純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 ウマ娘イベントに集中してたら小説投稿出来なかった。作者の都合で更新止めてしまって申し訳ない。
 


第九十四話(夏祭り前編)

 実際の所新人はテイオーやマヤノの肌を見てしまったが、即座にその場から離れた為に事なきを得た。が、其の程度で終わるほどウマ娘(乙女)の肌は安くなかった。

 

「……なんで支配人さんの部屋に居るのかなゴールドシップ?」

 

「面白い匂いがしたから、ずっとスタンバってました」

 

「可笑しいだろ!?何処にそんな匂いがあったの!?」

 

「残念だったな!ゴルシちゃんの長い耳は面白い話を聞く為にあって、ゴルシちゃんのスラっとした鼻は面白い匂いを嗅ぎ分けるんだよ!そしてゴルシちゃんの身体は面白い事を逃がさないってな!オラ!脱げオラ!!」

 

「いやぁああ!助けて!誰かぁあ!!」

 

「誰も来ねぇさ!お前は大人しく着せ替え人形ヨロシクじっとしてろ!」

 

「ズボン!ズボン脱がすな!おい!なんで手馴れてんだよ!?」

 

「こんな事もあろうかと練習してました」

 

「早々無いよこんな事!?無駄な努力やめろぉ!!!」

 

 逃げた先にはゴールドシップ。逃げなければ今頃テイオーとマヤノによる乙女の制裁という名のウマ娘による強靭な足腰から放たれる蹴りが飛び込んでいた為どうしようも無かった。新人の悲鳴が旅館内に響き渡るが誰も来なかった。

 

 新人は助けを呼んだ、けれど誰も来なかった。再度新人はゴルシに脱がされながら助けを呼んだ、オグリが来たが何故かゴルシの手伝いをし始め更に脱がされた。新人が泣き叫んだ、支配人がやって来て写真を撮られ、撮るだけ撮って支配人は帰って行った。

 

 そうしてゴルシとオグリ、ついでにやって来たバクシンオーによって着替えさせられた新人はそのまま夏祭りへと向かうのであった。

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 歩く事十数分、目的地である夏祭り会場へと辿り着いた新人一行。

 

「……もうやだ……帰りたい」

 

「くく……似合ってるぜその()()

 

「……トレーナー、後で写真を撮らないか?」

 

「絶対やだ……こんなのがサプライズだなんて、支配人さんってバカじゃないの……」

 

 新人の頭には長いウィッグを付けられ、元が女顔で有るが故に凡そ男性には見えない。さらには振袖の白い浴衣を着せられており、余計に女性にしか見えない仕上がりだった。

 

「トレーナーちゃん可愛いよ♪」

 

「もうちょっと丈が短い、それこそミニスカートっぽい浴衣が有れば完璧だったんだけどなぁ」

 

「……僕男なんだけどなぁ……と言うかそんな浴衣無いでしょ」

 

「いや有るよ?需要がね」

 

「そんな事聞いてるんじゃ無いんだよね!なんで浴衣の話から需要になるの!?テイオーのバカ!」

 

「……此処で脱がすよ?」

 

「…………ごめんなさい」

 

 足首まで隠される標準的な浴衣の為に、そこまでの羞恥心を煽れずに若干不服そうなテイオーだったが、新人がずっと顔を赤らめている為に満足はしていた。

 

「どっから持って来たんだか……こんな浴衣」

 

「昨日お休み貰ったでしょ?その時にマヤノと2人で買ってきたんだよ。ウィッグもね」

 

「トレーナーちゃんは絶対浴衣似合うと思ったんだよねぇ……因みにマヤ達も浴衣着てるけどかんそーは?」

 

 その場でクルクルと回り魅せるマヤノ。オレンジ色の浴衣に袖部分にはオレンジ色のカーネーションの刺繍が有り、こんな気分でも無ければ褒めていたが新人にとっては自身の状態に対する羞恥心しか無く……。

 

「似合ってるよ……オレンジ色なのも、マヤノの髪の毛の色と同じで良い感じ」

 

「じゃあボクは?ねぇねぇ、ボクは?」

 

 等と当たり障りない言葉しか出て来なかった。

 テイオーもまた浴衣を着ていた。マヤノの様にクルクルと回りはしなかったが、正面から見るテイオーの浴衣もまた美麗な物だった。

 淡い水色を元とし、マヤノの様な刺繍は無い者のシンプルなデザインであり、新人的にはテイオーの浴衣の方が好みではあった。故に。

 

「綺麗な空色だよね。帯の所は濃い青色だし、テイオーっぽくて僕は好きかな。目に優しいし、見てて飽きないって言うのもあるね……」

 

 見てて飽きないのはテイオーだからと言うのもあったが。マヤノの浴衣よりも感想が多くなり、そうなるとやはりムッとしてしまうのがマヤノだった。

 

「テイオーちゃんの方がかんそー多くなーい?マヤの時と全然ちっがーう!」

 

「ええ……あー、うん。似合ってるとしか言えないんだよ……元が可愛いからさ」

 

「…………可愛い?マヤ可愛い?」

 

「うん、すっごく可愛い」

 

「〜〜!ヤッター!!!」

 

「……ボクは?」

 

「終わらない!この流れ絶対終わらない流れなんだけど!?」

 

 マヤノを褒めればテイオーが、テイオーを褒めればマヤノがと言う形で無限機関の完成だ。その事実に気付いてしまった新人は叫ぶが当然助けは来なかった。

 

「と言うかオグリとバクシンオーは?ゴルシは店の準備してると思うけど、あの2人はどこ行ったの?」

 

 ふと会話に混ざって来ないオグリとバクシンオーに気付き周りを見渡すも人人人で、2人の姿は見えなかった。ゴルシは出店の準備で居なくなってるのは分かったが、2人が何処にも居ないのが気になってしまった。

 

「オグリは出店巡りじゃない?バクシンオーも多分それに着いて行ったんだと思うけど」

 

「着いて直ぐに行っちゃったから、今何処に居るかマヤは分からないかなー」

 

「そっか……2人1緒に居るなら、まぁ良いんだけど」

 

「取り敢えずボク達も行こうよ!」

 

「ゴルシの出店の準備終わるまでだけど、それでいいなら……」

 

「決まりだね!何処から行こっかな〜テイオーちゃんは何処行きたい?」

 

「ボク?んー、わたあめ食べたい!」

 

「じゃあわたあめの所行こっか……はぐれないように気をつけてね?」

 

「……それトレーナーが1番気を付けなきゃいけないと思うんだけど」

 

「人混みだいじょーぶ?トレーナーちゃん怖くない?」

 

「……2人共僕を何だと思ってるのかな?」

 

「「人見知りのコミュ力よわよわトレーナー(人混み苦手そうなトレーナーちゃん)」」

 

「……間違ってない、間違ってないけど、なんだかなぁ!」

 

 最早担当ウマ娘にまで気を使われる女装新人だった。

 

 まず初めに向かったのはわたあめ、その次は特に決めずに屋台を見ながら人混みを掻き分けて進む3人。テイオーとマヤノが前を歩き、新人は1人後ろで2人の後ろ姿を見ながら歩いていた。

 支配人はそこまで大きくないお祭りだと言っていたが、新人にとっては人生で2度目のお祭りと言う事もあり、目を奪われる物が多かった。規模何てものは関係無く、この後の花火が上がる事さえ忘れて3人で出店巡りをするのを心の底から楽しんでいた。

 

 3人でわたあめを食べ、風船釣りで新人は中々取れず熱くなっている中テイオーとマヤノは次々と手に入れて、結局1個も取れなかった新人に2人で1個づつ新人に渡す。

 お面屋を見付け、3人で被り合う。テイオーは熊で、マヤノは猫、新人は犬の面を付ける。

 新人が歩んで来なかった親しい人達との遊びという物を補完する様に、楽しい時間は過ぎて行った。

 

 そうして遊んでいると人混みが更に酷くなっていた場所に差し当たり、一旦歩みが止まった。

 

「すっごい人集り……なんかイベントやってるのかな」

 

「……ん、ゴルシが準備終わったって今LINE来た」

 

「じゃあここからはトレーナーちゃんも別行動になるのかな?送って行った方がいーい?」

 

「大丈夫だよ、ゴルシの出店の場所は覚えてるし……2人は2人で楽しんで。」

 

「アイ・コピー♪」

 

「じゃあまた後で!」

 

「2人とも気を付けてね」

 

 そうして新人はテイオーとマヤノから離れる。人混みの奥でデカデカと大食い大会と言う文字が見えて、一瞬見知った顔が脳裏に走ったが気にせずにゴルシの待っている出店の元へと歩いて行った。

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 人混みの中新人は1人で歩いていた。テイオー達と別れて数分経っていたが、上手く人を避けて進んでいたが、実際歩みは遅かった。慣れてない浴衣姿と言うのもあったが、人を掻き分けて進むと言う行為に慣れていないのも有り、若干難を示していた。

 そんな時だった。

 

「おねーさん可愛いねぇ、今1人?」

 

「…………え、僕?」

 

「ボクっ娘じゃん!当たり当たり!1人なら俺達と遊ぼうよ!1人は寂しーしょ?」

 

「いや、あの、僕人を待たせてて」

 

「その人が迎えに来るまででいーからさ」

 

 女装をしている新人を完全に女だと思い声を掛けてくる2人組のチャラ男。産まれて初めてのナンパに戸惑いながら逃げようとするが、手を掴まれてしまう。

 

「ちょっと!」

 

「怒った顔もかーわいい」

 

「めっちゃ手綺麗だし顔も可愛いし、もー当たりだわ」

 

「当たりだとか、そんな事言われても……と言うか、その、僕男です!」

 

「はいはいそー言うのいいからさぁ」

 

「ちょ、引っ張らないで……いた、いたいです……」

 

「おねーさんが着いてくれば引っ張らないんだけど?」

 

 最早涙目になりながら自分より背の高いチャラ男に腕を捕まれ逃げられなくなっていた。

 

「はな、離して!」

 

「涙目もかーわいい!いやマジ可愛いんだけど」

 

「……何やってんだ?」

 

「んあ?もしかしておねーさんの連れ?連れの子も可愛いじゃんしかもウマ娘だよ。俺ら当たり引き過ぎなんだけど!」

 

「ご、ゴルシ……たすけて……」

 

「おいおい人聞きわりーじゃん!」

 

「取り敢えずその手離せよ、アタシの連れなんだよ」

 

「はいはい笑ってー?そんな怖い顔してたらおねーさんも泣いちゃうって!あ、ちょ、で、いでででで!?」

 

 新人の腕を掴んでいた男の腕をゴルシが握り締め、新人から離す。その様は最早頼り甲斐のある男性の様で若干新人はドキドキしていた。

 

「たくよぉ、ナンパすんのも構わねぇけど寄りにもよって新人引っ掛けてんじゃねぇぞ?後可愛いのはわかる」

 

「……あ、ありがとう」

 

「…………お前も不用心なんだよ、今のお前どっから見ても女にしか見えねぇんだから、送って貰えって」

 

 ゴールドシップに手を引かれながら歩く。何処からか聞こえてくる祭囃子の音は遠く、新人は胸の中で鳴り響く音で掻き消されていた。

 

「ゴルシが女装なんてさせなきゃ良かったんだよ」

 

「一理ある」

 

「認めるのかよ!?」

 

「お前の事女装させたの客寄せに使う気だったからなんだよなぁ」

 

「こっの……はぁ」

 

 めずらしくゴルシが頼りになると思った新人だったが、ゴルシの一言で大きく溜息を吐くのだった。

 

 




 夏祭りという名の新人とゴルシ絡み。

 オグリはなぜか開かれていた大食い大会への出場、次いでにバクシンオーも巻き込まれた。

 新人くんの雌落ち。最早性別間違えて産まれてきた説あるわ。
 出来たら今日中に後編も出したい。
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