と軽く笑うと控室を後にするのだった――。

 





次回「獣王武刃」


※ユイが提示したゲームについて。

要はドラクエソードのナーヴギア版。同梱の2つのコントローラーで剣と盾を操作する。
本文で登場した初心者の盾は自動防御機能が付いていて、その場所に自動的に盾を移動させてくれる。
このゲームがある意味で有名になったのは、ジャストガード機能があったから。この機能と初心者の盾で耐久値を気にせずにサクサク攻略するプレイヤーが続出した。




(・大・)<とりあえず、プリコネフェスDAY2だけになるんですけど……驚き情報満載でした。具体的には……。


1:メインストーリー3部1章を読むとジュエル確保の限定クエスト開催。

2:クリスティーナの星6化。

3:かなり久しぶりなコラボイベント開催。SAOじゃ無いんかい。

4:個人的には時期尚早すぎるミソラ参戦。


(・大・)<これくらいですかね。

(・大・)<とにかく第3部も大荒れの予感です。
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