『 』は直感する──
──答えは既に頭の中
時々、考えてしまう。
いつまで皆は私の周りに居てくれるのだろうかと。
聖母のように優しい母はきっと、何も言わず何も聞かず優しく
酷く人間味のある父は慌てながらも、多分
彼はきっと…怒っているだろうなと思う。急に姿を消した私にいの一番に気づいたのはきっと彼だろう。そこからは蜘蛛の巣のように伝わって、今頃使えるもの全てを使って血眼になって探しているに違いない。後輩のあの子は彼に八つ当たりされていないだろうか。少し、心配だ。
私は少しばかり特殊で、特殊だったからこそ彼は私に興味を示してくれた。
父の娘だったこともあるだろうけど、でもきっと、特殊な方に興味がいってた。
ああ、ダメだ。
日本に来てから、随分とナイーブで情緒不安定だ。私はリング争奪戦には出ないけれど、このままだとヴァリアーの誰かに支障が出るかもしれない。
…いや、ヴァリアーはそこまでアットホームって感じでもないし、所詮他人だと割り切っているダメな大人達だ。私がどうであろうと、興味は持たないだろう。
深夜の並盛中学校。特別大きい学校でもないし、綺麗な学校でもない。庭の手入れとかはきちんとしてあるけど、程よい年季の入った、至って普通の学校だ。
──まあ、マフィアたちが集まってなかったらの話だけど。
「みんな!」
「よお!」
「オス」
「10代目!」
間抜け面を晒して、守護者たちの場所に走って行っているのは10代目候補の1人、
「それにしても…し、静かだね…。ほ、本当に並中で良かったのかな…」
「やつら、まだ来てねーのかな」
下でキョロキョロと私たちを探す彼らは本当に馬鹿だと思う。けれど…急に裏社会に浸からせられて、それでも頑張っている彼らがとても眩しく見た。
ああ、羨ましい。
今もこうやって笑い合い、未来も笑いあっている彼らが羨ましい。ずるいなと思う。
「厳選なる協議の結果、今宵のリング争奪戦の対戦カードが決まりました」
「第一戦は、晴の守護者同士の対決です」
隣でルッスーリアは嬉しそうに笑った。
ルッスーリア、君は今日負けてしまうんだよ。重症を負っちゃうんだよ。
行かないで、ルッスーリア。
死なないけど、貴方が怪我をするのは嫌だ。
「どうしたの? リリーちゃん。裾なんか掴んじゃって。 …心配ならご無用よぉー! アタシは勝つから!!」
「……」
どうやら無意識にルッスーリアの裾を掴んでしまったらしい。びっくりして、私はパッと手を離した。
どうしたのぉ?と心配してくれるルッスーリアに何でもない、と返し早く行きなよと背中を押した。
チラチラとこちらの方を見てくるので、しっしと手を返しておいた。
これは必要な戦いだ。
ヴァリアーにとっても、彼らにとっても、ボンゴレにとっても。
──これは必要な戦いだから。
──未来は決まっている。
──私は、手出しをしてはいけないのだ。
晴戦が、始まった。