今年は梅雨入りが異常に早かったので少し遅いのだが、春分から梅雨入りまでの頃の季節の事を、沖縄では「うりずん」というらしい。
なぜこの言葉を知っているかというと、私は沖縄(八重山諸島)に住んでいた事があったからである。
このうりずん、漢字で「若夏」と書く事もあり、文字通り本格的な夏になる前の季節の頃を指すようだ。
この季節が巡って来る頃に聞こえてくるのは、こんな声。
↑キョロロロロ~~↓
鳴き始めが高くて尻下がりなこの特徴的な鳴き声は、「アカショウビン」という鳥。野鳥観察では比較的見やすい「カワセミ」という鳥の仲間で、クチバシから尾の先まで全身真っ赤(腰だけ水色)な鳥である。
あまりに赤いために「山火事に遭ったカワセミが全身火傷をした姿であり、消え入るように鳴くのは喉が渇いて水欲しさに助けを求めているのだ」という伝説もあるのだとか。
また、梅雨頃の雨が降りそうな時期に鳴く(繁殖期になる)ので、「雨乞い鳥」「水乞い鳥」などとも呼ばれているらしい。
ちなみに沖縄では「リュウキュウアカショウビン」という亜種になる。
この違いは色。
アカショウビンは赤が目立つだけだが、リュウキュウアカショウビンは紫の色彩が入るため、日の当たる角度によっては赤、赤紫、紫と色が変わってアカショウビンより派手である。
(腰の水色も鮮やかに目立つ)
あと鳴き方も少し違うようで、アカショウビンが『キョロロロロ~~』と長めで語尾をのばすのに対し、リュウキュウアカショウビンは『キョロロロ』と少し短く、のばさないという違いがあるようだ。
この鳥が鳴き始めるとうりずんが来るという事で、沖縄ではリュウキュウアカショウビンの事を「うりずんの使者」と呼ぶのだとか。
私が住んでいた頃もよく鳴き交わしているのを聞いていたものだが、本土(沖縄では内地と呼ぶ)では山岳地帯に多いらしく、こんなに目立つ色なのに滅多に見れないから「見付けたら幸せになれる」などと言われた事があるくらいなので、鳴き声も聞く事自体が珍しいかもしれない。
だが一度聞くと忘れられない程に特徴的な声である。
私の今住んでいる所はいわゆる「里山」で、それ程高い山は無いはずなのだが、風の向きによるのか時折微かに聞こえて来る事がある。
しかし姿は子供の頃に一度だけ、わざわざ野鳥観察のために高山近くの山岳博物館に行き、そこで合宿しながら自然観察会を体験した時に見たきりだ。
その時はやはり近くにいたからか、特徴的な鳴き声も頻繁に響き渡っていた。
「カワセミ」に代表されるこの鳥の仲間は、日本では後一種類。パンク頭が特徴(色は白黒まだらで地味)の「ヤマセミ」しかいないが、「アカショウビン」だけ渡り鳥であるそうな。
ヤマセミも山岳地帯で見られる事が多い鳥なので子供の時に自然観察会で見たきり。
だがこの鳥は姿に特徴があるので一度見たら忘れられない。
カワセミは山奥に行かなくても見た事がある。
まあ滅多に見れないが、農業用の溜め池で魚を狙ってるのを見掛ける事があるからである。
カワセミの場合は姿というより色に特徴があるので、これも一度見たら忘れられない。とにかく見惚れる程美しい鳥である。
余談だが、カワセミの漢字は翡翠。
つまり宝石の「翡翠(ひすい)」と同じ。
カワセミの美しく煌く青もしくは緑がかった色が、宝石の色に似ている事からあの石をヒスイと呼ぶようになったらしい。
ところでカワセミの仲間って、お菓子の「チョ〇ボー〇」のキャラに(形が)似ていると思いませんか?