純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

39 / 128
 晴れ時々曇り後トウカイテイオー。


第三十四話

 その日はやって来た。

 前日は雨が降ったが、朝が来れば太陽が空を照らしていた。

 

 楽しみで仕方が無い今日、テイオーのデビュー戦。

 

「承認!外出を許可する!帰ってくるまでがメイクデビューだ!気を付けてな!」

 

「ぁり、りがとうございます」

 

「……新人さん、また噛んでますよ」

 

「新人!存分に担当ウマ娘の晴れ姿を見て来るが良い!」

 

「……ありがとう、ございます」

 

 何度も会っているし、その度に話をしているのに未だに理事長、たづなさんとの会話が上手く行かない。

 たづなさんだけなら出来るけど、理事長の声に押されちゃうんだよね。

 もっとしっかりしないと。

 

「失礼しま、しました」

 

 最後に頭を下げて退室する。

 面接の時もそうだったけど理事長の堂々とした姿は、凄く憧れる。

 僕もあんな風になれるだろうか。

 

 

「やぁやぁ、新人くん」

 

「ぁ、え、と……おはようござ、います」

 

「HAHAHA、そんなに緊張しなくてもいい。今日メイクデビューを共に走るのはウマ娘達だが、育てたのは紛れも無く私達だ。新人トレーナーのウチから何人ものウマ娘を育てるのは大変だったろう?その成果が今日出ると良いね。新人くん」

 

「あぁ、そうそう。君はもう少し()()()()()()()()()()。私の様にね!」

 

「…………はい、あの、よろし、宜しくお願いします」

 

「ふっ……私の胸は貸せないからな、自分の担当ウマ娘に慰めてもらう準備をして置いて損は無いぞ?ではまた」

 

 言ってる事もやってる事も無茶苦茶だ。

 緊張しなくていい?だったら僕を睨むな、喋りかけるな。

 僕を見て、嗤うな。

 

 ベテラントレーナーは僕の横を通り過ぎて行く。

 ヤケに鼻を突く香水の匂いと、横目で哂われた。

 

「……大丈夫、テイオーだもん。僕のチームは、流れ星は何処のチームにも負けない輝きを持ってるから……!」

 

 両拳を握って、足早に駆け出した。

 テイオー達に会いに、メイクデビューの迎えに行くんだ。

 大丈夫、大丈夫だ、僕は独りなんかじゃない。

 

 

 

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 

 芝2000m、天気は晴れ。

 バ場状態は前日の雨も有り稍重バ場。

 重バ場じゃ無かったと安心すべきなのか、結局天気が良い日が続いた所為で知識でしか走り方が分からないのを憂うべきなのか。

 

 頑張れ、以外何の言葉も出て来ない僕の頭を恨めば良いのか。

 

「……よし、じゃあ行ってくるね!」

 

「テイオーちゃーん☆」

 

「走る環境が変われば、疲れ方も変わってくる。そこを注意して行くといい」

 

「ありがとオグリ!マヤノもね」

 

 そう言ってテイオーはマヤノトップガンやオグリに手を振る。

 僕が言おうとしてた事、オグリに全部言われちゃったよ。

 ……オグリが言うまで、思い付いてなかったから僕は言えなかったろうけど。

 

「テイオーさん!」

 

「ピャ!?」

 

「ひゃん!?」

 

 僕の背後からいきなり大きな声が響く。

 テイオーと僕が叫ぶと。

 

「す、すいません。ちょっと大きく呼び過ぎました……」

 

ビックリした……(驚いたぁ……)

 

「テイオーさん!バクシンですよ!」

 

「……うん、バクシンして来るよ!」

 

 そう言って2人は親指を立て合う。

 やっぱり、良いなこう言うの。

 

 そうしてテイオーはゲートインをする……所に。

 

「なに近所の干からびたおじいちゃん見たいな顔してんだおめぇはよぉ?」

 

 いつの間にか僕の隣に立っていたゴルシ。

 ホントに神出鬼没だなぁ。

 

「……絡んで来ないでよゴルシ」

 

「テイオー!1着取ったらご褒美有るってよー!」

 

「ほんと!?」

 

「なに、なんにも言ってないよ!?……まぁ、うん」

 

「ヤッター!」

 

 もうみんなゲートインしてるんだから、早く行きなさいって。

 ふと、周りを見渡すと、先輩とおハナさんが居た。

 その隣に……今朝絡んできた人も居た。

 

 ……なんで先輩達と一緒に居るんだよ。

 

「……おい、顔こえぇぞ

 

 耳元で囁くような声が聞こえた。

 やだ、くすぐったい。

 音がした方へ首を回すと。

 

「……ぇ?」

 

テイオーのメイクデビューなんだ、お前がそんな顔してどうすんだ。取り敢えず形だけでも笑っとけよ()()()()()

 

 獰猛な?好戦的な……?なんかよく分からないけど、かっこよく笑うゴルシが居た。

 怖い顔、してたんだ。

 軽く息を吐いて、大きく息を吸う。

 

 皆は各々テイオーに声を掛けてた。

 なら僕だって、声をかけるべきだ、テイオーのトレーナーとして、いや……ファンのひとりとして。

 

 

『各ウマ娘ゲートイン完了しました』

 

 たづなさんの声が聞こえて来た。

 あの人実況も出来るの?いや、凄いな……。

 

『出走するのはデビュー前のウマ娘達ですが、どのウマ娘も良い仕上がりをしています。此処から彼女達のトゥインクルシリーズが始まるのです!』

 

 

 感心してたら、もう時間が無くなっちゃってる!

 幸いゲートインを完了したテイオーとの距離はそんなに空いていない、空いてないけど……!

 

「かんばれっ!テイオー!」

 

『芝2000m!メイクデビュースタートです!』

 

 

 テイオーの晴れ舞台が始まった。




 次回レース実況。
 先輩トレーナーやおハナさんは新人の噂や評価は知ってるけど、そこまで気にしてない。
 というか寧ろそんな噂話してるならウマ娘の事を考えたトレーニングを考えろって思考。

 ベテラントレーナーが2人の隣に居るのはたまたまです。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。