純情ハートとウマ娘(凍結) 作:ゲーミング
チーム『流れ星』、新人トレーナーである僕が作ったチームであり、勧誘から大幅に出遅れながらも注目株達が集うチーム。
そんなチームに、新たな星が加わった。
それが彼女、サクラバクシンオーだった。
「あの、君は、その……チーム無所属……だったの?」
「いいえ!チームには入ってました!でも昨日オグリキャップさんと走ってて、もっと走りたいなーと思いましたので抜けて来ました!」
「……oh……えっと、そのチームの人達には……何か言われなかった?」
「応援してるとだけ言われました!」
「そ、そっか……オグリキャップは、その……知ってたの?」
「あぁ、他チームに所属していたのは昨日聞いていた。今朝突然私のチームに入りたいと言っていたから、案内したんだが……まさかもう既にチームから抜けているとは思ってなかった」
今回に関しては僕は何もしてないし、本当に何も出来て居なかったんだけど待望の4人目が来てくれたのは嬉しかった。
出来れば今日じゃない方が良かったんだけど……。
「それで今日のトレーニングは何ですかトレーナーさん!」
「気が早いね!?」
「学級委員長ですから!」
「学級委員長だからかぁ……いや関係無いよね?」
危うく納得しかけたけれど、絶対関係ないと思うんだ。
今日のトレーニングどうしよ、サクラバクシンオーが入るなら偶数になるからやれる事は増えるけれど……。
「それで今日のトレーニングは何ですか!トレーナーさん!」
「待って、考えてる」
「トレーナーさん!」
「聞いてるから、ちょっと……」
初めに計画してたのはスピカのチームトレーニングを参考に、次にレース出走するオグリキャップの為のトレーニング、そしてトウカイテイオーやマヤノトップガンにはそのサポート兼トレーニングを、と考えていたけれどもう少し別の動きが出来そうだ。
「トレーナーちゃん?」
「待って……」
「トレーナー?」
「……うん」
柔軟から初めて芝2000の競走を休憩10分挟んで5回。
その後はオグリキャップを先頭ににミニハードル500mを5本。
それが終わればオグリキャップは芝1600の記録測定、トウカイテイオーとマヤノトップガンはオグリキャップと同じタイミングで走らせるけどトウカイテイオーは三冠目標の為に3000m、マヤノトップガンは2400mの距離を同時に走らせる予定だったんだけど……。
「先に私達は柔軟をして置こう、トレーナーのトレーニングを待ってる間だから軽くになるが」
「あ、イイね。じゃあオグリの柔軟ボクが手伝うよ」
「ありがとうテイオー」
「マヤちんも一緒にやる〜☆」
少し変えて——。
「トレーナーさん!今日のトレーニングは」
「だからちょ、待ってよ……ってサクラバクシンオーしか居ないじゃん!?」
「はい!皆さん柔軟しに行きました!」
「……うわぁ、凄い。僕が指示しなくてもトレーニングやってるよ……」
「それで、私は何のトレーニングをすればいいですか?」
「……サクラバクシンオーも柔軟に混ざって来て欲しい。柔軟が終わったらトレーニングの指示を出すから、ね?」
「はい!爆進して来ます!」
「ばく、ばくしん?柔軟だよ?分かってる!?」
そうして勢い良くトレーナー室の扉を開けて飛び出して行くサクラバクシンオー。
今まで知り合ったウマ娘達とも少し違うタイプだけど、悪い子じゃないのは確かだ。
……いや、人の話聞かない所はゴールドシップに似てる……?
いや彼奴は特別か。
取り敢えずスマホでトレセン学園サイトからサクラバクシンオーを検索し、得意距離と作戦を確認する。
短距離型で逃げのサクラバクシンオー。
彼女を活かしたイカしたトレーニングを考えるのは少し大変そうだ。
活かした……イカした……ふふ。
何気無く頭の中で考えた洒落に一人で笑いながら僕もまた、トレーナー室を後にした。
◆❖◇◇❖◆
天気は快晴、見上げた空は青くて綺麗だ。
眩しい陽射しが僕の目を刺すけれど、それもまた悪い気はしなかった。
トウカイテイオー達は既に柔軟が終わったのか、既に整列して待っていた。
そんな事しなくても良いのに。
「あ、トレーナーちゃーん!柔軟し終わったよ♪」
「うん、お疲れ様。じゃあトレーニングを開始するからね」
「何か久しぶりって感じするよねぇ、トレーナーのトレーニング受けるの」
「……ごめんなさい……」
「あ、えっと、そう言う意味で言った訳じゃ無いよ!」
トウカイテイオーに痛い所を突かれ、若干気不味くなるけれど、それは僕が腐ってたからで僕以外の誰かが悪い訳じゃ無いから。
慌てて此方に歩いて来るトウカイテイオーの頭を数回叩いて、皆の方に顔を向ける。
「先ずは2000mの競走から入るけれど、サクラバクシンオーは大丈夫?明日のトレーニングはサクラバクシンオーの事も考えて作るから、今日の競走に関しては参加するか選んで欲しい」
「もちろんやりますとも!私は長距離もこなせますからね!」
「……あ、うん。取り敢えず作戦は逃げで良いから、じゃあ始めようか!」
そうしてウマ娘達は各自スタート位置に着く。
初めて見たオグリキャップの走りは、周りに他のウマ娘達が居なかったから出来た走りだと思うけれど、あの走りをもう一度、今度はレースで見たい。
その為にも先ずは落ちている体力を戻しつつ、周りにウマ娘が居る環境に慣れてもらう。
それに慣れたら……後は僕の仕事だ。
けれど、彼女の傷をどうにかする手段は何となく分かっているから。
「スタート!」
その掛け声で芝を皆は芝を蹴り出した。
先ず先頭を行ったのはサクラバクシンオー。
その逃げは確かに強い、けれど彼女は短距離型。
恐らく途中でバテる事は確実だ、本当はオグリキャップとサクラバクシンオーの二人と、トウカイテイオーとマヤノトップガンの二人の競走で分けようかと思ったけれど、今日は敢えて四人全員で競走して貰う。
長距離もこなせる、サクラバクシンオーはそう言ったけれど恐らくそれは無理だと思う。
そうこう考えてる内に800mを通過しており、コーナーを曲がって先頭に立っているのは変わらずサクラバクシンオー。
続いてマヤノトップガン、一バ身離れてトウカイテイオー。
トウカイテイオーから二バ身離れて最下位オグリキャップ。
順当に行けば着順として、オグリキャップ、トウカイテイオー、マヤノトップガン、サクラバクシンオーの順になるけれどそれは理想であって現実じゃない。
今回はきっと、トウカイテイオー、マヤノトップガン、3着としてサクラバクシンオーとオグリキャップはほぼ同着になる筈だ。
それだけオグリキャップは枷が繋がれている。
早くその枷を外して上げたいけれど、僕はきっと何も出来ないから……。
そうして最終コーナーを超えて最後の直線へと駆けていく。
先頭だったサクラバクシンオーは息を荒らげながらも、意地で前を走っていたけれどマヤノトップガンに抜かされてしまい、そのマヤノトップガンも外からトウカイテイオーに抜かされて行く。
オグリキャップは途中凄い勢いで走り込んで居たけれど途中で足から力が抜けて行く。
そうしてやはりと言うか、心苦しかったけれど想像通りの着順になった。
「へへん1着もーらい♪」
「うぅ、テイオーちゃんにまた負けちゃったぁ!トレーナーちゃん慰めてぇ……」
「ぜぇ、ぜ……うぷ……ば、ばくし、爆進が……」
「……くっ……」
「皆お疲れ様。休憩10分を取ったら今度はトウカイテイオーとマヤノトップガンは2000mで、オグリキャップとサクラバクシンオーは1600mを走ってもらうよ。スタート位置は同じにするけど距離が違うからややこしくなるけど大丈夫?」
少しトレーニングを変える。
このままサクラバクシンオーの脚質に合わない距離を走らせ続けたら疲労が溜まるだけだ。
オグリキャップとやっぱり走り辛そうに見えたから、この二人は少し短めにしてスピードに乗る事だけを考えて貰おう。
「……分かった」
「ううう……今度こそ爆進してみせますから!」
「うん、サクラバクシンオーの爆進、間近で見れるのを期待してるよ。」
「任せてください!私の爆進をお見せしますから!」
額に汗を浮かべながらも大きく笑うサクラバクシンオー。
……あぁ、なんか、本当に良い娘なんだなと改めて思った。
「……オグリキャップはやっぱりまだ辛い?」
「……いや、大丈夫だ、きっと貴方の期待に応える」
そう言うオグリキャップは少し表情が硬かった。
あの日に言った事は本心からだったけれど、そんな顔をさせたくて言った訳じゃ無いんだ。
だから。
「オグリキャップ」
「なんだ……?」
「
「……分かった」
逆にトウカイテイオーとマヤノトップガンは、変わらず2000を走らせる。
「トレーナーちゃんなーぐーさーめーてー!」
「トレーナーほーめーてー!1着取ったんだよ!ボクが!」
二人の体力の底上げも有るけど、この二人は良いライバルになり……なり……そう?
トウカイテイオーとマヤノトップガンに迫られながらも、取り敢えず休憩時間を過ごした。
集いし星が新たな力を呼び起こす!光さす道となれ!
ミニハードルのトレーニングはカット。
レースの実況考えるの楽しみ。
感想、評価ありがとうございます。
お気に入り登録もいつの間にか500人を超えて作者として大変嬉しく思います。
もっと感想頂戴♡
新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート
-
1番人気ライスシャワー
-
2番人気キタサンブラック
-
同じく2番人気メジロドーベル
-
大穴カレンチャン