仮面ライダーの力を得たが、転生先は最速のウマ娘   作:エム3

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6話目。
短め。駄文注意。


走る意味

タイシン「テイオーが夢を諦めたから?そんな事でファイズが怒る理由がわからないんだけど・・・?」

 

タイシンさんが、ジト目でライスを見てるけど。

 

ライス「ら、ライスは真剣だよ!?お、お兄様と会ってからずっと、い、一緒にトレーニングしてきたから!!」

 

マックイーン「ら、ライスさん、落ち着いてください!」

 

ブルボン「ライス、タイシンさんが言っている事は正確です。テイオーさんが夢をあきらめることによってファイズアクセルのステータス「怒り」を感じるのは理解不能です」

 

ブルボンさんの言っている事は正しいとライスも思う。けど、ライスはお兄様に聞いた事があるから。

 

ライス「え、えっとね?ライス、一回だけお兄様に夢ってあるの?って聞いた事があるんだ。そ、そしたらね?」

 

 

あの時のお兄様の表情を今でも思い出す。何気なくライスが聞いただけなのに、いつものお兄様とは違う雰囲気を感じた。

 

ファイズ『夢・・・?』

 

ライス『う、うん!ライスはダメな自分を変えたいって思うんだ。お兄様は何かある?』

 

ファイズ『・・・夢が叶う瞬間を見たい』

 

ライス『夢が叶う瞬間?』

 

ファイズ『俺には具体的な夢はない。だからこそ、誰かが夢を叶えた瞬間を見てみたい。そうすれば、夢は叶う物だと理解できる。俺も何か夢を持てると思っているんだ。だからこそ、俺は夢を持つものを尊敬している。夢を叶える為に努力している者を評価している。』

 

ライス『お兄様・・・・・・』

 

ファイズ『だが、周りにはその夢を無謀だと、笑う者や諦めろと言うものもいる。その者の努力や気持ちを知らずに。それを俺は許さない。ハルウララのトレーナーもそうだ。』

 

ライス『ウララちゃんの・・・・・・?』

 

ライス『ハルウララは走る事を何よりも楽しんでいる。そして、トレーナーの為に勝利するための意思もあった。だから、勝利をする事はできなかったが、2着と惜しいレースだった。だが、トレーナーは認めなかった。負けた事を責めた。自身のトレーニングメニューを見直さずに。だから、俺が潰した。』

 

『・・・・・・』

 

その時、ライスは何も言えなかった。言えるはずがなかった。だって、あの時のお兄様は、レースの時に感じた恐怖よりも、何倍も怖くて声も出せなかった。

 

ファイズ『努力している誰かを嘲笑い、侮蔑する者を俺は許さない。夢へ向かって努力する者は力を身につける。だから、ライス、お前の叶えたい夢への努力、決して辞めるなよ?』

 

ライス『・・・・・・うん。』

 

いつもの優しい笑顔をお兄様は私に向ける。けど、さっきの表情がライスの頭に残っちゃった。とっても怖くて、今向けてるお兄様の笑顔も、もしかしたら嘘の表情なんじゃないかって。とっても怖かった。

 

ライス「って、言ってたから・・・・・・」

 

ライスの話が終わると、みんなが少し笑ってる。わかってくれたのかな?

 

タイシン「夢に向かって努力してる人を尊重する・・・か。ま、あいつらしいか」

 

タイシンさんが嬉しそうに笑ってる。いつも怒ってるイメージがあったけど・・・

 

ブルボン「なるほど。つまり、ファイズさんがステータス『怒り』を感じていたのは、テイオーさんが自身の夢を諦めていて、走る事が無駄という言葉は他者の夢を冒涜しているから・・・という事ですか。」

 

ブルボンさんはいつもと変わらない感じで落ち着いている。

 

マックイーン「何というか・・・ファイズさんはお優しい方ですね。他者の事で怒られるのですから・・・」

 

少し戸惑いながらも、声はどこか嬉しい感じがするマックイーンさん。

 

スズカ「私の目指している夢も・・・ファイズさんは認めてくれるのかしら・・・?」

 

考え込んでいるスズカさん。みんながお兄様の行動や言葉を肯定してくれている感じがする。ライスはそれが嬉しい。

 

トレーナー「・・・あれ?そういえばその当人のファイズはどこに行ったんだろ?」

 

トレーナーさんがそう言って周囲をキョロキョロ見回している。たしかに、テイオーさんの部屋から出たお兄様は今、ここにはいない。どこに行ったんだろ?すると、スピカのトレーナーさんが来て。

 

沖野「ファイズなら、今は寮長二人のところだ。」

 

トレーナー「先輩・・・って、寮長って事は、ヒシアマゾンとフジキセキの所ですか?」

 

沖野「おう。何でもテイオーとマヤノトップガンの部屋の床、凹ませちまったみたいだからな?すげぇ音も出てたし、謝罪に行ってんだとよ」

 

 

 

 

ファイズside

 

ファイズ「・・・本当にすまなかった」

 

「まったくだよ。ポニーちゃん達がすごい音が鳴ったって駆け込んできた時は驚いたんだからね?」

 

「あたしだって驚いたさ。一体何したらあんな音がなるんだい?」

 

俺はトウカイテイオーの部屋で鳴らした音、そして凹ませてしまった床の件を、寮長の二人であるヒシアマゾン、フジキセキに説明していた。どうやら、あの音は寮の全体に響いてしまっていたらしく、多くのウマ娘達に、迷惑をかけてしまっていたらしい。

 

ファイズ「ただ・・・床を思いっきり踏んだだけだが・・・・・・」

 

ヒシアマゾン「それだけであんな音が鳴るのかい!?ものすごい脚力じゃないか!?」

 

フジキセキ「ファイズ君のパワーならそれだけの音が鳴るのはわかるけどね・・・修理が必要になるのはわかってるよね?その費用はトレセン学園から出るんだよ?わかってる?」

 

ファイズ「・・・本当にすまない。理事長や生徒会長には俺が話しておく・・・」

 

・・・流石に苛立ちすぎだったな。トウカイテイオーの言動に怒りを覚えたとはいえ、流石に愚行だったな。

 

ヒシアマゾン「まあ、私らはなんとも思ってないさ。けど、他の奴らにはちゃんと謝っておきなよ?あんたが、怖がられるのも何か言われるのも、私らは嫌だからね?」

 

フジキセキ「そうだよ?私だって君のような優しいポニーちゃんがまた、周りから苦言を言われている姿を見るのは嫌だよ?」

 

ファイズ「ヒシアマゾン・・・フジキセキ・・・そうだな。謝罪はしておく。今から回ってくる。すまない」

 

俺は寮長室を退出し、各部屋を回っていく。一人一人にしっかりと謝罪をしながら。全てのウマ娘に謝罪を終えて、玄関前まで戻ると、チームメンバーが全員揃っていた。

 

ファイズ「・・・待っていたのか?全員で。」

 

トレーナー「うん。トウカイテイオーも見つかったしみんなで待ってたよ?この後の事も言ってなかったし。」

 

ファイズ「この後・・・?」

 

何かミーティングでもあるのだろうか・・・?そんな事を考えていると、トレーナーの口からこんな言葉が出た。

 

 

 

トレーナー「うん。これからみんなの出場するレースが決まったからその報告、あ、先に言っておくけど、ファイズ、君にも走ってもらうから。そのつもりでね?」

 

 

 

チーム結成の直後の出場レースの決定。突然の報告に俺は驚愕を隠せなかった。

 

 

 




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