純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 今更ながら、百話突破したんだなぁ。ここまで見て下さってる読者の方に感謝を。
 多分感想とか高評価無かったら、ここまで続けられなかったと思う。

 作者の書いた作品を好んで読んでくださってる方々に再度感謝を。
 いつもありがとうございます。

 と言う訳で前置き終わり!本編どーぞ!


第百一話

 ルドルフに言われた一言で新人の思考は変わりつつあった。

 ファン感謝祭は祭りである。そして祭りとは楽しむものであると。その言葉を聞いた新人の頭には夏合宿中に参加した夏祭りを思い出した。確かに祭りは楽しかった、そして覚えている限りではオグリやテイオー達皆が笑顔であったと。

 オグリのイメージアップを考えていたが、果たしてそれに縛られて楽しい祭りとは作れるのだろうか。そういった思考がルドルフと別れ、朝日が登った頃になっても続いていた。

 

 今新人に出来る事は果たしてなんなのだろうか。

 今朝は生憎の雨であり、その雨も今日一日続くらしい。スマホで天気予報を確認して、電源を消す。

 

「オグリ達が楽しめる祭り、イベント……かぁ」

 

 電源の付いていないノートパソコンを前に新人は考え続けた。

 そうして時間が経ち気付けば先日と同じ様にチームで集まり、企画を出し合う時間になっていた。

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 今日の進行役はバクシンオーになった。理由としては他が立候補しなかったからである。そうして本日もファン感謝祭に向けた企画を出し合って行く。

 

「何か案はありますか!私は思い付きません!」

 

「結局そこに落ち着くんだよねぇ。ウチのチームだけでやるって言うのが中々辛いかも」

 

「その件なんだけどさ」

 

「なにトレーナー?」

 

「おハナさんや先輩(沖野)に頼れないかなって。後」

 

「……そこで区切らないでよ!?気になるじゃん!」

 

「ご、ごめん……オグリのイメージアップに拘るの辞めたいなって思って」

 

 それはルドルフの受け売りから始まったものだったが、新人も思う所が多かったのは事実だった。それ故にある種の制限とも言えたオグリのイメージアップと言うモノを排除する。

 

「……じゃあ完全に自由に考えて喋っていいんだな新人?」

 

「うん。ファン感謝祭は祭りらしいからね。やっぱりお祭りは楽しくなきゃね」

 

「よっしゃぁ!だったらアタシらのチームはイベント2つ3つくらいやろうぜ!」

 

「お話聞いてましたか!?僕今おハナさん達に頼るって言ったよね!?」

 

「バーカ!アタシらのチームだぞ?それもチーム全体でやる初めての試みってんだ、ここでやらなきゃ何がチームだ!それによ、今しか出来ねぇんだぞ?新しく出来たチームが単独でイベントをやり遂げるなんて事は!」

 

 新人の目にはゴルシの背後から出る炎が見えた。チームでやる全体での行事、確かにそれはその通りだった。けれど新人の不安感は募る。イベントの企画に対して何一つ案が思いつかないからだ。だからおハナ達にベテラントレーナーに頼ろうと考えていたし、新人トレーナーとしてはそれが正しい判断ではあったが、新しく出来たチームが単独でイベントをやり遂げたなら、それはそれで面白そうだと新人もまた考える。

 新人トレーナーで居られる時間は短い、ある程度したならば後輩として新しいトレーナーも増えて行く。そして新しいチームと言うのもまた同じく。今しか出来ないと言う事もまた事実だったから。

 

「どうだ新人、オグリ達も。()()()()じゃねぇか?」

 

「……私は乗った。初めから誰かの手を借りてやるのは、少し気が引けるしな」

 

「私もそれでいいと思います!学級委員長的に!」

 

「アイ・コピー♪やるなら皆でやりたいよね!」

 

「……って言ってるけど、トレーナー?」

 

 新人に問い掛ける様に聞くテイオーだったが、テイオーもまた楽しみになってるのか表情は明るかった。笑顔、と言うよりもにやけ顔だったが。そして新人もまた乗せられやすく、そして惹かれやすい人間でもあった。

 

「やろう!オグリのイメージアップに拘らずに、僕達は僕達のイベントを作ろう!チーム『流れ星』初めてのファン感謝祭の方針はこれで決まりっ!」

 

「よし来た!じゃあ各々イベント出してくぞぉ!」

 

おー!!

 

 そうしてチーム『流れ星』は一致団結して自分達も楽しめるイベントを出して行った。

 

「ミニライブとかどうかなトレーナー!」

 

「面白そう!テイオーの踊ってるとこ見たいし採用!」

 

「大食い大会!大食い大会だトレーナー!私やりたい!」

 

「採用!食べる物はドーナツだよね?」

 

「囲碁将棋やろうぜ!囲碁盤で将棋やんだよ!」

 

「ルールは任せた!採用!」

 

 そうして上がりきったテンションのままホワイトボードにイベントが書き込まれて行く。もう既にブレーキは壊れており、新人とテイオー、オグリとゴルシの4人が暴走していた。

 

「……うーん、ミニライブはトレーナーちゃんどうやってやるつもりなんだろ。囲碁将棋も初めからルール説明しなきゃいけないからパッとしないし……大食い大会ってマヤ達がやらなくても他のチームがやりそうな気がするし……バクシンオーちゃんはどう思う〜?」

 

「……私ですか?」

 

「うんうん♪バクシンオーちゃんだよ。何か思いついたりしてるんじゃないかなーって。マヤなんとなーくバクシンオーちゃんの考えたイベントが楽しそうなの分かっちゃったし♪」

 

 白熱する無差別イベント採用地獄とは他に、マヤノはバクシンオーと2人で静かに企画聞いていた。

 

「私ですか……うーん。正直パッとしないんですよねぇ」

 

「どこら辺がパッとしないのかな?」

 

「ファン感謝祭って言いますけど、具体的にどういうイベントなのかなって」

 

「……あー、トゥインクルシリーズを走ってるウマ娘達を応援してくれてるファン達に感謝を伝えるって言う感じなんだけど、確かにパッとしないかも」

 

「私学級委員長ですから、そこが気になってしまって」

 

「……学級委員長関係ある?」

 

「ちょわ!?あります!ありますとも!」

 

「でもそうだよね……ファン達に感謝を伝えるんだから、何をしたらマヤ達を応援してくれてる人達が喜んでマヤ達も楽しめるか……だもんねぇ」

 

 発案された企画を採用するだけのゴルシワールドと違い、マヤノとバクシンオーは根底から突き詰めて行く。バクシンオーは確かに頭驀進だが、それでもと言うべきか、それ故となるのか核心に迫る発言をする事がある。

 それをマヤノは分かって居た為に、バクシンオーと2人で話し合いをしていた。

 

「……今の所テイオーちゃんが出したミニライブが一番有力なのかな?」

 

「でもマヤノさんも言ってた通り、ミニライブって言う事はアレですよね?ライブ会場何かを作らないといけないから……」

 

「トレセン学園にもライブ会場あるけど、そこは流石に他のチームが使ってそうだし……」

 

「……大掛かりな物じゃなくて良いなら、体育館を使って出来ませんかね?」

 

「……音響機器とかは体育館で揃ってるだろうし、確かにそれなら出来るかも?でもミニライブって言うからには何かしら出したいよね……飾り付けとかはどうしよっか?」

 

「無くても良いんじゃないですか?今から振り付けとか歌を覚えるのに、飾り付けを考えている暇は無いと思いますし、やっぱりそこは私達に興味を持って下さったファンの方に見に来て貰いたいですし!」

 

「じゃあミニライブになりそうかな、初めはテイオーちゃんだったけど、やっぱりバクシンオーちゃんと話して正解だったね!」

 

「そ、そうですか?……その、照れますね」

 

「あ〜!赤くなってる〜♪バクシンオーちゃんか〜わいいんだ〜☆」

 

「か、揶揄わないで下さいよ!もぉ!」

 

 相手を褒めたりするのには慣れているバクシンオーだったが、自分が褒められるのは慣れていない様子だった。そして照れたバクシンオーの顔が可愛いと言う事でマヤノは写真を撮った。

 

「じゃ、後ろで混沌としてるトレーナーちゃん達に言いに行こっか?」

 

「……多過ぎでしょこのイベント量は」

 

 ホワイトボードに収まらず、最早その場のノリと勢いだけで決めてしまったが故に混沌を極めた新人達は床に倒れていた。何故そうなったのか。それは新人達にしか分からなかった。

 

 

 そうしてテイオーから出案されたが、実質マヤノとバクシンオーの考えたイベント『ミニライブ』が流れ星の初イベントとなるのだった。

 

「か、カロリーがエグい……こんな量のイベント出したら僕達死んじゃう……」

 

「その場のノリと勢いで決めたからだよ。とりあえず一つに絞ったからね!」

 

「それ僕の仕事ぉ!」

 

「私とマヤノさん二人で頑張りましたとも!」

 

「ボクが考えた企画なんだけどぉ!?」

 

「……アタシ達何の為にあんな叫んでたんだか」

 

「……ドーナツ……」

 

「後で2人で食いに行こうぜ……ヤケ食いだよ、体重50kgくらい増やして新人の胃を破壊してやろうぜ」

 

「……乗った」

 

 

 こうしてイベントがミニライブに決まり、後日大きなお腹で現れたゴルシとオグリを見て新人は胃を痛めたという。




 はい、流れ星のファン感謝祭イベントはミニライブとなりました!
 次回はトレーニング回にする予定です、お楽しみに。
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