ハリー・ポッターと灰の魔女   作:アストラマギカ

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第16章 ~アンブリッジ先生の授業~

 

 

 スリザリン生が全員揃って席に着いたところで、今年の『闇の魔術に対する防衛術』の先生――ドローレス・アンブリッジは口を開きました。

 

 

「はい。今、皆さんが静かになるまで、30秒かかりました」

 

 

 「もっとスムーズに集まれたはずです」と続けた後、改まって挨拶をするアンブリッジ先生。

 

「皆さん、こんにちは」

 

 私やトレイシーほか数名が機械的に「こんにちはー」と返すも、大部分の生徒はやる気なし。ドラコとミリセントはガン無視、ダフネとノットは口だけを動かし、パンジーとザビニは無視して多面鏡でチャットのやりとりをしていました(多分、「新しいセンコー、なんかキモくね?」みたいなガラの悪い会話です)。

 

「チッチッチ」

 

 治安悪めのスリザリン生に怯むこともなく、アンブリッジ先生は舌打ちして再び口を開きました。

 

「いけませんねぇ。みなさん、挨拶はこうです――‟こんにちは、アンブリッジ先生”。はい、ではもう一度いきますよ。――皆さん、こんにちは」

 

 

「「「「こんにちは、アンブリッジ先生」」」」」

 

 

 全員ではありませんが、大部分の生徒が仕方なくといった体で答えました。アンブリッジ先生は満足したようなニターッという表情を浮かべ、再び教室に甘ったるい声が響きます。

 

「これまで不幸なことに、この学科の授業は先生が毎年変わってバラバラでしたね? しかも、残念ながら魔法省指導要領に従っていなかったようです。その不幸のせいで、少なくない生徒が『O.W.L.(ふくろう)』レベルを下回っているだとか」

 

 幼児に対するような優しい口調に、隅の方でブレーズ・ザビニがこっそり「オエッ」とジェスチャーして、ダフネとトレイシーがクスクス笑うのが見えました。

 

「ご安心なさい。こうした問題がこれからは是正され、今年は慎重に構築された魔法省の指導要領に従って理論を中心に学んでいきます。では、まずは授業の目的を書き写してください」

 

 アンブリッジ先生が黒板を叩くと、白いチョークで書いたような文字が浮かび上がってきます。 

 

  1.防衛術の基礎となる原理を理解すること。

  2.防衛術が合法的に行使される状況を認識すること。

  3.防衛術の行使を、実践的な枠組みに当てはめること。

 

 数分間、教室は羊皮紙に羽ペンを走らせる音で一杯になり、全員が映し終えるとアンブリッジ先生が聞きました。

 

「みなさん、ウィルバート・スリンクハードの『防衛術の理論』を持っていますか?」

 

 ぼそぼそと「持ってまーす」みたいな声が上がるも、アンブリッジ先生は「もう一度やりましょう」とかぶりを振ります。

 

「わたくしが質問したら、答えはこうです――『はい、アンブリッジ先生』または『いいえ、アンブリッジ先生』です。では、改めて聞きましょう。みなさん、ウィルバート・スリンクハードの『防衛術の理論』を持っていますか?」

 

「「「はい、アンブリッジ先生」」」

 

「よろしい。では、5ページを開いてください。『第一章 初心者の基礎』です。おしゃべりはしないこと」

 

 ふむふむ、と私は教科書を読んでいきました。いつも多少は予習するのですが、授業ではさらに念入りに細かい注釈までしっかり読んでいきます。

 

 

 ちなみに、教科書としての『防衛術の理論』はかなりの良本でした。「なぜ防衛術を学ぶ必要があるのか?」といった学問のテーマについて、理論的な背景と歴史的な変遷を解説し、学術的および社会的な意義についての解説、そして防衛術理論における本書の位置づけ、などについて事細かに記述されています。

 

 

 ただ、そう思ってる生徒は私とノットぐらいで、マルフォイは退屈そうに羽ペンを回すのに夢中になり、ミリセントは本を立てて隠れるように昼寝、パンジーとダフネはこっそり『多面鏡』でメッセージのやりとり、ザビニは紙屑をふっと吹いて前に座るノットの頭に乗せていました。

 

 

「みなさん、読み終わりましたか?」

 

 しばらくしてアンブリッジ先生が聞くと、皆で「はい、アンブリッジ先生」と言われた通りに返します。恐らく半分以上はロクに読んでいなかったんでしょうが、アンブリッジ先生は気にする素振りもありません。

 

 

「さすが、他のクラスと違ってスリザリンは優秀で素直ですね。では、第一章について分からなかったことがある人はいませんか? 質問は挙手でお願いします」

 

 

 すっと手を挙げたのは、セオドール・ノットでした。

 

「ではミスター・ノット、質問をどうぞ――」

 

 ノットの質問は全員の気持ちを代弁するものでした。

 

「先ほどの『授業の目的』では、3つ目に‟防衛術の行使を、実践的な枠組みに当てはめること”とありました。本書を読んで、どのように当てはめるのか具体的な説明をお願いします」

 

 ノットにしては慇懃な質問に、アンブリッジ先生はニッコリと笑って答えます。

 

「試験に合格するためには、理論的な知識だけで充分に足りるというのが魔法省の見解です。結局、学校というものは試験に合格するためにあるのですから」

 

 今度は、私が挙手します。

 

「ミス・セレステリア、質問をどうぞ」

「では、試験に実技は無いと解釈してもよろしいでしょうか?」

「そうではありません。ただし、理論を十分に勉強すれば試験という条件下で呪文がかけられない事はありえません」

 

 微妙に納得していないのが顔に出てしまっていたのか、アンブリッジ先生はニッコリとした笑顔と甘ったるい声で、出来の悪い子供根気強く言い聞かせるように再び口を開きました。

 

 

「何事にもステップというものが存在します。ここ数年は教授陣の度重なる交代もあり、あなた方が理論を十分に習得できているとは言えません。まずは落ちこぼれが出ないよう全員に理論を習得させ、しかる後に希望に応じて実技演習の機会について検討し、必要があると判断されれば個別に対応を行うべきだと考えています」

 

 なぜならば、とアンブリッジ先生が続けました。

 

 

「この教科書の著者スリンクハードも指摘していますが、呪いとは本来とても危険なものです。その危険性や扱い方を理論や知識ですら習得できていないのに実技に入るなんて、赤ん坊に炎やナイフを持たせるようなものでしょう?」

 

 

 事実、外国の魔法学校と比べると実技重視がホグワーツの特徴です。これはヴォルデモート卿の登場によって政情不安や内戦が続いたためであり、学生も卒業と同時に即戦力になることを求められていました。

 

 なのでヴォルデモート消失後は座学の割合も増えるのかと思いきや、即戦力であることは企業側にも就活する学生側にも都合が良かったことから実技重視が継続。

 しかし平和になって15年も経つと流石に実技偏重の弊害も出てきたため、徐々に座学重視の声が強まってきます。

 

 そこで利害関係者同士が何度も議論して妥協点を探り、様々な駆け引きと配慮を重ねて意見調整し、ようやく平和的な合意に達したのが去年のことで、今年から座学重視の学習指導要領が施行されることになりました。 

 民主主義には時間がかかるのは仕方ないのですが、いかんせんタイミングが最悪です。

 

 

「もちろん“治安が悪化しているのに自衛のための防衛術の訓練を疎かにするのか”という反論もあるでしょう。ですが、私に言わせればむしろ“治安が悪化しているからこそ”、自衛の手段は規制されるべきなのです」

 

 

 マグル嫌いな割にめちゃくちゃマグルっぽいこと言い出したアンブリッジ先生ですが、案の定、生徒たちからはブーイングの嵐でした。

 

 

「人を傷つけるのは人であって、防衛術ではありません!」

「ダンブルドア校長がニワトコの杖を持ってさえいればと思う」

「防衛魔法の規制は人を殺す。防衛魔法は人を救う」

「『よく訓練された魔法使いは自由な社会の安全にとって必要だから、市民が防衛魔法を訓練する権利は規制されてはならない』って、MACUSAも言ってまーす」

「闇の魔術を使う悪人を止められるのは、闇の魔術を使う善人だけ」

「死んでも魔法は手放さないぞ!」

 

 

 後半になると段々と言動も過激化し、まるでアメリカの超有名ロビー団体もかくやと言わんばかりに非難ごうごうです。

 

 

 もともとマグルから隠れ潜むために、魔法族の多くは近所の人々の助けを得る事ができないほど遠く離れて暮らしており、それゆえ公権力も小さいという時代が長く続いてきました。

 ゆえに悪人に襲われた時、のんびり魔法警察の到着なんて待っていたら間に合わない。だから自分の身は自分で守る……といった自衛の精神は魔法界に深く根付いております。

 

 

 中でもスリザリン生は力を求める傾向が強く、闇の魔術についても必要悪と考える者は少なくありません。

 「ヴォルデモートが復活した」というハリーの言葉を信じている一部グリフィンドール生とはまた別ベクトルで、「力には力で対抗すべし」と考えるスリザリン生にとって、自衛する権利の制限は受け入れがたいものでした。

 

 

 

 しかし、アンブリッジ先生の方でも生徒たちの反応を予想していたのか、大きな溜息を吐いてから再び大きな口を開きました。

 

「先ほど、グリフィンドールのグレンジャーさんからも反論を受けました。曰く、なんとか卿が復活したのにどうやって身を守るんだ?といった陰謀論の類です」

 

 遠回しに「これ以上余計なこと言ったら、お前らグリフィンドールの“穢れた血”と同類だからな?」とけん制をかけてくるアンブリッジ先生。

 

「皆さんの中にも、そういった噂を聞いている人もいることでしょう。ですが、それを証明できる証拠はありません。不確かな根拠をもとに陰謀論を信じるというのは、現実主義のスリザリンらしいとは言えませんよね?」

 

 さらに「スリザリンらしさ」を強調し、証拠がないものを信じるのは「スリザリンらしくない」と生徒のアイデンティティをくすぐっていきます。

 最近では私のように「スリザリンらしさ」にこだわりのない生徒も増えてきているものの、やはりドラコのようにプライドを持っている生徒も少なくはなく、先ほどの話と合わせて反論しづらい空気が形成されてしまいました。

 

 

「世を凶悪な闇の魔法使い――シリウス・ブラックとその一味が騒がせているのは、魔法省も把握しております。去年は善良な市民に犠牲が出てしまったことも、魔法省としては誠に遺憾の意を表するものであります」

 

 事件の記者会見で政治家が異口同音に発する決まり文句の後、アンブリッジ先生は入学式のように長々と演説を始めました。

 

「魔法省としましては、これまで以上に警戒・監視を強めていくべく、早急かつ詳細に分析と対応の検討を行っているという状況にあります。対策の具体として、魔法警察および闇祓いの増員を行い、各事業体との連絡体制の強化、迅速な対応を行うための組織機能の強化をはじめ、異次元の治安対策を躊躇なく講じていく次第であります。既にホグワーツやホグズミード、ダイアゴン横丁といった人口密集地には魔法警察を配置し、将来的には恒常的な駐在所を設置することも視野に入れております」

 

 なるほど?

 

「このように魔法省は全力をあげて治安対策に取り組んでおり、また各事業所、自治体との連携も粛々と進んでおります。不安や恐れを感じたときこそ、公的機関の提供する正確な情報に基づき、冷静に行動することが肝要です。裏付けのないデマを信じて行動したり、社会不信に陥って自前で武装することは、不安と混乱を拡大しかねず、それを発端とした大規模なパニックすら発生する恐れがあります」

 

 

「「「………」」」」

 

 

 ザ・お役所言葉を駆使して眠気を誘うアンブリッジ戦術、効果は抜群のようでした。周囲を見回せば、先ほどまで息巻いていた生徒たちの大半が死んだ魚のような目になっております。

 

「違和感や不信を感じた際には改めて慎重な行動を意識し、公的機関の窓口へのご連絡をお願いします。治安維持対策の重要性を一人一人が認識し、節度ある行動を心がけるようにしてください。魔法界が一丸となって、負のスパイラルを断ち切りましょう」

 

「「「……はい」」」

 

 生徒たちも細かい内容までは理解できずとも、なんとなくアンブリッジ先生の方も相当な理論武装をしているということは伝わった模様。そうなると議論で口の達者な大人に勝てるはずもないので、「話すだけ無駄」と悟ると同時に、勝てない戦はしないのがスリザリン生でもあります。

 

 

(もっとも、言ってる内容は案外マトモなんですよね……)

 

 魔法省の対策を要約すると、肝は「いたずらに不安を煽ってはならない」「対策は専門家に任せるべき」という2点。対テロ作戦としてはかなり真っ当な内容です。

 

 しかし不適切な発言を警戒するあまり、話がつまらな過ぎて誰にも話を聞いてもらえない。聞いてもらえないから無能扱いされる……というのはお役所あるある案件。

 かといってマスコミみたいにセンセーショナルなワードを使って市民に誤解を与えてしまうと、そっちの方がお役所的には問題なので解決が難しいところ。

 

 

「最後に、皆さんは学生です。学生の本分は勉強であり、政治活動ではありません」

 

 アンブリッジ先生は柔和に見えると本人だけが思っていそうな微笑みを浮かべ、私たちを見回して言いました。

 

「文明的なスリザリン生の皆さんは、マグルの学生と違って学生運動だの怪しげな政治活動だのに現を抜かすことなく、真面目に授業を受け、不満があっても正規の手続きを踏んで合法的かつ平和的な解決を望むものと、私は信じています――そうですよね?」

 

 

 

 ***

 

 

 

 授業が終わった後、談話室ではスリザリン生たちが困惑していました。

 

「なんか色々あったけど……要するに、今年は本読むだけで合格できるって事か?」

 

 いまいちピンと来てないミリセントが言うと、ノットが眉をひそめました。

 

()()()()()()()()、って建前があるだけだ。本当に合格できる保証があるわけじゃない」

「ねぇ、イレイナはどう思う?」

 

 パンジーが聞いてくると、同期の視線が私に集まります。

 

「そうですね……一応、アンブリッジ先生の理屈にも筋が通ってない訳じゃありません。‟授業において生徒の安全性を確保する”という方針それ自体は間違いとも言い切れませんし」

 

 

 もっとも、マグル嫌いの割に発想はマグル的というのは皮肉なものですが。

 

 

「でも、あんな授業じゃイレイナとハーマイオニーにアンソニーとノット、後はリサとスーにテリーとスーザンぐらいし合格できなくない?」

「割とそこそこ合格するな」

 

「アホ2人は静かにしてて」

 

 ダフネとミリセントを睨みつけるパンジー。あまり勉強熱心でないパンジーですが現実はしっかり直視しているらしく、将来のことまで考えるとO.W.L.試験に合格できないとヤバイ、という危機感から珍しく真面目ムード。

 

「けどさ、限度ってものがあるぜ。筆記試験で合格した奴から順に実技をさせるとか、安全な防衛魔法だけに限定するとか、工夫のしようはいくらでもあるだろ」

 

 ブレーズ・ザビニがもっともな事を言ってきます。

 

「まぁ、その辺は要は規則というか手続きの問題といいますか」

「お役所的な“ルールはルール”ってヤツ?」

「そんな感じかと」

 

 大きな組織になると往々にして事業の計画主体と実施主体が分かれており、新しい学習指導要領についてもアンブリッジ先生が直接策定したわけではありません。

 

「なので学習指導要領さえ守っていれば、私たちが全員試験に落ちようとも、アンブリッジ先生に責任はありません。落第に責任があるとすれば、それは学習指導要領を作った担当者の責任になるので」

 

 もちろん縦割り行政と言えば縦割り行政ですが、別に違法なことをしているわけではありません。「それは私の仕事じゃないので」と突っぱねるのも、立派な労働者の権利ですし、あれもこれもと業務や権限を少数の責任者に集中させると今度は過労とか独裁化といった別の問題に。

 

 

「なので一応、さっきアンブリッジ先生からは笑顔でこう言われたんですよ」

 

 

 ――あくまで一教師に過ぎない私では学習指導の是非までは判断しかねますので、担当の部署にご連絡ください。

 

 

「……あの女、上級次官なんじゃないのか?」

「最終的な決済にはアンブリッジ先生も稟議書にハンコを押すらしいんですけど、魔法省の規則としてまずは担当部署から所定の手続きを踏む必要があるみたいでして……」

 

 ドラコの質問に「なんで私が魔法省の代弁してるんでしょうか……?」と中間管理職の悲哀を味わいつつ、私は数枚の羊皮紙を見せました。

 

「それは?」

「『学習指導要領改訂の請願手続きについての申請書』一式です」

 

 学習指導要領の改訂には、魔法省の教育委員会およびホグワーツ理事会にて、審査を通さなければいけません。具体的には質疑・討議・採決の3つの手続きが必要で、そこで承認されると魔法省の本会議にて再び同様の手続きが必要になります。

 

 なので、もし私たちが学習指導要領改訂の請求をしたい場合、魔法省の担当窓口に相談して必要書類を入手し、書類に書かれた手続きに従い、必要書類を用意し、必要要件をすべて満たしてから、改めて所轄の担当部署に連絡する必要があるのです。

 もちろん、記入漏れや書類に不備があれば最初からやり直しなので、細心の注意を払って作成しなければなりません。

 

「というわけで、既にロウル先輩が手続きを進めてくれてるみたいなんですが……」

 

「さすがユフィちゃん!」

「もう動いてるのね!」

「仕事が早い!」

「これで試験受かる!」

 

「その後は魔法省内でハンコのスタンプラリーを経て、関係者との意見調整のための会議を行いながら新しい学生指導要領を作成し、それがウィゼンガモットで可決されれば晴れて来年から施行となります」

 

「「「「………」」」」

 

 

 聞けば実技を含む授業形式への変更、ないし現状の安全基準の緩和に前述の手続きが必要なのに加えて、新しい授業形式にする場合にも「実技に関するルールのうち、どのルールをどの程度変えるのか」という議論が必要とのこと。

 

 全くもって手続き的には1ミリの隙もなく、文句のつけようがありません。正しい手順、正しい手続き、素晴らしき法治主義。今回のケースでは私たちとは相容れませんが、これはこれで一つの正義です。

 

 

「ということでやるべき事は全部やりましたし、魔法省としても対応できるところは対応してくれてはいます。なので再来年のN.E.W.T.試験の頃までには改善される予定なのですが、残念ながら今年は犠牲になるでしょうね」

 

 私が言うと、セオドール・ノット以外の生徒たちが暗い顔になりました。どうにもならない事は分かったけど、かといって素直に納得はできないといった表情で。

 

「本当にどうにもならんの?」

「ブレーズがアンブリッジに枕営業して落とすとか……」

「トレイシーのが得意だろ」

「いやアタシ彼氏いるんだけど」

「俺も彼女いるんだが?」

 

 ちなみに天才の私はと言いますと、アンブリッジ先生の授業方針について実のところ、あんまり気にしていなかったりします。

 

 

 というのも――。

 

 

「つーか、イレイナとノットはなんで平気な顔してるんだ?」

 

 余裕が顔に出てたのか、ミリセントが憮然とした顔で聞いてきました。

 

「そう言われましても」

 

 ノットと顔を見合わせ、二人で声を揃えて答える私たち。

 

 

「「最悪、一人で実技の自習をすればいいだけでは?」」

 

 

「「「「お前らと一緒にするな」」」」

 

 

 ごく当り前の事を言っただけのつもりなのですが、何故か全員からブーイングを食らいました。曰く、「自習だけで勉強できたら学校いらねーよ」という事らしいです。

 




 本作だと魔法省との関係は原作ほど悪化していませんが、それと自衛権は別の話なので原作と違うベクトルで反発をくらうアンブリッジ。 
 とはいえ魔法省でのし上がっただけあって政治(話術)で子供たちとの経験の違いを見せつけ、ことごとく論破して黙らせるの巻。

 あと一応、本作だとダンブルドアと明らかな敵対はしてないので、所定の手続きを踏めばカリキュラムも改訂してくれる魔法省。ただしお役所仕事に手違いがあってはならないので、あれこれ審査したり利害調整しながら進めると、どうしても動きは遅くなってしまうという民主主義のコスト問題。

 魔法省と協力する民主主義ルート、動き出せば強力なバフがかかるけど動き出すまでに時間とコストがかかる感じです。
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