いろんなウマ娘短編   作:球磨猫

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いい加減別概念書かないとタイトル詐欺になると思ったのでタキデジ姉妹概念

アグネスタキオン→姉 現在高2該当
アグネスデジタル→妹 現在中1該当

トレセン学園については(一旦)後書きに書いてあります。




光軌の姫は電子の海に溺れる夢を見る

「ねーお姉ちゃん。」

「…どうしたんだい?デジタル君」

 

 

「………んー、何でもない。」

「……ふむ、そうかい。」

 

 

トレセン学園栗東寮の二階。アグネスタキオンとアグネスデジタルの部屋はそこにあった。

 

片やウマ娘ちゃんグッズに机が埋め尽くされ、片や様々な実験データや資料に机が埋もれているという、何処ぞの副会長が見たら勇み喜んで片付け始めそうな部屋である。

 

 

そんな部屋の中で当の二人は、タキオンがデジタルをあすなろ抱きしながらベッドの中に入り、2人のんびりと各々の本を読んでいた。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

季節は春も半ば頃、今年入学してきた妹のデジタルも学園に馴染んで*1おり、もう明日になれば選抜レースがある。

 

「……お姉ちゃん。」

「………選抜レースが不安かい?」

「! うん、ちょっぴり。お姉ちゃん以外のウマ娘ちゃん達と走るのは初めてだし、お姉ちゃんみたいに()()()()()()()()()()()()()も不安だし。」

「………」

「本当はお姉ちゃんと一緒の人にスカウトして貰いたいけど…。でもやっぱり実力でスカウトしてほしいし。それに……」

「私は、デジタル君の場合は他の生徒を見ることに集中しすぎてレースに失敗しないか不安に思うがね。」

 

アグネスデジタルは、言わばウマ娘オタク。トレセン入学前からアイドルのライブやウイニングライブを観ては気絶したりと過ごしてきた。

 

 

「うぐっ。だってだってトレセン学園だよ⁉︎ レースだよ⁉︎ もしかしたら有名ウマ娘ちゃんにも会えるかも知れないしこのレースで新たな時代のCPが生まれるかも知らないんだよ⁉︎ もし見逃したらデジたん失格だよ!」

「ははは、わかったわかった。まぁこの学園が楽しいようで姉としては何よりだがね。」

 

「あ!でもね!」

くるりと器用に腕の中で体をこちら側に向け、じっと目を見つめられる。

「デジたんの1推しはお姉ちゃんだからね!」

「!…………」

「タキオンファンクラブ会員番号0番と1番は誰にも渡すつもりはないから!くふふふふ……」

「私のファンクラブなんていつ出来たんだい…」

「私がお姉ちゃんと会ったときから!」

「はぁ〜…、まったく君という子は…。」

まぁ…悪くないけど…

 

 

にゅへへへ~なんて言いながら頭をこすりつけてくるデジタルを手で押さえ、そのまま読んでいた本を自分のベッドに放り投げる。

そのまま枕を引き寄せ布団を被りデジタルに被せ

 

「ほら、もう寝ないと明日に響くんじゃないか?」

「んー、まぁ確かにウマ娘ちゃんたちと会うのにお肌荒れてちゃダメだからね!健康第一、推しと会うときは万全に完璧に!」(*´ω`*)ムフー

 

「あーうん、まぁ…とりあえず。お休み、デジタル。」

「うん!お休みおねーちゃん!」

 

 

 

 

「……はぁ。嘘なぞつくものじゃないね…。私が見栄を張って首を絞められるなんて、カフェにでも聞かれたら笑われる。」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

選抜レースでウマ娘限界オタクなアグネスデジタルをスカウトしてから数週間。

メイクデビュー前の肩慣らしとして、学園主催のレースに出し、その反省会を行おうとしていたのだが…どこにいるのか。

 

 

「そういえばさぁ。ほら、昨日の学園レースに出てた…アグネスデジタルだっけ? あの子、アグネスタキオン先輩の妹らしいよ。」

 

そんな日の昼下がり、学園でデジタルを探していると、ふとそんな声が聞こえてしまった。

 

「タキオン先輩…って、もしかしていつも変な実験やってる?」

「確か肉体改造だかドーピングだかしてるとか言われてる人だよね。」

「てことはやっぱりあの子も……?」

「昨日、私見ちゃったんだけどさ…。食堂で他の子見ながらニヤニヤ変な顔してたんだよね。しかも『うへへへ~』とかいう笑い声付きで。」

「うわぁ…キモ…」

 

……どうやら陰口らしい。確かに彼女は奇行が目立つ部分があるとはいえ、自分の担当ウマ娘を悪く言われるのは好きではない。一言注意でも言おうとそちらを向くと、反対側からデジタルの姉、アグネスタキオンが向かってきてるのに気がついた。

話している生徒たちは気づいていないが……少し纏う空気が剣呑であるのがありありとわかった。

 

「やっぱあの姉にして妹ありなんかな。」

「嫌だよねぇ…あぁいうの…。なんでトレセンにいるん「やぁ君たち。今暇かな?」うぇっ⁉」

 

「あ、アグネスタキオン先輩…」

「こ、こんにちは…アハハ…」

 

「あぁ、こんにちは。ところで君たち、今暇なんだろう?」

「え、いえ…えっと…」

「暇でないとは言わせないよ。他者の悪評を広めることに費やす時間など無駄にすぎないんだからねぇ。」

「……っ!」

 

やはり、聴こえていたらしい。穏便に済めば良いが…。

 

「それより今ここに丁度タイミングよく新しい試薬があってねぇ。暇な被験者を探していたところさ。君たち、もちろん実験体になってくれるんだろう?」

「えっと…それは……その…」

「私はそのー…せ、選抜レースがちか「君のレースは先ほど終わったと記憶しているんだがね?」あ…え…」

「ちょ、ちょーっと遠慮したいです…なんて…「な っ て く れ る ん だ ろ う ?」う…あ…」

 

実験の時に見せる狂気的なものでもなく、妹に見せる慈愛の籠ったものでも無く、暗く、昏い色を写し憤怒に染まった瞳がそこにはあった。

 

「…あ……その…」

 

→(流石に止めないとまずいか…⁉︎)

 

「まぁいいさ。無理に付き合わなくてもね。」

「へ?」

「それよりも、一つ君たちに忠告…いや警告だ。私は私自身の悪評などは気にしない性質だからね。いくら叩こうが好きにするがいいさ。」

 

「だが、私の妹…デジタル君への陰口を叩く者を

 

 

私は許さない。」

 

「ひっ」「あ…あぁ…」「ご、ごめん…なさい…」

 

 

「彼女は私の唯一無二の家族でねぇ…。そのときは情け容赦などは一切ないと思ってくれよ?」

 

 

「次はないぞ」

 

 

そう締めくくりタキオンは、今度はこちらに近づいてくる。

 

→タキオン…

 

「やぁ、私の妹がお世話になってるね。」

→ …………

「そう怖がらないでくれよ。私だって傷つくぞ?」

「やれやれ。さっきの会話、君も聴いていたね? つまりはそういうことだ。宜しく頼むよ。」

 

「あぁそれと、この件はデジタル君には内密にね。」

 

通り過ぎるときにそう耳打ちし、タキオンは去っていった。

後には怯えた目で彼女の方を向く生徒たちと、私だけ。

ひとまずは彼女達を軽く注意し寮に帰らせると私も再びデジタルを探しに出かけた。

 

恐らくアグネスデジタルに何か有ればタキオンは容赦しないだろう。

その結果自分がこの学園に居られなくなるとしても。

 

 

→これはなんとも責任重大、前途多難だなぁ…。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

アグネスタキオン。

アグネスデジタルの姉で、「超光速の粒子」の異名を持つウマ娘。

成績は最低限に収め授業はサボる、トレーニングはしない、選抜レースなども気紛れで出る出ないを決めるなどの問題児。

自分のラボを持ち(勝手に空き教室を使っているだけだが)肉体改造の為の実験や製薬を行なっている。しかしその脚は天賦の才であり、走りさえすれば圧倒的な実力を魅せる。

 

普段の行いとドーピングしてるのではないかなどと言う悪評が原因で学園を追い出されようとしていたタキオンを、妹であり私の担当でもあるデジタルの懇願もあり自分の担当として迎え入れたのが少し前。

 

未だに行動の理由を教えてくれないが___デジタルも知ってはいるようだが、姉が話すのを待ちたいと言われたのもあり、根気よく見ていこうと思ってやっていた。

ここ最近の私は、トレーニングに来ていないと何処で何をやっているか不安になる為監視の意味も込めてまずタキオンのラボに向かうのが習慣となりつつあった。

 

 

→タキオンいるー?

 

「やぁモルモット君。お疲れ様だ。それと、少し声は抑えてくれ。デジタル君が寝ているのでね。」

 

そう言うタキオンの膝にはデジタルの頭が乗っている。

いわゆる膝枕というやつだろう。

どうやら今日は姉妹でおサボりの日らしい。まぁここ最近はタキオンもトレーニングに来てくれていたし、偶には良いだろう。

 

→タキオンは本当にデジタルの事、好きだよね。

 

「うん?あぁ。そりゃあそうだろうとも。私の可愛い妹だぞ?」

「いやしかし好きと言うのは少し違うな。」

 

→そうなの?

 

「あぁ、そうだな…。私はこの子の事を愛している。姉妹愛と言えば聞こえは良くなるが、うん。私は彼女に依存しているとも。それもかなり深く、ね。」

 

タキオンの膝枕で、穏やかな顔ですやすやと眠るデジタルを見ながらタキオンは言葉を続ける。

 

「うちの家族は極度の放任主義でね。家族の愛情という物を知らずにいた私にとってこの子は劇薬だったさ。『アグネス家』でも、『ウマ娘』としてでもなく『私』という存在を無条件で好いてくれる存在。私を拠り所にしてた、なんて言っていたこともあったが全くの逆だよ。」

 

「『姉より優れた妹なんていない』などと言う輩もいると聞いたがそんなことは断じてないさ。この子は私なんかよりもよっぽど優れているんだから。」

 

「人を見る観察眼、柔軟な発想力、どんなコースをも走る脚力、夢にかける情熱に簡単には曲がらない信念。何よりも……人の夢、人の想いを笑わない優しさ___」

 

「本当、私なんかには勿体ない妹だよ。」

 

外から差し込んできた陽がカーテンを通して暖かな光を部屋に運ぶ。デジタルの頭を撫でるタキオンは、彼女らしい、優しさと暖かさを含んだ眼差しで。

 

「トレーナー君。」

「私は妹に依存している。溺れていると言ってもいいだろう。それは自覚しているし、周りからどう見られているかも知っているさ。私は、全てを承知の上で沈んでいる。溺れている。………そんな顔をするな。溺れはしても、溶けることはしないさ。そのラインは弁えている…そのつもりだよ。」

「ただ、もし私が取り替えしの付かない所に行こうとしていたら___或いは…。」

「もしその時が来たら、デジタル君を__私のたった一人の家族をお願いします。」

 

→タキオン…

 

いつになく真剣な目で私に頼みかける彼女はどこか消えてしまいそうなほどか弱く、儚く。

 

 

「あぁ待て。待ちたまえよトレーナー君。今から面白いものが観れるだろうからさ。」

 

→面白いもの?

 

タキオンは未だぐっすりと眠っているデジタルに顔を近づけて____

 

「愛しているとも。私の唯一の家族、私だけの大切な妹君」

 

眠る横顔、その頬にそっと唇を落とした。

 

→ …………へ?

 

あっけに取られる自分を尻目に再度口を近づけるタキオン。

しかしその右手はデジタルのウマ尻尾をついついと指差している。

釣られて見てみると……デジタルの尻尾はピクピクと痙攣していた。

まるで尻尾の反応を無理やり抑えてるかのような……

 

→もしかして…!

今度はデジタルのウマ耳へと視線を向ければ、こちらもピクピクと震えていた。

 

「ふふふ…。好きだよ、デジタル。」

今度は顔を耳の方まで持っていき囁くタキオン。

あからさまにビクッと跳ねるデジタルの耳尻尾。

 

→(これって……)

 

「ふふふ。『姉より優れた妹などいない』。私なりに言い換えるなら、『妹の事について姉より優れた者などいない』とでも言おうかな? そぅら、これでチェックメイトさ。」

 

ふーー

「ひょわはわぁぁううあぁぁぁ⁉︎⁉︎⁉︎」

「良く眠れたかい?デジタル君。」

「あうあうああうあうううあぁぁ~…」

 

 

→やっぱり狸寝入りだったのかー…

 

「では目も覚めたようだし、盗み聞きするような悪い子にはお仕置きをしないとねぇ…?」

「ひえっ…お、お仕置き…?」

「ああ。今日一日私の実験に付き合ってもらおうじゃないか。覚悟したまえよデジタル君?」

「ごごごごめんなさいお姉ちゃん~~⁉」

 

 

→あれ、タキオン今日の実験って

 

「静かに。トレーナー君? 秘すれば花なり、というやつだよ。」

「えっ、えっ、なに。なんなの。デジたんなにされるの⁉⁉」

 

 

 

……あー、ごゆっくり~

 

「ふふふふふ…。それでは早速、実験と行こうか!」

「ひにゃあぁぁぁ~~~!?!?!?」

 

 

 

次の日タキオンはつやつや(絶好調)してたしデジたんはむっはー(絶好調)してた

 

 

 

 

 

*1
もっとも、学園のカプを見て鼻血出したりオルガしたり妄想したりすることを馴染んでいると言えればだが。




ウマぴょいはしてません(断言)


球磨猫のトレセン学園設定


中等部→実際の中学校相当
高等部→実際の高校+大学相当
なので最長10年間、大学2年時点からトゥインクルシリーズにデビュー義務。
全寮制、平均して1学年4~5クラスほど。
中学や高校にあたる節目に卒業することが可能。
中学→高校→大学に行くにつれて卒業や中退などをするウマ娘が増えるので実際のクラス数は少なくなっていく。
授業は高校大学はある程度共通していて単位制。中学のみ一般と変わらない。


だから会長は会長しててマルゼンさんは車を持つことができたんですね。



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