ハリー・ポッターと灰の魔女 作:アストラマギカ
それは、とある休日のこと。
私が昼休憩をしに尋問官親衛隊の待機室へ向かうと、部屋には既に他のシフトメンバーが待機しておりました。
「あ、イレイナやっと来た」
最初に気づいたのは、ソフィ・ローパーさん。オレンジ色のロングヘアをルーズサイドテールにまとめ、ハシバミ色の瞳に巨乳ナイスバディのスリザリン同級生です。
元は半純血とはいえ裕福な実家で育った優等生だったのですが、父親が死喰い人と関わったせいでビジネスが徐々に傾いて没落。本人もグレて不良になろうとするも、元の育ちが良いせいでワルになりきれないジレンマでお悩み中。
「おつかれ~」
すっきりとした茶髪ショートに緑色の瞳をしたトレイシー・デイビスさんは、私を見るとリラックスした様子で手を振ってきました。
ロックハート書房のファッション雑誌『エイティーン』の読者モデルを務めるなどスタイルが良く、明るくて交友関係も広いことから、彼女も半純血ながら一定の発言力を有しております。へらへらと軽薄そうに見えますが、パンジーに合わせて悪口を言っていたハーマイオニーがクラムのパートナーになった途端に手の平返しするなど、なかなか抜け目のない性格の持ち主。
「ん」
リリィ・ムーンさんは軽く会釈だけすると、すぐネイルを塗る作業に戻ってしまいました。
明るい金髪ボブに眠そうな青い瞳、耳にはバチバチに開けたピアスに、小柄で不健康なほど痩せた少年のような体躯。いかにも不良少女然とした見た目にぶっきらぼうな態度の問題児ですが、数占いや変身術など論理的思考が求められる学問では成績上位という意外な一面も。
例年スリザリン生は計200名程度なので、1学年には14名程度の女子生徒が在籍しております。そこから3~4人ぐらいのグループを形成し、発言力が大きい順にスクールカーストが形成されるのはマグルの学校と変わりません。
スリザリンだと私の属する純血名家グループが1軍なのは明らかなのですが、それ以外にも発言力順にギャル系グループ、体育会系グループ、文化系グループ、その他グループなんかが形成されております。
そしてトレイシーたちは2番目に発言力の大きいギャル系グループとなりますが、5年も一緒の寮で過ごしているので会えば雑談ぐらいは普通にする仲で、最近だとミーハー気質なダフネとオシャレや恋バナで盛り上がってる光景をよく目にします。
「いやいやリリィってば、倦怠期のカップルじゃないんだから。“ん”って」
トレイシーが茶化すと、リリィはバツの悪そうな顔で。
「だってさ、なんか緊張しない?」
「なんで? スリザリン同期じゃん」
「でもイレイナだし……トレイシーは緊張しないの?」
「別に」
あっけらかんと答えるトレイシーに、ソフィがくすりと笑います。
「私はリリィの気持ちわかるよ~。だってイレイナ、一応お目付け役みたいなもんだし」
「ただのシフトリーダーなんですけどね」
一応、これでも親衛隊幹部なのでシフトごとにヒラ隊員が付くわけですが、今回はソフィたちとチームを組むことになりました。
とりあえず午前の巡回と書類仕事を終え、昼休憩に入ったところで皆が持ち寄ったお菓子やらジュースやらを開けはじめ、なし崩し的に女子会へと突入し始めます。
「そういやさ、聞いた? セオドールとサリーちゃん、別れたんだって」
「知らんがな。誰と誰やねん」
「いやいや、さすがにセオドール・ノットは知ってますよね? ほら、背高くて表情筋が死んでる感じの」
トレイシーたちの会話に思わず口を挟むと、リリィは「あ〜」と目を見開いて。
「そういや、そんな名前だったかも……ノットの語感が良すぎて完全に名前忘れてたわ」
「まぁ、気持ちは分かります。幼馴染のパンジーたちですら、基本ノット呼びですし」
するとソフィもクスクス笑いながら、リリィを肘で小突きました。
「リリィってば、他人に興味なさすぎじゃない? 名前ぐらい覚えときなって」
「覚えてはいるよ? 単に顔と名前と苗字が一致しないだけで」
「それが興味ないという事なのでは?」
ししっと笑いが起こり、トレイシーが「けどさ~」と切り出しました。
「ノットって最近、なんか雰囲気変わったよね」
「なに、トレイシーちょっと気になってるん?」
「どうだろ? 好みのタイプではないけど、誘われたら試しにデートぐらいはしてあげるかも」
「うーっわ、何その上から目線」
ソフィが鷹揚に笑うと、リリィも複雑そうな表情で頬を緩めてポテチを口に入れます。
「いいよねー、トレイシーはすぐ両想いになれて。私も尽くしてくれる彼氏ほしー」
「そう思ってるうちは一生できないよ~。まずは自分から尽くさなきゃ」
「じゃあ無理だ」
「早い早い。秒で諦めるなし」
「だって、自分から先に尽くせるほど他人なんて信用できなくない?」
「なーに言ってんの。尽くしてくれる相手ならリリィの身近にいるでしょ」
「そんな人いたっけ?」
「いるじゃん。ほら、目の前に」
「きゅん……♡」
「あの、この頭悪そうな会話いつまで続くんですか?」
再び笑いが起こったところで、リリィの多機能両面鏡から「テッテ テッテテテッテ テッテテテテン♪」と軽快な着信音が流れてきました。
「……はい、こちらヴァイパー分隊“バンドマン”、用件をどうぞ」
呼び出しをくらったリリィがアートメイクで作った眉をひそめて通話に出ると。
『――本部“メモリーズ”よりヴァイパー分隊へ、緊急出動要請よ。グリフィンドール談話室前で3年生カップルが痴話ゲンカしているとの通報あり。教育令27号における「公共空間における治安および風紀を乱す行為等の禁止」に当たる可能性があるため、すぐさま対応されたし』
親衛隊の仕事も適当なら、通報してくる方も適当でした。
「こちらヴァイパー分隊、ただいま午後の勤務に備えた栄養補給中につき、先ほどの指令はそちらで対応されたし。オーバー』
『こちら本部、状況は理解するが、可能な限り現場での速やかな対応を求む。オーバー』
「こちらヴァイパー分隊、我に余力無し。オーバー』
『こちら本部、大した用事じゃないんだしアンタたちで何とかしなさいよ。オーバー』
「こちらヴァイパー、大した用事じゃないならパンジーがやればいいじゃん。オーバー」
『こちら本部、ゴネてる暇あんなら対応できるでしょ! あとコールサインで呼べって何度言えば分かるのよ! オーバー!』
とまぁ、親衛隊同士で任務の押し付け合いは日常茶飯事。リリィたち半純血ギャル系グループも発言力は大きい方なのですが、やはりスリザリン寮トップカーストの純血名家グループには劣るようでした。
「グリフィンドールの3年生カップルとか知らんがな。勝手に別れろよって話」
リリィさんは通話の切れた両面鏡をバッグに放り投げると、気だるそうに腕を組んで背もたれに寄りかかりました。トレイシーは「まぁまあ」と宥めるように彼女の肩に手を置きます。
「一応これでも給料もらってんだし。一食抜いた程度で辞めるって選択肢は今んとこ無いっしょ?」
「そりゃあ、そうなんだけどさ……」
ちなみに親衛隊に所属すると、そこらのバイトより高い給料もきちんと支払われます。
というのも、アンブリッジ先生は尋問官親衛隊の成立にあたって、ファッジ大臣や記者に対して次のように設立目的を説明したのです。
『――高等尋問官として査察を行った結果、ホグワーツの学力低下問題の原因の一つとして、教職員の不足があると結論づけました。約1000人の学生数に対して、教職員数は20人弱と明らかに足りておりません』
去年の尻尾爆発スクリュート事件でハグリッドの問題行動への追求を「業務過多による監督不行き届きが招いた過失」という理由で凌ぎ切ったこともあり、ダンブルドア校長も渋々ながらアンブリッジ先生の査察結果を受け入れることになり。
『――しかしながら、教職員の正規雇用数の増加では柔軟な労働調整が困難であることを考慮し、適任者が見つかるまでの一時的な措置として、高等尋問官の許可のもと教職員は学生に教育補助業務を負担させることを可能といたします』
マグルの大学風に言うならば、教授の手伝いをするポスドクやティーチングアシスタントみたいなものでしょうか。
『――なお、親衛隊員の雇用形態は任期付き雇用とし、給与および各種手当は職務の複雑性と責任の程度に基づき、魔法省の定める会計年度職員の等級別基準職務表で定められた給料表に準ずるものとします』
ということで給料それ自体はパート公務員ぐらいには貰えるため、トレイシー達のように半純血で実家が裕福ではないスリザリン生にとっては貴重な収入源です。
なにせクラブ活動で楽器やスポーツ用品を揃えたり、友達と飲み食いしたり流行りの雑誌を買ったり、恋人へのプレゼントや自分磨きのコスメにファッションなど、キラキラの学生生活を送るには何かとお金はかかるものですから。
そんな事情もあって、トレイシーたちも最初こそ割の良いバイトだと張り切っていました。
ところが自分の権力を強化したいアンブリッジ先生が教育令を乱発し、実権を握るためにノットたち純血名家たちからなる親衛隊幹部が仕事をホイホイ引き受けるものですから、増えた仕事のしわ寄せはどんどん下っ端のトレイシーたち半純血のスリザリン生に向かいます。
「さすがに最近は仕事量多過ぎじゃない? 過労死しそう」
「安心しなって。骨は拾ってあげるから」
「だーからそもそも骨になりたかないっつーの」
面倒くさいなーダルいなー、などという空気が蔓延し始めました。大抵こういう雰囲気になると、特に何も考えてない人が思いつきで底の浅いアイデアを出し始めるもので。
「そうだ! 私たち親衛隊員も仕事ごとアウトソーシングしちゃえばいいんだ!」
さっそくソフィさんがキラキラとした瞳で、さも名案とばかりに根本的な解決に繋がらない、小手先のアイデアを提案するのです。
「今の親衛隊って仕事量がバカ多いだけで、給料は悪くないっしょ? そこらのバイトの数倍は稼いでるっしょ? ということは――」
ところが集団の一人がこんな風に安易な方向に流れ出すと、皆も追随して小手先のアイデアをさも洗練された妙案のように見せかけるべく、あれこれ考えを巡らせるのです。
「なるほどねぇ、時給2ガリオンぐらいで募集かけても、他の寮生からしたらまだまだ割の良いバイトってことか」
「別に親衛隊の仕事は必ず親衛隊員がやらなきゃダメ、なんてルールも無いしイケるかも」
トレイシーがアーモンド形のシャープな目を細め、見た目が不良なくせに成績上位なリリィも顎に手をやりました。
「親衛隊の仕事で連絡にフクロウ使う事もあるし、フクロウ使っていいなら人間使ってもいいよね。大事なのは情報がちゃんと伝わることだし」
「さっすがリリィ! 天才児じゃん!」
「うん、知ってた」
まるで悪徳弁護士みたいな屁理屈をリリィさんが考え出すと、ソフィが笑顔ではしゃぎ出しました。
「んじゃ、とりまスリザリン寮事務局を通して募集広告かけとくよ。たしかバイト関係は学生支援課で、今年はドラコが担当だったから……」
ドヤ顔サムズアップするリリィの背中をトレイシーが嬉しそうに叩き、いつの間にやら立派な多重下請け構造システムが出来上がっていきます。
いやはや現代社会の闇ですね。闇の資本主義にどっぷり浸かってますね。
「――皆さん、盛り上がってるところ申し訳ないのですが……少し落ち着きましょう」
さすがにマズいと思い、とんとん拍子で完成しつつある中抜き構造にメスを入れることにしました。
「なかなか良い発想だとは思いますが、さすがに募集広告までかけるとアンブリッジ先生に止められるかと」
グレーゾーンというものは表に出さないから黙認されるわけでして、表に出してしまうと体制側としては認めないという立場を取らざるを得ません。
「なので内密に人材紹介ネットワークを作成し、登録した名簿に基づいて求人広告を出すのが良いかと」
「話はわかったけど、そんな都合の良いネットワークなんてあるわけ……」
と訝し気な顔をするリリィに、私はスッと多機能両面鏡を取り出して見せました。
「実はですね、2週間前に発売されたばかりの最新機種『パランティア 5』にはこんな拡張機能が付いておりまして」
ほっそりとした指先で撫でるように多面鏡を操作すると、銀色の鏡面に緑色をしたコガネムシのアイコンが浮かび上がります。
「これは?」
「変幻自在術メッセンジャーを拡張した新サービス『スキータグラム』です」
「あれ、どっかで見たことあるような……」
それもそのはず、なにせこのアイデアを売り込んできたのは元新聞記者のリータ・スキーターさんご本人なのですから。
もともと多機能両面の映像通信機能や変幻自在メッセンジャーにあった連絡先は、相手の名前が載ってるだけという非常にシンプルなものでした。
「しかしですね、この『スキータグラム』を使えば――」
ほっそりとした指でコガネムシのアイコンをタップすると、画面が波打つように揺らぎ、顔写真やアイコン付の連絡先名簿が表示されます。
さらに『リータ・スキーター:お仕事募集中』と書かれたプロフィールをタップすると、リータさんの顔写真付きのプロフィール画面が表示され、趣味や交際ステータスといった情報が載せられていました。
しかし、注目すべきはプロフィール欄の下にある『リール魔法新聞』機能です。
魔法の新聞では、文字や写真が動く他にも、重大な事件が発生した時には変幻自在術を使った速報が入ることがあり、その日の記事が一斉に変化することがあります。
この機能に注目したのが、情報の正確性よりもスピード感や読者の反応を重視するリータ・スキーターさんでした。
アンブリッジ先生がフェイクニュース規制法を作ったこともあって、日刊予言者新聞をクビにされたリータさんですが、もちろん泣き寝入りなんてするはずもなく。
「――誰もが変幻自在術を使った速報を投稿できるようにすれば、魔法省の検閲なんて怖くないざんす!」
素直にファクト記事を書けばいいのに、それをしないのがリータさん。何故そっちにベストを尽くしてしまうのか。
「これがあれば記者でなくとも、誰もが気軽に新聞を書いて写真や記事を発信できるざんすよ! スポンサーが付いていないからこそ、日刊予言者新聞が報道できない
記者に代わって一般人がデマを拡散するだけなのでは?という気がしないでもありません。
しかし、そんな迷惑アイデアですら次々に魔法の力で実現してしまうのが、私が名誉会長を務めるGM社驚異のメカニズムです。
リータさんから話を持ち掛けられたGM社CEOのジェマ・ファーレイ先輩は、すぐに別のニーズがあることに気づきました。
「知り合いの近況とか新しく始めた趣味、誰とどこに旅行に行ったか、流行りのファッションにメイク、ダイエット方法に美味しいお店紹介から料理動画まで……日常のちょっとした、みんなが何より知りたがる情報じゃん」
そして共同CEOであるペネロピー・クリアウォーター先輩の方もまた、ビジネスに直結する使い方を思いついたようでした。
「これで顧客情報を集めれば、個人に最適化したマーケティングが打てるね。潜在的なターゲット層に効率的にリーチできるとなれば、手数料を払ってでもウチに広告を出したいと思う企業は少なくないはず」
そんなわけで『パランティア 5』発売後から少しずつ利用者が増えているわけですが、せっかくなので魔法界の未来を担う若者にもダイレクトマーケティングをかけてみる私。
「この『スキータグラム』を使えばアンブリッジ先生にバレることなく、知って欲しい人に知って欲しい情報だけを届けることが出来ます。それも複数人に対して同時に、好きなタイミングで、しかも内密に」
気づけば、私はソフィたちと固い握手を交わしておりました。
「イレイナさすが! やっぱ持つべきは友達だね!」
「何人かで競争させれば契約価格も下げられるし、私たちの取り分も……えへへ」
「これだけやってもアンブリッジ先生にバレない、ってのもサイコー」
組織というのは上層部が腐っていると中間管理職はもちろん、末端の人員まで腐ってくるということなのでしょう。
**
――ということがありまして。
私たちが悪魔の取引システムを考え出した数週間後には、ホグワーツ中にありとあらゆる下請け組織が乱立する事態になっておりました。
似たような不満を抱えていたのはトレイシー達だけではなかったらしく、また肥大化する親衛隊の利権に群がって甘い汁をすすろうという人間は、スリザリン生に限らなかったようです。
数週間もしない内に『親衛隊スポーツ部』やら『校長警護隊』に『ホグワーツ特別救助隊』、『ウィッチスカウト』、『レンタルメイジ』、『風紀委員』、『断罪人』、『アンブリッジ魔法旅団』に『オーグリー軍団』、はたまた『灰シャツ隊』だとか『武装尋問官親衛隊』から『闇祓い予備隊』、『学業防衛隊』に『ヘンデル・グループ』などよく分からない下請け組織が乱立するようになりました。
しかも、これが下請けぐらいであればまだマシな方です。一応「あくまで隊長は親衛隊員、隊員はスリザリン生に限る」みたいな規定があって、辛うじてガバナンスが機能しているものですから。
ところが孫請けになると「スリザリン生の隊長1名に、レイブンクロー生の部下5名」とか「スリザリン生の隊長と副隊長に、他寮生の部下4名」とマグルの英国東インド会社とか英領インド植民地軍みたいになり、ひ孫請けになると隊員全員がグリフィンドール生なんてことも。
現場では孫請けの体制派グリフィンドール生徒が反体制派グリフィンドール生を取り締まるといった光景すら見受けられ、もはや何が何だかわかりません。
こうして親衛隊の肥大化は治安維持部隊にとどまらず、他の分野にも次々に拡大していきました。
例えば教育令を宣伝するために『親衛隊宣伝部』が創設されたのですが、すぐ親衛隊公認の協賛団体『メディア・クラブ』なる実質的な新聞部に業務委託されたり。
膨大な申請の事務処理やフクロウ便の監査業務を手伝うために、『カーター&ハネダ・コンサルティング』やら『フォーセット・パートナーズ』といった怪しげな事務代行サービスが設立されたり。
当然、何重にも積み重なった中抜き構造の中で無駄に組織は肥大化するばかりで、ホグワーツの生活は大混乱です。
しかしながら、今さら全ての業務を親衛隊だけでこなすにはあまりに膨大過ぎました。かといって、一度手に入れた親衛隊利権はおいそれと簡単には手放せません。もはや魔法省も顔負けの肥大化した官僚機構の出来上がりです。
流石にこの頃になるとアンブリッジ先生も「親衛隊、ひょっとしなくても獅子身中の虫では?」と気づき始めた節はあったのですが、もはや親衛隊抜きには仕事が回りません。いやぁ、経路依存性って怖いですね。
せめてドラコたち親衛隊幹部が主導権を握ってた時期であれば、アンブリッジ先生が幹部を粛正して実権を取り戻すこともできたかもしれません。
ところが、今や肥大化した親衛隊利権システムはヒュドラのようになっており、頭を切り落としてもすぐ次の頭が生えてきます。そもそも、頭がどこにあるのかすらわかりません。
『――脳みそがどこにあるのかも分からないのに、ひとりで勝手に考えることができるものなんて、信用してはいけないよ』
ある意味では、アーサー・ウィーズリーさんの言葉は正しかったのかもしれません。
――しかしながら、アンブリッジ先生にも今さら止められない事情がありました。
というのも、とあるリール魔法新聞が急速な勢いで拡散していたからです。『ザ・クィブラー』というオカルト雑誌の公式スキータグラムから投稿された、動く写真を繋いで作成された
【緊急】ハリーポッター、真実を語る。
~「名前を呼んではいけないあの人」の真相――僕がその人の復活を見た夜~
ショート動画とかリール動画の既視感、ハリーポッターの動く写真だと最近気づいた作者です。
今回のまとめ
・仕事の中抜きを始める親衛隊
・暴露系インフルエンサーと化すリータ・スキーター
・ちゃっかりダイレクトマーケティングするイレイナ
・陰謀論まとめサイト「ザ・クィブラー」
・魔法省に対してポッター砲が火を噴く
・フェイクニュース取り締まりに動くアンブリッジ……あれ?