ハリー・ポッターと灰の魔女   作:アストラマギカ

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Nobody expects the Hogwarts High Inquisition!


第42章 ~まさかの時のホグワーツ高等尋問~

  

 双子の伝説は瞬く間にホグワーツ中で拡散され、触発された大勢の生徒が「#やってみた」「#ウィーズリーチャレンジ」などとバズり狙いの悪戯が大流行しておりました。

 

 

 「ズル休みスナックボックス」を使ってアンブリッジ先生を見た途端に気絶するやら吐くやら鼻血を出すやらはまだ大人しい部類で、「クソ爆弾」や「携帯沼地」がそこら中に落とされ、中にはアンブリッジ先生の部屋にニフラーを放り込んで部屋をめちゃめちゃにした猛者まで。

 

 それでも双子との約束を胸に刻んだピーブズさんには誰にも敵わず、狂ったように高笑いしながら学校中を飛び回り、テーブルをひっくり返すわ銅像や花瓶を倒すやらで大暴れ。トイレの蛇口を全部開けて廊下を水浸しにしたり、羊皮紙の山を暖炉めがけて崩す、ランプやステンドグラスを粉々に打ち壊すなど、完全にやりたい放題です。

 

 当然、アンブリッジ先生はカンカンになって取り締まろうとするも、手を貸そうとする教職員はフィルチさんぐらいのもの。

 まさかのマクゴナガル先生ですら、シャンデリアを外そうと躍起になってるピーブズさんの横を素通りした挙句、こそっと「反対に回せば外れます」などと教えているのを誰かが見たとか見てないとか。

 

 

 ……ホグワーツ魔法学校、治安めちゃくちゃ悪いですね。今さらですけど。

 

 

 もちろんホグワーツの校風は自由と多様性なので、嬉々として「ウィーズリーこそ我が王者!」と悪戯に勤しむグリフィンドール生徒もいれば、「アンブリッジは嫌いだけど、治安悪いのはちょっと……」みたいなハッフルパフ生もいたりします。

 

 そんなわけでホグワーツが物騒になっていく中、安全安心を求める生徒たちにとって頼れる存在となったのが尋問官親衛隊でした。

 

 

『――親衛隊は皆さんの味方です!お困りの方は親衛隊にご相談を!』

 

 

 私とトレイシーたちが下請けシステムを構築していたおかげで、爆発的に増える悪戯に対して隊員数の迅速な増加で対処しつつ、安全を求める生徒たちにもパトロールやボディガードといった警備サービスを提供したのです。

 

 

 まぁ、もちろんチップの多寡でサービス内容に多少のバラつきはあるんですが。だって親衛隊員も人間だもの。

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 それは突然の出来事でした。

 

 

 

『――尋問官親衛隊各位、聞こえるか?』

 

 

 試験明けの連休中、のんびりとテラスでアフタヌーン・ティーを楽しんでいた私たちの多面鏡から、同時に聞こえてきたのはドラコ・マルフォイの声。すぐに多面鏡を開くと、緊張と期待の混ざったようなドラコの顔が映りました。

 

『アンブリッジから緊急の秘密招集だ。周囲に不自然に見えないよう、急いで事務室に集まってくれ』

 

 せっかくの連休ぐらい気ままにさせて欲しいものですが、断るわけにもいきません。「めんどくさー」とか「給料あげろー」とか文句を言いながら事務室に入ると、親衛隊のメンバーほぼ全員とアンブリッジ先生がいました。

 

 

「みなさん!」

 

 嬉色満面の表情を浮かべたアンブリッジ先生が口を開き、伝えられた内容はハリーたちの逮捕でした。

 

「わたくしの部屋にポッターが侵入し、暖炉を経由して外部の何者かと連絡を試みています。これは重大な規則違反に他なりません。協力者も全員もれなく逮捕するように」

 

 「質問は?」と聞くアンブリッジ先生に、ミリセントが手を挙げました。

 

「ダンブルドアは?」

「出張中です」

 

 聞けば、なんでもアズカバンの吸魂鬼たちが一斉蜂起して、闇祓いの即応部隊と北海で大規模な戦闘が発生しているとか。それでルーファス・スクリムジョール闇祓い局長が独断でダンブルドア校長に協力依頼を要請し、アンブリッジ先生はその隙にハリー達を捕まえよう的な魂胆のようです。

 

「じゃあ、マクゴナガルは?」

「別の用事で外出中です」

 

 吸魂鬼の反乱と同時に多くの凶悪犯が脱走したため、学校外にいる生徒たちを連れ戻しに向かったとのこと。休日はホグズミードでバイトや買い物をしたり、ポイドシアー海岸で泳いだりマナー岬までピクニックに行く生徒も多く、すぐさまホグズミード魔法警察署と連携して安全確保に動いたようです。

 

 

 ……こんな事してる場合ではないのでは?

 

 

 などと頭では思いつつ、偉い人の機嫌を損ねてもロクなことにならないので遠回しに質問します。

 

「でしたら、アンブリッジ先生もマクゴナガル副校長を手伝った方がいいんじゃないでしょうか」

「セレステリアさん、心配には及びませんわ。むしろ、こんな時だからこそ校長代理としてわたくしがホグワーツの治安を守らねば……特に、ハリー・ポッターから」

 

 どうやらアンブリッジ先生の頭の中では、双子の“卒業”後の混乱はすべてハリー達が裏で糸を引いている、ということになっているようでした。

 

 もちろんハリー達がここ最近の悪戯騒ぎの黒幕なんてことは無いのですが、ハリーがやましい行動を全くしていないかというと、そんなことも無く。こっそりDAを組織して戦闘訓練したり、アンブリッジ先生の部屋に不法侵入して不死鳥の騎士団メンバーと連絡をとったりと、疑われるような行動はしょっちゅうです。

 

 

 というわけで、とアンブリッジ先生がきびきびと続けました。

 

「実働部隊のリーダーはマルフォイ、あなたに執ってもらいます」

「お任せください」

 

 ドラコが胸を張り、意気揚々と親衛隊に指示を出しました。

 

「よし、二手に分かれて廊下の両側から挟み撃ちだ。片方は僕が指揮を執る。もう片方は……ワリントン先輩が指揮をとって、イレイナが補佐をしてくれ」

 

 結局、日和って年功序列でワリントン先輩を司令官、でも参謀は能力重視で私を指名するあたりに、ドラコの調整型リーダー感を感じます。

 

「準備が出来たら多面鏡で連絡してくれ。同時に総攻撃だ」

 

 ドラコの言葉に私たちは頷き、そくさくとアンブリッジ先生の部屋がある廊下へと向かいます。なお、アンブリッジ先生ご自身はマルフォイ隊と行動を共にしたようでした。

 

 

「あの、イレイナさん」

 

 少し不安そうに声をかけてきたのはアストリアさんでした。

 

「その、本当にやるんですの? ポッターさん達は……」

「規則破りがバレた以上、下手に庇うのは悪手です」

 

 私が言うと、アストリアさんも「そうですね……」と覚悟を決めたようでした。

 

「まぁ、ハリーたちが規則を破るのはいつもの事ですし、別に殺人とか爆破テロみたいな退学処分になるほど重い犯罪計画を立ててるわけでも無いでしょうし」

 

 たかが不法侵入ぐらいで大げさな、という気もしますが、アンブリッジ先生もハグリッドの件で神経質になっているのでしょう。闇祓いを含む魔法警察が十数人がかりで逮捕しようとしたものの、まさかの返り討ちにあった挙句に逃走まで許してしまったのですから。

 

 

 **

 

 

 そしてアンブリッジ先生の廊下の曲がり角に辿り着くと、ワリントン先輩が軍隊でやるようなハンドサインを送り、全員がさっと杖を抜いて壁に張り付きます。

 

 ワリントン先輩は先端にテープで鏡をくっつけた杖を伸ばして壁裏から状況を確認し、小さく頷いてドラコに連絡するよう私に促しました。

 

『――こちらウィスキー02、目標を捕捉。マイク01、応答せよ』

 

 多面鏡を取り出し、わざとらしく押し殺した声で連絡すると「I-Squad 01:Sound Only」と書かれた真っ黒な画面から、ドラコのふざけた物々しい声が返ってきました。

 

『――マイク01よりウィスキー02へ、こちらでも標的を確認した。オーバー』

『――了解、こちら既に全員配置につきました。いつでも突入できます』

『――よし、では作戦を開始する。突入時刻は一六四○(いちろくよんまる)だ、いいな?』

『――ウィスキー02、了解しました。では、幸運を』

 

 ぷつっと通信が切れ、私は腕時計を確認します。突入まであと2分――それをジェスチャーで残りの隊員に伝え、さらに私が自分を指さして次にワリントン先輩、そしてアストリアさん、という風に突入する順番の指示を出すと、皆が無言で頷いたりグッドサインを出してきます。

 

 

 ――そして。

 

 

 だんっ、と私が躍り出ると、慌てた様子のジニーとサヤさんが反射的にこちらを振り向きました。

 

「ルーモス・ソレム・マキシマ-強き太陽の光よ!」

 

 私が「発光呪文」の一番強力なのを唱えると、目も眩むほどの強烈な閃光が杖先から炸裂し、狙い通りにジニーとサヤさんが怯みます。

 

「GO!GO!」

 

 ワリントン先輩が吠え、反対側からもドラコが「Let's Go! Move it!」と叫ぶ声が聞こえました。

 

「親衛隊だ! 動くな!」

「そこのお前、早く地面に伏せろ!」

「犯人確保!異常なし!」

「通路クリア!安全確保ぉッ!」

 

 訓練された尋問官親衛隊に動きに不意を突かれたジニーたちが勝てるはずもなく、3分と経たないうちに私たちはハリー、ロン、ハーマイオニー、ネビル、ジニー、ルーナ、サヤさんの7人を取り押さえました。

 

「あ、イレイナさん。そこもっと強めに……」

「サヤさんは黙っててください」

「ひゃいっ♪」

 

 地面に伏せて後ろ手で私に押さえられた状態のサヤさんが「いやん♪」みたいな気持ち悪い動きをしているのから目を逸らしつつ、私は視線をアンブリッジ先生に向けました。

 

 

 

「いったい誰が……」

 

 茫然とするハリーの前に現れたのは、黒髪の美少女でした。

 

 

「チョウ……!」

 

 

 まさか自分の恋人に通報されるとは思っていなかったのか、信じられないといった表情になるハリー。の表情は「嘘だと言ってくれ」と必死に訴えています。しかし、そんな願いも虚しくチョウさんの口から出た言葉は――。

 

 

「ごめんね」

 

 

「どうして……!」

 

 困惑と怒りの混ざった声を絞り出すハリー。

 

「自分が何をしたか分かっているのか!? このままじゃシリウスがヴォルデモートに殺されるんだぞ!」

「分かってないのは貴方の方よ!」

 

 チョウは上擦った声で叫び、ハリーを真正面から睨み返しました。

 

「もし罠だったら? 殺し屋の群れに自分から飛び込んでいって死ぬつもりなの……!?」   

 

 瞳を潤ませ、鼻声になりながらも必死に訴えます。

 

「私、もし貴方が、し――し――死んじゃったらって思ったの! だって去年、セドリックは……殺されて――」

 

 涙でメイクをぐちゃぐちゃにしながら、しゃくりあげるように訴えるチョウさん。

 

「こんなの、やっぱりおかしいよ! 絶対に間違ってる……だって、ハリーはまだ学生なんだよ!? いくら人が殺されそうになってるからって、警察を頼らないなんて絶対に変だよ……!?」

 

 

 それはそう。

 

 常識で考えたら、当たり前のように「よっしゃ!いっちょ魔法省にカチコミかけたろか」ってなるハリーの方が普通じゃないです。

 

 

「魔法警察には私が通報したわ。私のパパもそこで働いてる――お願いだから、こういうことは大人に任せようよ!」

「その話はもう終わったはずだ! 同じ話を何度繰り返すんだ!」

 

 イライラしたような口調で、ハリーが怒鳴りました。

 

「さっきも言ったけど、シリウスが拷問されてるのは今なんだ! グズグズしてる時間はない!」

「でも、私――私、あなたに死んでほしくないの……!」

「死ぬとは限らないだろ!」

 

 吠えるハリーと泣き出すチョウ。それを茫然と眺めるアンブリッジ先生とロンたちDAメンバー、そして尋問官親衛隊のお思いは一つでした。

 

 

(((痴話ゲンカなら他所でやってくれ)))

 

 

 もっとも、ハリーとチョウの両方に言い分と非があるので、余計に部外者としては介入しづらいことこの上ありません。

 

 

 ハリーが焦るのは理解できますが、チョウさんが慎重になる気持ちも理解できます。名付け親を助けようとするのも、恋人を危険から遠ざけようとするのも、どちらが間違っているというわけでもないでしょう。

 

 とはいえ、騎士道精神を重んじるハリーからすればチョウさんの裏切りは許せないでしょうし、賢さを重視するチョウさんがハリーの軽挙妄動を止めようとするのも分からなくはありません。

 

 

 どちらも愛ゆえの行動ですが、何を重んじるかといった価値観の違いが最悪の形で擦れ違いを産んでしまったようでした。

 

 

 

「……え、エヘン――エヘン――」

 

 お馴染みの咳払いで、ようやく全員の視線がハリーたちから離れました。若いカップルのエネルギー溢れる修羅場にさすがのアンブリッジ先生も引き気味でしたが、このままじゃ埒が明かないと思ったようです。

 

「ミス・デイビス、その子を医務室まで送ってちょうだい。少し安静になった方がいいわ」

 

 トレイシーが泣きじゃくるチョウを連れ出すと、その場にいた全員が「はぁ~~~」と疲れたような溜息を吐きました。互いに立場は違えど、知り合いの修羅場ほど気まずいものはありませんからね。

 

 

 

 ***

 

 

 

 そんなこんなで。

 

 

「さて、ポッター。私の暖炉を勝手に使って、誰と話をするつもりだったのかしら?」

 

 

 アンブリッジ先生は肘掛椅子に腰を下ろし、にたーっと笑いながらハリーに問いかけます。

 

「相手は誰? ダンブルドア? それともハグリッド?」

 

 しかしハリーは答えず、代わりに私の方を向いて叫びました。

 

「あの人がパッドフットを捕まえた!」

 

 ハリーの言葉に、サヤさんを確保した状態のまま固まる私。アンブリッジ先生は怪訝な顔でハリーを見てから、続いて私の方へ視線を寄こします。

 

「パッドフット? それは何なの?」

「ええっと……」

 

 ハリー、せめて私の方を見ないで言ってください。私まで怪しまれてるじゃないですか。

 

「セレステリア、ポッターが何を言っているのか貴女には分かるのね?」

「いえ、私も詳しくは知らないのですが……」

 

 私はなるべく表情を出さないようにして、記憶を思い起こすようなフリをしながら口を開きました。

 

 

「前にハリーが魔法薬の補習を受けていた時に、スネイプ先生とそんな話をしていたような……」

 

 

 

 ――ということで。

 

 

 

 すぐさまスネイプ先生が呼ばれてきて、アンブリッジ先生から質問責めに合います。 

 

 時おり、チラチラと私の方を向いて「どうしてくれるんだこの状況」みたいな視線を感じるのですが、知らないフリをして窓の外にいるハトを眺める私。秘密警察とかに捕まった時、きっと人はこうやって知人を売っていくのでしょう。

 

 

 もちろん、スネイプ先生を名指ししたのに意図が無いわけではありません。スネイプ先生も不死鳥の騎士団員なので、こうやって呼び出しておけばシリウスさんの緊急事態は伝わるはず。

 

 

 あとは上手くアンブリッジ先生を納得させられるような言い訳を、大人のスネイプ先生が何か考えてくれることを期待していたのですが。

 

 

「それでスネイプ、パッドフットとは?」

「……またポッターが、例の病気を発症したようですな」

 

 スネイプ先生は冷たい目でハリーを見据えました。

 

「思春期のお前には仕方の無いことなのかもしれないが、拗らせた自己顕示欲から生まれた妄想に吾輩を巻き込まないでもらおうか。いい加減、そろそろ卒業して大人になりたまえ。後で黒歴史に苦しむのはお前自身なのだぞ?」

 

 しかしアンブリッジ先生はスネイプ先生の考えたハリー中二病説に納得しなかったらしく、『真実薬』を持ってくるように主張し、スネイプ先生から「在庫がない」と断られると癇癪を起して部屋から追い出してしまいました。

 

 

(まぁ、でもこれでスネイプ先生から不死鳥の騎士団に連絡が行く事でしょうし、ひとまずは一件落着ですかね……)

 

 

 しかし、キレて冷静さを失ったアンブリッジ先生は何が何でもハリーの口から都合のいい証言を引き出そうと、ついには「磔の呪文」を使うなどと脅しをかけてきます。

 

 

 するとハーマイオニーが悲痛な声で叫び、オーバーな演技でめそめそと泣き出しました。

 

「みんな、ごめんなさい……でも、もうここまでよ。私、これ以上は我慢できない……」

「いいのよ、いいのよお嬢ちゃん!」

 

 アンブリッジ先生はしゃくり上げるハーマイオニーの両肩を押さえ、熱のこもった口調で問いかけます。

 

「さぁ、真実を話して! ポッターはさっき、誰と連絡を取っていたの?」

「あの、何とかしてダンブルドア先生と話をしようとしていたんです」

 

 そこでハリーたちもハーマイオニーが嘘をついていることに気づき、抵抗が少し緩みました。

 

 

「ダンブルドア?」

 

 その名前を聞いて、表情を変えたのはDAのメンバー達だけではありません。アンブリッジ先生の表情がガラリと目の色を変えて。

 

「なんとまぁ、そんな事になっていたとは!」

 

 何かと目に敵にしていたダンブルドアが、生徒と秘密裏に接触を図ってた……その証拠を掴むことが出来れば、うまいことスキャンダルをでっちあげて事実上の停職に追い込める可能性も。そうなれば、これまで名誉職に過ぎなかった「校長代理」という立場を利用して、ホグワーツの実権を握れるやもしれません。

 

 激しく鼻をすすりあげるハーマイオニーの腕を掴みながら、アンブリッジ先生は厳しく問いただしました。

 

「お嬢ちゃん、ダンブルドアと何の話をしていたの?」

「それは……」

 

 しばし苦悩するような表情を見せた後、ハーマイオニーは観念したように口を開きました。

 

「秘密の武器が完成したんです……」

「武器? いま武器って言ったの?」

「は、はい……“例のあの人”に対抗するための――」

 

「嘘おっしゃい!」

 

 アンブリッジ先生はぴしゃりと言い放ち、ハーマイオニーの言葉を遮ります。

 

「ようやく、これでダンブルドアの尻尾を掴んだわ! ふん、 ‟例のあの人”に対抗する武器ですって!? そんなもの、おバカな貴女たちを騙すための方便に決まっているじゃない!」

 

 両眼は興奮して飛び出さんばかりで、アンブリッジ先生は狂喜して身を起こしました。

 

 

「ずっと怪しいと思っていたのよ! 魔法省でも大勢が騙されていたけど、私は最初からダンブルドアの本性を見抜いていたわ! ずっと魔法大臣の座を狙っていて、大勢を騙してクーデターの準備をしていたに決まってる!」

 

 

 それが本心からの言葉なのか、あるいは権力闘争の手段として適当な濡れ衣を着せようとしたのか、アンブリッジ先生の本心は私にも分かりません。

 

 

 ただ、いずれにせよアンブリッジ先生は「ダンブルドアによる反魔法省クーデター未遂」をスキャンダルとすることで、自身の立身出世に利用しようと考えているようでした。

 

「それで、どんな武器なの!?」

「私には、よく……よく分からないんです……私はただ、『グロウプ』ってコードネームしか」

「グロウプ?」

「はい……それで、言われた通りに材料を集めただけで……」

「いいでしょう」

 

 アンブリッジ先生の瞳がギラギラと輝き、「やっと尻尾を掴んだ」と勝利を確信したような笑みが広がっていきます。

 

 

「武器の所に案内しなさい。それは一体、どこにあるの?」

  





チョウ:恋人が(傍から見て)愚かな行動してたら止めるのが愛
ハリー:恋人が(傍から見て)愚かな行動してても信じるのが愛

 本作のチョウは良くも悪くも感性が普通寄りなので、恋人がギャングにカチコミかけようとしてたら普通に先生にチクって止める人。
 どっちかというと、学生なのに殺し屋相手に突撃かますハリーの行動力がぶっ飛んでるような。
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