PhantasyStarOnline2-IF-「憎悪に歪む原初の闇」   作:あるふぃ@ship10

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#4「戦い抜いたその先に」

(...........まったく、いつまで寝ているつもりですか。いい加減目を覚ましたらどうです?)

 

聞き覚えのある声がし、ハッと目が覚める。

 

「...........ここは.........」

 

(ナウシズのメディカルセンターですよ。)

 

周囲をきょろきょろと見渡すあるふぃの脳内に、声が語りかけてくる。

 

「...........シバ......あれは、夢だったのか?」

 

(いいえ。あれは実際に起きた事です。貴方はあの戦いで意識を失い、その後ここに運ばれ、3日間寝たきりだったのですよ。)

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

【原初の闇】ソダムの反応は完全に消滅した。

3人が息を荒げる中、気を失い、地面に倒れていたあるふぃはスッと立ち上がり歩き始めると、地面に突き刺さったクラースティアを抜き、懐に収めた。

 

「いつまでここに残っているつもりですか?ここにはもう、用はないはずです。」

 

落ち着いた、静かな口調があるふぃの口から発せられる。

 

「.......ある......ちゃん.......?」

 

あまりにも普段のあるふぃとは合わない言動に、アリシアが不思議そうに名前を呼ぶ。

 

「彼女なら今は休んでいますよ。この身体は、私がメディカルセンターまで持っていきます。貴方がたも、傷だらけの身なのですから、急いで治療を受けなさい。」

 

シャオに連絡を取り、4人がアムドゥスキアへと転送された直後、ユウがあるふぃへ声をかける。

 

「シバ......ありがとう」

 

「.......礼を言われる覚えはありません。では、先に帰らせていただきますよ。」

 

疲れ果て、その場に座り込む3人をよそに、シバと呼ばれた女性は一人、一足先にナウシズへと帰還した。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「..........そうか....」

 

シバから事の経緯を聞き、静かに納得するあるふぃ。

 

「それにしても.........シバ、お前あの時、全力を出さなかっただろう?」

 

(当然です。貴方がフォトンを使い切って倒れた時、周囲も全員満身創痍な状態で、誰が貴方を運ぶと思っていたのですか。)

 

「はは.....それもそうだな。気遣い、感謝するよ。」

 

(.........ユウといい貴方といい、やはり、守護輝士というのはお人好しばかりなのでしょうか....)

 

「助けてもらった礼はしっかり言わないと。」

 

(助けた覚えはありません。私にとって都合の悪いことが起きないよう、対処しているだけですよ。)

 

「ユウに声をかけた時もか?」

 

【原初の闇】ゴモルスとの戦闘中、皆と離れそうになったユウの腕を掴んだ時、体内のフォトンが、掴んだ部分を通じて、ユウに流れ込んでいくのを感じた。

おそらく、シバがユウに何か訴えたのだろうとあるふぃは考えていた。

 

(あれは、彼が冷静さを欠いていたので、喝を入れてあげただけですよ。あのまま戦われては、足手まといになったでしょうから。)

 

「...........シバも大概、お人好しだなぁ....」

 

(..........貴方の身体を使って、ここで暴れてもいいのですよ?)

 

「ごめんなさい......」

 

すると、コンコンと部屋の扉をノックする音が聞こえた。

 

「どうぞ」

 

ガラッと開く扉の先に立っていたのは、妹のみにふぃだった。

 

「良かった。目が覚めたんだね、お姉ちゃん。」

 

「ついさっき目が覚めたところだ。ここに運ばれるまでに何があったかは、だいたい把握したよ。」

 

「そう.....フィリアさんカンカンだったよ。身体はボロボロで、体内のフォトンはすっからかん。いくら相手が相手とはいえ、無理をしすぎだってさ。完全に回復するまでに、あと1週間はかかるって言ってたよ。」

 

「はは....さすがに負担をかけすぎたかな。あとでフィリアさんには謝っておくよ。ユウやアリシア、クオンの方は?」

 

「お姉ちゃんが寝込んでいる間に、3人とも治療は済んでるよ。皆、それぞれの自室で休暇中。」

 

「そうか......皆無事で良かった。」

 

「人の心配してる場合じゃないでしょ.......ほら、差し入れ持ってきたから、あとで食べてね。それと、モミジとクレハにも連絡しておくね。2人とも、心配してたんだから。」

 

「ありがとう。優秀な妹が居て、私は幸せだよ。」

 

「はいはい。それじゃあ、今度は2人も連れて様子を見に来るから。またね、お姉ちゃん。」

 

手に持っていた差し入れを傍の棚に置き、部屋を出ると、振り返ったみにふぃはあるふぃに手を振った。

あるふぃも同様に手を振り返し、そして扉が閉まるのを確認すると、反対の窓に映る外の景色を眺め始めた。

 

「......また、あの規模の力を付けて復活するのだろうか..........」

 

光在る限り闇は在る。

アークスという大いなる光が存在する限り、【原初の闇】は時空の狭間の奥底で力を蓄え、何度でも復活を遂げる。

今回のアークス側の被害は甚大なものだった。

今までにないアクシデントと、予測を遥かに上回る力。

そして、ソダムとの戦いで見た新たな姿。

今回はなんとか撃破することができたが、次また同じようなことが起きた時に、無事に生きて帰れるかどうかは分からない。

あるふぃの胸は、不安で溢れていた。

 

(問題ないでしょう。私という絶対的な存在を前に、貴方がたアークスは諦めず、私のさらに上を行こうと抗い続けてきました。特にあの管理者やオペレーターが、今回の件で黙っているわけがありません。必ず、対策を施してくるはずです。それに.....)

 

シバは少し間を空けて話を続ける。

 

(貴方はまだまだ限界を超える。私に打ち勝ち私を救った貴方の力は、この程度で終わるものではありませんよ。)

 

「............................」

 

(...........あるふぃ?)

 

「.....スゥ............スゥ..........」

 

(..............はぁ......まったく、罪深い人ですね。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いは続く。

それが、いつまで続くかは、誰にも分からない。

100年か、それとも1000年か...

だが、アークスの存在がある限り、世界は守られていくことだろう。

それが、アークスという組織の使命である限り........

 

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