純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 バクシン的お悩み相談、新人の経験。


第二章『チーム流れ星』
第二十二話


 5月の半ば、早ければもうメイクデビューを果たしたウマ娘達がレースに向けてのトレーニングに励む頃。

 僕は1人頭を抱えていた。

 

「どうしよう、最後に勧誘する相手決めてたけど、いざやろうと思うと意外と動けない……」

 

 勧誘する相手は決まってる。

 けれど足を動かせない、何せトレーナーとしてどうかと思う様な勧誘をするから。

 トウカイテイオー、マヤノトップガン、オグリキャップ、サクラバクシンオー、そしてトレーナーの僕。

 これが今のチーム『流れ星』のメンバーであり、後1人足りないチーム。

 まだ正式なチーム登録をして居ないから、まだ仮称なんだけど、それでもやっぱりトレーナー、僕個人としては6月になる前に勧誘はしておきたい。

 

「何かお悩みですか?」

 

「バクシンオー?もうトレーニングの時間になったのか……」

 

「はい!今回も私が1番です!学級委員長ですから!」

 

「……よく聞くけど、その学級委員長だからって言う理由は分かんないや……」

 

 バクシンオーがトレーニングしに来たのを今気付く位には、考え込んでたみたいだ。

 なにしてんだろ僕。

 1度溜息を吐いて重たくなっていた腰を上げる。

 バクシンオーが来たって事は、もうそろそろ——。

 

「おはようトレーナー、バクシンオー」

 

「オグリキャップさん!おはようございます!」

 

「おはようオグリ」

 

 今日はジャージ姿では無くトレセンの制服を着たオグリが入ってくる。

 バクシンオーから貰ったカチューシャのお陰で前が見やすいけど、やっぱりまだ慣れない。

 未だに初めてトウカイテイオーやマヤノトップガン達と髪を上げた状態で会った時の事が忘れられない。

 夢に出てくるんだ。

 

 トウカイテイオーは瞳孔が開いて、マヤノトップガンは何度も瞬きをして……バクシンオーは普通に挨拶してくれたけど。

 オグリに至っては何か言おうとしてたけど、結局何も言わなかった。

 あの時の空気は未だに身体が覚えていて、割と早々に忘れたい記憶になってる。

 バクシンオーとお揃いのカチューシャだったから、マヤノトップガンには滅茶苦茶詰め寄られて聞かれるし、瞳孔が開いたトウカイテイオーは微動だにしなくなってたし。

 

「トウカイテイオーサマがー……来たっ!」

 

「マヤちんとーじょー♪」

 

「トウカイテイオー、マヤノトップガンもおはよう」

 

おっはよー!(おはよー♪)

 

 そうして皆が揃い、僕はトレーニングを開始しようと声を掛ける——筈だったんだけど。

 

「そう言えばトレーナーさんは何を悩んでたんですか?」

 

「……いやぁ、トレーニングには関係な、無いし……うん」

 

「トレーナーが悩んでいるなら手を貸そう。お腹でも減っているのか?」

 

「違うよ?手を貸すってご飯を奢るとかそういう事じゃないからね?」

 

「あ、もしかしてトレーニング内容決めてないとかー?トレーナーは仕方ないなぁ!このテイオーサマがトレーニングを決めようじゃないか!」

 

「いやもう決まってるし、トウカイテイオーがトレーニング決めたら競走しかしないでしょ?ここ最近オグリに負け続けて再戦しまくってるし」

 

「まけ、負けてないもん!マヤノとの競走に乱入してくるオグリが悪いんだもん!」

 

「ならまた走ろう。テイオーと走るのは楽しいからな」

 

「ぐぬぬ、次こそボクが1着取るからね!」

 

「バクシンですね!バクシン!」

 

 ここ最近はオグリがチーム内で1番速いウマ娘になっている。

 元々持っている柔らかい足に、芝を抉る程の踏み込む力強さと、1600mを走り終わった次の瞬間にはトウカイテイオーとマヤノトップガンの競走2000mに乱入して1着をもぎ取る様な事をしている。

 乱入しちゃダメとは言ってないから、僕は全然構わないんだけどトウカイテイオーとマヤノトップガンは負けるといっつも悔しそうにするんだよね。

 

 チーム内でライバルが出来ると競い合って良いと思うんだけど、どうなんだろう。

 そもそもオグリとトウカイテイオー達ってライバルになるのかな……。

 

「トレーナーちゃん?」

 

「はきっ!はい、はい?なに?マヤノトップガン」

 

「それで何を悩んでたの〜?マヤちん気になるなぁ☆」

 

 マヤノトップガンの言葉でキャットファイト……ウマ娘ファイト?をしていた2人と、それを見てたバクシンオーが僕を見る。

 注目されるのは苦手なんだけど、コレも慣れなきゃいけないんだろうなぁ。

 でも果たして言うべきなんだろうか。

 実は最後に勧誘する相手は決まってるんだけど、その相手が問題で中々勧誘しに行けない……なんて事。

 

 自分の担当ウマ娘達を巻き込んでまで、やるべきなんだろうか?

 そんな事は僕が自分の力でやるべき事で、皆にはトレーニングを受けて貰った方がいいんじゃないだろうか?

 

「トレーナー」

 

「オグリ?」

 

 悩んでいるといつの間にかオグリが僕の前に立っていた。

 その後ろにはトウカイテイオー達が立っていて、同じく僕を見ている。

 

「トレーナーが何を悩んでいるかは分からないが、私達は力になれないだろうか?」

 

「バクシンの力をお貸ししましょう!だからトレーナーさんは自分の悩みを話すと良いですよ!学級委員長的な勘です!」

 

「ボクもトレーナーが悩んでるなら手伝いたいなぁ。だってトレーナーには1番になるボクをちゃーんと見てて欲しいからね!」

 

 ——悩んでいたら、それを解決する為に手を差し伸べてくれる。

 こんな経験殆ど無いから、どうしたら良いか分からなくなる。

 どう答えたら良いか分からなくて、ただ瞬きだけが繰り返される。

 

「トレーナーちゃん」

 

「……なに?」

 

 僕を見ていたマヤノトップガンが一歩前に出て来る。

 

「ユーコピー?」

 

「…………」

 

 ニコリと笑って言われる言葉、その言葉の意味はニュアンス的にしか知らないけれど。

 けど、何となく、頼っても良いかなと思ったんだ。

 経験が無いなら、コレから積めばいい。

 皆も、そして僕も、チームなんだから。

 

 

「……実はね」

 

 

 そうして僕は自分の悩み、勧誘について皆に伝えたんだ。

 

 

 

 

 




 サクラバクシンオーの育成が上手く行きません誰か助け(以下略)

 感想が来る度に書く意欲が湧いてくる。
 感想書いてくださってる方々、本当にありがとうございます。
 お陰様でモチベが減りません。
 今話から第二章『チーム流れ星』編が始まります。

 新人の勧誘最後の一人とは——。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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