純情ハートとウマ娘(凍結)   作:ゲーミング

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 レッド・ホット・ゴルシちゃんレース。


第四十三話

 ゴルシのメイクデビューが始まる。けど何か不安になってしまって朝会ったのにまたゴルシに会いに来てしまった。

 パドックに行く他のウマ娘達の邪魔にならない様にしながら、ゴルシを探す。

 

「ゴルシ」

 

「んお、新人じゃん。なんだよお前らゴルシちゃんの事好き過ぎるだろ」

 

「お前ら?」

 

「さっきテイオーやオグリも来たんだぜ。ガンバレーゴルシちゃーんって感じでよ。今のゴルシちゃんは気合い100%のパーフェクトゴルシ様だぜ!」

 

「……入れ違っちゃったのかな。まぁ、良いや……どう?」

 

「主語が抜けてんだよ」

 

「……ゴルシに突っ込まれるの滅茶苦茶悔しいんだけど、その通りだからなん、何にも言えない……!」

 

「悔しいでしょうね」

 

 この野郎……ニヤニヤするの辞めろ。なんか負けた気がするから、何に負けたのか分かんないけど。

 何時ものジャージじゃなく、体操着なのが地味に違和感だけどゴルシが勝負服とか貰ったら違和感凄そう。

 頭ゴルシの事だから、なんだろう……『勝負』とか書いた勝負服自作してきそうな気がするんだよね。

 いや、そんな事有り得ないと思う……あり、有り得ないよね?勝負服はデザイナーが作るんだもんね?大丈夫だよね……。

 

「ま、このゴールドシップサマに任せなさい。アタクシが夜空を駆ける流れ星の様に華麗な勝利を収めて見せますから、オホホホ」

 

「……ほんとに大丈夫かよ」

 

「アタシを信じろ。お前が信じるアタシを。アタシの足は天を衝く足だからな」

 

 ニヤニヤを潜めて、真剣な表情をするゴルシだったけど、そのすぐ後にニヤリと笑っていた。

 ……ゴルシに一瞬呑まれかけた。

 

 緊張してるかな、とか思ってきたけど、全然大丈夫そうで安心した。

 

「意味が分かんないけど……うん、がんばって、1着取ったら僕に出来る事ならなるべくやるから」

 

「……なるべく?」

 

「……うん?」

 

 あれ、流れ変わった?

 

「おいおいおい、なるべくじゃダメだろやる気下がったわ。はー、新人のやる気の無さがゴルシちゃんにも映っちまったなぁ。あーあー、アタシはメイクデビュー勝てないのかー。残念だなー、残念だなぁ」

 

 なんだお前。

 

「なんだお前」

 

「ほら、もっとあんだろ?ゴルシちゃんのやる気上げる様な言葉が」

 

「え、え?え……えぇ……」

 

「さーん」

 

「カウントダウンあるの!?え、あ」

 

「にー」

 

「まって、待ってよ!え、なんで僕が焦らされてんの!?え?」

 

「いーち」

 

 いやホントに待ってよ、え、何がダメだったの?

 僕別に財閥の息子とかじゃないからお金に限り有るし、流石に何でもかんでも出来る訳じゃないんだよ。

 というか目を糸目にしながら顎を左右にスライドさせる様な動きして煽るな。

 

「ぜ」

 

「わかった!分かったから!何でもするよ!僕ゴルシが勝てるなら何でもするから!」

 

「よし来た!見てろよ新人!言質取ったかんな!」

 

 そう言ってゴルシは足早にパドックに、いや足速!?

 走ってる訳じゃないのに速すぎでしょ、なんなんだホントに……。

 

 なんだか嫌な予感がして、僕のYシャツの下に来ているTシャツがじっとりと湿る感覚がした。

 

「……本当に大丈夫かな」

 

 主に何でもするなんて言った事に対して。

 

 

 

 

 

◆❖◇◇❖◆

 

 

 

 芝2000m、天気晴れ、バ場状態、良バ場。

 出走ウマ娘数は10名。

 ゴールドシップは外枠7番、ゲートインを嫌がる素振りは無かったけど僕の不安は消えて居なかった。

 

 ゲートイン完了、とのアナウンスが入る。

 等々だ、テイオーが走り、マヤノトップガンが走り、最後はゴールドシップが走る。

 本当はゴルシの前にバクシンオーのレースを見たかったけれど、僕の行動が遅過ぎた。

 

「ゴルシ……」

 

「大丈夫だよトレーナー」

 

「テイオー……うん、分かってるんだけど。信じてるんだけど……」

 

「ボクもマヤノも勝ったんだよ?ゴルシが勝てない訳ないよ!だからほら、笑顔笑顔」

 

「……うん」

 

 そうしてゲートインが完了しているゴルシに目を向ける。

 目が合った、親指を立ててサムズアップしてた。

 それに対して苦笑を返したら、人差し指を1本立ててた。

 

 1着を取るってポーズ、大丈夫、信じてるから。

 

 そう思って一瞬目を離した、その瞬間だった。

 

『各ウマ娘一斉にスタートしました……あぁ!』

 

 なに!?あ……。

 

『7番ゴールドシップが転倒!ゲートが開いた瞬間に転倒しました!』

 

「ゴルシのバカー!」

 

 彼奴散々カッコつけといて転んでるじゃん!とんでもねぇゲート難だよ彼奴!

 

「不味いな……いやこの焼きそばは美味しいんだが」

 

「聞いてないよオグリ。後持ちきれないからってバクシンオーに荷物持たせちゃダメでしょ!」

 

「大丈夫です!学級委員長ですから!」

 

「そうだ、それにバクシンオーにも分けるつもりで一緒に買いに行ったからな」

 

 オグリが食べ物を分ける……?トレーニング中の休憩時間に僕が作ったおにぎり食べてて、テイオー達に分けなかったオグリが……?

 

『ゴールドシップ立ち上がりました、今現在ゴールドシップは最後方で何とか追い付こうとしている状態です』

 

『これは中々厳しくなって来ましたね。ゴールドシップと前のウマ娘のバ身差は凡そ9バ身程離れてますから、此処から追い上げてもラストスパートで更に追い上げる事を考えると、スタミナが持つか不安です』

 

 ……ゴルシが負けるかもって話してるけどさ。

 

「……ゴルシが負ける訳無いよ……」

 

「トレーナーちゃんトレーナーちゃん」

 

「……なに?」

 

「また顔怖くなってるよ?トレーナーちゃんは笑顔が1番カワイイから、笑ってた方がきっとゴルシちゃんも走り易いってマヤちん思うな☆」

 

 そう言って僕にウィンクするマヤノトップガン。

 笑顔、笑顔か……そう、だよね。

 ちょっとイラッと来たけど、僕が不安な顔してても仕方ないんだから。

 

『さぁ第3コーナーに入った!最後尾は以前ゴールドシップ!前のウマ娘との差はもう無いぞ!此処から追い抜く事は出来るのか!』

 

『凄いですね、あの差を縮めて更に追い抜こうとしてます』

 

 最後のコーナー、初めに出て来たのはゼッケン番号3番のウマ娘。

 ずっと先頭を走り続け、レースの流れを作って来た。

 ベースは完全にあの娘が握ってる。

 

 でもゴルシのペースなんて握れないし、誰もゴルシのペースを乱せないんだよ。

 だってゴールドシップだもん。

 

「ゴルシー!頑張れー!」

 

「ゴルシちゃーん!」

 

「行け!ゴールドシップ!」

 

「ゴールドシップさーん!」

 

 僕の周りからは、テイオー、マヤノトップガン、焼きそばの香りを漂わせながらオグリ、両手に物を持ってるから食べれてないバクシンオーが居た。

 もう直ぐゴルシが前に来る、僕も大きく息を吸って——。

 

「ゴルシィイイ!」

 

 目一杯叫んだんだ。




 とんでもねぇゲート難だな。

 次回結果発表とetc。

新人トレーナーの妹ウマ娘予測アンケート

  • 1番人気ライスシャワー
  • 2番人気キタサンブラック
  • 同じく2番人気メジロドーベル
  • 大穴カレンチャン
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