PhantasyStarOnline2-IF-「憎悪に歪む原初の闇」 作:あるふぃ@ship10
姿を変えたソダムから放たれる技は、見た事の無いものばかりだった。
目玉のようなビットから放たれる強力な光線。
地面から立ち登る光の柱。
ソダムの足元から生じるフォトン吸収を伴った超重力の黒い沼。
自身の周囲に大量にビットを展開し、光線を放ちながら回転させる技。
フィールド外にワープし、自身の左右に展開させた大量の砲門から放たれる無数の光弾。
さらには、今まで見てきた行動パターンにも、ビットによる援護射撃や羽から射出される光線など、4人の意表を突く動きが加わっていた。
予想を上回る変化に焦りと動揺を隠せない4人。
襲い来る数々の攻撃を間一髪でかわしながら、なんとかソダムにダメージを与えていく。
だが、その攻勢がいつまでも続くわけでも無く、次第にそれぞれの身体には傷が刻まれていった。
(そろそろ決めに行かなければ私や皆の身体が持たない.......)
皆の徐々に鈍っていく動きと、迫りくる制限時間を確認したあるふぃは、意を決し、ちょうど集まった3人に声をかける。
「皆、タイミングを合わせてくれ。私が、奴のコアに一発でかいのを叩き込む。」
あるふぃの言葉を聞いた3人は、素早くうなずき、ソダムから放たれる攻撃をかわしながら、再び散開する。
(身体への莫大な負荷を代償に、本来人が持てるフォトン量を遥かに超越した必殺技.......まだ完全に使いこなせていないが、ここでやるしかない!!)
ソダムの放つ新しい技、その技の隙を、あるふぃはこの戦いの中で徐々に掴んでいった。
散開後も続く苛烈な技をなんとか避け、機会を伺う。
そして、大技の後に生じる一瞬の隙を、あるふぃは見逃さなかった。
「.....今!」
足の方向をぐるっとソダムへと向き直すと、大きく踏み込み、ソダムの胸部にあるコアへ向かって突撃する。
ソダムも、それを迎え撃つように、大量のビットをあるふぃへと飛ばす。
「.....”目覚めろ、クラースティア!!”」
声に呼応するように、あるふぃの持っていたヴィクトワルエーレは、"光纏刻クラースティア"へと姿を変え、所有者であるあるふぃに、フォトンのオーラを纏わせる。
ビットから放たれる光線をまともに受けながらも、なおも止まることなくコアへと突き進む。
「ぐっ.......」
しかし、強烈な光線を受け続けたことで、身体全体に激痛が走り、あるふぃの視界が一瞬眩む。
だが、失いかけた意識を吹き飛ばすように、その身に光の柱が立ち、受けた傷が徐々に塞がっていく。
「これは.....」
「受け取ってください!あるふぃさん!」
クオンの声と共に放たれたそれは、エトワールの能力、"オーバードライブ"だった。
「.....助かる!!」
倒れかけた身体を両足で必死に支え、再びソダムのコアへと視線を向けたあるふぃは、足を強く踏み込み大きく飛び上がる。
眼前で飛び上がったあるふぃをはたき落とさんと、ソダムは巨大な両腕を思いっきり上に上げ振り下ろそうとする。
「「させるか!!!」」
アリシアとユウ、2人の繰り出した斬撃が振り下ろそうとするソダムの両腕を弾き飛ばす。
両腕を弾き飛ばされた反動で、ソダムの身体が大きくのけぞる。
「シバ!!!!!」
(分かっています!!!)
あるふぃの持つクラースティアに、高純度のフォトンが凝縮される。
そして凝縮されたフォトンはクラースティアを中心に徐々に形どり、やがて先端を二股とする巨大な槍となった。
「......世界の器2人分のフォトンだ。冥土の土産に、持っていけ!!!!」
「("穿て!!!!
あるふぃの手から放たれた巨大な二股の槍は、ソダムのコアを見事に撃ち抜いた。
だが、その技を受けてもなお、ソダムは後ずさりをしながらよろけるのみ。
(....身体が言う事を聞かない.......ここまでか.................)
落下しながら、徐々に意識が薄れていく中、微かに聞こえる声。
「アリシア!!!!!クオン!!!!!」
ユウが2人の名を力強く叫ぶ。
「「フル.......コネクトォォォォォォ!!!!!!!」」
アリシアとクオン、2人が同時に放つ渾身のフルコネクト。
そして2人の名を叫んだユウもまた、遥か上空からソダムのコアに向けて大きく剣を振り下ろした。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ダメ押しと言わんばかりの3つの強烈な斬撃が、ソダムに打ち込まれる。
そして、大きな叫び声をあげ、光を発しながら消えていくソダムを見たのを最後に、あるふぃの意識は完全に途絶えた。