恋心一切抱いていないタキオンに弄ばれて情緒ぶっ壊されたい
あ、皆さんどうも初めまして。
アグネスタキオンのトレーナー(女性.2X歳)です。
メジロ家などと並ぶトレーナーの名家の長女として生まれて早二十数年。
無事に中央のトレーナー資格を取得し、このトレセン学園でトレーナーをやらせて頂いております。
学園に入った後はかの有名な『皇帝』シンボリルドルフを育て上げたトレーナーのチームへと、サブトレーナーとして下積み生活。そしてついに、とあるウマ娘をスカウトし1トレーナーとしての出発を初めました。
そこからはまぁ、聞くも涙語るも涙で友情努力勝利の三拍子な3年間を経て、無事にトゥインクルシリーズ3年間を走り抜け更にはURAファイナル優勝という栄冠を飾ることが出来た訳ですがそれはまた後の機会にでもお話いたしましょう。
さて私の担当ウマ娘、名をアグネスタキオンと言うウマ娘なのですがこれがまた少々個性的な子でして、かのメジロ家に並ぶ名門アグネス家に生まれながらその行動発言などによって異端児などと揶揄される事もある子なのです。
まぁトレーナーたる私から言わせて貰えば彼女のどこが異端児なのかと思うところですが。
確かに彼女は実験と称して私に妙な薬を飲ませて発光させたり、へんてこりんな機械の実験台にしたりとはしていますがそのどれも深刻な副作用などは無く、むしろ実験によって人間という身でありながら少しずつ彼女達ウマ娘に近づいていく様はなかなか興奮を覚えます。それに本当に危険な時はしっかりと助けてくれますし。
それにそもそもトレセンのウマ娘達が個性的な娘たちばかりなのだからこの程度今更なこと。
例えばメジロの御令嬢は熱心な野球ファンですし、皇帝な生徒会長は親父ギャグが好き、女帝な副会長は花壇の花々に気合いを注入し、葦毛の怪物と総大将が食堂の材料を平らげて、不沈艦が無人島サバイバル24時の中で法被を着て麦わら帽子を被りスキー板履いてシュノーケルを付けて浮き輪と釣り竿を持ってスカイダイビングを行う。
そんなトレセン学園の中で薬の治験など些細なことでしょうに。
というか最後に関しては本当に何がどうなったとしか言えませんしそれに何も言わずノリノリで付き合うトレーナーの方が大概でしょう。こちらは精々七色に発光するくらいだと言うのに。
それにそもそも彼女の根っこはとても良い娘でして。
彼女が行う実験という名の肉体改造はそもそも、彼女自身の脆く弱く繊細な、しかして才能溢れる脚を強くしウマ娘としての限界の向こう側を見るという計画に基づいたものであり、決して他者を害そうだとかドーピングだとか言う悪質なものでは無いのです。
とまぁここまでつらつらと語っている訳ですが、私ここ最近1つ悩み事がありまして。その悩みというのが私の担当であるアグネスタキオンとの事なので、それゆえ、このように私とタキオンとの関係性や彼女の人となりを申していたのでございます。
さてその悩みというのがですね。
「ここ最近のタキオンがえっちぃ。」
「2回言わなくても聞こえてるわよ。」
あ、話し相手の彼女はダイワスカーレットちゃん。(愛称スカーレット)
タキオンが唯一許可した、私のもう1人の担当ウマ娘です。
「だって本当の話なのよ?このままだと私どうなっちゃうか…」
「……ねぇトレーナー。まさかとは思うけど本当にそれだけの事で私を呼んだの? この休日の昼間に? わざわざ学園外のカフェまで???」
「うん。」
「わかった私帰るわねお金よろしく。」
「待って!?」
立ち上がり帰ろうとするスカーレットちゃんを慌てて捕まえ、無理やり椅子に座らせ「ちょっ、なんでアンタそんなに力強いのよ⁉︎」
「これが(タキオンの)実験の成果さ!」
「声真似のつもりなら全然似てないわよ‼」
「まぁまぁ落ち着きなよスカーレットちゃん。そうカッカしても目立つだけですよ。ここにはほかのお客さんもいますし。」
「そのお客さんのいる中でわけわからないこと吐いてる貴女がそれ言う⁉」
なんて文句言いながらちゃんと座ってくれるスカーレットちゃんは可愛いなぁ…。
とはいえ今回に関しては私は本気の本気、真剣な悩みなのだです。
下手したら私たちの将来に大きく関わってくるわけですから。
そのことをしっかりと伝えるとスカーレットちゃんは渋々といった表情を浮かべながらも話を聞いてくれるのでした。
「…で? いったい何が問題なのよ。そもそも! そんなタキオンさんが…その…え、えっちなんて初めて聞いたわよ⁉」///
「うん…実は……」
URAファイナルが終わってひと段落した頃にタキオンにデートに誘われたんです。
どうも宝塚記念を走り終えたころから感情のもたらす効果に関して研究してたみたいで。
それで水族館に行ったりショッピングモールを散策したり、イルミネーションを見に行ったりと。
で、その後日も実験は続いていてことあるごとにデートに行ったり実験といって色々試したり…。
それでも思った成果が出ないのか試行錯誤を繰り返してて、ここ最近は色んな本で知識を付けてきたらしく段々積極的になってきたんです。
それで………その……先々週にデートの時からタキオンがえっちくなってきてて…
「…それで?え、えっちってどんな風になのよ。」///
顔を赤らめながらも興味津々な目で、顔を近づけ声を潜めて聞いてくるスカーレットちゃん。やっぱりその・・・お年頃なんだなぁなんて思ったり。
「えっと……その時は…。」
「(;゚д゚)ゴクリ…」
「こ…」
「こ…?」
「こ、恋人繋ぎをしてきまひたぁ…」
「( ゚д゚)!?!?」
「それで……その後…」
「その後!?」
「腕を絡めてきて…ぎゅっ…て…」
「(///△///)ぎゅぎゅぎゅぎゅーってぇ!?!?」
「あ、あと先週なんかは…」
「う、うん。先週は…?」
「ポッキー、って、お菓子があるでしょ?」
「えぇ、あのチョコのやつでしょ?」
「そう。それでね。ポッキーゲームとかいう遊びをやるって言ってきて…、その…ポッキーの端を咥えてたら反対側をタキオンが咥えたんだけど・・・。」
「それで?それで?」
「反対側でタキオンが食べ始めて、そのまま私に近づいて・・・・・・ちゅ、ちゅーをしようとしてきて…」///
「ちゅ、ちゅー!? それってキス・・・ってことよね・・・!?」
お互い真っ赤になり俯く2人。顔からは湯気が立ち上っていることだろう。
箱庭で蝶よ花よと育てられたせいで性教育に関してがさっぱりになってしまったトレーナーと、まだまだ中等部に入ったばかりで知識もなく、それでいて思春期真っ盛りともいえるダイワスカーレット。
この二人、恋愛話をするにはだいぶ純粋すぎた。
「それは……えっちよね。」
「でしょ…?」
「ちなみにちゅーはしたの?」
「ううん、流石に恥ずかしくなって・・・。」
「ンンッ。それでさ、どうすればいいかな…私。」
「どう・・・するって…。」
「だってこのままだと子供が出来ちゃうかもしれないし…」
「こここここ、子供ぉ!? な、何を急に言い出すのよアンタ!?」
「ちょ、スカーレットちゃん!しーっ!静かに!ここ他のお客さんもいるから!?」
「あ、そうよね・・・。ごめんなさいトレーナー。・・・でもなんで子供ができるの? だって子供って確か___」
「え、だって___」
「「ひょわあぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」」
はぁ、とため息を吐きながら横やりを入れてきたのはトレーナーの担当ウマ娘、アグネスタキオンである。
いつもの白衣は脱ぎ、私服に着替えている。
「タキオン!?なんでここにいるの!?」
「何故って君・・・そりゃあ私だって休みの日に街に出るくらいはするさ。そしたら君がスカーレット君と楽しげに談笑しているからねぇ。気になって覗きに来たんだが・・・」
「……どこから聞いてました?」
「あいにくさっきのとこだけだよ。それよりモルモット君ちょうどいいじゃないか。今から3人で感情の実験と行こうじゃないか!!」
「ちょ、今からなのタキオン!?」
「え、あ、わ、私はお邪魔ですよね!先帰ってますねっ!」
「あ、ちょ、スカーレットちゃぁん!? 一人にしないでぇ!!」
「さぁ!実験と行こうじゃないか!」
~~~~~その後の小噺~~~~~
「あぁデジタル君。えーっとどこにやったかな……。お礼のスカーレット君の写真だ。」
「ほひゅっ、あ、ありがとうございまひゅ!」
「あぁ、君のくれた資料は役に立ったからね。感謝するよ。」
「いえいえいえいえ、役に立ったのならデジたん何よりです!!」
「タキオンさん・・・それは…?」
「うん?おやカフェ君か。この雑誌、恋愛に関することが書いてあってね。感情の研究に役立つかなと思って借りてたんだ。」
「恋愛…ですか。誰か好きな人が・・・?」
「うん? ハハハハハ! いやまさか、私にそんなことがあるわけがないだろう?」
「えぇ…。でも最近タキオンさん、トレーナーさんと噂されてますけど…?」
「ほう?それは意外だね。」
「ちなみに…タキオンさんはどう、思ってるんですか…?」
「トレーナー君の事かい? まぁトレーナーとしてもモルモット君としても優秀ではあるし、何よりあの純粋な心でいながら狂気に染まっている矛盾性は好みではあるがね。」
「じゃあ…」
「何を期待しているかはわからないが…」
デジたん実装はよ