純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 黄金の船と帝王の意地。


第二十九話

 ——正直な話、僕はゴルシを舐めていたと言わざるを得なかった。

 事の発端なんて、なんてことも無い会話から始まった。

 そう言えばゴルシがちゃんと走ってるの見るの、初めてかも、楽しみ。って言っただけだったんだ。

 たったそれだけだったんだけど、なんか僕自身何がゴルシに火を付けたのか分からないけれど。

 

「しゃあ!また1着貰い!」

 

「なん、だと……」

 

「むぅ……」

 

 メンバーが5人になった事により、競走の組み分けをまた変えてトウカイテイオー、マヤノトップガン、ゴールドシップの3人で走って貰ったが。

 結果はゴールドシップの圧勝と言う結果になった。

 

 これは先輩のトレーニングが良かったのか、素材(ゴルシ)が良かったのか。

 それとも両方か。

 

「どーよ新人!ゴルシちゃんの実力は!」

 

「……そのドヤ辞めてよ」

 

 圧倒的(6センチ)な身長差と、顎を上げて行われるドヤ顔。

 なんなんだコイツは……あぁ、ゴルシか……。

 

「もうあんなのワープだよワープ!ズルいよゴルシ!」

 

「後ろからいきなりおっきな足音と一緒に来るのは、実際マヤちん怖かったよぉ……」

 

「このチームのリーダーウマ娘は、このゴールドシップ様が頂くぜ!そう言う約束したよなしーんじん!」

 

「してないし、このチームのリーダーウマ娘なんて決める気も無いんだけど?」

 

 何が起こったかと言うと、ゴルシは追い込みをしただけ。

 トウカイテイオーとマヤノトップガンが競り合っている所に、大外から走って来た。

 本当にそれだけ、なんだけど、追い越したタイミングが絶妙だったと言うか。

 外から見てれば抜いたなって分かるけど、トウカイテイオーからしたらちょっと見え辛かったのかも知れない。

 もっと視野を広げてあげなきゃ。

 

「ゴールドシップ」

 

「ん?どしたオグリ」

 

「私とも走らないか?」

 

「オグリ?」

 

「トレーナー、私がゴールドシップと走りたいんだ。ダメか?」

 

「いや、良いけど……」

 

 僕のチームで1番強いと思うのはオグリだけど、今はどうか分からなくなってる。

 ゴルシが悪い。

 

「なら決まりだな。ゴールドシップと私の——」

 

「ボクも走る!走りたーいー!」

 

「……テイオーもか?」

 

「ふぉっふぉっふぉっ、ゴルシちゃん的には誰が来ても良いゴルシよ」

 

「くぅ〜此処で負けっぱなしなのは悔しいもん!」

 

「……じゃあトウカイテイオーとオグリ、ゴルシの3人で……距離はどうしようか」

 

「トレーナーに任せよう」

 

「バクシンできるように短距離なんかどうですか!」

 

「ボクはヤダよ?すぐ終わっちゃうもん」

 

「ちょわ!?」

 

「アタシもテンション上がる前に終わっちまう競走はなぁ」

 

「ちょわわ!?」

 

 バクシンオーの短距離提案は放っておいて、どうしようか。

 3人とも中距離も長距離も出来そうな気がするんだよね。

 けどトウカイテイオーのスタミナが心配だ、此処で無理をさせるのはしたくない。

 現状長距離走れそうなのはオグリ位だし、ゴルシはまだ長距離走らせてないから分からない。

 

「じゃあ取り敢えず変わらず2000mで行こうか。マヤノトップガンとバクシンオーはスタート位置とゴール位置をお願いしても大丈夫?」

 

「アイ・コピー♪任せてトレーナーちゃん!」

 

「バクシン的にOKです!」

 

「じゃあ始めようか」

 

 そう言って皆指定の場所へ向かって行った。

 個人的には此処最近の競走で2着しか取れていないトウカイテイオーを応援したいけど、ゴルシがどういった展開をするのかも注目したい。

 日常的なゴールドシップは知ってるけど、走ってる時のゴルシは余り知らないから。

 

 そんな事を考えながら、スタートを掛けた。

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 新人の掛けた号令により、各ウマ娘が一斉にスタートを決める。

 先ず抜きん出たのはトウカイテイオーだった、今回のメンバーの作戦では1番前に近いからこそ、トウカイテイオーが前を張っていた。

 その後ろにピッタリくっついて行くのがオグリキャップ。

 更に後方、その位置からどうして1着を狙えるんだと聞きたくなるどバ身か開く中、本当に楽しそうに走るゴールドシップが居た。

 

 コーナーを曲がって来たのはトウカイテイオー。

 そのすぐ後ろにオグリキャップ、凡そ3バ身離れてゴールドシップ。

 依然トウカイテイオーが先頭であった。

 

「トウカイテイオーさんバクシンしてますね!」

 

「そうだね、スタート係ありがとうバクシンオー」

 

「いえいえ!学級委員長ですから!それにしても見事なバクシンっぷりです。バクシンポイント10あげたいです!」

 

「……なに、その、バクシンポイントって」

 

「はい!勿論バクシンポイントはどれだけバクシンしたかで付けるポイントの事です!実はですね100バクシンポイント貯めると……貯めると……特に思い付きませんね」

 

「無駄じゃん!?」

 

 サクラバクシンオーとの会話を楽しむ新人だったが、競走からは一切目を離していなかった。

 と言うよりも離せなかったが正しい。

 才能の塊であり、努力をしているトウカイテイオー。

 過去を乗り越え、誰よりもパワーに秀でているオグリキャップ。

 そして全くもって未知数のゴールドシップ。

 この3人の競走を見逃したくないと、新人の魂が惹き付けられて止まないのだ。

 

「……そろそろだね」

 

「オグリキャップさんのスパートも始まりますし、ゴールドシップさんの追い込みも来ますからね。トウカイテイオーさんにこのままバクシンして貰いたいです!」

 

 サクラバクシンオーの言葉に新人は頷いた。

 そして最終コーナーを曲がるトウカイテイオー。

 その後ろ——いや隣にはオグリキャップが並んでいた。

 

「抜かされちゃう……っ」

 

「ふぁいとー!!バクシンですよー!」

 

 ゴール係であるマヤノトップガンの距離まで、目測400mになった瞬間。

 

「ゴールドシップ!」

 

「追い上げが凄いですよ!?50バクシンポイントを差し上げます!」

 

「もうそれ良いよ!」

 

 先頭を奪ったオグリキャップに追いすがり、抜く気満々で笑みを浮かべながら走るゴールドシップが外からやって来た。

 トウカイテイオーも前を狙っているが、オグリキャップとゴールドシップの2人が前を塞いでしまっていて、上手く抜け出せていない。

 

 残り200。

 ゴールドシップが大きく踏み込み、オグリキャップを抜かす。

 だがオグリキャップも姿勢を更に低くし、芝を抉る様な力で前に進んでいた。

 

「わ、わわわ!?ご、ゴール!トレーナーちゃん!」

 

「……写真でも無いと判断付かないかな……同着って事で」

 

「くっそー!抜かせたと思った!オグリすげぇな!また一緒に走ろうぜ!」

 

「あぁ、こんなに競り合ったのは久しぶりだ。とても楽しかった」

 

「オグリキャップさん!?それ私の事余裕で抜いてるって言ってませんか!?」

 

「……いや、そんな事は無いぞ?」

 

「その間が証拠ですよっ!!」

 

 サクラバクシンオーがオグリキャップの元へ走って行く。

 何やら言い争いをしていたが、新人の耳には届かない。

 興奮もした、魅せられた、けれど。

 

「トレーナーちゃん!」

 

 ゴール係だったマヤノトップガンが棒立ちになっている新人の元へ歩いて来ていた。

 

「……どうかした?」

 

「マヤちんのセリフだよ?元気無さそうにしてたから、マヤちんしんぱーい」

 

「……ちょっとね」

 

 新人の目は、トウカイテイオーしか映っていなかった。

 




 レース実況を新人とバクシンの2人でやらせたかったけど、ちょっと違う気がした()

 テイオーの勧誘シーンが見たいって感想に来てましたが、大丈夫です。
 次の話で出ますから()

 安心してね♡

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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