純情ハートとウマ娘(凍結) 作:ゲーミング
トレーナーとしての役割を果たそうと躍起になった新人はオグリキャップのレースを決めていた。
ターフ1600のマイル戦。
オグリキャップの脚質を調べた結果そうなった。
その事をオグリキャップに伝えると。
「……分かった」
と一言だけ返ってきた。
その表情は明るくは無かったが、やる気はある様に新人は見ていた。
新人はトレーナーと言う職業に夢を持っていたと言っても過言では無かった。
けれどそれは間違いだったのではないかと思い始める様になって来ていた。
勧誘も上手くいかず、トレーニングは自分で考えたモノより先輩トレーナーやウマ娘達が考えたモノの方が良く見えてしまったから。
実際問題、新人トレーナーのトレーニングは間違ってはいない。
初めからウマ娘達に求め過ぎている節はあるが、新人と言うレベルでは仕方が無いと言われる様な始末なのだから。
理想のトレーナーになりたいと願う新人と、憧れたトレーナーへの道が見えて来ず日に日に体重が落ちて行く新人。
焦燥感に駆られ、上手く考える事すら出来ずにいた。
事務室にて他のトレーナー達が話をしている中、一人パソコンに向かい合いトレーニング計画表を作る新人トレーナーに近寄る影があった。
「また新しいトレーニングの企画書?」
新人トレーナーに、チーム『リギル』のトレーナー『東条ハナ』が話しかけて来た。
「……色々出遅れたので、取り返さない、と」
口内に唾液が溜まる感覚を飲み込み、東条ハナに言葉を返す新人?
「貴方、最近顔色が悪いわよ」
「……元からです」
「勧誘で出遅れたのは確かだけれど、それをウマ娘達に取り返させるのは違うわよ。新人なら新人らしく新しくトレーニングを作るのでは無くて他のトレーナーのトレーニングを参考にしなさい。貴方のやっている行為はウマ娘達の為に行うトレーニングでは無くて、貴方の為のトレーニングにしかならないわ」
「……分かってますよ、でもこのままじゃ」
言葉を言い終わる前にキーボードを叩いていた手を掴まれる。
振り返ると、今まで見た事の無い表情を浮かべた東条ハナの顔があった。
「少し本気を出せば勧誘はもっと早くに出来ていたかも知れない、でもそれをしなかったのは貴方でしょ?」
「私は確かに忠告したわ。あのちゃらんぽらんなトレーナーでさえ、貴方を気に掛けて助言をしていたわ。貴方と同じく勧誘をして、失敗してもめげずに必死にやっていたわ」
掴まれた手に力を入れられ、新人の顔が歪んだ。
「……貴方の勝手な都合にウマ娘達を巻き込むのは辞めなさい……!」
思わず新人は歯を食いしばる。
事実だったから、図星だったから。
勧誘に失敗していたのも、オグリキャップと知り合う前から焦っていたのも。
全て含めて新人の勝手な都合。
「……分かってます、分かってますよ……!」
「いいえ、分かってないわ。オグリキャップを勧誘した事については仕方がないわ。でもあの子にレースをさせるのはとても正気とは思えない。あの子が出たいと言ったの?貴方の独断じゃない?」
「…………」
「都合が悪くなった時だけ黙るのは子供にしか許されないのよ。貴方はトレーナーであり、貴方を含めて私達全員がウマ娘達の『トレーナー』なのよ」
オグリキャップと言うウマ娘が切っ掛けで露呈し始めたが、全ては新人トレーナーの悪癖が招き、出遅れたスタートを取り返そうとする新人トレーナーの事情でしか無かった。
そんな事、トレーナーがやる必要は無いのに。
ウマ娘達が夢を叶える為にトレーナーは存在する。
トレーナーの事情でウマ娘達に何を強いるのは本来有ってはならない。
何故なら彼女達は文字通り夢に駆け、人生を掛けて走りに来ているのだから。
最もらしい事を言いながら、知識としては知っている言葉を吐き出して本当の意味でウマ娘に寄り添えていない今の新人トレーナーには遠すぎる理想のトレーナー像。
「……少し休みなさい。根を詰めているからマトモな判断が出来てないのよ。貴方のチームメンバーのトレーニングは私がやるわ。良いわね?」
新人トレーナーは答えられなかった。
東条ハナは軽く息を吐き、事務室を出て行く。
一人、事務室にポツンと残された新人トレーナーは動かない。
もうトレーニングの時間だと言うのに、新人トレーナーの足は動かなかった。
「……分かってるよ、分かってるんだ……分かってるんだよッ!!」
「僕は、僕は……どうしたら良かったんだよ……!」
心の底からオグリキャップの走りに惚れた新人トレーナーはオグリキャップに夢を諦めるなと言った。
けれど本音は走っている彼女が見たくて堪らなくて、走りをやめてしまったらもう見れなくなってしまうから。
そんな自分勝手な都合で彼女を走らせようとしていたのだから。
「……もういやだ。こんな筈じゃ無かったんだ、きっと、きっとトレーナーになれば変われるって思ったんだよ……でも何も変わらない、何をしても結局僕は僕のままで……何処に行っても……」
この日、新人トレーナーがトレーニングに顔を出す事は無かった。
自分の担当したウマ娘達が全員有マ記念に出走する。
その
◆❖◇◇❖◆
突然チーム『リギル』のトレーナーである東条ハナがチーム『流れ星』のトレーナー室へやって来た時は、トウカイテイオーやマヤノトップガンは驚いていた。
唯一オグリキャップだけは驚かず淡々としていた。
既にトレーニングは終了しており、トウカイテイオー、マヤノトップガンの二人は下校に入っていた。
「ボクカイチョーと走るの選抜レース以来だったからすっごく楽しかったぁ!」
「テイオーちゃんはホントにカイチョーさんの事好きだよね。マヤはトレーナーちゃんが来てくれなかったからテンション上がらなかったぁ」
「……確かに。トレーナー来なかったね……」
「オグりんのレースの日程も決まってるから、てっきり何時もより厳しいトレーニングするのかと思ってたんだけどなぁ」
「うーん、なんでだろうね?」
その疑問に答える人物は居なかった。
今朝気付いた23日の予約投稿したつもりが24日に投稿されてて、毎日投稿切れてた。
やらかした事に此処で謝らせて頂きます。
申し訳ございませんでした。
以後気を付けさせて頂きますので、次回もよろしくお願いします。
新人トレーナーくんの闇が止まらない。
言っちゃえばプロローグから続いてるけど、新人トレーナー自体は自意識過剰だし自分勝手な大人なフリした子供だからね。
此処から成長して行くサマを見て欲しい。
感想、評価ありがとうございます。
モチベに繋がるのでもっとくれ、くれよ()
新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート
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同じく2番人気メジロドーベル
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大穴カレンチャン