純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 火曜水曜木曜金曜と投稿を休み続けた癖に毎日投稿を謳ってる投稿者が居るらしい。
 後作者が余りにも馬鹿で書かなきゃ行けない文すっ飛ばしてたのを此処にお詫びします。恐らくなんですが、菊花賞までのカウントダウンを書いてなかったと思うんです。
 fate/ZEROリスペクトで菊花賞までの時間を書こうとか思ってた癖にそれが書き込まれてないのを下書き欄にて確認したので、恐らく本文にも書かれてません。今更やるのも作者のプライドが許さないので書きませんが、次のレースが決まり次第やらせて頂きます。
 読者の方々に完成してもいない話を読ませてしまった事、深くお詫びさせて頂きます。今後無い様に致しますので、お許し下さい。

 と言う訳で作者の言い訳はこれにて終いです。本編へどうぞ。


第百二十話

 新人にとって練習やトレーニングとはレースに勝つ為の手段であり、その中でもチーム内での競走が一番効率が良いとさえ思っていた。

 ルドルフにコーナリングの指摘を受けた今でさえそれは揺らがないモノではあるが、競走結果を見て見れば自身の怠慢を認めざるを得なかった。

 

 ゴルシとオグリが同着な訳が無いと分かっているが故に、またどうしようも無い事を悔いる。新人はゴルシにシメられた後すっかり暗くなったトレセン学園の芝の上で目を覚ました。

 

「……やっぱり僕だけじゃ無くて、他のトレーナーのトレーニング方法も聞かないとダメなのかな」

 

 そんな事を態々教えてくれるトレーナーがいるとは思えないけど、と続けた。それもまた事実であり、初めに先輩方にコネクションを繋げなかった新人が百割悪かった。その後も愛想良くしているならまだしも、挑発には挑発を、自分の傍には頼りになるウマ娘も居るのだからなんて高を括った結果がこれだ。

 とは言え実力社会であるトレーナー職だが、デビュー戦を担当しているウマ娘全員1着を取っている新人を認める者は少なかった。

 初めから敵対している人間がどれ程好成績を収めようと、それを見た者達が認め認識を改めるというのは遠かった。一人ポツンと芝の上に座り込む新人だったが、何処からか声が聞こえて来たので重たくなった腰を上げた。

 

「……もう八時なのに、まだトレーニングしてるの?」

 

 寮の門限を一時間過ぎているが、ちゃんと了承は取ってるのかな。等と思考を逃がしながら音の方向へと足を進めた。

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 初めに、キングヘイローのトレーナーである男はトレーナー能力の低い男とだけ残しておく。理由は簡単であり、端的に言えば彼の性格に合うウマ娘が居なかったと言うのが一番の理由であり、原因だ。

 彼は元々父親がトレーナーであり、母親がレース場関係者だった。故に初めは自分こそが最高のトレーナーだと疑わなかったが、トレセン学園に来てからその自信は打ちのめされた。

 何せ絶対に越えられない壁としてチーム『リギル』のトレーナーであるおハナが居たからである。初めは自分もルドルフが担当なら好成績を残せると思っていたが、それが間違いだと気付いた。

 ウマ娘は個人で伸びる部分が違う、けれど彼はそれを知ってはいたが理解はして居らず、初めて担当したウマ娘にルドルフと同じトレーニングをさせていたのだから。

 

 結果として彼の元からウマ娘は去った、そうして去ったウマ娘は他のトレーナーの元で上手くやっている。それを見た彼は自身のエゴと過剰な程に膨れ上がっていた自尊心が砕けた。

 結果としてキングヘイローと出会い、彼は泣き落としの様な形でキングヘイローを担当にした。その後はキングヘイローと二人三脚でひたすらトレーニングを重ね、彼女を真の王様(キング)にしようとしている。

 その為に超距離適性の低いキングヘイローとどうしたら長距離を走り切り、その上で1着が取れるかの研究を重ねている。

 

「……キング、タイムが12秒落ちたぞ」

 

「はっはぁ……わ、かってる……」

 

「少し休憩しよう。もしくは明日に回そう。そうでもしないと脚が持たなくなる……」

 

「分かってるわ……後一本、3000走らせて、もう少し、もう少しで掴めそうなの……セイウンスカイさんの背中が、あと少しで抜けそうなのよ」

 

 脚は震え、靴は抉れた芝と土で薄汚れていたがキングトレーナーが視線をズラすと、同じ様に汚れた靴が積まれていた。キングヘイローが履いている靴は六足目だった。

 

 キングヘイローの額や頬を撫で落ちる汗は芝の上へと吸い込まれて行く。見ているだけのキングトレーナーでさえ、興奮と熱狂で汗が流れていた。

 

「……じゃ、行くわよ!」

 

「分かった、ゴーゴーキーング!レッツゴーキングー!」

 

「レース中にそんな掛け声してみなさい!貴方とのパートナー解消するわよ!」

 

「キングコールは必修科目だって言ったろ!?」

 

「度があるわよ!」

 

 そうしてキングヘイローはまた走り出した。キングトレーナーはタイマーを自身の胸に押し当てて、そのサマを見続けた。

 

 

 そうしてそんな二人を見て居た新人は、確かな距離が有るのを感じ、自分とキングトレーナーとの距離が余りにも離れている様に見えて一人息を飲んだ。それと同時に鬼気迫る走りを見せるキングヘイローの走りに、心が震えた。

 

 

 キングトレーナーは確かに失敗したが、ソレを元に確かな一歩を踏み出しただった。

 決して新人が手を抜いて居た訳じゃない、けれど確かに距離は開いていた。開いてしまっていた。

 コーナーを曲がる姿が美しく見えた。上り坂を登る際のフォームが余りにも苛烈で瞳の奥が痺れる様だった。直線を駆け抜ける姿に、菊花賞と言うタイトルを見た。

 

 ネクタイを握り締める新人の手が震える。心に熱いモノが込み上げてくるのが確かに有った。悔しかったのか、それとも見惚れてしまって興奮しているのか、はたまたその何方でも無いのか。

 歯を食いしばった新人は——。

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

「……おはようトレーナー。急な呼び出しだったが、どうかしたのか?」

 

 キングヘイローのトレーニング風景を見て真っ先にしたことは、オグリを呼び出す事だった。迎えに行こうとも考えたが、オグリに決めて欲しかったからだ。

 

「ちょっと二人で見に行きたい物があって」

 

「……?」

 

 そうしてオグリの手を引いて向かった先は、後一本と言っていたのに、未だ走り最後は倒れ込むキングヘイローに駆け寄るトレーナーの姿だった。

 

「……どう思う?」

 

「……ジャージで来て正解だったな」

 

「……ごめん、明日の方が良いかなって思ったんだけど」

 

「いいや、それは違う」

 

 オグリが新人の言葉を遮って言葉を続けた。その瞳に確かな色をつけて。

 

「トレーナーは私の道標だ。そんなトレーナーが私を呼んだ。それはきっと私に必要な事だったからだろう?なら私は疑わない。トレーナーの決定した事に私は逆らわない」

 

 それは絶対的な信頼、信用と言い換えても良い。新人の瞳には迷いは無かった。口では迷っていたと言った癖に、実の所オグリは絶対に自分が思い描いた通りに心を通わせてくれると信じていたから。

 

「僕は君が、オグリが菊花賞で勝つ為に」

「私はトレーナーと初めにした約束を守る為に」

 

今から無茶をするんだ(此処からまた始めるんだ)

 

 1着を取らせると言って、取れなかったレースが有った。オグリは中央を去り故郷に帰るつもりだったが、新人がそれを変えた。

 1着を取らせると言って、取らせて上げられなかったレースが有った。新人はそれからレース中に恐怖を感じる様になった。

 

 けれど菊花賞と言うレースで共に走る相手が自分達よりも努力しているのを見て、やらないと言う選択を取れる程二人は弱くは無かった。

 菊花賞はもう目前に迫っている、最早時間は無い。それでも、それでも尚二人は自分達を戒める。

 

「トレーナー、私は何をしたらいい?何をしたらトレーナーとの約束を守れる」

 

「……コーナーの練習からしよう。速度を落としても良いからほんの少しでいい、オグリの最高の走りが見たいから」

 

「分かった、ならやろう」

 

「オグリに駆け抜けて欲しいんだ」

 

 そう、それは夜空を駆ける流れ星の様に。

 

 その言葉を残して二人はもう誰も居ない芝の上へと向かって行った。

 

 




 新人くんとキングトレーナーは似た者同士です。違うのは背負ったモノと失ったモノが有るか無いか。
 

 初期のプロットだと此処で残り時間25/33/4秒って書かれてる筈だったんだよなぁ。
 どうしてそういう細かいネタを疎かにするのか。
 つまりあと二話で菊花賞です。ものすっごい悔しい。作者の怠慢であり大敗北です。
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