純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 トレーナーとしての初めの一歩。


第十四話

 足はやにトレーナー室へと向かう。

 不安が無いといえば嘘になる、だって昨日と今日の僕は少し違うと思うから。

 

 有り体に言えば受け入れて貰えるか不安なんだ。

 頭の中で作ったトレーニングを楽しんで貰えるか怖いんだ。

 

 でも怖がっていても何も変わらない、怖がって足踏みをして自分に失望していたって結局自分が苦しくなるだけだ。

 結局自分を慰めようとするだけ。

 

 なら初めから不安で良いと思ったんだ。

 不安は拭えない、なら無理に拭わなくていい。

 

 怖くても失望されても、失望しても。

 僕は僕なのだから、言い訳なんてしなくていい。

 

 擦れ違うウマ娘達を横目で見ながら覚えて行く。

 頭の中でそのウマ娘達のファイルを作って行く。

 デビュー前、シニア級、クラシック級。

 擦れ違うウマ娘が多ければ多い程頭の中にはその子達の特徴や、所属しているであろうチームに結び付く。

 

 どの娘達も素晴らしいし、凄いと思うけれど僕が勧誘したウマ娘達だって凄い娘達なんだから。

 

 不安で少し頭の中が可笑しくなりながらも、何とかトレーナー室に辿り着く。

 

 中から声が聞こえて来た。

 

今日はトレーナーちゃん来るのかなぁ……

 

来ると思うけど、どうかなぁ……

 

また他のチームに混ざってトレーニングするのかな?マヤちん嫌だなぁ〜

 

マヤノはリギルの方に行ってるんだっけ?一緒にスピカの方に来たら良かったのに

 

トレーナーちゃんのトレーニング受けに来たのに他のトレーナーのトレーニング受けても、マヤちんテイクオフ出来ないんだよね〜テイオーちゃんはどうなの?

 

まぁ、ボクも分からなくもないけど。はぁトレーナー早く来ないかなぁ

 

 扉越しだから少し聞き取り辛かったけれど、トウカイテイオーとマヤノトップガンはもう居るみたいだ。

 

 オグリキャップはまだなのか、それとも昨日のウマ娘と二人で競走しているのかは分からないけれど、扉の前で入るタイミングを見極める様としたけれど、それを辞めた。

 

 

 タイミングなんて自分で作る物なんだから……!

 

 それに、トウカイテイオーもマヤノトップガンも僕を待ってくれてるんだから……!

 

 意を決して扉を開いた。

 

「ぉ、おはようっ!ふた、二人共はや、早いね!」

 

 声は震えたし噛み噛みだし散々だったけれど、急な出来事に驚いた二人の顔がおもしろくて笑ってしまいそうになった。

 けれどそんな物は直ぐに引っ込む。

 

 主に恐怖心で。

 

「…………」

 

「……もう大丈夫なの?」

 

「大丈夫、しん、心配掛けてごめんなさい。新人トレーナー、トレーナーとしての職務に復帰します……復帰、して良いですか……?」

 

 徐々に言葉は小さくなってしまったけれど、それでも聞かなきゃいけない。

 僕は自分の意思で二人を勧誘したのに関わらず、放っておいた挙句自分の都合が良くなった途端こうして来たのだから。

 

 トウカイテイオーも、マヤノトップガンも何も答えない。

 暫くして、二人は顔を見合せて立ち上がる。

 

 ……必死に震えを抑え込む。

 これは僕の勝手で起こった事だ、もしも二人がチームを抜けると言っても僕はトレーナーとして、僕として見送らなきゃいけない。

 

トレーナー!(トレーナーちゃん!)

 

「ぴゃいっ!?」

 

 いきなりの大声で掠れた声が出てしまった。

 

「おはよう!」

 

「ねぇねぇトレーナーちゃん!今日はどんなトレーニングをマヤ達にしたいの?マヤちん今日はとびきり頑張っちゃうよ〜♪」

 

 二人はにこやかに応えてくれたけれど、僕は自分の不安を拭えなかった。

 今までも、そうして表面上取り繕った関係が多かったから。

 だから不安で、嫌われて居ないか心配で。

 

「……その、ほんとに僕がトレーニング……して、その……良いの?」

 

 もうしないと決めたのに、僕は俯く。

 やっぱりダメだ、そう簡単に癖は抜けないし、不安を拭い去る事なんて上手く出来ない。

 

 おもわず拳を握り締める、何かに耐える時拳を握っていると、ほんの少しだけ安心出来たから。

 

 少しだけ顔を上げて二人を見ると、僕の方に向かって足を動かした瞬間だった、それが堪らなく怖くて一瞬身体が強ばった。

 

 瞼を強く閉じると、握り締めていた拳が包み込まれ、拳を開かれた。

 

 ゆっくりと瞼を開けば、目の前にはトウカイテイオーとマヤノトップガンが居た。

 この部屋には僕とその二人しかいないから、当たり前なんだけど、怖いと何も考えたく無くなるんだ。

 

「ボク達のトレーナーはキミでしょ?」

 

「マヤちん達を見付けて勧誘したのも、トレーナーちゃんなんだから!」

 

だから大丈夫だよ!(トレーニングやろうよ☆)

 

「……っ……ごめん、ごめ、んなさ……ウグ……ゥ……」

 

「なんで泣くの!?」

 

「トレーナーちゃん!?ほら、その、笑って笑って、ほらにこ〜!」

 

「うぇえええぇ……こわ、こわがっだよぉおお!」

 

「……怖かったのはボク達もなんだよなぁ……トレーナーに何かしちゃったかと思って心配してたんだから……」

 

「マヤちんなんて心配で良く眠れなかったんだよ?」

 

「とか言いつつ昨日もマヤノは晩御飯食べたら速攻で寝てたよね」

 

「むむ、途中で何回も起きたもん!安眠出来てなかったもーん!」

 

「ごめ、ごめん……僕の所為であん、安眠させられなくて、ごめん……ごめんなさい……」

 

「わぁあ!!違うよ!?トレーナーちゃんの所為じゃないから、ね?」

 

 

 二人に繋がれた手が暖かくて、涙が込み上げてしまったんだ。

 僕が耐えている時、こうして傍に来てくれたのは、僕の手を握ってくれたのは初めてだったから。

 

 とても暖かくて、優しくて、嬉しくて、涙が止まらなかったんだ。

 

 

「……どういう、状況なんだ?」

 

 聞き覚えのある声が聞こえて振り返れば、そこに居たのは心底困惑した様子でトレーナー室へ入って来たのはオグリキャップだった。

 既に着替えておりジャージ姿だったが、来る前から自主トレをしていたのか汚れていた。

 

「あっ!オグリ!トレーナー泣き止ますの手伝ってよ!」

 

「……なんでトレーナーが泣いてるんだ?お腹でも痛いのか……?」

 

「お腹は痛くないんじゃないかな!?」

 

「あのー、私もう入ってもいいですか?」

 

「ん、あぁ、多分問題無いから入っていいと思う」

 

「この状況で問題無いと思うのオグリ!?」

 

 何処かで聞いた覚えのある声がした。

 記憶を遡れば——確かにあった。

 

「はい!サクラバクシンオーです!チーム加入希望です!」

 

「……えっと、よぅ、ようこそ……?」

 

 余りの速さで加入申請書を目の前に突き出してくるから、涙は止まった。

 と言うか自分で言うのも何だけどこのタイミングで加入希望する……?

 

 

 

「共に爆進しましょう!」

 

「ばく、ばくしん……?」

 

「ハイ!」

 

 

 

 泣かされるわ、泣き止まされるわ、心配されるわ、加入申請書を突き付けられるわで、色々内心ぐちゃぐちゃになっていたけれど、僕のチームにサクラバクシンオーが入ったと言う事だけは確かだった。

 

 

 

 

 

 




 ここ最近なんか可笑しいなと思ったんだよ。
 毎日投稿してて頭バグってたんだと思うけど、起承転結がなってない事に漸く気付いた。
 起承で一話書いて、転結で一話書かれてる事があって割と物書きとして致命的な致命傷負ってる。

 今回はちゃんと起承転結出来てると思う。

 読み辛い、読みにくい物書いて申し訳ない。
 これから一層気を付けて行きます。

 感想、評価ありがとうございます。
 モチベになるのでもっとくれ、ください。

 あと今後一話で起承転結が終わらなければ、前編後編に分けます。
 予約投稿時間は基本的に12時から動きませんが、前編後編に別れる場合、前編12時、後編22時を目安にします。
 御迷惑お掛けしますが、今後ともよろしくお願い致します。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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