純情ハートとウマ娘(凍結) 作:ゲーミング
前後編だけど、後編は明日投稿します。
許して
チーム『流れ星』に休日がやって来た。
この日はチームメンバー全員が休みであり、各々休息を取るという名目で休みとなっている。
実際の所はオグリキャップのレース前日なので、身体をしっかり休んで欲しいという理由だったが。
「……休日……か……何をしようか……」
オグリキャップ自身、休日をどう過ごしていたか上手く思い出せ無くなっている。
そうして焦り始め——最終的には。
「……トレーニングでもしようか」
昔の様に休日を過ごしていたなら、タマモクロスやスーパークリーク達とご飯を食べに行ったり、色々な事が出来たと言うのに。
今のオグリキャップにはそれが思い付かない。
トレーニングで、練習で上手く行っていない事が気に掛かり、どうしても他の事に手が付かない。
一先ずオグリキャップはジャージに着替え、ウマ娘寮から出て行く。
早朝の気持ちのいい朝だった。
外の天気はとても良い、空は白く霞み、オグリキャップ以外の足音が聞こえない。
明日がレースの日だなんて、思えない程良い天気だった。
◆❖◇◇❖◆
トレセン学園に着いたオグリキャップは、取り敢えずトレーナー室へと足を運んだ。
いつも通りの足取りで、昨日と同じ気分のまま。
そして目の当たりにする。
「……何故扉が外れているんだ……?しかもこの跡は、蹄鉄……?」
昨夜起きた
一瞬何がどうなってこうなっているのか理解出来ず、立ち尽くす。
しかし直ぐに動き出し、外れた扉を付けようとする。
その結果——。
「……いや、何でセロハンテープで扉を付けようと思ったんだ……?」
扉にはそれはそれは夥しい量のセロハンテープが着いており、何とか扉を取り付けようと頑張った形跡があった。
それは新人トレーナーが役目を終え、ゴルシを寮へと送り届けた後に一人で頑張って取り付けようとした結果でもあった。
最終的にはセロハンテープでの応急処置の様な何かになったし、途中で諦めた様な形であったが。
「……取り敢えず剥がすか……外れた扉をセロハンテープで付けようなんて考えるとは……意外と、はまら、ない……!」
そう、本来なら外す事なんて考慮していない扉なのだから取り付けるのは中々に難しい物だった。
と言うより扉が歪んでいるから取り付けられないと言うのが正しいが。
四苦八苦しているオグリキャップだったが。
「……あれ、オグリキャップ?どうしたの……?」
「っ、トレーナー……」
そんなオグリキャップの背後に新人トレーナーが現れたのだった。
「え、なんで、え?いや、待って……???」
「……休日を、その、貰ったんだが……何をすれば良いのか……」
「いや、いや、それは良いんだよ。なんで、その……扉直そうとしてるの……?あれ、もしかして昨日の見てた……?」
「……いや、何も知らないが……」
「それなら……良かったぁ……」
新人は昨日の行動を一部トレーナーと、ゴールドシップ以外には秘密にしたい理由があった。
そんな事を知らないオグリキャップは、当然原因を聞いてしまう。
「……何故扉が外れているんだ?それにこのセロハンテープの跡は……?」
「……扉は蹴破られて、嵌め込もうとしたら扉が嵌らなくて、仕方ないからセロハンテープで応急処置してた……んです」
「……なるほど……?」
「だから、あの…………扉直すの、手伝ってください」
綺麗に直角のお辞儀を披露する新人トレーナー。
それを見るオグリキャップ、その片手には外れた扉を支えながら。
全てはゴールドシップが原因であり、その原因を招いたのは新人トレーナーだった、故にこれは新人トレーナーが悪かった。
「手伝おう」
「ありがとう……」
そうしてまずは扉に張り付いているセロハンテープを剥がし始める。
何故ガムテープを使わなかったのか、そもそも何でセロハンテープで行けると思ったのかは謎だが、オグリキャップは新人の行っていた奇行を新人と二人で無くしていく。
「取り敢えず、トレーナーは扉を持っていてくれないか。嵌め込もう」
「うん、良いよ……って、お゛も゛っ」
何とか扉を持ち上げ嵌め込む体制にまで持っていくが、やはり扉が歪んでしまっていて上手く嵌らない。
実際の所は蹴破った際に生じた歪みと、壊れてしまった金具が嵌らない為に直せないのだ。
「……歪んでるからか」
「押してもだめそうだね……いや何となく分かってたけど」
新人は既に金具が壊れている事を知っている。
知っているが、どうにか周りに知られずに直したいのだ。
主に理事長やたづなさんにバレたく無い。
「……ふむ、トレーナー」
「なに?」
「扉の端を持っていてくれないか?私が離せと言ったら離して欲しい」
「……嫌な予感するんだけど」
そう言ってオグリキャップは新人に扉を渡し、距離を空ける。
そうしてオグリキャップは充分な距離が空いた所で、助走を付け——。
「え、え?え!?まっ、待ってオグリキャップゥ!」
「トレーナー離してくれ!」
「ぴゃい!」
カサマツにてダートを走っていたオグリキャップの脚から放たれる、飛び蹴り。
当然扉は吹き飛ぶ。
次いでに新人も吹き飛んだ。
「……良し」
「何も良くないよ!?やるならやるって言ってよ!というか何で蹴った!?言え!なんでだ!」
「いや、だって……扉が歪んでるから嵌らないなら、逆方向から蹴って歪みを直したら良いんじゃないかと」
「なるほどね?確かに逆方向から蹴れば歪み直るかも知れないからね。確かにそれは正しい……」
「そうだろう?」
「訳ないじゃん!蹴ったら直る?そうはならんでしょ!」
「いや、そうなってるじゃ……」
「ならん!!!でしょ!!!」
「……ごめんなさい」
「というか金具壊れてるから嵌らないって言わなかったっけ!何で蹴った!」
「言われてない……」
「……あー……」
ションボリとするオグリキャップを見ながら、うつ伏せで寝転がる新人。
見上げている首が悲鳴を上げていた。
「……業者に頼むね……」
「……すまない」
「いや、僕が悪かった……ごめんよオグリキャップ……」
何とも言えない午前となったのだった。
おとぼけキャップ。
半ギレトレーナー。
新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート
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