駄文注意
俺とライスは、トレーナーに連れられて、所属するチームに連れられた。
「ここが僕のチーム!【シリウス】だよ!」
「こ、ここがトレーナーさんのチーム?」
「メンバー不足だと言っていたが、よくできているな」
トレーナーの案内の元、俺達が所属するチーム【シリウス】に到着し、扉を開き、中に入ると、そこにはたった一人だけウマ娘が椅子に座り、読書をしていた。
「あら?トレーナーさん?随分と遅かったのですね?メンバー勧誘をしていましたの?」
「うん。ごめんね。マックイーン。でも、今回は違うよ!今回はメンバーになってくれる子を見つけたんだよ!しかも二人!」
「本当ですの!?一体誰が・・・!?」
そのウマ娘・・・メジロ家のウマ娘の一人、メジロマックイーンは俺達に視線を向けると、驚愕の表情のまま、固まってしまう。
「こ、こんにちわ。マックイーンさん・・・!ら、ライスシャワーです・・・!」
「ファイズアクセル。ライスともどもよろしく頼む。メジロマックイーン」
俺とライスは、マックイーンに対して、軽く挨拶するが、なにも応答がない。変わらず、固まったままだ。
「・・・?おい、平気か?」
俺は少し心配になり、彼女に声をかけるが、なにも反応はなく、ただ立ち尽くしている。
アクセル「おい、トレーナー。メジロマックイーンはどうしたというんだ?」
トレーナー「あ、あれ?マックイーン、大丈夫?何かあった?僕また何かしたかな?」
トレーナーも声をかける。すると、マックイーンはプルプルと震え出して顔を俯かせている。
「・・・・・・ですの・・・・・・」
トレーナー「え?」
「も、もしかして、本物のファイズアクセルさんですの!?」
「・・・?俺以外に、ファイズアクセルの名を持つものはいないはずだが・・・?」
「本当に、日本全冠を成し、トレセン学園の生徒会長、シンボリルドルフさんを圧倒して、最強と名高い、ファイズアクセルさんですの!?」
「え!?生徒会長を!?しかも、日本全冠!?」
ああ。確かにそんな事もした。元々は、俺は学長から許可をもらい、チーム所属してなくても、代理として全て走ったりもした。その全てを俺の走りをしたら、圧勝し、いつしか、最速最強と呼ばれるようになった。
「ああ。その事なら本当だが、ルドルフを圧倒は誤解だ。あれはただの模擬レース。本当の勝負ならわからなかった。」
「ら、ライスもそのレース見てたよ・・・!!お兄様、風みたいに、ビューン!って走ってたよね!」
「風かどうかはわからないが、俺はただ走っただけだ。」
「それは本当かどうかはともかく!ほ、本物でしたら、さ、サインを頂いてもよろしいですか!?」
「それくらいなら別に良い。これから、同じチームメイトになるからな。」
俺は、マックイーンが取り出した色紙に、サインを書き、マックイーンに手渡す。
「あ、ありがとうございます!」
「別に気にするな。それより、トレーナー。俺達もこのチームに加入したわけだが、これからどうする?練習か?」
「ううん。今日は、マックイーンにはいつもの練習をしてもらって、二人は、さっき走ってたからストレッチして、今日は2人の事教えてもらってもいい?」
「ライス達の事?」
「うん。2人はなにが得意なのか。差しなのか。先行なのかとか、コースはなにが得意とか。色々ね」
なるほど。最初は俺達の脚質を把握する。ということか。
「わかった。指示通り行う。ライス、行くぞ」
「う、うん!!」
俺は、ライスを引き連れ、柔軟を行う。だが、ライスは走りは良いのだが、体が硬いのは皆知ってるだろうか?だから、俺は後ろから、ライスの上半身を軽く押してやる。
「んぅ〜・・・っ・・・!」
「少し我慢しろ。痛いかもしれないが、柔軟は大事だ。これもトレーニングだ。」
「わ、わかっ・・・たよ・・・!
ライスは痛みによって、苦悶の表情を浮かべている。・・・こんな俺だが、何故か罪悪感が有る。何故だ?それから、少し柔軟をした後、俺達は、トレーナーと話す為、チームに戻ったのだが。そこには、マックイーンとトレーナー以外に1人のウマ娘が立っていた。そこに立っていたのは、元々の脚質とは全く合わない中距離、長距離のレースで三冠を達成したウマ娘。
「ブルボン?何故ここにいる?」
「お久しぶりです。ファイズアクセル。トレーナーからスカウトされたと質問に解答します」
「トレーナーに?だが、ブルボンは他のチームに所属していたはずだろう。」
「それが、ミホノブルボンが所属してたトレーナーが、ブルボンを追い出したんだよ。何でも、自分の思い通りに動かないウマ娘はいらないって。ちなみに、ブルボン以外のその人の担当ウマ娘は全員ウチにくるから。」
「・・・は?」
「理由に解答。それはあなたがいるからです。ファイズアクセル」
「俺が・・・?」
意味がわからなかった。このチームにこれから所属するウマ娘が入る理由が俺?その意味を考えていた瞬間、扉が開いた。俺たちは全員視線を扉に向けると、そこには2人のウマ娘が立っていた。
「あの、ここがチームシリウスであってますか?」
「うん!あってるよ!ようこそ!サイレンススズカさん!ナリタタイシンさん!」
「どうも・・・・・あんたもよろしく」
「いや、俺は何故お前がこのチームに入るのか気になるんだが?タイシン」
「他のチームがなかったから。そいつに頼まれて、決めただけ・・・・・・あとは、ファイズ、あんたがいたから」
いや、だから、何で俺が居るから、タイシンが入るなんてことになる?
「あんたは、あたしの事、馬鹿にしなかったでしょ?小さいからレースで勝てるわけがない。そんな事言われてたけど、ファイズ。あんただけは馬鹿にしなかった。覚えてる?」
そんな事言ったか・・・?俺はただ、タイシンの走りに見所を感じたから何かを言っただけなんだが・・・
「あたしはあんたと一緒に練習したい。それで、全部のレースに勝つ!あたしを馬鹿にしてる奴ら、全部ぶっちぎって勝ってやるんだ!」
「・・・そうか。それと、サイレンススズカは、はじめましてだな?」
「あ、えっと、はい。サイレンススズカです。」
「俺は、ファイズアクセル。こっちはライスシャワーだ。」
「ら、ライスシャワーです・・・!」
(ファイズアクセルって、確かスピカのトレーナーさんが言ってた最速男のウマ娘・・・!)
わかりづらいが彼女も驚いているな。そんなに驚く事なんだろうか?
「ねえ、マックイーン、そんなにファイズアクセルってすごいウマ娘なの?僕も理事長から聞いた話しか知らないんだけど・・・」
「当たり前です。ファイズアクセルさんは、その存在こそ珍しい男のウマ娘ですのよ?それに、生徒会長との模擬レースはこの学園、全ての人の頭に残っているレースですわ。一緒に他のウマ娘も走ってましたけど、その全てをスタートで突き放し、最終コーナーの立ち上がりで、生徒会長をも突き放して勝利しましたの。ですけど、プライベートではとても紳士だと聞きましたの。その話の後、ファイズさんは【音速の貴公子】と呼ばれるようになりましたのよ?」
俺、そんな風に言われてたのか。いやまあ、ライスからそれとなく聞いてはいたけど、にわかには信じがたい話だったから、半信半疑だったのだ。
「そんなにすごかったんだ・・・あれ?という事は・・・すごい人がチームに入ってくれたって事!?」
「そんなの当たり前です!!トレーナーさんはどうして知らなかったのか私が聞きたいくらいです!!様々なテレビ番組にも出演していますのよ!?」
2人の漫才のような掛け合いを俺とライスは眺めていた。ライスは、必死に笑いを堪えているように見える。そんなに面白いだろうか?
「と、とにかく!これでマックイーンを合わせて、5人!チームとしての活動ができる!!みんなのメイクデビューもやるし!ファイズアクセルはレース内容組んでいくからよろしくね!」
「「「はい!!」」」
「ん・・・よろしく」
「・・・・・・」コクッ
それぞれがトレーナーの言葉に答える。これが俺達、チームシリウスの門出だった。