純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミングラーメンほうれん草増し増し

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 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。違うんです、FGOの周回とか、エペの新シーズンでのランク上げとか、ウマ娘のチャンピオン戦育成とかで小説書くの怠ってた訳じゃ無いんです。いやその通りなんですけども。

 許してっ!


第百十四話

 急に出走登録をしたウマ娘、キングヘイローとそのトレーナーに色々と思う所があるが問題はそれだけじゃ無かった。

 

「……記事凄いなおい」

 

 前回行われたオグリへのインタビュー記事が予想以上に好意的な書き方をされていて、何か裏が有りそうで新人は怖かった。けれど何もマイナスに考える必要は無いとネガティブな方向に偏る思考を無理矢理切り替えて行く。今大事なのは菊花賞に向けた最後の調整であり、一番難しいのはオグリのメンタルサポートだと新人は考えていた。

 実際サポートをする必要が有るかと聞かれれば、新人は悩むがそれ以外にやれる事が無かったのだ。既に3000mを走り切れる体力に、最終直線での踏み込みタイミングは問題が無いと思っていたから。逆にコレから全く違う事を教えてしまうと逆に今まで練習して来たモノが邪魔になってしまうかもしれない。そう思うと余計に新しい事より今までの反復練習をすべきだと新人は考えた。

 

「勝てば官軍負ければ賊軍……かぁ。力こそパワージャスティス=正義見たいな感じだけど、そう考えるしか出来ないってのが僕の悪い所でも有るんだろうな。オグリにはクラシック三冠の最後、菊花賞を走るって事で一度しか体験出来ないレースだから楽しんで欲しいんだけど……そうも言ってられないだろうし」

 

 悩めば悩む程ドツボにハマっていった。

 そしてそんな悩める子羊(新人)を救ってくれるのは何時だって。

 

「いえーい!今日はいっちばんのりー!」

 

「おはようテイオー、元気そうでなにより」

 

「ん、おはようトレーナー。トレーナーは元気?眉間にシワ寄ってるけど」

 

「元気元気、元気だよ?」

 

 新人しか居なかった部屋に授業が終わったテイオーが何時もよりテンション高めで入室して来た。他愛無い会話を繰り広げて居ると、テイオーに眉間を指摘されるが、新人は否定した。

 

「なーに悩んでるのトレーナー」

 

「テイオー、いや別に悩んでる訳じゃないよ。たぶん」

 

「ふーん?トレーナーってさ誤魔化したりするとき相手の目見ようとしないよねぇ?」

 

「……そんな事ある?」

 

「無いよ?でも確認したって事は誤魔化してるって事じゃないの?」

 

「はぁ……そんなに分かりやすい?」

 

「いや、多分分かりにくい部類だと思うよ?他の人からしたらだけど。ま、ボクは無敵のテイオー様だからね!」

 

 別に新人は一人では無いのだから、迷ったとしても手を引いてくれる相手は居る。昔とは違うのだから。

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 一先ずテイオーに事のあらましを説明したが返ってきた反応と言えば。

 

「なるほどね、トレーナーってさー多分頭いいんだろうなけどバカだよね」

 

「……多分ってなに!?」

 

「だって頭良い所見た事無いんだもん!」

 

「いやいやいや!コレでも、こんなんでも一応トレーナースクール首席だからね!?」

 

「トレーナー試験とかは100点余裕でしょ?記憶力良いんだから。そんなの当てにならないよ!」

 

「ぐぬぬ……もう!人が真面目に話したのに!」

 

 仮にも成人した大人が若干涙目になりながら歳下であるウマ娘に対して言うセリフでは無かったが、女顔と言う事もありサマになってしまうのが難点だった。

 

「結局さー、トレーナーはオグリにレースを楽しんで欲しい訳でしょ?」

 

「そうだよ?何の柵も無く、単純にGIとか関係無くさ。今回一緒に走るメンバーも皆強いって言われてるウマ娘達ばっかりだもん、そんな相手と走れるのはウマ娘としては嬉しいんじゃない?」

 

「まぁそうだね。全員がそうかって聞かれれば違うだろうけど。少なくともボクは速い人達と走ったりするのは好きだよ。負ける気は無いし勝つ気しかしないけどさ!ふふん♪」

 

 新人とテイオーの認識は合致していたが全員がソレに含まれる訳では無いと言うことだけは確かだった。オグリは恐らく自分達側だと思っているし、なんならオグリの口からも強いウマ娘と走りたいと言う言葉は聞いていたから余計に。

 

「はいはーいマヤきったよー♪ありゃ、マヤ二番目?」

 

「おっはよー、一番乗りはボクでした!」

 

「おはようマヤノ。一番乗りって言ってるけど、誰よりも早く部屋に居たのは僕だから実質僕が一番だよ」

 

「「それは当たり前でしょ(当然なんだよ)!?」」

 

 何処で張り合ってるのか。チーム部屋以外に寮の自室しか落ち着ける場所が無い新人は基本チーム部屋に居ると言うのに、授業が終わらないとチーム部屋に来ない彼女達に対して言うセリフでは無かった。

 そして何時からか当然の様に窓から入って来るウマ娘が居た。

 

「ぴすぴーす!ゴルシちゃんとーじょー!」

 

「おはよう諸君。私より遅く来たウマ娘はいるかい?いたら是非とも私の作った歌が上手くなるであろう飲み薬を飲んで欲しいんだが」

 

「情報量!情報量が凄い!割らなかったのは偉いって言えるけど当然だって事思い出しちゃったよ!」

 

「今更だよモルモットくん。それはそうと紅茶はまだかい?」

 

「今!?紅茶位自分で作ってよ!」

 

「おはよう、バクシンオーは補習を逃げてたのもあってエアグルーヴに捕まって生徒会室に連れて行かれたぞ」

 

「んんんん!?補習!?そんなの聞いてないんだけど!?」

 

「言ってなかったからな。今日も元気そうでなによりだトレーナー」

 

「そうかそうか、バクシンオーくんは補習か……記憶力の上がる薬でも作ってあげようかな」

 

「取り敢えず新人の管理不行き届きって事で、焼肉食いに行こうぜ。新人の奢りで」

 

「はい!ボク特上カルビ食べたい!」

 

「マヤはサラダ食べたいなー」

 

「焼肉に行ってサラダを食べるって正気かマヤノ!肉を食べるんだ!トレーナーが焼いてくれるからな!きっと!」

 

「ついていけない!話の流れについていけないよ!後焼肉は行かないから!もうお財布が軽いのやだぁ!!!」

 

 突然明かされるバクシンオーの補習案件。そしてバクシンオーに何を飲ませるのか、実に楽しそうに微笑むタキオン。そもそもバクシンオーが補習を受けたのは新人の所為だと言って焼肉を食べに行こうとするゴルシ達。ひたすら叫ばされている新人。

 

 流れ星はいつもの様に騒がしかった。

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

「基礎問題だ、クラシック三冠で初めのレースの名前は?」

 

「バクシン賞!」

 

「そんなモノは無い!何でそんな賞が有ると思った!?」

 

「私学級委員長ですから!」

 

「学級委員長は関係無いからな!?」

 

 新人の代わりに最低限補習を脱せる様に勉強を教えていたエアグルーヴのやる気は大いに下がっていた。果たしてルドルフの洒落を聞かされた際と何方が下がるのか。

 何方にせよ頭痛が痛くなるのはエアグルーヴなのだが。

 

「ブライアン!なんで私と一緒に教えると言っていたブライアンは居ないんだ!」

 

 それはバクシンオーの不思議頭に着いて来れなくなったので、先に帰ったからです。

 

「バクシン賞って距離は何になるんでしょうか!」

 

「だか……あぁもう!普通自分の担当が生徒会室に連れて行かれたら、迎えに来るんじゃないのか!?」

 

 生徒会室からエアグルーヴの叫び声が止むのは当分後になったのだった。




 全然関係無いけどデジタル引きたくて40連回したら何故かブルボンが来ました、なんで?

 

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