純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 前回の続き+‪α。


第三十五話

 テイオーのメイクデビューが終わり、教えた覚えはなかったけれどウイニングライブもしっかりとやり通した次の日。

 マヤノトップガンのメイクデビューが始まった。

 ダンス練習、やっぱりやった覚えが無いんだけど、大丈夫かな。

 いやダメでしょ()

 

『残り800!先頭はマヤノトップガン!マヤノトップガン強い!後続をぐんぐん引き離していきます!』

 

「バクシン!」

 

「ピャ!?っ、もう!バクシンオーはボクの耳元で叫ばないでよ!?」

 

「あれこそバクシンですよ!」

 

「ボクの話聞いてくれる!?」

 

 まだまだテイオーは甘いなぁ、こうなった時の為に耳栓を持ってくる用意周到さを身に付けておかないと。

 実は僕も持って来てなくて、マヤノトップガンがくれたんだけど。

 

『残り400m!依然先頭はマヤノトップガン!2番のウマ娘とどれだけ離れているか、もう分かりません!』

 

「凄いな、私達との競走してる時よりずっと速いぞ」

 

「アレじゃね?観客が居るか居ないかの違いじゃねぇの?今度から新人とバクシンオーにサイリウム持たせて、ゴール地点で踊ってて貰おうぜ。やる気出て来るかも知れないだろ?」

 

「それは……気が散るから辞めて欲しいな。トレーナー」

 

「やらないよ!?ぼく、僕がやると思ったの!?」

 

「やめろと言われたので私はやりません!」

 

「やる気あったの!?」

 

 マヤノトップガンのメイクデビューは、最早マヤノトップガンの独壇場見たいな気がした。

 テイオーとほぼおなじ距離走ってるのに、初めから最後まで速度が落ちずに加速しかしてないんだもん。

 競り合う所も無くて、ひたすらゴールバーに向かって走ってる感じがした。

 マヤノトップガンの作戦は逃げになりそう、というかなってるな。

 

『そしてマヤノトップガンがゴール!凄まじい強さを見せ付けての勝利となりました!2着は——』

 

「流れ星2番目も勝てたね、トレーナー」

 

「うん。じゅ、ん調だね」

 

「また噛んでるぞ」

 

「……分かってるよ、もう」

 

「良し、マヤノのライブを見に行こうか」

 

「オグリにさんせー!」

 

「ですね!バクシンして見せたマヤノトップガンさんのライブですから、応援する私達もバクシンしましょう!」

 

 そう言って、オグリとテイオー、バクシンオーはライブ会場へと足早に行ってしまった。

 僕が言おうと思った事オグリに言われちゃった。

 ……あれ?僕このチームのトレーナーなんだよね……?マヤノトップガンへの応援とかも、テイオーの時と同じくがんばれ、としか言えなかったし。

 

「……僕何も言ってない気がする……」

 

「口下手なお前が悪い。今度アタシとコミュ力上昇合宿でもやるか!もちろん合宿費はお前持ちな」

 

「行かないしやらないよ?」

 

「テイオーやマヤノにはご褒美あんのに、ゴルシちゃんには無いのぉ?贔屓はダ・メ・だ・ぞ♡」

 

 さて、テイオー達を追い掛けないとね。(ガンスルー)

 何時までも此処で油打ってられないし、ウイニングライブを見るからにはセンターで踊るマヤノトップガン見たいし。

 

 

「おいちゃんと聞けよ、おい!おぉい!聞けって!ゴルシちゃんの貴重なデレシーンだぞ!おい!」

 

「自分で言っちゃダメでしょ……バカゴルシ」

 

 絶対ゴルシと2人でお出掛けなんてしないからな、1から10まで引っ掻き回されて連れ回されるの確定なんだから。

 もっと、なんか……こう、欲しい物とかじゃダメなのかな。

 

 

 そう言えばテイオーのご褒美って聞いてなかったっけ、後で聞かなきゃ。

 

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 テイオー、僕、オグリ、バクシンオーの順で横一列に並ぶ。

 何故かゴルシは僕の後ろに居るけど、別に何かして来る訳じゃないから気にしないでおこう。

 ゴルシだけメイクデビューにねじ込めなかったから、3日連続デビューとは行かなかったけれど、そこは仕方ないと割り切ろう。

 じゃないと色々もたない。

 

「という訳でトレーナー、ちゃんとサイリウム持ってね」

 

「あの、ぇ……どういう訳で?」

 

「ボクのライブ中トレーナーずぅっとボーッとしてただけだったでしょ!マヤノのライブはちゃんとサイリウム振って」

 

「ごめ、ごめんなさい」

 

「そう言ってやるなテイオー。トレーナーもきっと初めての経験だったんだ。トレーナーの代わりに私達が振っていたから寂しくはなかっただろう?」

 

「そういう問題じゃないんだよオグリ!やっぱり1番はトレーナー後カイチョーに応援して貰わなきゃ元気出ないんだよ!カイチョーもサイリウムは振らないけど、その分ちゃーんと見てくれるもんね」

 

 恥ずかしいんだよね、サイリウム振るの。

 他のトレーナーだってやってないから、僕もやらなくて良くない?

 と言うかサイリウムなんて振ったって別に何も変わらないし、身長低い(165cm)僕なんかじゃきっと見えないから。

 最前列に居たって、きっと見えない。

 多分、きっと、恐らく、メイビー。

 

「じゃあトレーナーさんの手にサイリウムを持たせる所から始める訳ですね!」

 

「え?」

 

「取り敢えず新人の手にサイリウム持たせろ」

 

「ちょっと!?」

 

 ゴルシがそう言うと、真後ろからゴルシに両腕をホールドされた状態で抱かれる。

 右側はテイオー、左はオグリに手を捕まれ、何かを握らされる。

 サイリウムだ。

 だからなんで!?

 

「暴れんな、暴れんなよ」

 

「バカ!お前ホントばか!やめ、ヤメロォ!!」

 

「ん?ナイス?」

 

「言ってない!」

 

「あ、サイリウム持たせたらしっかり握り締めてくれ。後はアタシがセロハンで止めるから」

 

「どこ、何処からセロハン出て来るの!?」

 

「もう!トレーナー暴れちゃダメ!」

 

「そうだ、3人に囲まれてる。トレーナーは勝てない。諦めてサイリウムを持つんだ」

 

「やだ!ねぇやだ!恥ずかしい!」

 

「今のこの状況の方が恥ずかしい気がするんですが、トレーナーさんはコレより恥ずかしいんですか?」

 

「…………」

 

 バクシンオーの一言で頭の中が空っぽになり、あれこれされてしまった。

 両手の指の間にサイリウムを挟まれ、セロハンテープで固められる。

 右手に4本、左手に4本、合計8本のサイリウムが取り付けられた。

 

 なに、この状況は。

 

「ほら、マヤノ出て来たよ!」

 

「マ!ヤ!ノ!」

 

 隣でオグリがサイリウムを振っている。

 気付けば周りの人達も皆サイリウムを振っていた。

 

「マ!ヤ!ノ!」

 

「ト!ッ!プ!ガ!ン!」

 

『マヤノトップガン!』

 

 テイオー、ゴルシと続き、最後は観客達と皆がハモってマヤノトップガンの名前を呼んでいた。

 ちらほらマヤノトップガン以外の名前も聞こえたけれど、マヤノトップガンの名前に全部掻き消されてた。

 

「バクシーン!」

 

 それは違くない?

 マヤノトップガンが出て来た、目が合った?

 

(トレーナーちゃん?今のマヤちん、キラキラしてる?)

 

 ライブ衣装を着たマヤノトップガンはとても可憐で、もうオグリやテイオーのライブ衣装を見てたから平気だと思っていたけれど。

 全然そんな事は無かった、凄く可愛いと思いました。

 

「トレーナーも!」

 

「え、あ、ぁ、あぁ!えっ、ま、ま!や!の!とっぷがん!」

 

「すげぇな、こんな時でも律儀にフルネーム言ってら」

 

 おだまりゴルシ。

 

 両手を振ってマヤノトップガンを応援する。

 曲が始まり、ライブが開始された。

 

 マヤノトップガンは、確かに僕が教えた覚えのないダンスをしていたけれど、今はどうでも良かった。

 

 テイオーも、マヤノトップガンもセンター(1着)になった。

 それが何よりも嬉しくて今この時だけはサイリウムを振る恥ずかしさを忘れて、全力で応援出来てた。

 

 

 がんばれ、がんばれマヤノ。

 キラキラしてる君を見て、僕はワクワクしてる。

 きっとそれは他の人達も、テイオーやオグリ達も一緒な筈だから。

 

『マ!ヤ!ノ!』

 

『マ!ヤ!ノ!』

 

「マ!ヤ!ノ!トップガン!」

 

 僕達の声が掻き消える程の音量で響く曲と、マイクを通して聞こえるマヤノトップガンの声で僕の心は満たされてた。

 

 

 

 

「……やっべぇ、新人可笑しくなっちまった。踊り狂ってんじゃん……これゴルシちゃんの所為だったりする?いや、関係ねぇだろ。そう言えば新人ってこんな感じではっちゃけてた気がするし、いつも通りだな……ヨシ!」

 

 

 全部聞こえてるからなゴルシ。

 




 無限に眠い。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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